転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第7話 アスカ、来日

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

ゾンダー化したJAのコアの素体にされ、浄解によって元に戻ったミサト。

当然ながら、NERV本部で精密検査を受けることになった。

検査結果は、

 

「特に異常は見当たらなかったわ」

 

検査を担当したリツコがそう言う。

しかし、

 

「本当に大丈夫なの?」

 

結果は問題なしと言えど、あんなことになったミサトが本当に大丈夫なのか心配するリツコ。

 

「ええ。特に違和感は無いわ。むしろ、何かスッキリした気分なのよ」

 

ミサトはそう答える。

 

「それにしても…………」

 

ミサトはモニターに目をやる。

そこにはゾンダー化したJAと、ゾンダーコアから浄解されるミサトの様子が映っていた。

 

「本当に私がこんな風になってたの?」

 

自分で信じられないのかそう聞くミサト。

 

「ええ………本当に何も覚えてないの?」

 

改めてそう聞くリツコだったが、

 

「それがなーんにも! モニターに変な模様が映ったと思ったら、紫色の光に包まれて、そこからは覚えてないわ」

 

「そう………」

 

思案するように俯くリツコ。

 

「使徒………じゃなかったのよね?」

 

ミサトはそう聞くが、

 

「MAGIは否定しているわ。計測されたパターンはオレンジだったし、何より今までの使徒は曲がりなりにも生物だったわ。今回は、明らかにJAの機体を乗っ取って作り変えたようだった………」

 

「……………シンジ君は何か言ってた?」

 

ミサトが何となくそう聞くと、

 

「例によって、ジェイと名乗る人物達の『敵』だそうよ。名前は『ゾンダー』」

 

「ゾンダー?」

 

「あれも異世界の存在で、ゾンダーメタルと呼ばれる物質と生物を融合させ、ゾンダーと呼ばれる生機融合体に変異させてしまうらしいわ。シンジ君も又聞きだから詳しいことは分からないそうよ」

 

「また異世界か…………」

 

「本音では否定したいところだけど、今回ばかりはそうも言えない情報が多すぎるのよ」

 

リツコはそう言いながらモニターを操作する。

そこには、氷竜と炎竜。

合体した超竜神。

ガオファーにガオファイガー。

ディバイディングドライバーによって形成されたディバイディングフィールド。

イレイザーヘッドで核爆発のエネルギーを宇宙に放出する様子。

ESウインドウから現れるジェイアーク。

浄解モードで空を飛ぶハル。

浄解によってコアから元に戻るミサト等が次々と映し出される。

 

「ハッキリ言って、こんなことは現在の科学力では絶対に不可能よ。全く説明できないわ!」

 

「リツコがそこまで言うなんてね…………こりゃ異世界って言うのもマジっぽいわね………」

 

ミサトが神妙な顔をしてそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

それからまた少し時が流れ。

シンジは現在、友人のトウジ、ケンスケと共にミサトに連れられ、NERVの輸送ヘリで太平洋上を飛行していた。

理由は、ドイツから輸送されてきたエヴァンゲリオン弐号機の電源ソケットを運ぶという名目だ。

護衛に就いている空母オーバー・ザ・レインボーを旗艦とした国連軍太平洋艦隊をみて、ミリオタのケンスケは大はしゃぎしている。

輸送ヘリが甲板に着陸すると、ケンスケが一目散に飛び出し、目を輝かせながらビデオカメラを回している。

そんなケンスケを見ながら

トウジが呆れながら後を追い、更にミサトが気まずそうに続いて、最後にシンジが恥ずかしそうについて行く。

すると、

 

「Hello! ミサト、元気してた?」

 

快活そうな少女の声が聞こえた。

 

「ッ!?」

 

友人の恥ずかしさで俯いていたシンジはハッとなる。

 

「まあね。あなたも背、伸びたんじゃない?」

 

「そ、他の所もちゃんと女らしくなってるわよ!」

 

ミサトの言葉にそう返すその声の持ち主。

 

「紹介するわ。エヴァンゲリオン弐号機の専属パイロット、セカンドチルドレン、『惣流・アスカ・ラングレー』よ」

 

ミサトがそこに居た少女を紹介する。

そこには、長い茶髪の勝気な印象を受ける少女が自信たっぷりの表情で立っていた。

しかしその瞬間、強い突風が吹いてアスカの着ていたワンピースのスカートがめくれ上がる。

次の瞬間、パンッパンッと乾いた音が2回連続で響く。

アスカがその瞬間を目撃したトウジとケンスケの頬を平手で叩いたのだ。

更にアスカはそのまま次の目標であるシンジに矛先を向け、

 

