転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
ルリを原種から助け出した後、木連の本隊が到着したため、俺は目の前でボソンジャンプの中枢ユニットをESウインドウに放り込んだ。
これによって木連は極冠遺跡を占拠する理由がなくなり、また、遅れてやってきた地球連合軍とも無理に争う理由が無くなってしまった。
そして、九十九が生きていた事により、草壁中将の非道が明らかになり、徹底抗戦派の支持率が急速に低下する事となった。
それにより、九十九を始めとした和平を望む穏健派が影響力を高め、九十九とミナトの婚約もその勢いに拍車をかけた。
そして、地球連合軍も到着するが、肝心の遺跡は宇宙の彼方。
俺はこの辺りはよく知らないが、『前』はどうやら、ナデシコクルーが中枢ユニットをボソンジャンプで飛ばしてしまった責任を取らされ、3カ月ほど抑留されていたそうだ。
しかし、今回はアカツキが協力者だった上に、肝心の中枢ユニットを放棄した張本人は俺であり、ムネタケの口添えもあった為に、ナデシコクルーに責任が及ぶことは無かった。
まあ俺に対し文句を言いたげな将校も居たが、状況証拠の為のキングジェイダーの戦闘データを見せてやったら揃って口を閉ざしたが。
そう言う訳で木星と地球との間の和平会談も再開され、大分順調に進んでいるようだ。
俺達は、その行く末を見届けることは出来ないようだがな。
その理由は、ジェイアークのすぐ近くに開いた別の世界へと通じる次元ゲート。
その為、カキツバタに居るナデシコクルー達に別れの挨拶をするために訪れていた。
「ルリちゃん………ホントに行っちゃうの?」
ユリカが泣きそうな表情でルリを見つめながらそう言う。
これが今生の別れになるであろうと聞いて、寂しいのだろう。
「はい。もう決めた事ですから………」
ルリもほんの少し寂しそうな表情を見せるが、決意は変わらないようだ。
俺の前にはアキトが居る。
「ジェイ………改めて言うが、俺を助けてくれてありがとう………お前が居なかったら、今の俺は無かった」
アキトは手を差し出しながらそう言う。
俺もその手を握り返し、
「偶然が折り重なった結果だが………感謝は受け取っておこう」
そう答える。
「それと………ルリちゃんを頼むぞ…………ほんの少しだが、家族として暮らしていたんだ。泣かせたら許さないからな………!」
静かに………
だが本気の感情でアキトはそう言う。
「約束しよう」
俺の答えに、アキトは満足げに頷いた。
ハルはブリッジクルーの面々に。
シンも世話になったウリバタケを始めとした整備班の人達に。
ステラは食堂のホウメイさんやホウメイガールズの面々に別れの挨拶をしている。
「さて、そろそろ行かなければな…………」
ゲートの様子を見て、その大きさが徐々に広がっているのが確認できる。
やはり、俺達………正確には、俺とハルとジェイアークを世界から排除しなければ次元ゲートは閉じないようだ。
それぞれに別れの言葉を告げ、俺達はジェイアークへと移動した。
デスティニーとガイアもジェイアークの甲板の上に移動させてある。
俺は指揮壇の上に立ち、ハルは指揮壇正面にある玉座に。
ルリは以前増設した専用の席に着き、シンとステラは並び立つ。
「ジェイアーク発進! 次元ゲートに突入せよ!」
俺が号令を掛けると、
『リョウカイ!』
トモロが答え、
【出発進行!!】
オモイカネのモニターが映る。
ジェイアークのメインスラスターが火を噴き、ジェイアークが次元ゲートに向かっていく。
その時、
「アキトさん………ユリカさん………それにナデシコの皆さん…………さよなら………」
ルリが通信でカキツバタに居る皆に最後の別れの言葉を紡いだ。
その瞳から、一筋の涙が零れる。
それと同時に、ジェイアークが次元ゲートに突入した。
「………………………大丈夫か?」
俺はルリに声を掛ける。
「………はい。もちろん寂しさはありますが、後悔はありません」
「そうか………」
ルリの言葉に、俺は強いなと感じた。
「さて、以前も言ったが次の世界がどのような世界かは分からない。次元ゲートを出た直後に戦闘という可能性もある。全員、気を引き締めろ!」
「「「『了解!』」」」
【警戒厳に】
それぞれが答え、ジェイアークの行く先に光が見えた。
【Side ??】
おじさんが死んだ。
別に血の繋がりがあるわけじゃない。
1人暮らしを始めたアパートの部屋の隣に住んでたおじさんだ。
私は昔から、ゲームやアニメが大好きだった。
いわゆるオタクと呼ばれる類の人間だ。
だけど、私の家族はそれをよく思っていなかった。
実家では、自由にテレビも見れなかったし、ゲームをするにも時間制限まである始末。
そのゲームもめったに新しいソフトなんて買ってもらえなかった。
精々お年玉で年に1本か2本が精々だ。
そんな実家での生活に私は内心飽き飽きしていた。
