転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第18話 『僕達の戦争』を止める為に

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

九十九が脱走した………というか、ミナト、メグミ、ガイの3人がさせたわけだが、その3人も脱出装置となっているテツジンの頭に乗っている。

よく一人用のコクピットに4人も詰め込めるものだ。

一応、アカツキとリョーコが小型艇で追跡を行ったが、敵の艦隊に出くわしてあえなく戦略的撤退となった。

そしてナデシコは、ナデシコ級四番艦シャクヤクを飛ばすため、ネルガルの月ドックに入港することになる。

 

 

 

同じ頃、木星優人戦艦『ゆめみずき』にたどり着いた九十九とガイ、ミナト、メグミであったが、当然ながら、ナデシコの3人は捕虜として捕まる。

3人もそれは覚悟していたので大人しく捕まったが、その扱いには差があった。

ガイはこれぞ独房という感じの部屋に放り込まれることになった。

ただ、九十九が手荒な真似はしないよう命令していたので、暴力などは振るわれていない。

一方、女性であるミナトとメグミだが、凄まじい接待を受けていた。

部屋こそ狭く、出入り口にカギは掛けられているが、畳張りで生け花や花瓶が飾られ、豪華な料理まで出されている。

捕虜なのにこの扱いは如何なのかと、ミナトやメグミ自身困惑していた。

その理由が、木連の男性達は『女性は慈しむべきもの』という教育を施されており、敵でもそれは変わらないという。

その後、2人とガイは艦内を案内されることとなり、ゲキガンガーが木連では聖典となっていることを知る。

艦内で働く無数の無人機、そして、人間の兵士を見て、メグミは思わずこう問いかけてしまった。

 

「どうして、あなた達みたいな人が、あんな酷い事を!?」

 

メグミには、自分たちに良くしてくれる九十九達が火星や地球の人々を虐殺した事が、どうしても信じられなかった。

 

「酷いのはお前達だ!!」

 

答えたのは九十九では無かった。

4人が振り返ると、部屋の入り口に仁王立ちする長髪の男性が居た。

 

「元一郎! 無事だったのか!?」

 

九十九が思わず叫んだ。

 

「いやぁ、慌てたぜ。いきなり月軌道上に飛ばされたときにはよ」

 

九十九の言葉にそう返す元一郎と呼ばれた男。

 

「あなた達が、最初に火星にチューリップを落としたんでしょ?」

 

ミナトが問いかけると、

 

「チューリップ?」

 

「次元跳躍門のことだ」

 

元一郎のなんだそりゃと言いたげな言葉に、九十九が説明する。

 

「だったらそう言え! 変な言葉使うなべらぼーめ!」

 

変な所でキレる元一郎。

 

「変なのはあんただ、あんた」

 

ミナトがそう返す。

 

「2年前、我々が火星に侵攻したのは、あなた方が木星を狙ったからです」

 

「ッ!? 私達が?」

 

九十九の言葉に、ミナトは思わずキョトンとした。

そこから説明されるのは、木連の成り立ち。

月の独立運動から始まり、連合軍の策略で独立派が追放。

火星に移住したが、連合軍は更に核を撃ち込み、生き残りは木星圏へと逃れた。

そこで発見した古代人が遺した工場プラント。

それを元に、独自の国家を作り上げた。

そして、100年にわたり、復讐の機会を伺っていたという。

 

 

同じ頃、ナデシコクルーもエリナがムネタケに話をする所を艦内放送で流されて真実を知ることになる。

 

 

そしてナデシコと、新型の、相転移エンジン搭載艦であるシャクヤクを目標とした軍事作戦が開始される。

月の大地を掘削し、質量弾を無尽蔵に作り出す無限砲と、元一郎の操るダイマジンがボソンジャンプで月のコロニーのフィールド発生装置を破壊していく。

その影響で地下ドックが崩落。

シャクヤクが落盤によって圧し潰され、オシャカとなった。

その為、ユリカはシャクヤクに取り付けるはずだったYユニットを急遽ナデシコに取り付けることを指示。

エネルギー伝導系はまるで違うが、ウリバタケは作業を開始した。

その間、ナデシコは無防備になってしまう。

だが、元一郎の操るダイマジンのコクピットに警報が鳴り響く。

 

「何っ!?」

 

その瞬間、ダイマジンに向かって回転する何かが迫ってきた。

ダイマジンはフィールドを張って防御しようとしたが、それは物理攻撃に入るもので、フィールドを突き破ってダイマジンの装甲に傷をつけた。

回転するそれが戻っていくと、それをデスティニーが片手でキャッチする。

更に、その隣にはブラックサレナの姿もある。

 

