転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
ナデシコが地球を脱出して暫く進んでいると、目の前にテツジンとマジンがジャンプアウトして来た。
「こちらは木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体突撃宇宙優人部隊少佐、白鳥 九十九。到着いたしました!」
そのテツジンに乗っていたのは九十九。
九十九は、和平の大使としてナデシコにやってきたのだ。
「そして、同じく月臣 元一郎。受け入れていただき感謝する」
更には元一朗も同行していた。
「お、お疲れ様です………」
格納庫で出迎えたユリカ達だったが、元一朗が居ることは予想外だったのか唖然としている。
「どうして月臣まで………?」
同じく出迎えたアキトが怪訝な声を漏らす。
「元一朗は、私と同じく地球との和平に賛同してくれる同士です!」
「ッ!?」
その言葉に、アキトはさらに驚愕した。
何故なら、元一朗は『前』の世界では、九十九を撃った張本人だからだ。
アキトとしては、『師』という側面もあるが、この時間の元一朗は、注意すべき人物だと考えていた。
しかし、目の前の元一朗は、九十九と仲違いしているようには見えない。
本気で地球との和平を望んでいるように思える。
「ほんっと元一朗さんも変わったよね? 前はあれだけ地球人は悪だ~、って言ってたのにさ。何か変な物でも食べたんじゃないの?」
ユキナがそんな言葉を漏らした。
「ユキナよ。そんなことは無い。私は目が覚めただけなのだ。今は友を応援する1人の男さ」
まるで頑張れよと言わんばかりに九十九の肩に手を置く元一朗。
「げ、元一朗……!? わ、私は地球との和平の為にここに来ただけで………!」
九十九はそう言うが、その際に一緒に来ていたミナトと目が合い、
「ッ!?」
狼狽えながら顔を赤くした。
それを微笑ましく見つめるミナト。
「…………もしかして、ゾンダーから浄解した影響か?」
俺は元一朗を見てそう思った。
元一朗は以前、ゾンダーになってゾンダー核から浄解したことがあった。
ストレスや負の感情が消えてしまったため、今の様になってしまったのではないかと推測する。
まさか、こんなところに影響が出るとは…………
すると、
「よう! 兄弟! 久しぶりだな!!」
「ガイ! 元気そうで何よりだ!」
ガイが気軽に呼びかけながら歩み寄り、九十九も嬉しそうに近付いていくと、ガッチリと握手した。
そして、
「君に、ぜひ見てもらいたいものがあるんだ!」
そう言って取り出したのは、1本のビデオテープ。
何でこの時代にビデオテープと言いたいが、それに掛かれている題名が、『ゲキガンガー3 特別編集版 熱闘編!!』であった。
ウリバタケがコレクションから引っ張り出してきたビデオデッキを使い、食堂で鑑賞会が行われる。
それは、ナデシコクルー達には受けが良かった。
因みに、
「わぁ~! 面白かったね! シン!」
「そうだね。これぞ正義のヒーローってヤツだよ!」
ステラとシン。
更には、
「凄い凄い! 面白いものがいっぱいあるね! ジェイ!」
ハルまでがゲキガンガーの面白さに嵌ったようだ。
因みに俺は、どうしても前世のアニメのパチモン感がぬぐえなかった。
いや、ストーリーは悪くないとは思うんだが………
因みにこの鑑賞会をきっかけにナデシコ内でゲキガンガーブームが巻き起こり、『ゲキガンガー祭り』まで行われたりする。
まあ、楽しめるのは結構な事だ。
【Side 三人称】
その最中、木連側から和平会談の話が来て、ユリカもそれを了承。
九十九、元一朗の案内で、木連の戦艦に向かい、ユリカ、アキト、ミナト、ゴートが会談に臨むこととなった。
木連側からは草壁中将を中心としたメンバーだった。
しかし、草壁中将は木連では和平反対派であり、どうにもきな臭さが拭えなかった。
そして始まる和平会談。
しかし、木連側から提出されたのは和平とは名ばかりの降伏勧告。
これには九十九と元一朗も猛反発。
条件の再考を申し出た。
理由を語る九十九。
「正義は……正義は一つの筈です!!」
九十九はそう叫んだ。
それに対し草壁は、
「そうだ! 君の言う通り、正義は一つだ!!」
その言葉を合図としたかのように、一発の銃声が鳴り響いた。
「「「「「ッ!?」」」」」
眼を見開くアキト達。
倒れていく九十九。
広がっていく血溜まり。
「白鳥さん!?」
最初に叫んだのはミナト。
「九十九!?」
次いで駆け寄る元一朗。
「草壁中将!? どういうおつもりですか!?」
即座に問いかけるが、
「悪の帝国は正義によって滅ぼされる。それがゲキガンガーの結末でもある。悪の帝国は滅んで当然! それがあの作品に貫かれていたテーマだ! つまり、我々を弾圧し、木星に追いやった地球は、滅んで当然! 正義は常にたった1つ! 我々の側にある!!」
そう言い放つ草壁中将。
しかし、アキトは目の前の草壁中将よりも、背後にある襖の裏側に注意していた。
今回九十九を撃ったのは月臣ではない。
ならば、今回九十九を撃ったのは誰だと警戒していたのだ。
そして、
「そこに居る奴………何者だ?」
アキトはそう呼びかける。
すると、襖の裏に居た気配が立ち上がり、襖の横から姿を見せ、
「ッ!?」
