転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第2話 S.M.S入隊

 

 

 

【Side ルネ】

 

 

 

 

バジュラに襲撃されていたフロンティア船団を援護するために戦闘に手を貸したわけだけど…………

只今スカル小隊隊長のオズマ少佐から銃を突きつけられてます。

正確には、ガオファーになってる私の後ろからバルキリーのガンポッドを突き付けているわけだけど。

ガオファーの大きさは23mちょい。

バルキリーのバトロイドの大きさは14~15m位。

10m以上差があるので、あんまり怖くは無いけど。

まあ、あっちからすれば、私達は正体不明の集団だから警戒するのは当然だけど。

 

「そちらと争う気は無い。指示にも従う。だからその物騒なものは降ろして欲しい。じゃないと、私の仲間が警戒する」

 

私がそう言うと、オズマ少佐は視線を氷竜と炎竜に向ける。

2人は、フリージングガンとメルティングガンをオズマ少佐のバルキリーに向けていた。

 

「2人とも、銃を降ろして」

 

「「………………」」

 

私がそう言うと、オズマ少佐を警戒しつつも銃を降ろした。

 

「…………………」

 

でも、オズマ少佐は中々ガンポッドを降ろそうとしない。

すると、

 

「こっちは銃を降ろしたんだ。そっちも誠意を見せたら如何だ?」

 

炎竜が文句を言いたげに言うと、オズマ少佐は一度目を伏せ、

 

「……………良いだろう。だが、指示には従ってもらうぞ」

 

「わかった」

 

そう言ってガンポッドが降ろされた。

 

 

 

 

その後、オズマ少佐の指示で仲間達と合流後、マクロス・クォーターに誘導された。

因みにボルフォッグもタケハヤをマクロス・クォーターの隣に係留させ、一緒に格納庫に来ていた。

更に因みに、あの時バジュラと戦っていたバルキリーには主人公の早乙女 アルトが乗っていたようで、最新鋭の機体に無断に乗ったという事で身柄を拘束されたらしい。

 

「さて、まずは機体から降りてもらおう」

 

バルキリーから降りてきたオズマ少佐にそう言われ、

 

「フュージョンアウト」

 

私はガオファーからファントムガオーに戻ると、コクピットから出る。

 

「女…………?」

 

青いバトロイドからそう声がする。

あれは確かミシェルの機体だっけ?

 

「S.M.Sスカル小隊隊長のオズマ・リー少佐だ」

 

「一応、機動部隊の隊長を務めているルネです」

 

オズマ少佐が名乗ってきたので、私も名乗り返す。

 

「他の機体のパイロットも降りてもらおう」

 

オズマ少佐がそう言うけど、皆は困った顔をして、

 

「我々には、パイロットは居ません」

 

氷竜がそう言う。

 

「何………?」

 

オズマ少佐が怪訝な声を漏らす。

 

「僕達は超AIを搭載したロボットで、自らの意志で行動することが出来る」

 

「つまり、心を持ったロボットって事だ」

 

風龍と雷龍が続ける。

 

「心を持ったロボットだって!? そんな事が!?」

 

幼さを残した少年の声が緑のバトロイドから聞こえる。

これはルカかな?

 

「なぁに? ロボットが心を持ってちゃ悪いの?」

 

光竜がムッとしながらそう言う。

 

「い、いや、そう言うわけじゃ…………驚いただけで………」

 

ルカは慌てて謝った。

 

「こんな技術………いったい何処で………?」

 

オズマ少佐が驚きながらも疑問を口にする。

 

「えっと………信じてもらえるかは分からないんですけど…………」

 

私は、ある程度考えていたカバーストーリーを口にすることにした。

私は異世界の人間で、勇者ロボ達の新しい隊長に任命されることになっていた。

しかし訓練の途中、空間に穴が開き、勇者ロボ達と一緒に吸い込まれてしまったこと。

気付けば宇宙のど真ん中に放り出され、右も左も分からぬまま放浪を続けていた事。

そして先程、戦闘の反応をキャッチして急行。

人間が襲われていることを知り、助けることにした事を。

流石に転生して勇者ロボ達を転生特典で貰いました、なんて事は言っても頭おかしいとしか思われないだろうし。

まあ、カバーストーリーでも信じられる要素少ないけど。

 

