転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
第1話 放浪の宇宙
【Side ??】
「ん……………」
私が次に気が付いたとき、硬く冷たい床の上で寝ていた。
「ここは………?」
私が起き上がって辺りを見回そうとした時、
「お目覚めですか? 隊長」
後ろから男性の声がした。
私は咄嗟に後ろを振り返るけど、誰も居なかった。
だけど、よく見ればその視界の奥に大きな存在が居た。
それは、
「ボルフォッグ…………」
私はそこに居た紫のロボットを見上げる。
更に、
「よっ! 初めましてだな、隊長!」
「無事に目覚めて何よりです」
その両脇に居る赤と青のロボット。
「炎竜……氷竜……」
更にその奥には緑と黄、ピンクと黒のロボットも居る。
「おはようございます。隊長殿」
「気分は如何だ?」
「今度の隊長は、こんなに可愛い女の子なんだね!」
「同じ女性として、嬉しく思います」
「風龍……雷龍……光竜……闇竜………」
「俺様も忘れてもらっちゃ困るぜ!」
オレンジ色の、大きくゴツイロボット。
「ゴルディマーグ………」
「ミーも居るもんネー!」
ずんぐりむっくりしたコミカルなロボット。
「マイク・サウンダース13世………」
勇者ロボ軍団がそこに勢揃いしていた。
「…………………本当に勇者ロボ達だぁ………」
私は思わず呆けた声を漏らした。
すると、
「隊長。まずはお礼を言わせてください」
ボルフォッグがそう言った。
「お礼?」
「はい。我々は、複製とはいえ敵に利用されるぐらいなら光となって散る道を選びました。そんな我々に、再び勇者として生きる機会を与えてくれたあなたに、我々は感謝しています」
「えっ? あなた達、あの時の記憶があるの!?」
それには私も驚く。
てっきり同型の複製なだけかと思ってた。
「はい。ですが、あなたの大まかな事情もメモリーに追加されています。そして、あなたが新しい隊長であるという事も」
「私が………隊長………!」
その言葉に、胸にずっしりと重みが加わった気がした。
「………うん。凱さんの様にはいかないかもしれないけど、頑張るね!」
私はその重みを自分なりに受け止め、そう返した。
「では、改めて自己紹介を。私はボルフォッグ。情報収集や追跡、潜入任務を得意としています」
ボルフォッグが。
「これからよろしくお願いします。私の名は氷竜」
「僕の名は炎竜。これからは一緒に頑張ろうぜ」
氷竜と炎竜が。
「僕は風龍。改めてよろしくお願いします」
「俺は雷龍。よろしく頼むぜ」
風龍と雷龍が。
「私は光竜。よろしくね、お姉ちゃん!」
「私は闇竜。よろしくお願いします」
光竜と闇竜が。
「言うまでもねえが、俺様はゴルディマーグ様だ。よろしく頼むぜ」
ゴルディマーグが。
「ミーはマイクだもんネ~! よろしくなのネ~!」
そしてマイクが自分の名を名乗った。
だから私は、
「私は琉音………ルネだよ。よろしくね、皆」
「ルネ姉ちゃんと同じ名前なんだ! なんだか嬉しいな!」
私の名に光竜が反応した。
「ん………そう言えば、私はエヴォリュダーになってるはずだけど………」
私が自分の身体を確かめようとすると、右手の甲にGの紋章が輝いた。
「私は右手なんだね」
凱さんは左手だったはずだけど。
そこで私はハッとなる。
「そうだ……! 急がないと………!」
私は顔を上げ、
「そういえば、ここは何処なの?」
私がそう聞くと、
「ここはオービットベース、ディビジョンⅨ:極輝覚醒複胴艦ヒルメの艦内です」
ボルフォッグが答える。
「ん…………ボルフォッグは、タケハヤなら動かせたよね?」
私が確認すると、ボルフォッグは頷き、
「はい。私が多次元コンピュータに直接アクセスすることで操艦が可能です」
操艦可能であることを教えてくれる。
「それなら可能な限りの物資をタケハヤに詰め込んで。もちろんガオーマシンもね。それからカナヤゴも引っ張ってくから何とか分離させれるようにしといて」
「何故そんな事を?」
氷竜が疑問を零す。
「残念だけど、私1人でオービットベースを運用なんて出来ない。だから、ボルフォッグが操艦が可能なタケハヤに出来るだけ詰め込む。メンテナンスもカーペンターズが居ればある程度は何とかなる」