「悪の人型戦闘機か!」

 

元一郎が叫ぶ。

 

「こいつ! この前よりも大型!」

 

シンは地上で出てきたマジンよりも更に大きなダイマジンを見て声を上げる。

 

「行くぞダイマジン! ゲキガンビーム!!」

 

ダイマジンの口にあたる部分からビームが放たれる。

2機は飛びのいて躱すと、

 

「当てる!」

 

ブラックサレナがハンドカノンで攻撃。

装甲の厚いダイマジンに対しては効果は薄いが気は引ける。

 

「おのれ! ゲキガンパーンチ!!」

 

元一朗はダイマジンの右腕を向けると、ロケットパンチとして発射する。

だが、次の瞬間発射された腕が緑の閃光に貫かれ、爆散する。

 

「何ィ!?」

 

驚愕の声を上げる元一朗。

見れば、デスティニーがビームライフルを構えていた。

その隙に、ブラックサレナがディストーションアタックを仕掛けた。

胸部に向かって体当たりをするブラックサレナ。

フィールドを張って耐えるダイマジン。

 

「このダイマジンに真っ向勝負を挑むとは見上げた心意気! だが!」

 

元一朗が叫びながら機体の出力を上げる。

機体サイズ差もあるが、MSよりも2周り程大型のダイマジンは相応の出力がある。

いくらブラックサレナでも、真っ向勝負は分が悪かった。

しかし、そんな事はアキトも百も承知。

真の狙いは…………

 

「ッ!? 何ィッ!?」

 

突如としてダイマジンの右足が切り落とされ、大きくバランスを崩す。

そこには、MA形態のガイアがウイングのビームソードを展開して駆け抜けた所だった。

そして、片足ではブラックサレナを受け止めることが出来ず、そのまま仰向けに押し倒されるダイマジン。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!?!?」

 

叫び声をあげる元一朗だったが、

 

「おのれ………まだ伏兵が居たとは………」

 

一応無事の様だ。

その時、

 

『待って!』

 

『話を聞いて頂戴!』

 

『ストップだお前ら!』

 

メグミ、ミナト、ガイが通信で呼び掛けてきた。

直ぐ近くに九十九が操るダイテツジンが降り立つ。

 

『この人の名誉の為に言っておきます。私達は人質じゃない!』

 

『みんな騙されてたんですよ! この人達は………!』

 

『こいつらは俺達と同じ人間なんだ!!』

 

3人はそう叫ぶ。

 

「……………その事なら知っている」

 

『『『ッ!?』』』

 

アキトの言葉に3人は目を見開いた。

 

「確かに木連の人達には、同情できる部分もあるだろう。だが、彼らはやり方を間違えたんだ」

 

アキトはそう続ける。

 

『何を間違えたっていうんだ!? 明らかに酷いのは地球軍だろ!?』

 

ガイがそう言い返したが、

 

「真実を隠し続け、何も説明しなかった地球連合軍も確かに悪い。だが、木連が送り込んだ無人兵器が、一体どれだけの火星と地球の何も知らない人達を殺してきたと思ってる?」

 

『それは………』

 

「無人兵器は容赦が無いんだ。兵士も、一般人も、女も、子供も関係ない。プログラムされた通りに殺すだけだ」

 

「ッ………!」

 

アキトの言葉に九十九は目を見開く。

 

「木連は連合とは関係のない人々を殺し過ぎた。その憎しみの火は、簡単に消えることは無いだろう」

 

『……………けど! だからこそ俺達が手を取り合わなきゃいけないんだろうが!!』

 

アキトの言葉に黙り込もうとしたガイは、吹っ切る様にそう叫んだ。

 

「…………………………ああ、その通りだ」

 

アキトはガイの言葉に口元に笑みを浮かべ、肯定した。

 

『アキト………?』

 

ガイは怪訝な声を漏らす。

だがその時、上空より紫の流星が落下して来た。

 

「あれはっ!?」

 

シンが叫ぶ。

その流星は倒れていたダイマジンに直撃。

 

「元一朗!?」

 

それを目撃した九十九が思わず叫んだ。

そして、

 

『ゾンダァァァァァッ!!』

 

ゾンダーとなったダイマジンが立ち上がる。

 

「元一朗!? どうしたんだ元一朗!?」

 

呼び掛ける九十九。

 

「ッ………ゾンダーか!」

 

アキトが冷や汗を流しながら口にする。

 

『ゾンダァァァァァッ!!!』

 

ゾンダーダイマジンがグラビティブラストを無差別に発射。

月基地だけでなく、ダイテツジンの近くにも被害が出る。

 

「何をしている元一朗!?」

 