「正直、荒唐無稽すぎて信じられん」

 

「まあ、当然ですよね」

 

私はため息を吐く。

 

「でも、あなた達に対して敵意が無い事は信じて欲しいです。ついでに言うと、行く当ても無いので、この船団にご厄介になりたいとも思ってます。っていうか、もう一ヶ月も放浪しているので、これ以上行動が制限される戦艦の中の生活は御免です」

 

やることが訓練ぐらいしか無いので、娯楽が欲しい所。

そう考えると、フロンティア船団ならなんでもござれだろうし、渡りに船だ。

船団だけに。

私がそこまで言うと、オズマ少佐は考え込む。

すると、ズシンズシンと大きな足音が近付いてきた。

やってきたのは女性。

長い青髪をした、抜群のプロポーションを持った女性だ。

 

「お前達が、例の謎の援軍か?」

 

「「「「「「「「「…………………………」」」」」」」」」

 

そう声を掛けられるが、私や勇者ロボ達は言葉が出なかった。

何故なら、

 

「きょ、巨人!?」

 

闇竜が驚きの声を上げた。

何故なら、やってきた女性は身長が10m程もあるゼントラーディだったからだ。

闇竜達の身長は約20mだから約半分。

ボルフォッグと同じぐらいの背の高さという事。

私も知識では知ってるけど、実際に見たインパクトは想像以上だった。

 

「ゼントラーディを見るのは初めてか?」

 

そのゼントラーディの女性………多分クラン・クラン大尉は、何処か楽しそうな雰囲気でそう言った。

 

「この世界には巨人まで居るっていうのか!?」

 

ゴルディマーグが驚いた声を上げる。

 

「『この世界』とは妙な言い方だな?」

 

クラン大尉が怪訝な声を漏らした。

 

「彼女ら曰く、別の世界から来たんだそうだ」

 

「ほう?」

 

「更に、このフロンティア船団に身を寄せたいそうだ」

 

「どうするつもりだ?」

 

「正直決めかねている。助かったのは事実だが、得体が知れなさすぎる」

 

オズマ少佐がそう言うと、

 

「だが、先の戦闘を見るに、奴らの力は貴重だ。新統合軍の連中よりも、多大な戦果を挙げている」

 

クランがそう言うと、

 

「もう1つ。アイランド1が被害を受けた時、そこの青いロボットと赤いロボットは、市民達の救助活動を行っていました」

 

ルカがその時のデータを表示させながら言った。

 

「そこの彼女が乗ってたロボットも、市民達に被害が出ない様に立ち回っていたしな」

 

ミシェルもそう言う。

 

「少なくとも、こちらに敵対する意思は無いと判断します」

 

ルカが締める。

 

「フム……………」

 

オズマ少佐が目を伏せて考え込む仕草をすると、

 

「まあ、悪い奴では無いだろうという事は、少し話して分かった。だが、不審人物であることには変わりない。新統合軍では受け入れられ辛いだろう」

 

「…………………」

 

オズマ少佐の言葉に集中する。

 

「………だが、我々S.M.Sは民間軍事企業だ。軍よりも融通は利く。でだ、本題だが、S.M.Sの一員になるというのなら、フロンティア船団で暮らせるよう取り計らう………というのは如何だ?」

 

オズマ少佐はその条件を出した。

私は皆に振り返り、

 

「どう思う? 私は良い条件だと思うけど………」

 

そう尋ねる。

 

「特に問題ありません。隊長の判断に従います」

 

ボルフォッグがそう言い、

 

「私達の使命は人命を守ること………世界が変わってもそれは変わりありません」

 

氷竜達も賛成し、

 

「マイクも賛成だもんネー!!」

 

マイクも賛成の様だ。

すると、

 

「ですが1つだけ………」

 

氷竜が言葉を続ける。

 

「我々の優先目標は人命を守ることです。例え作戦上不利になることがあろうとも、我々が助けを求める人達を見捨てることは一切ありません。それだけはご承知ください」

 

そう言い切った。

 

「……………了解した」

 

