転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第9話 マグマダイバー

 

 

第7使徒との戦いからまたしばらく。

シンジ達が通う中学校は、修学旅行が目前に迫っていた。

だが、

 

「え~~~~~っ!? 修学旅行に行っちゃ駄目!?」

 

自宅でミサトから修学旅行に行けないと聞いたアスカが文句を言いたげに声を上げた。

 

「ええ。私としても行かせてあげたい気持ちはあるんだけど、旅行中に使徒が現れる可能性を考えるとやっぱりね………悪いけど、今回は諦めて頂戴…………ホントゴメンね」

 

ミサトも行かせられないのは悪いと思っており、申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にした。

 

「戦時待機ですし、仕方ない………か」

 

シンジは元々こうなることを予想しており、これと言って落胆は無い。

まあ、残念とは思っているが。

 

 

 

 

 

トウジ達クラスメイトが飛行機で修学旅行先の沖縄へ向かった後、シンジ達は海で泳げなかった鬱憤を晴らすかのように室内プールで泳いでいた。

シンジ、アスカだけではなく、レイも一緒だ。

因みに、レイは先のユニゾン訓練以降、ほぼシンジ達のいるミサト宅に住み着いている状態だ。

何でも、元の生活は『なんか嫌』との事。

シンジとしては、あの廃屋のようなアパートの部屋で暮らしているよりはずっといいと思っており、歓迎している。

尚、流石に部屋が狭いので隣の部屋も新たに借りて2部屋で合同生活をしている。

因みに料理当番はほぼシンジの担当となり、他の家事をアスカ、レイ、ミサトが分担して行っている。

今更だが、ミサトはゾンダーから浄解された後、少しずつだが生活に改善の兆しが見えていたりする。

未だ『兆し』……だが。

そんな中、浅間山の火口のマグマの中で蛹の状態の使徒が発見されたという報告があった。

直ぐにシンジ達チルドレンにも召集が掛かる。

作戦内容は、

 

「使徒の捕獲!? 殲滅じゃなく!?」

 

シンジが驚きの声を上げる。

 

「ええ、今回の作戦内容は使徒の捕獲。要は生け捕りね」

 

「そんな……!? 危険じゃないんですか!?」

 

マグマの中に潜って使徒を捕獲しろと言う無理難題にシンジが声を上げるが、

 

「もちろん私も即時殲滅を進言したわよ。でも、生きたサンプルは貴重なんだって。失敗したら人類滅亡なのに悠長なことだわ」

 

ミサトが呆れたように口にする。

 

「けど、使徒の生体サンプルを手に入れることによって、使徒への対抗手段の大きな手掛かりになる事は間違いないわ」

 

同席していたリツコが口を挟む。

 

「…………捕獲中に使徒に変化があったら倒しちゃっていいのよね?」

 

アスカが確認するようにそう言うと、

 

「ええ。けど、出来る限り生きたまま捕獲することが望ましいわ」

 

「簡単に言ってくれるわね………」

 

アスカが文句を言いたげにそう言う。

 

「作戦担当はアスカ」

 

「アタシィ!?」

 

ミサトの言葉にアスカが驚く。

 

「エヴァのD装備は弐号機しか装備出来ないのよ」

 

「そんなぁ~………」

 

嫌そうな声を上げるアスカ。

 

 

 

そして……………

 

「嫌ぁああああああああああああああっ!?!?!?」

 

ダルマのようになった自身の耐熱プラグスーツ姿と深海用潜水服を思わせる弐号機のD装備姿に、アスカの悲鳴が響くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

浅間山に到着した一同は、さっそく準備を始めた。

初号機と零号機は有事の際の為に火口付近で待機。

弐号機が冷却ホースを繋げたクレーンで火口に向かって降ろされていく。

 

「………アスカ」

 

その様子を心配そうに見つめるシンジ。

そんなシンジに対し、

 

「見てみてシンジ! ジャイアントストロングエントリー!」

 

まるでダイバーが海に飛び込むときのような恰好をしながら弐号機はマグマの中にダイブしていく。

 

「…………はぁ」

 

シンジは呆れたようにため息を吐く。

しかし、その心は僅かに軽くなっていた。

 

 

 