「………って、シンジ!? 何でアンタがここに居るの!?」

 

その手が繰り出される前にシンジの顔を見たアスカの表情が驚愕に染まる。

 

「アスカこそ!? 何で君がこんな所に!?」

 

アスカの顔を見たシンジも同じように驚愕の表情に染まった。

 

「へっ?」

 

2人の反応を見たミサトが素っ頓狂な声を漏らす。

 

「何………? 2人とも知り合い?」

 

ミサトが驚きながらもそう聞くと、

 

「え、ええ、まぁ………」

 

シンジが何とか頷く。

 

「なーんでシンジ君とアスカが知り合いなのよ?」

 

ミサトに更なる疑問が浮かぶ。

 

「それは、まあ………ジェイ兄さん達の拠点のオービットベースで会ってましたから…………」

 

「また彼らなの………? っていうか、何で当時一般人のシンジ君はともかく、エヴァのパイロットとして訓練中のアスカを連れ出せるわけ?」

 

「そこはまあ、ジェイ兄さん達ですから」

 

シンジが苦笑しながらそう言うと、

 

「そんな事は如何でもいいわ! シンジ! 一発殴らせなさい!」

 

そう言いながらシンジを叩こうと腕を振り被るアスカ。

 

「うわっ!? 何するんだよアスカ!?」

 

シンジは反射的にその一発を避ける。

 

「見物料よ! 安いもんでしょ!?」

 

アスカはそう叫ぶが、

 

「風が吹きやすい海上でスカートなんて履いてればそうなるに決まってるよ! 少し考えれば分かる事だろ!?」

 

「うっさい! 黙って殴られなさいシンジ!」

 

「理不尽だ!」

 

殴ろうとするアスカから逃げ回るシンジ。

その様子を見て、

 

「シンジ君とアスカが知り合いなのは予想外だったけど、仲良くやれそうで良かったわ」

 

安心したように微笑むミサトだった。

 

 

 

 

 

その後、ミサトが艦長に弐号機の引き渡しの要求をしたが、艦長はそれを拒否。

新横須賀に陸揚げしてからと言い張った。

彼にも、船乗りとしてのプライドがあるのだろう。

その途中、ミサトが元恋人である加持 リョウジと再会した。

食堂で休憩している時、

 

「………………」

 

「………………」

 

楽しそうにミサトを見つめるリョウジと、何処かバツの悪そうな表情で目線を合わせないミサト。

他のメンバーは、そんな2人の関係が気になっている。

すると、

 

「………今、付き合っている奴、いるの?」

 

リョウジがそう問いかけた。

ミサトは一瞬だけリョウジに視線を向けるが、直ぐに逸らし、

 

「…………………………別に」

 

沈黙の後に短くそう答える。

 

「ッ………………?」

 

リョウジは一瞬意外そうな顔をする。

しかし、直ぐに表情を取り繕うと、シンジの方に視線を向けた。

 

「君は葛城と同居してるんだってね?」

 

そう問いかける。

 

「え? ええ………」

 

シンジは少し驚きながら頷くと、

 

「彼女の寝相の悪さ………直ってる?」

 

「「「「ッ!?」」」」

 

その言葉に周りのメンバーが驚く。

寝相を知っているという事は、それだけ深い関係だったという事だ。

 

「あ~………………」

 

シンジは顔を引きつらせながら困った表情をする。

当然ながら、ミサトの寝相が悪いことは知っていた。

 

「な、な、何言ってるのよ!? アンタは!!」

 

ミサトが顔を真っ赤にしながら机を叩き、リョウジに詰め寄った。

 

「相変わらずか、碇 シンジ君?」

 

その反応で察したリョウジは呆れたようにシンジに確認した。

 

「は、はあ………って、え? どうして僕の名前を?」

 

「そりゃ知ってるさ。君はこの世界じゃ有名だからね。何の訓練も無しにエヴァを動かしたサードチルドレン」

 

「…………何の訓練も無しに動かしたっていうか、乗らなきゃいけない状況に追い込まれたって言った方が正確ですけどね………」

 

「うっ…………!」

 

シンジの言葉にミサトは更にバツの悪そうな顔をした。

彼女もシンジにエヴァに乗る様に仕向けた人物の1人だからだ。

 

「それでもエヴァを動かして使徒を倒せたじゃないか」

 

リョウジはそう言うが、

 