アキトは目を見開いた。
それは、
かつて自分を誘拐した実行犯。
自分が復讐者となった切っ掛けとなった男。
「貴様……………北辰!!」
アキトが叫んだ。
現れた北辰の視線がアキトを向くと、口元がつり上がり、
「久しいな、復讐人よ…………」
アキトを知っている口振りでそう言った。
「俺を知っているのか?」
「然り。貴様も我を知っているだろう?」
「まさか………貴様も『時』を!?」
「数奇な運命に感謝しよう。こうして再び宿敵と相まみえることを…………!」
「北辰………!」
目の前にいる北辰が、自分と同じ世界から来たであろう北辰である事を確信する。
「そんな事どうだっていい!!」
その時、ミナトが叫んだ。
「助けて! 白鳥さんを助けてよ!!」
泣きながらミナトは叫ぶ。
しかし、武装した兵士が雪崩れ込んできてアキト達は囲まれてしまう。
「さて復讐人よ………ここから如何する?」
北辰がニヤリと笑うと、
「北辰………貴様こそ勘違いしている。こうなると分かっていた俺が、何も対策をしてこないわけが無いだろう?」
アキトもニヤリと笑みを返した。
すると、
「ジェイ! 頼む!」
アキトが天井に向かって叫ぶ。
その直後、天井に幾度か閃光が走ると、天井が切り裂かれてジェイとハルが飛び込んできた。
そして、
「「はぁあああああああああっ!!」」
ジェイは光剣で。
ハルはサイコキネシスで周りの兵士を吹き飛ばした。
「ッ!?」
北辰は目を見開いて驚きつつも、即座に退避して無事だった。
「援護する! 脱出を急げ!!」
ジェイが叫ぶと、全員が動き出す。
九十九は元一朗が背負い、アキトとゴートは兵士から銃を奪って応戦する。
「早く! 急げ!」
アキトがそう言うと、
「復讐人よ………この我を前に逃げ出すか………?」
北辰がまるで挑発するようにそう言う。
しかし、
「…………今はお前と遊んでいる暇はない」
アキトはそう言って脱出を優先した。
「ッ…………」
北辰は、その行動がまるで気に食わないとばかりに目を細めた。
戦艦の外ではエステバリス隊が無人兵器と戦闘を開始していた。
しかし、パイロットたちはあまり慌ててはいなかった。
「やっぱり和平交渉は破談になっちゃったみたいだね~」
「アキトさんや艦長達の記憶の通りね………」
ヒカルとイズミがそう呟く。
すると、戦艦の一部が爆発し、ブラックサレナと小型艇が飛び出してくる。
「アキト達だ!」
ガイが叫ぶ。
エステバリス隊は即座に援護に入りつつ後退する。
小型艇がナデシコに収容されると、九十九が意識を取り戻した。
「うっ………私は………」
「九十九! 気が付いたか!?」
「白鳥さん!?」
九十九に呼び掛ける元一朗とミナト。
「そうか………私は撃たれたのか………」
そう判断する九十九。
すると、九十九が身を起こした。
「お、おい九十九!?」
「白鳥さん!? 動いたら………!」
2人が止めようとしたが、
「ッ………! 大丈夫です………」
痛みを堪える仕草をしながら、上着をまくり上げた。
そこには、明らかにシャツとは違う厚手のジャケット。
防弾チョッキだった。
そして、上着に広がっている赤いシミは、
「これは………血糊か!?」
元一朗が正体に気付く。
すると、
「ご無事で何よりです! 白鳥さん!」
ユリカが明るい声でそう言った。
「ええ………お陰で命拾いしました………」
九十九は苦笑いしながらそう言う。
「どういうこと!? 艦長!?」
ミナトが泣きそうな顔で問いかけると、
「会談に赴く前に、艦長さんとアキトさんに、半ば無理矢理着せられたんだ。私としては、和平会談の場に、こんなものは無粋だと言ったのだが、私は木連と地球の和平の為には絶対に死んではいけない人間だと………それと、もし私が死ねば、悲しむ者が居るという事も言われました………」
九十九はそう言いながらミナトを見る。
「結果的に、そのお陰で助かったんです。あなたの泣き顔を見るだけで、こんなに心が痛むのに、もし私が死んでしまっていたらと思うと、ゾッとします」
「白鳥さん………」
ミナトはホッとしたように息を吐いた。
「ッ!?」
九十九は再び痛みを堪える仕草をする。
「白鳥さん!?」
ミナトは心配するが、
「あ、命は別状は無いにしても、肋骨位は折れてるかもしれないので、ちゃんと検査受けてくださいね?」
そんな九十九に、ユリカは笑ってそう言うのだった。
ナデシコ編第24話です。
はい、まさか九十九だけでなく元一朗まで和平の使者としてくるとは思ってなかったでしょう?
そんで案の定九十九は撃たれて、撃ったのは何と北辰。
この北辰は、九十九よりアキトを狙いそうだと言われるかもしれませんが、その辺はご都合主義で。
撃たれた九十九ですが、もちろんアキト達がそんな事は許しませんとばかりに防弾チョッキ完備。
この話を書くために、アニメのこの話を見直していて気付いたこと。
アキトと2人で話しているときに、『私はゲキ祭が終わったらある人に求婚するんだ』というセリフがありました。
初見ではあまり気にしていませんでしたが、よく考えたら、がっつり死亡フラグ立ててたよこの人!ってなりました。
とにかく次回からまたバトル編となります。
お楽しみに。
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