転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
【Side 三人称】
何とか木星蜥蜴の包囲網を突破したナデシコ。
しかし、エンジン付近に攻撃を受け、簡単に大気圏離脱とはいかなくなってしまった。
そして今、何をやっているかと言えば、
『『『さん! にー! いち! どっかーん! わ~い! なぜなにナデシコ!!』』』
モニターに映し出されるのは、
『お~い! 皆~! 集まれ~! ナデシコの秘密の時間だよ~!』
ウサギの着ぐるみを着たユリカ。
『集まれ~』
割と真顔でお姉さん役をしているルリ。
そして、
『集まれーー!』
犬耳と尻尾を付けたステラ。
こちらは結構ノリノリだ。
そして始まるナデシコの相転移エンジンの説明。
割と窮地な中でも、こうやっていつものノリで騒げるところも、ナデシコクルーの強さだろう。
因みに犬耳姿のステラにシンが見入っていたのは余談である。
とりあえずナデシコの行き先は火星の北極冠にあるというネルガルの研究所。
その為に先行偵察部隊を出すことになる。
そのメンバーは、ヒカルとイズミのエステバリスの陸戦フレーム。
リョーコの砲戦フレーム。
そして、ステラのガイアだった。
氷原を陸戦フレームが疾走し、遅れて砲戦フレームが追う。
ガイアはMA形態で氷原を駆けていた。
「はぁ~………トロトロ走りやがって………! どうもこの砲戦フレームってのは気に入らねえな」
格闘戦を好むリョーコにとって砲戦フレームは遅く感じてしまうのだろう。
ぶつくさと文句を言っている。
「いいなぁお前ら。いいな~!」
恨めしそうにそう言うと、
「一面の氷………氷はまいった………フフフ………!」
怪しく笑うイズミ。
『で? その研究所って何処だ?』
『地図さっきから照合してるんだけど、研究所なんて極冠に無いよ?』
リョーコとヒカルが通信でそう言ったとき、
「ッ!? 静かに! 何かいる!!」
イズミが突然真面目な顔になって叫んだ。
『だから、いきなりシリアスイズミにチェンジしないで………あぁっ!?』
その変化にヒカルが思わずツッコミを入れたが、直後に悲鳴を上げた。
ヒカルのエステバリスが攻撃を受け、尻もちをついていたのだ。
『むかつき~!』
『何だ!? 敵は何処だイズミ!』
ヒカルとリョーコが叫ぶ。
「見えない………見えてる範囲には居ない………」
イズミが辺りを見回しながらそう言った瞬間、
『下ッ!』
ステラが叫ぶ。
その直後、イズミのエステバリスの足元の氷が砕け、何かが飛び掛かってくる。
不意打ちを受けたイズミは押し倒され、咄嗟に反撃を試みたが、それは即座に氷の下に潜り込んだ。
「リョーコごめん! そっちへ!」
氷の下を移動する影は、一直線にリョーコ機へ向かっていた。
「来る!」
リョーコは襲撃に備えようとしたが、足元が砕け、バランスを崩し、その隙に敵に乗りかかられた。
「うわぁああああああっ!?
それは緑の胴体に6本の赤い脚。
長い尻尾のようなモノを持つ無人兵器だった。
「くそっ……! だから砲戦フレームでは………ッ!?」
悪態をつくリョーコだったが、直後に絶句した。
何故なら、伸し掛かってきた無人兵器の口からドリルが現れ、高速回転させながら顔を近付けてきたのだ。
「お、おい待てよ………! やだ………やだやだ………!」
その恐怖にリョーコは情けない声を漏らす。
「イズミ………ヒカル………!」
助けを求めるように2人の名を呼ぶリョーコ。
その時、
「はぁあああああああああああああっ!!」
MA形態のガイアが体当たりを仕掛け、その体格差で無人兵器を吹き飛ばした。
「リョーコ! 大丈夫!?」
ステラが叫ぶ。
『ステラ!』
リョーコが安堵した表情でステラの名を呼んだ。
すると、ステラは真剣な表情で無人兵器を見据え、
「皆は………私が護る!!」
そう叫んだ。
その時、吹き飛ばされた無人兵器が起き上がり、飛び掛かってきた。
だが、ステラはガイアの背部のウイングを展開。
ウイング前面に装備されたグリフォン2ビームブレイドを展開し、一気に飛び掛かった。
「でやぁああああああああああああああっ!!」
互いに飛び掛かるガイアと無人兵器。
だがその時、無人兵器の口に装備されていたドリルが射出され、ガイアに向かってきた。
『ステラ! 危ねぇっ!』
リョーコが叫ぶが、射出されたドリルはそのままガイアの頭部に吸い込まれ、
「くっ………!」
多少の衝撃と共に装甲に弾かれた。
それも当然だ。
ガイアの装甲はVPS装甲。
エネルギーがある限り物理攻撃をほぼ無効化してしまう装甲だ。
ドリルは当然だが物理攻撃。
弾かれるのは道理だった。
「ッ! はぁああああああああああああああっ!!」
ステラは叫びながらブーストを噴射。
ガイアを加速させ、無防備な無人兵器の胴体をすれ違いざまに切り裂いた。