オズマ少佐はそう答える。

 

「一先ずジェフリー艦長に話を通してくる。一先ず仮だが、S.M.Sの入隊を認めよう」

 

「ありがとうございます!」

 

私は敬礼の真似事をしながら礼を言った。

オズマ少佐がその場から立ち去ろうとしたとき、

 

「オズマ少佐」

 

再び氷竜が呼び止めた。

 

「何だ?」

 

「もし差し支え無ければ、被害を受けた都市の救助活動や復興活動の支援をさせてはいただけないだろうか?」

 

「支援?」

 

「僕や氷竜は、レスキュー活動が本来の任務だ。街のあんな有様を見て、黙って見ている事なんて出来ないぜ」

 

炎竜もそう言う。

 

「もちろん、俺達だって協力は惜しまないぜ!」

 

雷龍も力瘤を作る仕草をしながら言った。

 

「…………………」

 

オズマ少佐は少し難しそうな顔をしたが、

 

「ミシェル、ルカ」

 

「「はい!」」

 

2人に呼び掛け、2人は返事を返す。

 

「こいつらの監視に付け」

 

それから私達に向き直ると、

 

「この2人の監視下においての活動を許可する。アイランド1にはS.M.Sの方から話を通しておこう」

 

「ありがとうございます!」

 

氷竜が敬礼しながら嬉しそうにそう言った。

 

 

 

 

ミシェルとルカの監視の下、勇者ロボ達による救助活動が開始された。

氷竜と炎竜、雷龍はビークル形態で瓦礫の撤去や火災の消火作業。

風龍、光竜、闇竜、マイクは逃げ遅れた市民や負傷者の救助。

ゴルディマーグは、そのパワーによる大きな瓦礫の撤去作業を主に務めた。

アイランド1の救急隊員や警察達は最初、勇者ロボ達に驚き、警戒もしていたけど、彼らの行動の真摯な姿に徐々に心を許し、最終的に協力して救助活動を行っていた。

それを空中からガオファーで見ていた私は、

 

「ルカ、救助活動が終わった区画を教えて」

 

ルカにそう聞いた。

 

「えっ、あ、はい。こちらになります」

 

ルカからデータが送られてくる。

そして、

 

「ボルフォッグ」

 

通信でボルフォッグに呼び掛けると、

 

「はい。カナヤゴ、カーペンターズ全機発進準備完了しています」

 

アイランド1の近くまでカナヤゴを牽引して来たタケハヤからボルフォッグが答える。

 

「よーし! カーペンターズ! 発進!」

 

私が号令を掛けると、カナヤゴが展開。

三層の棚の様になっている内部が露になると、そこから3体一組のプライヤーズが無数に飛び出してくる。

 

「な、なんだぁ!?」

 

ミシェルが声を上げると、アイランド1の天井に空いた穴からカーペンターズが飛び込んでいく。

カーペンターズは指定された区画に到着すると、再生作業を始めた。

全壊及び半壊した建築物を分解。

その場で新たに作り直して新品同様に組み立てる。

それを驚異的な『数』による人海戦術で瞬く間に作業を終えていく。

 

「こ、これは………!」

 

「おいおいおい………冗談だろ………?」

 

ルカとミシェルが驚いた声を漏らしている。

2人の視線の先では、被害を受けた街が、見る見る再生されていく。

本来なら数ヶ月。

長ければ年単位で復興に時間を要する所を、カーペンターズはあっという間に終わらせていく。

その後、大した時間も掛けずに攻撃の傷跡が殆ど消えた時、

 

「「……………………」」

 

2人は声も出せずにすっかり呆けていたのだった。

 

 

 

 





マクロスF編第2話です。
何だかんだでS.M.Sに入隊です。
勇者ロボ達がゼントラーディを見れば、まあ、こんな反応かなと。
そしてさっそく登場、再生チートのカーペンターズ。
なんか色々目を付けられそうだけど気にしない様に。
次回はアルトと一緒に正式に入隊かな?
お楽しみに。



P.S 放棄したオービットベースに、皆さんが鋭いツッコミを入れるのでアンケートです。

放棄したオービットベースについて。後々ディビジョン艦を回収?

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