そんな私に転機が訪れたのは、高校生になり、1人暮らしを始めた時だった。
1人暮らしを始めて実家の制限から解放された私は、その反動で今まで以上にアニメやゲームにはまり込んだ。
とはいえ、学業を疎かにしてたわけじゃない。
最低限の勉強と、お金を稼ぐためのアルバイト。
朝昼晩の食事と掃除と睡眠。
それ以外の余った時間をアニメやゲームにつぎ込んでいただけ。
偶に夜更かしすることはあったけど。
そんな一人暮らしを始めたアパートの隣の部屋に住んでいたのは、私と大分年の離れたおじさんだ。
いつも疲れた表情をしているあまりパッとしないおじさん。
引っ越したばかりの時は、朝に会った時に挨拶を交わす程度の顔見知り。
だけど、ある日アニメのDVDを買った帰り、丁度同じく帰っていたおじさんとぶつかり、アニメのDVDが散乱してしまった。
私は、おじさんにオタク系の人間だとバレてしまい、実家の家族から向けられるような視線を受けると思っていた。
だけど、
「……アニメが好きなのかい?」
おじさんは気にした様子を見せずにDVDを拾い集めるのを手伝ってくれて、最後にそう聞いた。
「は、はい……………その………気持ち悪くないんですか?」
「何が?」
「え、えっと……その………オタクというか……マニアというか………」
私は思わずそう聞いてしまった。
すると、
「そんな事思う訳無いよ。俺だってこの歳でアニメや漫画、ゲームなんかが大好きな人間だからな」
おじさんは笑いながらそう言った。
この日から、おじさんは気軽にアニメやゲームの話題を話し合える人になった。
歳の離れた友達……?みたいな感じかな?
時々おじさんの部屋にも遊びに行って、おじさんが好きなアニメや漫画を見せてもらう事もあった。
その時のおじさんはめっちゃ渋い顔をしてたけど。
まあ、おじさんの歳の男性が、女子高生を部屋に招き入れるなんて、色々問題があると思っているのだろう。
そう言うおじさんだから、私も気兼ねなく遊びに行けるんだけどね。
そんなおじさんが好きなアニメの1つ、『勇者王ガオガイガー』。
私が生まれる前に放送してたアニメで、スーパーロボット系のアニメだ。
私もこの作品がとても好きになり、時々ごっこ遊びで必殺技の真似もした。
そう言う時はおじさんも付き合ってくれて、とても楽しく思えた。
おじさんは独身で、彼女も居ない独り身の男性。
おじさんの周りには、彼女どころか女の影も形も無い。
まあ、私は歳が離れすぎてるから、おじさんにとっては女性としてカウントされてないんだろうけど。
精々娘みたいな存在という所だろう。
でも、そんな毎日が、私は好きだった。
こんな日が、ずっと続くと思っていた。
だけどある日、おじさんが死んだ。
死因はトラックの暴走による事故死。
私の好きだった日常は、一瞬で破壊された。
それからの毎日は、まるで空虚の様だった。
アニメを見たり、ゲームをしても、以前ほど面白くなくなった。
どれだけできのいい作品を見ても、物足りないと思ってしまう。
そんな毎日が続き、いつの間にか高校を卒業し、大学に入っていつの間にか20歳の誕生日を迎えたある日の事。
私もトラックに轢かれて死んでしまった。
「………って感じでここに居るわけなんだけど…………」
私は目の前の天使らしき存在に向かってそう言った。
「…………やけに落ち着いてますね、アナタ」
その言葉には、若干の呆れが含まれている。
天使らしき存在と判断したのは、この世のものとは思えない美しい容姿をした女性で、背中に純白の翼を持っていたからだ。
「別に………現実を現実として受け止めているだけ」
私はそう言った。
そして、
「それで? 何で私はこんなところに居るの?」
私は本題に入ろうとする。
すると、その天使は深々と頭を下げ、
「この度は誠に申し訳ありません。あなたの『死』は想定外の出来事によって引き起こされた、イレギュラーな出来事なのです」
「…………テンプレ?」
私は思わずそう言う。
「それで? 仕事ミスったとかそう言う理由?」
私がそう聞くと、
「いえ、そう言う訳ではなく………原因が上の神の気まぐれが切っ掛けというか…………」
天使は言いにくそうにそう言うと、
「まず、アナタと結ばれる『運命の人』だった男性が、私の上司にあたる『神』の気まぐれにより、異世界に転生させられるために運命を弄られて亡くなりました」
「運命の人?」
「そのため、少なからず他者にも影響が出るため、それを防ぐために私達天使が上司の後始末に奔走していたわけなのですが、最も強い結びつきを持つあなたの『運命』だけは修正が追い付かず、『運命』が終わってしまったのです」
「……………つまり、その私の運命の人の運命を無理矢理終わらせたから、他の人の運命にもバグが出て、あなた達がデバック作業をしてたけど、結局間に合わずに私の運命がエラーを起こして進行不可に陥り、強制終了したと?」
