転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

40 / 153
第9話 『運命の選択』その2

 

 

 

アキトがナデシコに連絡し、避難民の受け入れを行っていた時、イネスはブリッジに来てメンバーと話をしていた。

 

「すると何ですかな? ナデシコでは木星蜥蜴に勝てないと? そう仰りたいので?」

 

プロスさんがイネスの言葉の要点を纏める。

 

「ええ、その通りよ。ナデシコの基本設計をして地球に送ったのはこの私。だから私にはわかる。この船では木星蜥蜴には勝てない」

 

「お言葉だがレディ。我々は木星蜥蜴との戦闘には、常に勝利している」

 

イネスの言葉にゴートが言い返すが、

 

「楽観的過ぎるわね。艦長さんはどう考えてる?」

 

イネスの視線がユリカに向く。

するとユリカは、

 

「私の意見は、全面的にイネスさんに同意です」

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

ユリカの言葉に、アキト、ジェイ、ルリ以外のメンバーが驚愕する。

 

「艦長! 何言ってるんだよ!?」

 

ガイが、

 

「そうだぜ! 現にオレ達は勝って来ただろ!?」

 

そしてリョーコが口を出す。

 

「確かにナデシコが、現在の木星蜥蜴の無人兵器より優れていることは認めます。ですが、今までは優勢に戦えていましたが、敵もバカでない限り、無人兵器に改良が加えられる可能性があります。何より、戦いの基本は『数』です。敵の無人兵器が、ナデシコに迫る性能を持って、物量で攻めてきたら、1隻しかないナデシコでは勝ち目はないでしょう」

 

ユリカの言葉に静まり返るブリッジ。

 

「艦長は現実が見えているようね? それで艦長の今後のプランは?」

 

「私としては、このコロニーの生き残った人々と、イネスさんを保護したことで、『スキャパレリプロジェクト』の最低限の目的は達したと判断し、火星からの即時撤退を進言します」

 

ユリカはそう発言する。

 

「でも、他に生き残ってる人が居るかもしれないのに…………」

 

メグミがそう言うが、

 

「だからこそ一度地球に帰還するべきだと思うの。軍が火星に救助に来ないのは、既に火星の人々は全滅したと思ってるから。そこに私達が生き残った人達を連れて帰ってきたら、軍は火星に救援を送らざるを得なくなるんじゃないかな? それにナデシコに乗せることが出来るのは精々100人かそこら。ジェイアークもそこまで人を乗せられるわけじゃない。もしそれ以上生き残りが居たら、どちらにしろ置いて行かなきゃいけなくなるし」

 

ユリカは理由を述べる。

 

「なるほど、一度地球に帰還した方が、総合的にはお得かもしれませんなぁ」

 

プロスさんはユリカたちが逆行者という事を聞いているからか、反対意見を述べるような事はしないようだ。

その時、

 

「艦長。避難民の収容が完了しました」

 

ルリがそう報告する。

 

「ナデシコは直ぐに発進を。この場を離れて大気圏を離脱。火星宙域から脱出します!」

 

ユリカはそう指示する。

しかし、

 

「少し遅かったようです」

 

ルリがそう報告し、モニターを開く。

無人艦ヤンマやカトンボの艦隊が接近して来た。

 

「…………グラビティブラスト、フルパワー!」

 

「フルパワーオッケイ!」

 

ユリカの指示に、ミナトが応える。

 

「エネルギーチャージ!」

 

「てぇーーーーーっ!!」

 

ユリカの号令でグラビティブラストが発射される。

黒い閃光に呑まれる無人艦隊。

 

「やったぁ!」

 

メグミが歓喜の声を上げる。

しかし、艦隊はいまだ健在だった。

 

「ええっ!?」

 

歓喜の声が驚愕の声に変わる。

 

「グラビティブラストは既に対応済みの様ですね」

 

ユリカは落ち着いてそう言う。

 

「敵のフィールドも無敵ではない! 連続攻撃だ!」

 

ゴートがそう言うが、

 

「無理です。大気圏内ではグラビティブラストを連射できるほど、相転移エンジンの効率は良くありません!」

 

ユリカはその案を却下する。

その時、チューリップから大量の無人兵器が現れ、ナデシコを包囲し始めた。

すると、ユリカは指揮壇から俺を見下ろし、

 

「…………ジェイさん。協力をお願いできますか?」

 

真剣な表情でそう口にする。

 

