転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
ナデシコの世界から世界の狭間を通り抜け、別の世界の入り口である光を通り抜けた。
その瞬間、ハルの髪が赤く染まり、何かを感じたようにハッとなった。
「ッ! 原種だ!!」
ハルが叫ぶ。
「ッ!? いきなりか!?」
まさか世界を渡った瞬間に原種が活動を開始するとは思わなかった。
俺はまず周辺を確認する。
艦橋の正面に見えるのは、視界全体に広がる無数の星々。
「ここは宇宙空間か…………ハル、原種の位置は分かるか?」
俺がそう聞くと、ハルは目を閉じて感知に集中し、
「うん…………この場所から少し離れてる………方角はこのまま真っ直ぐ……………けど、1体じゃない…………2体…………ううん。3体いる………!」
「原種が3体!?」
ハルの言葉に俺は驚愕する。
「原種を同時に相手するのは初めてだが…………放っておくわけにもいかない………! シン! ステラ! お前達は自分の機体で出撃準備を!」
「分かりました!」
「うん!」
2人は返事をすると、艦橋から駆け出していく。
「………私も微力ながらお手伝いします」
【協力!】
ルリが自分の席でオペレートの準備を始めた。
「頼む………」
俺は前を向くと、
「ジェイアーク発進! 原種の下へ向かう!」
『リョウカイ!』
ジェイアークのメインブースターが火を噴き、ジェイアークが発進した。
「近い………!」
ある程度進むと、ハルが原種の存在を強く感じたようでそう呟く。
すると、前方に巨大な………全長数百kmはありそうな超巨大な要塞らしきものの残骸が見えた。
「デカいな…………」
俺は思わず呟く。
すると、
『ヨウサイゼンポウニテ、セントウチュウノモヨウ』
トモロがそう報告した。
「望遠映像出します」
ルリがそう言うと、モニターが開いた。
そこには、巨大な手のような存在に殴り飛ばされ、巨大な口のような存在に噛み砕かれる機動兵器が映った。
「巨腕原種に顎門原種………!」
それに、原種の攻撃を受けてボロボロになっている機動兵器は、
「………ガオファイガーだと!?」
何故ガオファイガーが!?
更にルリがモニターを追加し、周辺の様子を映し出す。
そこに映ったのは、
「超竜神に撃龍神……天竜神にビッグボルフォッグ、マイクサウンダースまで………!」
更に、複数の戦闘機と400mはある人型の機動兵器が映った。
「あっちに見えるのはマクロス・クォーター!? なら戦闘機はもしかしてバルキリーか!?」
改めてみると、超巨大な要塞の残骸はゼントラーディの要塞だろう。
「くっ………状況がいまいち理解できんが…………!」
俺は原種に成す術なくやられていくガオファイガーに視線を向ける。
あれを動かしているのはおそらく獅子王 凱ではない。
動きのところどころに素人臭さが伺える。
おそらく、戦闘経験の低い操縦者なのだろう。
「……………放っておくわけにもいくまい!」
俺は決心する。
「機関最大戦速! 反中間子砲全砲門開け!」
『リョウカイ』
ジェイアークが加速し、反中間子砲の砲門が輝く。
そして、ガオファイガーに止めを刺そうと拳となって突撃する巨腕原種に向け、
「撃てぇっ!!」
号令と共に、8条の赤き閃光が放たれた。
【Side 三人称】
ガオファイガーが巨大な拳となった巨腕原種に砕かれる直前、巨腕原種が8条の赤き閃光によって貫かれ、バラバラに砕かれた。
「何だ!?」
オズマが閃光の出所に視線を向ける。
その先には、この宙域に向かってくる白い戦艦の姿。
「白い戦艦………!?」
オズマがその存在に驚いていると、
「あ、あの戦艦は…………まさか!?」
「ジェイアーク!?」
勇者ロボ達がその戦艦………ジェイアークを見て驚愕の声を上げた。
原種達も、ジェイアークに気付くとガオファイガーを無視してジェイアークに向かってくる。
