転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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PHASE―16 赤き力

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

シンとレイの戦いは、激しさを増していた。

ドラグーンが目まぐるしく飛び交い、デスティニーが掻い潜る。

 

「いい加減にしろ! レイ!」

 

シンがレイに怒鳴る。

 

「お前は議長に心酔しすぎだ! 俺には議長のやっていることが正しいとは思えない!」

 

シンの言葉に、レイはビームを躱しつつ、

 

「ギルは間違ってなどいない……! 間違っているのはお前達だ………!」

 

ビームサーベルで斬りかかる。

シンはデスティニーのビームシールドで受け止めると、

 

「何故だ!? なぜそこまで議長を信じる!?」

 

そう叫んだ。

 

「お前には分かるまい………! 未来なき人間の気持ちなど……!」

 

「ッ!?」

 

レイの言葉にシンは目を見開く。

 

「未来が無い……!? どういうことだ!?」

 

シンが問い返すと、

 

「俺は生まれつきテロメアが短いのさ。俺は…………クローンだからな」

 

何処か自虐を感じさせる声でそう言った。

 

「なっ!?」

 

初めて聞く真実にシンは驚愕の声を漏らした。

レジェンドとデスティニーが弾き合って距離を取る。

 

「そう…………俺は…………『ラウ・ル・クルーゼ』だ………!」

 

「「ッ……!?」」

 

その言葉に、シンだけでなくキラも驚きの表情をした。

 

「君が…………!?」

 

ハイネのデスティニーを相手しながら、キラはかつて戦った強敵を思い出す。

 

「そうだ………! 俺()ラウ・ル・クルーゼだ!」

 

レイの脳裏にはかつてギルバートから、自分もラウだと言われた事を思い出していた。

 

「それが俺の『運命』………!」

 

レイはドラグーンの一斉射撃を放つ。

 

「ぐっ………!」

 

シンはビームシールドで受け止めるものの、その勢いに押される。

 

「逃れられないもの………それが『自分』。そして取り戻せないもの………それが『過去』だ! だからもう終わらせる………これまでの全て………! そしてあるべき正しき姿へと戻るんだ………! 人は………世界は………!」

 

吹き飛ばされたデスティニーに止めを刺さんと、再びドラグーンの一斉射撃を放った。

 

「……………………ッ!」

 

シンは目を見開き、デスティニーの体勢を立て直すと、再びビームシールドで受け止める。

 

「………………ラウ・ル・クルーゼ? そんな奴………知るかよ!」

 

「ッ!?」

 

シンの言葉にレイは驚愕で目を見開く。

 

「逃れられないなら立ち向かえ! 取り戻せないなら前を向いて『未来』を見ろ! 生きることを諦めるな! 最後まで足掻いて見せろ!!」

 

シンは一斉射撃を防ぎきると、

 

「議長に何を言われたか知らないけどな、俺はお前を一度だってラウ・ル・クルーゼだなんて思ったことは無いぞ!!」

 

光の翼を広げてレジェンドに接近。

 

「………………ッ!?」

 

シンの言葉に動揺したレイは、決定的な隙を晒してしまう。

 

「クローンだろうが何だろうが、お前は俺の友達!! 『レイ・ザ・バレル』だっ!」

 

その言葉と共に、右腕の掌をレジェンドの頭部に叩きつけ、パルマフィオキーナで破壊した。

 

「あ………ああ…………」

 

頭部のメインカメラを破壊されたことで、戦闘続行が困難となるレイ。

 

「……………ここまでか」

 

レジェンドが敗北したことで、この戦いの大勢を悟るハイネ。

元々デスティニープランにそこまで執着の無かった彼は、大勢が決した所で投降しようと考えていたのだ。

 

「シン………レイ……………」

 

2人の決着を、何とも言えない表情で見つめるルナマリア。

そしてハイネが、投降するために武装解除しようとした時だった。

突如として、コクピットの側面部分がスライドして、その中からゾンダーメタルが現れた。

 

「何だっ!? こいつは!?」

 

そしてそれは、レジェンドでも同じことが起こり、ゾンダーメタルが現れる。

 

「これはっ……!? ギルッ………!?」

 

レイは驚愕するが、ゾンダーメタルの光に飲み込まれた。

 

「レイッ!? ハイネッ!?」

 

2人の様子にシンが叫ぶ。

その直後、

 

『『ゾンダァァァァァァァァッ!!』』

 

レジェンドとハイネのデスティニーが紫色の光に包まれた。

 

「ま、まさか………………」

 