「…………いいだろう。ジェイアークで殿を務める」

 

俺はその言葉に頷いた。

 

「ありがとうございます! ナデシコはフィールドを張りつつ後退! 敵の包囲が完成する前に突破します!」

 

ユリカは即座に追加の指示を出す。

俺はジェイアークに向かう前に立ち止まり、

 

「シン。お前はナデシコの退路を切り開け」

 

シンに向かってそう言った。

 

「えっ? 俺!?」

 

シンは意外だったのか驚いた表情になる。

 

「出来ないか?」

 

俺がもう一度聞くと、

 

「まさか……! やってやりますよ!」

 

シンは得意げな笑みを浮かべてそう言った。

 

 

 

 

 

ナデシコは後退を優先するが、ギリギリ包囲網が完成しそうな状況だった。

すると、

 

『シン・アスカ! デスティニー! 行きます!!』

 

シンのデスティニーがナデシコから発進する。

 

『ジェイさんも大概スパルタだよなぁ………けど、俺を信じて任せてくれたんだ! 俺はそれに応えるだけだ!!』

 

シンが気合を入れ直すと、シンの中で『種』が弾ける。

 

『うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!』

 

シンはアロンダイトを抜き、光の翼を発生させてナデシコの退路を切り開くために飛ぶ。

グラビティブラストやレーザーが発射されるが、デスティニーは残像を残しつつ横滑りしながら躱し、掠りもしない。

 

『でやぁああああああああああああっ!!』

 

カトンボにアロンダイトを突き立て、一気に斬り抜ける。

一瞬遅れて爆散するカトンボ。

 

『うぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』

 

シンは直ぐに次のカトンボに近付き、一度急上昇して、急降下と共にアロンダイトを振り下ろす。

半ばほどまで切り裂かれ、真っ二つに折れて沈むカトンボ。

迎撃の為の攻撃が来るが、

 

『そんなもんにぃぃぃぃぃぃっ!!』

 

シンは前後左右あらゆる動きで攻撃を掻い潜った。

 

『はぁあああああああああああっ!!』

 

ヤンマの中央に突撃し、右手を叩きつけ、パルマフィオキーナで粉砕する。

その様子をナデシコのブリッジから見ていた面々は、

 

「アスカの奴………スゲェ…………」

 

リョーコが呆然と呟く。

 

「私達が出たら、挽肉になる所なのに…………」

 

「前に見た時よりも、動きが凄いわ」

 

ヒカルとイズミもそう漏らす。

 

「ナデシコはシン君が開けた包囲の穴を突破します! ミナトさん! 操舵に集中を! ルリちゃんはフィールドの制御をお願い!」

 

ナデシコは順調に後退を始めている。

ならば、俺もやるべきことをやるだけだ。

 

「フュゥゥゥゥゥゥゥジョンッ!!」

 

俺は指揮壇から飛び上がり、ジェイバードへと融合する。

 

「ジェイバード、プラグアウト!」

 

ジェイバードが分離、人型へと変形。

 

「ジェイダー!! プラズマウイング!」

 

そのまま光の翼を展開し、敵の艦隊に突っ込む。

 

「プラズマソード!!」

 

右手からプラズマソードを発生させ、すれ違いざまにカトンボを斬り付ける。

カトンボが爆発する前に次のカトンボを斬り付け、それを繰り返しながら艦隊の間を潜り抜ける。

そして、最初のカトンボが爆発すると、次々に爆発が連鎖し、空中にいくつもの火の玉を作り上げた。

更にジェイキャリアーからの放たれるメーザーミサイルとレーザー砲が、ディストーションフィールドも何のそのとばかりに小型兵器や艦隊を貫いていく。

とはいえ、攻撃を全て防げるわけではないので、艦隊から放たれる砲撃のいくつかはナデシコに被弾しているが。

やがて、ナデシコはそこそこの損傷を出しつつも、包囲を突破することに成功したのだった。

 

 

 





ナデシコ編第9話です。
仕事の所為で執筆時間が少なかったために短いです。
とりあえず包囲脱出まで。
まさかここでデスティニー無双とジェイダー無双が出るとは思うまい。
まあ、後々のネタの為に、ある程度ジェイダーを活躍させときたかったので。
何のネタかはその時をお楽しみに。
それでは次もお楽しみに。

ルリの扱いについて

  • アキトの第二夫人
  • アキトの家族(娘的な)
  • Jアークに乗せたら情報戦でも無敵じゃね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。