すると、
「シン、ステラ。お前達はガオファイガー………あの大破した機体を保護しろ」
『了解!』
『わかった!』
デスティニーとガイアがジェイアークの甲板から飛び立つ。
「原種は俺が引き受ける!」
ジェイはそう叫んだ。
そして、
「フュゥゥゥジョン!!」
ジェイは指揮壇から飛び上がり、背後の鳥を思わせるエンブレムの場所からジェイアークと同化する。
「ジェイバード、プラグアウト!」
ジェイキャリアからジェイバードが分離、上昇する。
ジェイキャリアが艦首後方から直角に折れ曲がり、巨大な胴体と脚部を形成。
「メガッ……フュージョン!!」
ジェイバードの砲台部分が直角から垂直方向に変形。
その直後、艦橋部分と砲台部分が分離。
同時に砲台部分が左右に分離した。
艦橋がそのままジェイキャリアの艦首上部にドッキングし、艦首に取り付けられていた巨大な錨、『ジェイクォース』が分離。
更に分離した砲台部分の先が変形し、マニピュレーターが現れる。
そのまま砲台が艦首の両サイドに接続され、巨大な腕となる。
ジェイクォースが右前腕の内側に装着されると、最後に艦橋部分のJジュエルが輝いて上部にスライドし、デュアルアイが現れる。
「キングッ………ジェイッ………ダァァァッ!!」
全長101mのジャイアントメカノイドがその姿を現した。
『人型に変形した!?』
『あの戦艦も変形するのかよ………』
ルカとミシェルがそう零す。
この世界にはマクロスという存在があるので、戦艦が人型に変形する程度では、驚きはさほどない。
すると、再生した巨腕原種と顎門原種がキングジェイダーに向かってきた。
キングジェイダーは左腕を向けると、
「五連メーザー砲!!」
その指先からメーザー砲を放つ。
それは巨腕原種に直撃。
巨腕原種はバリアを張って耐えようとするが、その威力に押されながら後退し、遂に耐えきれなくなり貫かれ、爆発する。
『あの強力なバリアを単純な威力だけで打ち破った!?』
ルカが驚愕の声を上げる。
その時顎門原種が大きく口を開け、歯を無数のミサイルとして放つ。
すると、キングジェイダーは今度は右腕を向けると、
「反中間子砲!!」
右腕上部に装備された反中間子砲から威力を落として連射性を上げた閃光が無数に放たれ、ミサイルを全て分解して撃ち落した。
そして、
「はぁあああああああああああああああっ!!」
不用意に近付いてきた顎門原種に豪快な回し蹴りを叩きこむ。
顎門原種の側面に叩きこまれた大きな脚部が原種の装甲を砕きながらめり込み、勢いをつけて吹き飛ばすと、その先にあった小惑星に激突する。
「流石はキングジェイダー………凄まじいパワーだ………!」
超竜神が思わず呟く。
原種がガオファイガーから離れた事を確認すると、デスティニーとガイアがガオファイガーに近付く。
「おい! アンタ! 大丈夫か!? 生きてるなら返事をしろ!」
シンがそう呼びかけると、
「う………あ……………デ、デスティニーガンダムに…………ガイアガンダムも……………何で……………」
その機体から声が聞こえる。
(今、デスティニーって言ったのか? 何でこの機体の名を………? ガンダムって言うのはわからないけど)
ガオファイガーから聞こえた声に、シンは怪訝に思う。
その時、すぐ横をキングジェイダーが通り過ぎる。
「2人とも、ガオファイガーを頼むぞ」
キングジェイダーが彼らを見下ろし、シンとステラにそう告げると、最後にガオファイガーを見下ろす。
「……………………」
その視線を受け、
「………キング………ジェイダー…………?」
朦朧とする意識の中、ルネはその姿を見上げる。
そして、キングジェイダーが通り過ぎたその時、
「……………………ッ!?」
ルネはとても懐かしい感覚を覚えた。
通り過ぎたキングジェイダーの背中が、『おじさん』の背中と重なる。
(…………おじ………さん…………?)