そう言えば、この世界がどういう世界か聞いて無かった。
「あと、周辺の偵察もお願い。何かあったら知らせて」
私はそう指示を出す。
「後は、ファイナルフュージョンプログラムをタケハヤに移さなきゃ………」
やることが山積みだ。
正直酸素とかの問題もある。
エヴォリュダーだから大丈夫かもしれないけど。
だけど、転生したからには簡単には死ぬ気は無い。
今度こそ精いっぱい頑張ろう。
そう誓った。
1週間後。
周辺の偵察で分かったことは、ここは宇宙のど真ん中。
しかも、星の位置関係からしても、決して地球や太陽系の近くと言う訳でもなく、現在位置が全く分からない状況だった。
「やっぱり、行動しなきゃ駄目かなぁ………」
私がそうぼやくと、
「それが最善かと思われます。カーペンターズが居るとはいえ、オービットベースの運用には必ず人の手が必要な所があります。このままでは1年ほどでオービットベースが機能不全を起こす確率が50%を超えます」
ボルフォッグがそう答える。
「ん………ボルフォッグ、タケハヤの発進準備を。機動部隊もカナヤゴの分離作業をお願い」
「了解しました。これよりタケハヤの発進準備に入ります」
「「「「「「「「了解(しました)(だもんネー)!」」」」」」」」
それぞれが返事をした。
私達はオービットベースを放棄し、タケハヤで宇宙の旅に出ることにした。
とはいえ、何処まで行っても暗黒と星の光だけ。
行き先も目的も何もない放浪の旅。
まあ、空いた時間はシミュレーションで戦闘訓練してるけどね。
でも、戦闘経験が皆無な私。
初めてガオファイガーを使った時は、基本スペックが下の筈の超竜神にボロ負けした。
やっぱり経験は大事。
最近はやっと互角に戦えるようになってきたけど。
そして放浪の旅に出て一ヶ月。
「……………ッ! これは?」
いつも通りタケハヤの専用の席で操艦していたボルフォッグが何かに気付いたように反応した。
「どうしたの? ボルフォッグ」
「この反応…………どうやらこの先で戦闘が行われているようです」
「ッ……戦闘!?」
ボルフォッグの言葉に私は驚く。
「望遠映像、出します!」
メインスクリーンに映像が映し出される。
それは、虫のような巨大な生物群と、戦闘機や戦艦が戦闘を繰り広げていた。
「何ですか、あれは!?」
ボルフォッグが声を上げる。
でも、私はその虫のような巨大生物群には見覚えがあった。
「バジュラ!?」
バジュラ。
それはアニメのマクロスフロンティアに出てくる宇宙の巨大生物で、物語の敵として描かれていた。
最終的には和解したけど、戦闘しているという事はその前の状況という事。
それなら、そのバジュラが襲っている側は………
「マクロスフロンティア船団……!?」
じゃあここはマクロスFの世界って事!?
様子を見てるけど、フロンティア船団側が圧倒的に押されてる。
「隊長、我々は如何しますか?」
ボルフォッグが問いかけてくる。
「………………フロンティア船団を助けるよ!」
迷う必要なんかない。
打算的な事を言えば、フロンティア船団に受け入れてもらえれば補給の心配もいらないし。
「機動部隊発進! 私もファントムガオーで出る! ボルフォッグはリフレクタービームで援護射撃を! ゴルディとマイクはタケハヤの直掩について!」
私が指示して駆け出そうとすると、
「隊長、少しお待ちを」
ボルフォッグに呼び止められた。
「何?」
私が振り返ると、
「こちらを」
ボルフォッグはそう言うと、脚部から金属製のトランクを取り出した。
「隊長用に調整したIDアーマーです」
トランクの中には金色の装甲があった。
「ボルフォッグ………!」
「エヴォリュダーとはいえ、身を護る術は必要ですので」
ボルフォッグは笑みを浮かべてそう言う。
「………ありがとう」
ボルフォッグの気遣いに感謝する。
「早速装着を」
「うん!」
私はエヴォリュダーの能力を開放させると、
「イーーーーーークイーーーップ!!」
トランクからIDアーマーが飛び出し、私の身体に装着される。
凱さんと同じ金色だけど、私の体形に会うように調整が施され、Gの紋章が右手にあるのに合わせ、左腕の方が手まで覆われたアーマーとなっている。
形も刺々しい男らしいものではなく、滑らかな曲線を持つ女らしいものだ。