マグマの中を潜航していく弐号機。

マグマとは液体となった岩。

それは熱だけでなく、深海の水圧のように高い圧力が内部物体にかかる。

しかも、その圧力は水よりも遥かに高い。

弐号機には、凄まじい熱と圧力が襲い掛かっていた。

それでも潜航を続ける弐号機。

やがて予定深度に到達するものの、そこに使徒の姿はない。

対流の速度が計算よりも速く、使徒が流されてしまったのだ。

ミサトは一瞬迷うものの、作戦続行を決意。

アスカも強気な発言でミサトを後押ししていた。

同時に、作戦が終わった後には温泉に行くという話もしている。

潜航を続ける弐号機だったが、足に固定していたプログレッシブ・ナイフのバンドが耐えきれずに溶解。

プログレッシブ・ナイフが脱落してしまう。

しかしその直後、耐久限界ギリギリで使徒の姿を発見。

アスカは捕獲用のキャッチャーで使徒の捕獲に成功。

続いて浮上の為にクレーンが巻取りを開始した。

クレーンが巻取りを開始したのを見てホッと息を吐くシンジ。

その時、突如として上空を影が横切った。

 

「何だ!?」

 

シンジが空を見上げると、国連軍の空軍の戦闘機が低空を飛行していた。

それは、NERVが作戦失敗した時の保険としてN2爆雷を搭載して空中待機していたものだ。

その戦闘機は高度を上げないまま山の中腹辺りに墜落。

炎上した。

 

「墜落した!?」

 

目の前で起こったことに驚愕するシンジ。

一瞬救助に向かう事も頭をよぎったが、次の瞬間、

 

『ゾンダァァァァァッ!!』

 

唸り声のような音と共に、何かが炎の中から立ち上がった。

 

『何っ!?』

 

発令所でミサトが叫ぶ。

 

『わかりません! パターンオレンジ! 使徒ではありません!』

 

『あれって、まさか………JAの時と同じ………!』

 

リツコが既視感を感じるようにそう叫ぶと、

 

「ゾンダー!?」

 

シンジがその正体を口にする。

丸みを帯びた人型のそれは、山頂のエヴァンゲリオンを見据えると、

 

『ゾンダァァァァァァァァァァァァァッ!!』

 

身体の各部から無数のミサイルを発射した。

ミサイルが雨のように空中から降り注ぐ。

 

「拙い! レイはミサトさん達を!」

 

「分かったわ!」

 

「「A.T.フィールド全開!!」」

 

初号機はクレーンを護る様に、零号機は発令所を護る様にA.T.フィールドを展開する。

A.T.フィールドに接触し、爆発していくミサイル。

しかし、要所は護ることが出来ても全ては護り切れない。

広範囲に放たれたミサイルが辺りに着弾。

爆発を起こす。

その際、クレーンの固定部分が損傷し、クレーンが傾き始める。

 

「いけない!」

 

シンジは咄嗟に初号機でクレーンを支える。

 

「ぐぅぅ………!」

 

『シンジ君!?』

 

「大丈夫です! 巻取りを急いで!!」

 

ミサトからの通信にそう返すシンジ。

 

『分かったわ! 弐号機の回収を急いで!』

 

ミサトはそう指示を出す。

しかし、

 

『きゃあっ!?』

 

今度はアスカの悲鳴が響いた。

 

「アスカ!?」

 

シンジが気を取られる。

捕獲していた使徒が羽化を始めたのだ。

キャッチャーを破壊し、弐号機に襲い掛かる使徒。

高熱、高圧のマグマ内でも使徒は平気で泳ぎまわり、活動している。

更に使徒が暴れることでクレーンにも負荷がかかり、初号機が必死で支えつつもクレーンは傾いていく。

 

「このぉっ………!」

 

シンジは気合を入れてクレーンを支える。

その時、

 

「シンジ君っ!」

 

レイが零号機で同じようにクレーンを支え出した。

 

「レイッ!?」

 

「アスカは………死なせない………!」

 

「ッ………ああ、もちろん!」

 

レイの言葉にシンジは頷き、2人でクレーンを支える。

クレーンの傾きは止まったが、

 

『ゾンダァァァァァッ!』

 

山を登ってきたゾンダーが崖の向こうから這い上がる様に顔を出した。

 