ルネが直感的にそう感じた時、
「ッ!?」
キングジェイダーが何かに気付いたように斜め上を見上げた。
すると、そこ長く伸びた脊髄原種が無数のエネルギー弾を放ってくる。
「脊髄原種!」
叫ぶキングジェイダーにエネルギー弾の嵐が降り注ぐ。
「チィッ! ジェネレイティングアーマー全開!!」
キングジェイダーが赤い光に包まれ、更にガオファイガー、デスティニー、ガイアを庇うように立ち塞がった。
降り注ぐエネルギー弾。
今は無傷で済んでいるが、このままでは動けない。
すると、キングジェイダーは両腕を前に突き出すと、
「ESミサイル!!」
そこから2発のミサイルが放たれた。
そのままではエネルギー弾に撃ち落されてしまうと思われたが、少し進むと何かに飛び込むようにミサイルが消える。
直後、脊髄原種の背後からミサイルが現れて、無防備な背中に直撃。
脊髄原種は苦しむようにうねると、攻撃を中断してしまう。
その時、再び体を再生させた巨腕原種と顎門原種が飛び出しながら現れ、互いにキングジェイダーを中心に両サイドに回り込んだ。
そのまま同時にキングジェイダーに向かっていく原種達。
『挟み撃ちだ!』
原種の狙いに気付いたクランが叫んだ。
クランの言葉通り、ほぼ同時にキングジェイダーに到達するタイミングで突進してくる。
だが、キングジェイダーは特に焦るような素振りも見せず、両腕を横一直線に伸ばすと、次の瞬間、その両手の指先から五連メーザー砲が放たれ、挟み撃ちしようとした原種を同時に撃ち抜いた。
身体を損傷させ、勢いを無くしてその場で浮遊する原種。
すると、キングジェイダーは右腕を大きく伸ばし、
「ジェイクォォォォォス!!」
右腕に装備されたジェイクォースにJパワーを集中。
不死鳥となって羽搏いた。
不死鳥が数度羽搏きながら巨腕原種に向かうと、動きの止まっていた巨腕原種にそのまま直撃。
その体を貫通した。
直後に爆散する原種。
不死鳥がキングジェイダーの右腕に戻っていくと、その先に原種核が確保されており、キングジェイダーは右手でそれを掴む。
その時、反対側では顎門原種が動き出そうとしていた。
しかし、キングジェイダーは原種核を左手に持ち変えると、
「ジェイクォース!!」
再び右腕を顎門原種に向け、ジェイクォースを放った。
「ジェイクォースの2連射!?」
これにはシンも驚く。
顎門原種が逃げ出す前にジェイクォースが直撃。
その体を貫く。
キングジェイダーに戻って行き、再び確保される原種核。
すると、キングジェイダーは離れた場所にいる脊髄原種を見据えると、三度右腕を向けた。
「まさかっ!?」
シンが声を上げた直後、
「ジェイクォォォォォス!!」
3度目の不死鳥の羽搏き。
それは大きく飛び上がると、脊髄原種頂点からその体内へ飛び込む。
ジェイクォースが飛び込んだ頭から、溢れるJパワーによって罅が一気に広がる。
更についでとばかりにボドルザー級要塞の内部にも突入し、その内部の何処かに隠されているだろう原種核を求めて要塞中を駆け巡る。
それに伴ってボドルザー級要塞の表面にも罅が広がって行き、その真下からジェイクォースが飛び出すと、内部に蓄積されたJパワーが解放され、要塞を跡形もなく崩壊させた。
「中型ボドルザー級要塞を一撃で……………」
ジェフリーが戦いた声を漏らした。
ジェイクォースがキングジェイダーの右腕に戻っていくと、3つ目の原種核が確保されていた。
すると、キングジェイダーの額部分……ジェイアークの艦橋から、小さな赤い光が飛び出してきた。
それは赤い輝きに包まれ、羽も生やした女性の姿。
「あれは………! 戒道少年と同じ……!」
その女性………ハルの姿を見たビッグボルフォッグが、自分の知るアルマ………戒道 幾巳の姿と重ねる。
そして、
「テンペルム…………ムンドゥース………インフィニ………トゥーム………レディーレ!!」
浄解の言霊を唱え、原種核を浄解した。
後に残されるのは、3つのゾンダークリスタル。
すると、キングジェイダーが勇者ロボ、そしてマクロス勢に向き直り、
「こちらはキングジェイダー! ガオファイガーのパイロット、及び勇者ロボ達を交えた話し合いの場を設けたい!」
そう提案するのだった。
はい、マクロスF編第7話です。
もう少し進めたかったのですが、地域の消防団の年末夜警で時間を取られました。
なので今回は原種殲滅まで。
本格的な交流は次回からとなります。
さて、『おじさん』を感じたルネの取る行動とは………?
お楽しみに。
放棄したオービットベースについて。後々ディビジョン艦を回収?
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