「ま、まあそう言う事です」
「ん、納得。因みに、私の運命の人って誰?」
「え、えっと、その…………知らない方が良いんじゃないかと」
天使は言いにくそうに口ごもる。
「いい、教えて。気になるから」
私がそう言うと、天使は諦めたように息を吐き、
「あなたの運命の人は、あなたのアパートの部屋の隣に住んでいた男性です」
その言葉を聞いて、思い当たるのは1人しかいない。
「もしかして………おじさん!?」
私は思わず食いついた。
「はい…………」
「どういう経緯でそうなるの?」
「それは、その………本来の運命の流れであれば、アナタが20歳になった誕生日に、初めてのお酒を買っておじさんの部屋に押し入り、お酒が苦手なおじさんにお酒を進めた挙句、自分もお酒に弱かったために、気が付いたら朝にベッドで一糸纏わぬ2人が…………って流れです」
「そんなイベントが本当にあるの!?」
「ええ、まあ………それで一発妊娠して、おじさんが責任を取るという形で2人は結ばれることになります」
「まさかの出来ちゃった婚!」
予想外にも程がある。
でも、別に嫌とは思わない。
寧ろ嬉しい。
いや、悔しい?
そんな未来を台無しにされたから?
けど、終わったことはしょうがない。
「………結局、私はどうなるの?」
「こちらの不手際による予想外の死なので、異世界に転生という形を取らせていただきたいと思います」
「転生………! キタ………!」
私はガッツポーズする。
「転生特典はありますか?」
私は一番大事なことを聞くと、
「ええ、そうですね…………条件の範囲内であればという形ですが………」
「条件とは?」
「今回の条件は、『主要キャラ以外の機体』となります」
「えっと、つまり、主人公キャラやライバルキャラ、ラスボスの機体なんかは無理って事ですか?」
「はい。主人公やライバルキャラが一時的に量産型とかに乗る場合などは除外します」
ややこしい条件。
………………あれ?
でも、この条件って…………
「1つ質問。その機体を動かすときに必要な能力は、特典に入りますか?」
「はい、ニュータイプ能力とかですよね? それならサービスしますので大丈夫です」
「ん。決めました」
「早いですね? それでは何にします?」
「はい。勇者王ガオガイガーFINALに出てくるレプリオービットベースでお願いします。もちろん勇者ロボの複製も込みで。それで、私自身をGストーンのエヴォリュダーにしてください」
「…………はぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」
天使が素っ頓狂な声を上げた。
「別に条件はクリアしてますよ。複製ですから主人公格の機体ではないですし、むしろ速攻で光にされましたし。レプリガオファイガー動かすのにエヴォリュダーになる必要がありますので」
「え? いや、でも………えぇぇぇぇぇぇっ………!?」
良い感じで困惑してる。
当然私一人で基地を運用できるわけがない。
でも、ある程度計画はある。
「え、えっと………とりあえず申請してみますね?」
天使が何やらブツブツと呟くと、
「……………申請、通っちゃいました」
天使は意外そうにそう言った。
「じゃあよろしく」
「は、はい、それでは転生させますね?」
「ん」
私の足元に魔法陣が現れて光に包まれる。
私の視界が光に呑まれる中、可能なら転生したおじさんに会えたらいいな、と私は思った。
ナデシコ編最終話です。
はい、ナデシコメンバーとの別れと、そしてオリヒロはもう一人の転生者でした。
『おじさん』が誰なのかは一目瞭然ですね。
つーか、転生特典でレプリオービットベースを頼むとはだれが予想できようか?
なので、複製ですが勇者ロボ軍団が仲間です。
当然修復チートなあいつらも。
少人数で母艦メンテナンスするにはあいつらしか思い浮かばなかった。
後、シルバリオンハンマー使わせたくなったし。
ぶっこみ方が強引ですが、自分ではこれが考えの限界でした。
ここはスルーしてくれると助かります。
あと、次回からマクロスF(劇場版)に入りますが、前半の『イツワリノウタヒメ』パートはジェイアーク出てこない予定なので悪しからず。
オリヒロとレプリ勇者ロボ軍団の視点で行きます。
ご了承ください。
それでは次回も頑張ります。
母艦をどうするか?
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クロガネ(スパロボ)
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ハガネ(スパロボ)
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マクロス・クォーター級
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その他