「よくお似合いです。隊長」
「ありがとうボルフォッグ! 行ってくるね!」
「ご無理はなさらずに」
私は改めて駆け出した。
【Side Out】
フロンティア船団のアイランド船の1つ。アイランド1ではギャラクシー船団から訪れた歌手、シェリル・ノームのライブが行われていた。
しかしその最中、謎の生物群が襲来。
戦闘状態に入った。
しかし、新統合軍のバルキリーのパイロットたちは実戦経験に乏しく、瞬く間に劣勢に立たされる。
しかし、民間軍事企業S.M.Sの介入により、戦線を押し返し始める。
それでもバジュラの攻撃により、次々と戦艦やバルキリーが墜とされていく。
だがその時、
『リフレクタービーム! 発射!!』
船団側とは別方向から放たれた閃光が、無数のバジュラを飲み込んだ。
「何だ!?」
S.M.Sスカル小隊の隊長であるオズマ・リーが突然の攻撃に驚愕する。
その閃光の発射元に視線を向けると、金色の戦艦が存在していた。
『こちら、最撃多元燃導艦タケハヤ。これより援護します』
男性の声で通信が入る。
すると、その金色の船から複数の反応が飛び出してきた。
赤、青、緑、黄、ピンクに黒など、色とりどりの人型機動兵器だ。
「メルティングガン!」
赤いロボットが赤い銃で敵を貫き、
「フリージングガン!!」
青いロボットが青い銃で敵を凍らせる。
「フォンダオダン!」
緑のロボットが背中から肩に担いだ巨大な砲身から無数のミサイルで敵を吹き飛ばし、
「ヴァーンレイ!」
黄色いロボットが電撃を放って敵を感電死させる。
「プライムローズの月!」
ピンク色のロボットが背中から展開したパラボラアンテナのようなものからビームを発射して敵を薙ぎ払い、
「シェルブールの雨!」
黒いロボットが無数のミサイルを雨霰の様に放ち、敵を爆散させる。
『隊長! 奴らは何者でしょう!?』
「分からん! 敵ではないようだが………」
スカル小隊の隊員の1人、ヘンリー・ギリアムがオズマに問いかけ、オズマも判断に困る。
「ひとまず様子を見る! 警戒は怠るなよ!」
『了解!』
2人はバジュラの殲滅を優先することにした。
思いがけない援軍により、戦闘は優勢に傾いていくが、1体の赤い大型バジュラと数体の小型バジュラが防衛線を突破。
アイランド1への侵入を許してしまった。
オズマとヘンリーが後を追うが、アイランド1内部では既に多数の被害が出ていた。
「…………いけない!」
それをファントムガオーから見たルネは。
「氷竜! 炎竜! 敵が民間居住船に侵入した! 救助に向かうからついてきて!」
レスキュー任務が本領の2人に同行を指示する。
「「了解!」」
2人は迷わずに頷いた。
ファントムガオー、氷竜、炎竜はバジュラが破壊した部分からアイランド1内に入る。
しかし、アイランド船内には人工重力が働いているため、空中戦に対応していない氷竜と炎竜は落下していく。
そして、
「ふっ………!」
氷竜は勢いを殺しつつ、見事な着地を決めるものの、
「おわぁああああああああああっ!?」
炎竜は派手に着地失敗し、地面を転がった。
「大丈夫か? 炎竜」
「あ、ああ……平気だ」
氷竜が声を掛けると、頭を掻きながら炎竜は起き上がる。
「それよりも、逃げ遅れた市民の救助を!」
「分かってるぜ!」
2人はそれぞれ行動を開始する。
氷竜は建物が燃え盛る区画を向くと、胸のダイヤルを少し上げ、
「チェストスリラー!」
冷気を吹き付け、建物を消火していく。
最大出力で放てば目標を凍結させる事すら可能な武装だが、出力を抑えれば災害救助にも役立てることが出来るのだ。
一方、炎竜は高所に取り残された市民達に背中の梯子であるパワーラダーを伸ばし、
「早くこっちへ!」
避難を呼びかけた。
市民は得体のしれない炎竜に困惑していたが、背に腹は代えられず、恐る恐る梯子を渡り始める。
そんな中、空中からファントムガオーでバジュラの様子を見ていたルネは、大型バジュラが1機のバルキリーに襲い掛かろうとしているのが見えた。
しかし、そのバルキリーは動きが覚束ず、その射撃も典型的な素人撃ちだ。
無駄弾が多いために、直ぐに弾切れになる。
大型バジュラが、そのバルキリーに襲い掛かろうと近寄る。
「いけない!」