九十九は咄嗟にゾンダーダイマジンを止める為に近付こうとした。

その時、

 

『待ってください!』

 

ダイテツジンの足元の地面が割れ砕け、Yユニットを装備したナデシコが浮上して来た。

咄嗟に飛び去ろうとするダイテツジンだったが、ナデシコの強化されたディストーションフィールドに阻まれ、内部に閉じ込められる。

 

「くっ! 閉じ込められた!?」

 

九十九が叫ぶと、

 

『落ち着いてください! 今、あなたの仲間はゾンダーと呼ばれる存在に取り込まれてしまっています』

 

「ゾンダー?」

 

ユリカの言葉に、九十九は首を傾げる。

 

『ゾンダーとは人類の………いいえ、全生命体の『敵』です!』

 

「敵………? いや、しかし………」

 

『一先ず、あれは専門業者に任せましょう!』

 

ユリカがそう言うと、

 

『専門業者と言う訳では無いのだがな』

 

ジェイアークがこの空域に侵入して来た。

 

「あれは、相転移炉式戦艦と共に居る、白い戦艦………」

 

九十九が呟くと、

 

『フュゥゥゥゥゥゥジョン!! ジェイバード、プラグアウト!』

 

ジェイアークからジェイバードが分離。

ジェイバードが変形を始め、人型となる。

 

「ジェイダー!! プラズマウイング!!」

 

赤い光の翼を展開した、ジェイダーとなった。

 

「……………………」

 

その姿を見て、一瞬黙り込む九十九。

そして、

 

「な、何だあのカッコいいロボットはぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

 

目を輝かせて叫んだ。

その視線の先で、

 

「ダブルプラズマソード!!」

 

ジェイダーが両手にプラズマソードを発生させ、ゾンダーダイマジンに接近する。

 

『ゾンダァァァァァッ!!』

 

ゾンダーダイマジンは両手を突き出し、両腕のロケットパンチを放ってきた。

しかし、

 

「はっ! せいっ!」

 

左の横薙ぎで右腕のロケットパンチを横真っ二つに、右の振り下ろしで左腕のロケットパンチを縦真っ二つにして破壊する。

更にゾンダーダイマジンは胸からグラビティブラストを放つが、既にその場にジェイダーは居なかった。

ジェイダーはゾンダーダイマジンの真上を取っており、両のプラズマソードを合わせて振り上げていた。

 

「はぁあああああああああああっ!!」

 

急降下と共にプラズマソードを振り下ろす。

 

『ゾンダァァァァァッ!?』

 

ゾンダーダイマジンは、真っ二つになった直後に爆散した。

 

「げ、元一朗~~~~~~っ!?!?」

 

ゾンダーダイマジンが爆散する所を見て、思わず叫ぶ九十九。

しかし、

 

『大丈夫です!』

 

ユリカが通信でそう言うと、ジェイダーの手には、ゾンダー核が確保されていた。

ジェイダーは、ダイテツジンに向き直ると右手に持ったゾンダー核を見えるように突き出し、胸の艦橋部分から浄解モードのハルが飛び出してくる。

そして、ゾンダー核の前まで来ると、

 

「テンペルム…………ムンドゥース………インフィニ………トゥーム………レディーレ!!」

 

言霊を唱え、ゾンダー核を浄解する。

ゾンダー核が変化していき、

 

「ありがとう………ありがとう………」

 

涙を流しながら感謝する元一朗の姿があった。

因みに元一朗は生身でここは真空の月面だが、ハルの力の効果範囲内であれば、生存は可能である。

 

「元一朗!」

 

元一郎の姿を見てホッとする九十九。

 

「さて、白鳥 九十九。捕虜の交換といこうか」

 

元一郎の姿を見せながら、ジェイダーはそう言った。

 

「…………………」

 

「白鳥さん…………」

 

ミナトが彼を見て呟く。

九十九は軽く息を吐き、

 

「答えは決まっている。捕虜の交換を受け入れよう」

 

九十九はそう言った。

そして、ミナトを見つめると、

 

「お別れです、ミナトさん」

 

「白鳥さん…………」

 

ミナトは後ろ髪を引かれながらもダイテツジンを降り、代わりに元一郎を受け取った。

そして、ボソンジャンプで撤退した。

 

 

 

 

 

 

 






ナデシコ編第18話です。
ダイマジン3機がかりでフルボッコな回でした。
あんまり変える所も無かったんでついでにゾンダー突っ込みました。
次回はムネタケ爆死な回ですが果たして………?

ルリの扱いについて

  • アキトの第二夫人
  • アキトの家族(娘的な)
  • Jアークに乗せたら情報戦でも無敵じゃね?
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