「ゾンダー! こんな時にっ………!」

 

シンジは危機感を感じるが、クレーンから手を放すわけにはいかない。

ゾンダーが崖を昇り切ると、眼に当たる部分を赤く光らせて初号機と零号機を見据える。

 

「くっ………!」

 

「ッ………!」

 

2人は歯を食いしばる。

その時だった。

 

『シンジ! レイ! 私の事は良いから逃げなさい!』

 

アスカから信じられない通信が入った。

 

「何言ってるんだよアスカ!? そんな事できるわけ無いだろ!」

 

シンジはそう言い返す。

だが、

 

『…………無理なのよ………もう………』

 

アスカから帰ってきたのは、諦めたような声。

何故なら、使徒の攻撃によって弐号機とクレーンを繋ぐ冷却バルブのホースが激しく損傷し、今にも千切れそうだったからだ。

それに伴い、冷却材の圧力低下によってD装備の装甲がへこみ始めている。

 

「アスカッ!?」

 

それに気付いたシンジが悲痛な表情で叫ぶ。

 

『だからもう良いのよ…………アンタ達だけでも逃げなさい』

 

アスカが最後に笑みを浮かべながらそう言う。

 

「アスカ………!」

 

レイも何処か悲痛そうにアスカの名を呼ぶ。

 

「………レイ、折角仲良くなれそうだったのに、残念だわ」

 

「ッ………!」

 

その言葉に、レイはハッとなる。

だが、

 

「諦めちゃダメだ!!」

 

シンジが叫ぶ。

 

「ッ!? シンジ……!?」

 

「勇者ロボの皆から聞いた筈だ! GGG憲章第5条125項! GGG隊員は如何に困難な状況であろうとも、決してあきらめてはならない!!」

 

「ッ………!」

 

「僕達はGGG隊員じゃないけど、その気持ちは見習おうって言ったじゃないか!!」

 

「シンジ……!」

 

シンジの言葉にアスカの目に光が戻る。

 

「最後の最後まであきらめちゃいけない!!」

 

その時、初号機の背後にはゾンダーが、弐号機の正面からは使徒が向かってきていた。

だが、

 

「僕達は…………!」

 

「私達は…………!」

 

「「絶対に諦めない!!!」」

 

2人が同時に叫んだ。

その瞬間、高速回転しつつ飛来して来た物体にゾンダーは頭を粉砕されつつ吹き飛ばされ、使徒は横から突っ込んできた巨大な物体に追突され、大きくよろけた。

それは、

 

「ガオファイガー!!」

 

高速回転させつつ射出した右腕をドッキングさせつつ上空から降下して来たガオファイガーと、

 

「ジェイアーク!?」

 

高温高圧であるマグマ内でも平然と使徒へ艦首で体当りを仕掛けたジェイアークがそこに居た。

 

「よくぞ咆えた! シンジ! アスカ!」

 

「それでこそ『勇者』!」

 

ジェイとルネがそう叫ぶ。

 

「ジェイ兄さん! ルネ姉さん!」

 

「ジェイさん! ルネさん!」

 

シンジとアスカが嬉しそうに名を呼んだ。

すると、ジェイアークが弐号機の下に回り込み、その甲板に弐号機を乗せて浮上を始める。

 

「凄い………マグマの中なのに、平気で運用できるなんて………」

 

アスカは思わず呟く。

エヴァはD装備と言う重装甲と冷却材をふんだんに使った装備で何とか活動できる程度。

しかし、ジェイアークは何の装備も無しに平気でマグマの中を航行している。

すると、使徒がお返しとばかりにマグマの中を大きく回り込みながら泳いで勢いをつけ、突進してくる。

 

「また来るっ!」

 

アスカは身構えるが、

 

「反中間子砲!!」

 

ジェイの号令と共にジェイアークの主砲から8条の赤き閃光が放たれた。

それらは向かってきた使徒の身体を容易く貫く。

そして、ごくあっさりと使徒は消し飛ばされた。

 

「…………え? 終わったの………?」

 

一撃で消し飛ばされた使徒に、アスカは呆気に取られた声を漏らす。

地上では、

 

「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ…………はぁあああああああああっ!!」

 

