転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
ある日、ナデシコの通路の壁にあるポスターが貼り出された。
それは、『ナデシコの一番星は君だ!』というタイトル。
要はナデシコ内でのミスコンである。
「そう言えばあったね~、こんなイベント………」
ユリカが思い出したと言わんばかりにそう言う。
以前のユリカなら、納得がいかずにポスターを剥がして回っていたが、今回は冷静だ。
「ルリちゃんは今回も出る?」
ルリは、『前』のイベントでは、飛び入り参加の上で1位を取ったのだ。
「どうしましょう? 以前は辞退してユリカさんがジャンケンで勝ち抜いたうえで艦長続投となりましたけど………今回も勝てるとは限りませんし………」
「まあ、ナデシコの皆なら、誰が艦長になっても悪い事にはならないよ。ムネタケ少将も真人間になっちゃったし」
ユリカの言葉通り、ゾンダーから浄解されてからのムネタケは、度々起こる無人兵器との戦闘では、手柄度外視の名采配を見せるようになっている。
これにはユリカも呆気に取られていた。
それはともかく、ユリカもルリも出場することにしたらしい。
それを聞いたハルが、思いついたように笑みを浮かべていた事に、俺は気付かなかった。
そしてついに始まるコンテスト。
俺はその様子を、ジェイアークの艦橋に映し出されるモニターで見ていた。
因みにシンとアキトの男3人で見ていたりする。
「…………そう言えば、ハルとステラは如何したんだ? こういうイベントは好きそうだが………」
俺がシンに聞くと、
「さあ……? 何か楽しみにしている様子はありましたから、どこかで見てるとは思いますけど………」
そう答えるシン。
そんな俺達を他所に、コンテストは進んでいく。
ナデシコの代表的な女性クルーは大体出ているようだ。
ヒカルから始まり、メグミ、ミナト、イズミやホウメイガールズ。
やはりリョーコは見送ったようだが。
そしてユリカの番になり、歌を歌い始める。
題名は『私らしく』。
その歌を聞いていると、
「ユリカさん………歌上手いっすね………」
シンが意外そうにそう呟いた。
「あいつはああ見えて優秀だからな。結構何でもそそつなくこなすんだ…………料理以外は」
アキトはユリカを自慢するようにそう言うが、最後に付け足した言葉の所で明後日の方向を向く。
そう言えばアキトは、とんでもない料理を食わされてたっけか。
すると、次はルリが出てくる。
「今回のルリちゃんは普通に出場したんだな………」
アキトはそれを見てそう呟く。
ルリも歌を歌う。
題名は『あなたの一番になりたい』。
「ルリも上手いな………歌手でも十分やっていけるんじゃないか?」
俺はそう思ったことを口にする。
「それもありますけど、なんか、ルリの舞台演出が他の人に比べて豪華じゃないっすかね?」
「オモイカネの依怙贔屓だろう」
シンとアキトがそう言った。
その証拠に、【舞台効果 オモイカネ】の説明書きが。
ルリがスモークに包まれ、次に現れた時は水着姿になる。
それは、ルリにしては少し過激と言える露出の多いビキニ姿だった。
「ルリちゃんがあんな格好するなんて………!?」
アキトも驚いた声を漏らす。
まあ、今のルリの年齢は16歳……もう17になったのかもしれないが、あまりスタイルは良い方でなくとも、その外見には確かな女性らしさを感じさせる。
やがてルリの歌が終わり、会場は大盛り上がりだ。
そして遂に審査に行く、と思った瞬間、そのモニターに割り込みが掛かった。
すると、真っ暗な画面が映ったかと思うと、スポットライトで画面中央が照らされた瞬間、
『『僕たちは~♪ 迷いながら~♪ 辿り着く場所を探し続け~♪ 悲しくて~♪ 涙流しても~♪ いつか輝きに変えて~♪』』
そこに映ったハルとステラが歌い出した。
「「ぶっ!?」」
俺とシンが同時に吹き出す。
「な、何やってんだあの2人!?」
俺は思わずシンに確認を取る様に顔を向ける。
シンはブンブンと首を振り、
「俺だって知りませんよ! 初めて知りました!」
シンも何も聞いて無いらしい。
『閉ざした過去が今 胸を揺さぶるから 求めるほど遠く 置き去りの心 僕らは生きるほど 何かを失って それでも明日への夢を捨てたくない♪』
ハルが最初に歌い出し、
『悲しみの理由でさえも~ 強く抱きしめていたい~ 通り過ぎた季節のその先に~ 何があるのだろう~♪』
そしてステラが悲し気な歌詞の所を歌う。
そして、リズムに合わせて派手な画面効果と共に2人の衣服が水着に変わる。
因みに、【舞台効果 トモロEX】の文字が見えた。
『『僕たちは~♪ 迷いながら~♪ 辿り着く場所を探し続け~♪ 悲しくて~♪ 涙流しても~♪ いつか輝きに変えて~♪ ‘Cause I’m Never Gonna Stop Steakin’My Dream♪』』
サビを2人で歌い切る。
飛び入りの2人に会場はさらに盛り上がっていた。
「いや、まあ………お見事でした………」
俺は思わずそう零す。
「ステラも、輝いてたな………」
シンも呆然とそう言った。
因みに、こうやって和気藹々と話している俺達だが、現在進行形で木連のボソンジャンプによるミサイル攻撃が続いていたが、ジェイアークによって全て迎撃していたため、ナデシコには何の被害も無く、むしろ気付いていないようだった。
結局なんやかんやで艦長はユリカが続投となり、今回のコンテストは幕を閉じることとなる。
はい、ナデシコ編第21話です。
今回はミスコンの話でしたが、まあ、やはりハルとステラの飛び入り参加という事になりました。
選曲は、自分の感性で2人が歌っても違和感少なそうなモノを独断で選びました。
振り付けと水着姿は各々脳内で再生してください。
P.S 時間無いので今日の返信もお休みです。3回連続返信スルー………申し訳ない。
母艦をどうするか?
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