「使徒を倒せたのはジェイ兄さんやシンさん、アルトさんが手を貸してくれたお陰です。僕1人では、到底勝てませんでした」

 

シンジはそう答えた。

 

「謙虚なんだな、君は」

 

「謙虚とかではなく事実です」

 

続けてそう言うシンジ。

 

「………そうか。さてと」

 

リョウジはそう言いながら立ち上がり、

 

「じゃ、また後で」

 

食堂を後にした。

すると、

 

「シンジ!」

 

アスカがシンジに呼び掛けた。

 

「ちょっと付き合って!」

 

そう言いながらシンジの手を掴んで引っ張っていった。

 

 

 

 

シンジが連れてこられたのは、旗艦とは別の船でエヴァ弐号機を輸送している輸送艦だった。

その移動の最中、

 

「改めて久しぶりね、シンジ」

 

「うん………久しぶりだね、アスカ」

 

改めて再会の挨拶を交わす2人。

 

「まさか、アンタがエヴァのパイロットに選ばれるとは思わなかったわ」

 

「そっちこそ、エヴァのパイロットだなんて一言も言って無かったじゃないか?」

 

「アンタバカァ? エヴァは機密中の機密なのよ? そんな事を軽々しく話すわけないじゃない」

 

「ああ、そっか………そうだったよね…………」

 

シンジは納得したように頷くが、シンジの通う中学校では簡単に特定されてしまったので、そこまで機密だと言う認識が無かった。

 

「それで? 何でこんなところまで連れてきたの?」

 

シンジがそう聞くと、

 

「アタシの弐号機を見せてあげようと思ってね!」

 

アスカがそう言いながらシートをたくし上げ、内部にあるエヴァ弐号機を見せる。

 

「へぇ………弐号機って赤いんだ。知らなかった」

 

「違うのはカラーリングだけじゃないわ」

 

アスカはそう言いながらうつ伏せに寝かされている弐号機の背中によじ登ると、

 

「零号機と初号機はテストタイプとプロトタイプだけど、この弐号機は実戦用に作られた正式タイプのエヴァンゲリオンなのよ!」

 

ドヤッと言いたげにアスカはそう言った。

 

「MSのシミュレーターの戦績じゃアンタに負け越してるけど、エヴァの操縦なら負けないって所を見せてあげるわ!」

 

そう言い放つアスカに、

 

「相変わらず負けず嫌いなんだから…………」

 

シンジは思わず苦笑した。

その時だった。

突如として揺れが船を襲う。

 

「えっ? きゃあっ!?」

 

突然の揺れにアスカは足を滑らせ弐号機の背中から滑り落ちた。

 

「アスカ!?」

 

シンジは咄嗟に落下地点に駆け込むとアスカを受け止める。

 

「ッ~~~~~~!? 大丈夫!? アスカ!」

 

落下の衝撃による腕の負担をシンジは我慢しながらアスカに問いかけた。

その恰好は、いわゆるお姫様抱っこという奴で、

 

「あ、ありがと…………」

 

アスカは頬を赤くしながらお礼を言う。

 

「一体何が!?」

 

シンジはアスカを降ろしながらそう言うと、

 

「今のは多分水中衝撃波よ。爆発が近いわ!」

 

2人は状況を確認するために甲板に出ると、護衛艦の一隻が水中に居る何かによって撃沈されたところを目撃した。

 

「あれはっ………!? まさか、使徒!?」

 

「あれが………本物の………!?」

 

2人の視線の先で別の護衛艦が襲われる。

 

「どうすれば………!」

 

狼狽えるシンジだったが、

 

「………………チャーンス………!」

 

アスカは悪い笑みを浮かべながらそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

アスカは赤いプラグスーツに着替え、何故かシンジまで予備のプラグスーツに着替えさせられる。

 

「あの………もしかして、弐号機で使徒と戦う気?」

 

「そうよ! 当然じゃない!」

 

「ミサトさんの許可は?」

 

「勝った後に貰えばいいわ!」

 

自信満々に言い切るアスカ。

 

「…………僕が乗る意味は?」

 

「アタシの華麗な操縦テクニックを間近で見せてあげる」

 

「はぁ………」

 

アスカの答えに項垂れるシンジ。

 

「………って言うのは冗談として、私は使徒と戦うのは初めてよ。だから、経験者のアンタがアドバイスしてくれたら少しは楽になるかもって事よ」

 

「ああ、そう言う事」

 

やっとアスカの言葉に納得するシンジ。

 

「それじゃ、行くわよ!」

 

アスカはそう言いながらエントリープラグを開放する。

2人が乗り込むと、弐号機が起動準備に入る。

 