ヘルアンドヘブンによる突撃を仕掛け、ガオファイガーがゾンダー核を抉り出したところだった。

尚、N2爆雷の爆発は、待機していた超竜神のイレイザーヘッドによって無力化されたのだった。

 

 

 

 

作戦後、シンジ達は麓の温泉旅館に来ていた。

何故かリョウジ名義の宅急便でミサトのペットであるペンペンが送られてきたが…………

その温泉では………

 

「はぁ~~~~~、極楽極楽…………風呂がこんなに気持ちいいなんて知らなかったな」

 

シンジが露天風呂に浸かりながら幸せそうに声を漏らす。

すると、

 

「確かに良い湯だな…………」

 

シンジの隣で同じように温泉に浸かるジェイ。

 

「戦艦の風呂場とは、全然違いますよね………」

 

同じく温泉に浸かるシン。

 

「これが天然の温泉か…………」

 

男なのに、何処か色っぽさを感じさせるアルト。

いつの間にか合流していた異世界組も温泉を満喫していたりする。

それぞれが温泉に浸かりながらまったりしていた。

因みに女子風呂とは柵を隔ててあるだけなので、隣の声は丸聞こえだ。

その為、ボディソープを投げてくれと頼まれたシンジは言われた通りに投げ渡すが、

 

「うわぁ………ハルさんやルネさん、シェリルさんも、凄いスタイル良いですね………」

 

アスカの羨望の声が聞こえた。

 

「アスカも14歳にしては発育良すぎ」

 

ルネがそう言う。

 

「大人の葛城一尉はともかくとして、レイも中々だと思うよ」

 

続けてハル。

 

「っていうか、皆発育良すぎですよ! 羨ましい……!」

 

ランカが恨めしそうな声を漏らす。

 

「…………私の仲間はランカさんだけです」

 

ルリの声が聞こえ、

 

「あら? ランカちゃんやルリはそう言う所が良いんじゃない」

 

楽しそうなシェリルの声が聞こえた。

 

「うぇーい?」

 

良く分かって無さそうなステラの声。

 

「…………………」

 

そんな彼女たちの声に、シンジは真っ赤となる。

すると、温泉で泳いでいたペンペンがシンジの前に回り込むと、ビックリしたように固まった。

シンジはそれに気付くと、慌てたようにしゃがみ込んで湯に沈む。

 

「………膨張しちゃった………恥ずかしい………」

 

ナニをとは言わないが、シンジは恥ずかしそうに縮こまる。

だが、

 

「はっはっは! 思春期男子なら当然の反応だ。健全な証拠だ。恥ずかしがることは無いぞ」

 

ジェイがシンジの肩を叩きながらそう言う。

 

「で、でも…………」

 

すると、ジェイはシンジの肩を抱き寄せると、

 

「それでシンジ? 一体どっちが本命なんだ?」

 

「ほ、本命……?」

 

「とぼけるな。アスカか? レイか? それとも両方か?」

 

「ッ!?」

 

ジェイの問いかけにシンジはカッと顔を赤くする。

 

「か、揶揄わないでくださいよ。それに両方って何ですか……!?」

 

「それは俺やアルトを見れば分かるだろう?」

 

「そうでした………」

 

シンジは言い返したが、ジェイやアルトは複数人と恋人関係なので、問いかけは別に間違っていなかった。

 

「おいジェイ。俺を引き合いに出すな。少なくとも俺は2人以外に手は出していないぞ」

 

アルトはそう言い返したが、

 

「アルト、50歩100歩って言葉を知っているか?」

 

「うぐっ………!」

 

ジェイの切り返しにぐぅの音が出る。

 

「………………俺はステラ一筋だな」

 

「女性関係については、僕はシンさんを尊敬します」

 

ボソッと呟いたシンにシンジは羨望の眼差しを向けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






エヴァンゲリオン編第9話です。
はい、予想通りマグマの中はジェイアークの出番です。
ゾンダーを出してちょっとピンチに。
GGG憲章を出してみた。
何気に気に入ってますこのセリフ。
最後は皆さん入り乱れての温泉シーン。
女子風呂は皆さんの脳内再生で。

A.T.フィールドは心の壁。つまりシェリルとランカの歌で使徒の心を開かせればA.T.フィールド消滅or弱体化はアリ?ナシ?

  • アリ
  • ナシ
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