真っ二つにされ爆散する無人兵器。
着地するガイア。
それを見て、
「サ、サンキューステラ………」
若干唖然となりながらお礼を言うリョーコ。
ステラはそんなリョーコにニッコリと笑いかけるのだった。
偵察隊の活躍により、研究所は発見された。
しかし、その研究所は5機のチューリップに囲まれていたのだ。
「周囲をチューリップ5機か………」
「厳しいですね」
ゴートとジュンがそう言う。
「…………艦長はどうお考えで?」
プロスペクターはユリカに向かって尋ねると、
「…………チューリップに突入することを提案します」
その言葉に、ほとんどのメンバーが驚愕する。
「何言ってるんだよ艦長!?」
ガイが思わず叫び声をあげる。
「今までのチューリップから現れる敵の数を見るに、チューリップは輸送艦ではなく、何らかのワームホールの可能性が高いです。それなら、チューリップに入れば地球に帰還できます」
「けど、チューリップに入って無事でいられる保証なんて………」
メグミが心配そうな声を漏らす。
「ディストーションフィールドがあるから大丈夫です!」
ユリカは自信をもってそう言う。
「何でそんな事が言えるの?」
ミナトがそう言うと、
「敵もディストーションフィールドを持っているからです」
ルリがそう言う。
「そう、同じディストーションフィールドを持つナデシコなら、きっと大丈夫!」
ユリカはそう言う。
すると、
「艦長………本当に大丈夫なのですか?」
プロスペクターが恐る恐ると言った様に尋ねる。
「大丈夫です! 私が言うんですから間違いありません!」
「何でそんな自信満々なの………?」
ジュンががっくりと項垂れる。
だが、プロスペクターは、これがユリカが『前』に経験した事なのだろうと察した。
「……………分かりました。あの状況では研究所にも相転移エンジンの代わりがある可能性は低いでしょう………イチかバチか…………艦長に賭けてみるしかありませんな」
プロスペクターは渋々と言いたげにユリカの案に賛同した。
「ですが、一つだけ問題が…………」
ユリカはそう言いつつ、ナデシコに随伴するジェイアークに視線を向けた。
「ナデシコは無事でも、ジェイアークが大丈夫だという保証は無いのです」
ユリカの言葉に、プロスペクターはハッとなる。
「それは…………」
『こちらの心配なら不要だ』
その時、ジェイから通信が入った。
『ナデシコがチューリップに突入するまでの間、援護に回る。そして、ナデシコがチューリップに突入後、こちらは独自に火星圏を離脱する!』
「大丈夫なんですか?」
ユリカがそう聞くと、
『艦長なら、俺達の心配より、自分の艦の心配をするべきだ』
ジェイの言葉にユリカは一度目を伏せると、
「………分かりました!」
目を開いてハッキリと頷いた。
『ならば急げ。こちらのレーダーでは敵機の接近を感知している』
「ッ! ミナトさん、チューリップへの突入角度を大急ぎで!」
ジェイの言葉に、ユリカはそう指示する。
すると、上空からカトンボの艦隊が降下してくる。
そこへ、
『反中間子砲!!』
ジェイアークの主砲が火を噴き、カトンボを次々と撃ち落していく。
『急げ! 直ぐに後続が来る!』
「分かりました! ご武運を!」
ユリカはジェイに敬礼をして見せる。
『フッ………地球で会おう』
そう言ってモニターが閉じる。
そして、即座にナデシコがチューリップへの突入を試みた。
その後ろにジェイアークが陣取り、ナデシコの盾になりつつ反中間子砲で艦隊を墜としていく。
そしてついに、ナデシコがチューリップ内部に入り切った。
『なでしこ、ちゅーりっぷトツニュウヲカクニン』
「了解した。こちらも脱出する。ESミサイル発射!」
ジェイの号令でESミサイルが発射され、ジェイアーク前方にESウインドウが開く。
「ジェイアーク! ESウインドウに突入!」
『リョウカイ!』
ジェイアークがESウインドウに突入し、その後ESウインドウが閉じる。
目標を見失った無人艦隊は、ただその場に屯するだけだった。
ナデシコ編第10話です。
今回は割と出番の多かったステラです。
何となくなぜなにナデシコに出してみた。
ステラはワンコ属性だと思うのですよ。
そして戦闘面でも活躍です。
ガイアも地上戦なら強いんですよ。
元々無人兵器が物理攻撃が多いのも理由ですけど。
次回は地球へ。
お楽しみに。
ルリの扱いについて
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アキトの第二夫人
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アキトの家族(娘的な)
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Jアークに乗せたら情報戦でも無敵じゃね?