「シンジ! アンタドイツ語は!?」

 

「学校の授業で習う英語がやっとなのに、ドイツ語なんて話せるわけ無いよ」

 

「ま、当然よね。思考言語を切り替え、日本語をベーシックに!」

 

アスカは手際よくシステムを切り替え、

 

「エヴァ弐号機! 発進!」

 

弐号機が動き出した。

エヴァ弐号機が起動したことが旗艦に伝えられる。

 

『いかん! 起動中止だ! 元に戻せ!』

 

艦長はそう言うが、

 

『アスカ! 構わないわ! 発進して!!』

 

ミサトがマイクを奪って叫ぶ。

対立する2人はマイクを奪い合うが、

 

『しかし本気ですか? 弐号機はB装備のままです』

 

副官がそう報告する。

B装備とは要は通常装備で陸戦専用の装備である。

 

『『え?』』

 

2人揃って声を漏らした。

 

「海に落ちたらヤバいんじゃない?」

 

「落ちなきゃいいのよ」

 

「所で、電源無しじゃ1分ぐらいしか動かないけどどうするのさ?」

 

「オーバー・ザ・レインボーの甲板にソケットを用意してもらうわ」

 

「どうやってそこまで行くのさ?」

 

「もちろん船を飛び移っていくのよ」

 

アスカは自信満々にそう言うが、

 

「駄目だよ!」

 

シンジは大きな声で否定した。

 

「何でよ?」

 

「エヴァみたいな巨体が船に飛び移ったらそれだけで少なくない被害が出る! 人死にだって出るかもしれない!」

 

「ッ………!」

 

シンジの言葉に飛び移ろうとしたアスカは思いとどまる。

 

「じゃあどうすんのよ!?」

 

「兎に角、船を寄せてもらわないと………!」

 

シンジはそう言うが、

 

「そんなちんたらしてたら限界活動時間が来ちゃうわよ!」

 

エントリープラグの中であーだこーだ2人が言い合っていると、使徒が向きを変えて弐号機の居る輸送艦に向かってくる。

 

「くっ! 時間が無い! 巻き込まれる人には悪いけど、当初の通り飛び移るしか……!」

 

アスカがそう言いかけた時、

 

『アスカ! シンジ!』

 

「「ッ!?」」

 

通信から聞こえた声に2人はハッとなる。

 

『前に飛べ!』

 

「アスカ!」

 

シンジはアスカに呼び掛けると、

 

「ええ!」

 

アスカは迷いなく頷く。

次の瞬間、弐号機は輸送艦の前方に飛び出し、海に飛び込む。

同時に使徒もその場所へ向かって突進してくる。

そして、ドッパァァァァァァァンと盛大な衝撃音と水飛沫が上がった。

 

「アスカ! シンジ君!?」

 

ミサトが思わず叫ぶ。

だが、次の瞬間海面が盛り上がると、そこから弐号機の顔が現れる。

そしてその姿が海面から徐々に表れていき、同時に別の巨大な物体も浮上して来た。

それは白亜の戦艦ジェイアーク。

甲板にエヴァ弐号機を乗せ、海中からジェイアークが浮上して来たのだ。

尚、使徒はジェイアークに激突したがジェネレイティングアーマーの前にはじき返されている。

 

「「ジェイ(兄)さん!」」

 

シンジとアスカが2人そろって嬉しそうに声を上げる。

 

「無事か? 2人とも」

 

「「はい!」」

 

「お前達は先にケーブルを装着しろ! 援護は任せろ!」

 

ジェイアークがオーバー・ザ・レインボーに向かって進み始める。

その時、使徒が再びジェイアークに向かってきた。

すると、

 

「メーザーミサイル!!」

 

ジェイの号令と共にジェイアークの側面からメーザーミサイルが発射され、弧を描きつつ上空から使徒に向かって殺到した。

メーザーミサイルが水中に飛び込んでいくと次々に大爆発が起き、使徒が海中から上空に放り出される。

そのまま重力に引かれて再び海面に落ちる使徒。

その間に、弐号機はオーバー・ザ・レインボーに乗り移って外部電源を装着。

 

「ジェイさん! 準備オッケーです!」

 

アスカはそう答える。

すると、再び使徒が向かってきた。

だが、

 

「牽引ビーム発射!」

 

ジェイが号令を掛けるとジェイアークから電撃のような光線が放たれ使徒を包みこむ。

そして、

 

「ジェイアーク、離水! 上昇!!」

 

『リョウカイ』

 