シンが声を震わせながら驚愕する。

レイとハイネがゾンダーとなり、自分の機体と一体化。

レジェンドとデスティニーの面影を残しながら、何処か生物らしき姿となる。

 

「議長…………いや、ギルバート・デュランダル!! これがアンタのやり方かぁ!!」

 

メサイアに居るであろうギルバートに向かって叫ぶシン。

2人………少なくともレイとは直前まで言葉を交わしていた。

始めからゾンダーであれば、意思疎通など出来るわけがない。

そして、2人が敗北したタイミングでのゾンダー化。

それは即ち、2人の機体にゾンダーメタルを仕込んだ人間が居るという事に他ならない。

 

『ゾンダァァァァァァァァッ!!』

 

『ゾンダァァァァァッ!』

 

ゾンダー化したレジェンドとデスティニーが武装を展開。

先程よりも高威力のビームを乱射する。

 

「くっ………」

 

キラは声を漏らしながらビームを躱す。

だが、シンのデスティニーは動かなかった。

 

「レイは信じてたんだぞ…………アンタを………家族を………! それを………」

 

シンの内に燃える怒り。

それは、親友のレイを利用された事への怒りだった。

そしてそれは、遂に爆発する。

 

「ふざけるなぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

シンの中で『種』が弾けた。

同時にデスティニーにも変化が起こる。

その装甲表面が赤く輝き出し、装甲自体も真紅に染まった。

 

「これはっ……!?」

 

デスティニーの変化にキラが驚愕する。

これは、デスティニーの修復時にジェイとトモロが新たに組み込んだシステム。

予め蓄えておいたJパワーを開放することで、短時間だがゾンダーや原種に取り込まれることを防ぎ、尚且つ出力を大幅にアップさせる。

Jパワーにより増大した光の翼を広げ、赤く染まったアロンダイトを構える。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

シンはゾンダーレジェンドとゾンダーデスティニーに突撃。

2体もデスティニーを撃ち落そうとビームを放つが、そのビームはデスティニーをすり抜けた。

 

『『!?』』

 

2体は何が起こったのか理解できないような仕草をする。

すると、今までそこに居たデスティニーの姿が掻き消えた。

Jパワーにより増大した出力が、今まで一瞬しか生み出せなかった分身を、暫く維持できるようになっていたのだ。

まるで、ゴーストの様に。

そして、本物のデスティニーは、既に2体の頭上に居た。

 

「はぁああああああああああああっ!!」

 

急降下と共にゾンダーレジェンドに斬りかかる。

その一撃は、ゾンダーバリアを紙の如く突き破った。

すり抜けざまに斬りつけたデスティニーは、そのまま一撃離脱をするかと思いきや、跳ね返る様に向きを変え、今度はゾンダーデスティニーに斬りかかった。

 

「うぉおおおおおおおおおっ!!」

 

更にデスティニーは跳ね返るように向きを変え、連続で切り付けていく。

その度に分身をその場に残し、ゾンダーの2体は何機ものデスティニーに斬りつけられているように見えた。

更にデスティニーは、ゾンダーデスティニーに至近距離から高エネルギー長射程ビーム砲の砲身を突き付けると、零距離で発射。

ゾンダーデスティニーを上下真っ二つにする。

 

『ゾンダァァァァァァァァッ!!』

 

その背後からゾンダーレジェンドが襲い掛かるが、振り向きざまに薙ぎ払ったアロンダイトがゾンダーレジェンドを上下真っ二つにした。

そしてデスティニーは、ゾンダー2体の上半身のコクピット部にあったゾンダーメタルに両手を突き出すと、そのままパルマフィオキーナによりゾンダーの身体は爆散。

その両手には、それぞれゾンダー核が残されていた。

そして、

 

「ハルさん! 2人をお願いします!」

 

いつの間にか近くに現れていたジェイアークにそう呼びかけると、ゾンダー核を放り投げる。

するとデスティニーは、背中を向けてメサイアへと向けて飛び立った。

シンの心にあるのはただ一つ。

ギルバートに一言言ってやらねば気が済まない。

それだけだった。

 

 

 








ガンダム種死編第16話です。
デスティニー、実は魔改造されていた?
まあ、まんまトランザムみたいなモンです。
因みにガイアにも同じ機能はあったりします。
まさかのハイネ&レイのゾンダー化。
しかもその理由が2人の機体にゾンダーメタルが仕込まれていたからという………
しかしブチ切れたシンによって瞬殺。
シンはそのままメサイアへ。
さて次回はどうなることやら?
お楽しみに。



P.S 本日の返信はお休みします。


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