ルネは、気付けばファントムガオーを操作していた。
勢いをつけて体当たりを仕掛ける。
「ッ!? 何だ!? あの機体は!?」
そのバルキリーに乗っていた少年が叫ぶ。
彼の名は早乙女 アルト。
パイロット志望の学生だが戦闘に巻き込まれ、元々のこのバルキリーのパイロットがバジュラとの戦闘で死亡してしまった為に、知り合いを助けようとバルキリーに乗り込んだのだ。
しかし、動かし方は知っていても、実際に動かしたことなど皆無の為に、まともに戦闘できるわけが無かった。
結果、ガンポッドを乱射し、弾切れになってしまったのだ。
そして、やられると思った瞬間、見たことも無い機体が化け物に体当たりを食らわせ、転倒させた所を目撃した。
「ッ…………実戦は初めてだけど………やるしかない!」
ルネはファントムガオーの操縦席で決意を固める。
そして、
「フュージョン……!」
エヴォリュダーの力を開放。
ファントムガオーが変形を開始する。
各部のシステムを組み替え、人型を成す。
それは、ルネとファントムガオーがフュージョンすることで誕生するメカノイド。
「ガオファー!!」
変形完了と共に名乗りを上げるガオファー。
「はぁああああああああっ!!」
ガオファーは変形した空中から直接飛び蹴りを仕掛ける。
その蹴りは起き上がった大型バジュラの頭部にヒットし、数歩後退させた。
「たぁあああああああっ!!」
ガオファーは畳み掛けようと格闘戦を仕掛ける。
しかし、体勢を持ち直した大型バジュラが腕を振り下ろしてくる。
「くっ!」
ガオファーは咄嗟に左腕を盾にしてその一撃を受け止めた。
ガオファーの足元に罅が入る。
すると、大型バジュラは数歩下がり、背中の突起物にエネルギーを溜め始めた。
ビーム攻撃をするつもりなのだ。
こんな所でそれが放たれれば、背後の街が吹き飛ぶ。
それに気付いた瞬間、
「駄目ッ!!」
ガオファーは反射的に大型バジュラに飛びつくと、突起物の向きを強引に上に向ける。
その直後に放たれる閃光。
しかし、それは街に直撃することは無く、天井のドームを破壊するだけに留まった。
「…………これ以上は!」
ルネは、バジュラが分かり合える存在だと知っている。
だからあまり積極的に倒したくは無かった。
だが、今のバジュラは理由はどうあれ、人間を簡単に殺してしまう。
ガオファーは一旦飛びのくと、
「ファントムクロー!」
両腕の2本爪を展開。
そのままバジュラの懐に飛び込むと、
「ッ………ごめん」
謝罪の言葉と共に、右腕を振り上げた。
ファントムクローにより、真っ二つに切り裂かれ、崩れ落ちる大型バジュラ。
「………………」
ガオファーはそれを何とも言えない表情で見つめた。
そして、仲間達と合流しようと踵を返そうと、
『動くな!』
した瞬間、オズマのバルキリーのバトロイドモードにガンポッドを突き付けられた。
ガオファーは大人しく両手を上げる。
『援護は感謝する………だが、お前達が何者か、全部話してもらおうか』
そう言い放つオズマ。
これより、ルネの一世一代の交渉が始まろうとしていた。
はい、マクロスF編第1話です。
オリヒロの名前はルネです。
勿論ルネ・カーディフ・獅子王から頂きました。
ジェイのヒロインだしね。
転生から放浪。
そんでマクロスフロンティア船団との出会いです。
はい、イツワリノウタヒメの最初の戦闘です。
氷竜と炎竜なら、多分こういう行動するんじゃないかなぁ、と。
そしてさっそくガオファーの登場。
戦闘経験少なくとも、大型バジュラ1体にやられるわけないよね?
戦闘に手を貸したルネ達ですが、いきなり銃を突き付けられ………
次回をお楽しみに。
母艦をどうするか?
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クロガネ(スパロボ)
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ハガネ(スパロボ)
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マクロス・クォーター級
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その他