ジェイアークが海面から更に上昇し、空中に浮かび始めた。

 

「せ、戦艦が………空を………」

 

オーバー・ザ・レインボーの艦長が信じられんと言いたげに声を漏らす。

そして、それに伴って牽引ビームに囚われた使徒が、まるで網にかかった魚のように海上に持ち上げられる。

 

「今だ! 2人とも!」

 

ジェイが2人に呼び掛ける。

 

「シンジ! 使徒の弱点は!?」

 

「体のどこかに赤い球があるはず……! それを壊せば!」

 

「オッケー!」

 

アスカは使徒の身体を観察するが、

 

「赤い球なんて何処にも無いわよ!?」

 

コアが見当たらなかったアスカは叫ぶ。

すると、使徒の頭らしき部分が開き、口が現れて叫び声をあげる。

 

「口ぃ!?」

 

突然の事に驚くアスカ。

だが、

 

「あった!」

 

シンジが叫ぶ。

 

「えっ?」

 

「赤い球は口の中だ!」

 

「口の中ぁ!?」

 

開いた口は既に閉じられている。

 

「このっ! もう一度口開けなさいよ!」

 

アスカは叫ぶがその口は堅く閉じられたままだ。

 

「こうなったら、口を抉じ開けるしか……!」

 

シンジがそう言うと、

 

「上等よ! やってやろうじゃない!」

 

弐号機が上顎に手を、下顎に足を掛けると、抉じ開けようとする。

 

「こんのっ………! 開きなさいっ!」

 

アスカは操縦桿を握りしめ、エヴァの出力を上げようとするが、なかなか口は開かない。

 

「アスカ……………ッ!」

 

シンジは決心した表情になると、身を乗り出し、操縦桿を握るアスカの手の上から自分の手を重ねる。

 

「シンジ!?」

 

「アスカ! 僕も一緒にっ……!」

 

「ッ………!?」

 

アスカは一瞬驚いた表情になるが、

 

「………ったく、仕方ないわね! 力を貸しなさい!」

 

「やるよ! アスカ!」

 

シンジも意識を集中し、使徒の口を抉じ開けようとする。

 

「開け、開け、開け! 開け!!」

 

「開け開け開け開け!!」

 

そして、

 

「「開けぇぇぇぇっ!!!」」

 

2人の声が重なった時、シンクロ率が急上昇し、弐号機の出力が上昇。

硬く閉じられた口を抉じ開けることに成功した。

そして、その口の奥に赤い球体、使徒のコアを発見する。

 

「あれね!」

 

弐号機は左腕で上顎を抑えつつ、右手で肩のウェポンラックからプログレッシブ・ナイフを取り出し、

 

「うぉりゃぁああああああああああっ!!!」

 

コアに向けて一気に突き出した。

ナイフがコアに突き刺さり、その光が失われていく。

すると、暴れていた使徒の身体がぐったりと動かなくなり、力なくぶら下がる。

弐号機が口の中から飛び出してオーバー・ザ・レインボーの甲板に着地すると、ジェイアークが牽引ビームを解除。

使徒の身体はそのまま海に落下し、海中へ沈んでいった。

弐号機はジェイアークを見上げる。

 

「ジェイ兄さん! ありがとうございました!」

 

「まっ、お礼は言っとくわ。ありがとう」

 

ジェイは艦橋から弐号機を見下ろしながらフッと笑みを浮かべると、ジェイアークはそのままメインブースターから火を噴き、空の彼方へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

尚、日本に到着したアスカだが、シンジのクラスに転入することになりひと騒ぎあったことは余談である。

 

 

 

 






はい、エヴァ編第7話です。
今回はアスカ登場。
実はシンジと知り合いだったルート。
まあジェイ達ならアスカも助けていても不思議じゃなかろうと。
なので、原作よりも丸くなっていたり、他と協調性があったりと変化してます。
でもってガギエル戦ですが、使徒の被害と弐号機が出した被害って結構どっこいどっこいのような気がした。
なのでその辺を突っ込んでみることにする。
そしてついに登場ジェイアーク。
ガギエルの一本釣りならぬ一網釣り?
ガギエルって海から出してしまえば何も出来ないのでは?
加持も脱出する暇も無し。
特に理由は無い。
次回はイスラフェル戦。
このシンジとアスカなら問題ない様に思えますが果たして………?

A.T.フィールドは心の壁。つまりシェリルとランカの歌で使徒の心を開かせればA.T.フィールド消滅or弱体化はアリ?ナシ?

  • アリ
  • ナシ
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