転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
停電騒ぎからまた少し。
いつの間にか一尉から三佐に昇進していたミサトを祝う為に、ケンスケが主導となって『ご昇進おめでとう祝賀会』が開かれていた。
まあ、会場はミサトの部屋であるし、参加者もシンジ、レイ、アスカ、トウジ、ケンスケ、ヒカリといったいつもの顔触れだ。
更にリツコとリョウジも途中参加して来た。
ワイワイと騒がしくなる会場。
元々シンジはこういう場所は苦手だったが、ジェイ達との交流で普通に楽しめるようにはなっていた。
その時、シンジの携帯電話が着信を知らせる。
シンジがその場を少し離れて電話に出ると、
「はい…………はい………えっ? 本当ですか!?」
受け答えして少しすると、驚いた表情になるシンジ。
「はい………はい………分かりました!」
シンジは再び何度か受け答えすると、嬉しそうな顔で電話を切った。
「誰からだったの~?」
ミサトがシンジに問いかけると、
「あ、はい。ジェイ兄さんからです」
「「「ッ!?」」」
シンジの言葉に思わずシンジを見るミサト、リツコ、リョウジ。
「そのジェイ兄さん、ちゅーのは誰や?」
トウジが問いかけると、
「僕にとっての恩人で、本当の兄さんみたいな人………かな?」
シンジは笑みを浮かべてそう答える。
「あの人が居たから今の僕がある。それだけは確かだよ」
「ほーん……? センセにそこまで言わせるっちゅー事はよっぽどなお人なんやな」
「うん。本当に感謝してるよ」
シンジがそう言うと、
「それで、ジェイさんは何て?」
アスカが問いかけると、
「うん。皆をオービットベースに招待しないか? だって」
「「「ッ!?!?!?」」」
シンジの言葉に大きく反応するミサト、リツコ、リョウジ。
「シ、シンジ君……? それって私達も良いの……?」
ミサトが確認するように問いかけると、
「今ここに居るメンバーなら問題ないそうです」
「おっと……? 俺も良いのかな?」
リョウジが問いかけると、
「はい。加持さんも問題無いと」
シンジは迷いなく頷く。
「そのおーびっとべーす……? って言うのはなんなの?」
ケンスケが問いかけると、
「オービットベースはジェイ兄さん達の拠点の宇宙ステーションの事だよ。今は月の裏側にあるよ」
「宇宙ステーション!?」
シンジの言葉にケンスケが目の色を変えて食いつく。
「…………………」
難しい顔をしているリツコ。
「今回は否定しないのね?」
そんなリツコにミサトが問いかけると、
「科学者としては否定したいわ。だけど、今までの情報から頭ごなしに否定する事も出来ない事も事実なのよ。だから、その真実を見極めるためにも、是非とも行ってみたいわ」
そう答えた。
「じゃあ、明日の朝に海岸に集合って事で」
シンジがそう締めた。
翌日。
指定された海岸線にシンジ、レイ、アスカ、ミサト、リツコ、リョウジ、トウジ、ケンスケ、ヒカリが集まっていた。
特にケンスケはビデオカメラやカメラを持参し、完全に観光気分だ。
「それで……? これからどうするの?」
ミサトがシンジに問いかける。
その時、
「ぐあっ!?」
「ぎゃっ!?」
突如として複数の男の悲鳴が聞こえ、木の影から黒服を着た男達がバタバタと倒れる。
思わずミサトたちが警戒するが、
「驚かせて悪いな。招待してない無粋な輩に眠ってもらった所だ」
同じく木の影からアーマーを装着したジェイと、ハルが姿を見せた。
「ジェイ兄さん! ハル姉さん!」
シンジが叫ぶ。
「やっほー、シンジ、アスカ。久しぶり」
ハルがニコニコと笑いながら手を振って声を掛ける。
シンジとしても、ハルに直接会うのは久しぶりだった。
エヴァ越しに浄解するハルの姿は何度か見たが。
それからシンジは倒れた黒服たちを見て、
「もしかしてミサトさん?」
「わ、私じゃないわよ!?」
シンジの訝しむ表情に、ミサトばブンブンと首を振って否定する。
「じゃあリツコさんですか?」
「………………」
シンジがリツコに視線を向けると、リツコは視線を逸らして黙り込んだ。
「そんな事をしても無駄だって言ったじゃないですか………」
ため息を吐きながらそう言うシンジ。
だが、
「気にするな。こう来るのは想定済みだ」
ジェイは気にしていない素振りでそう言うと、
「組織の一員として、チャンスを逃すわけにはいかないだろうからな」
不敵な笑みを浮かべるジェイ。
「……………………」
リツコは何も答えなかった。
その頬には冷や汗がタラリと流れていたが。
「では、さっそくご案内するとしよう」
ジェイが右手を掲げてパチンとフィンガースナップを打ち鳴らすと、ゴゴゴという地鳴りと共に、背後の海面が水飛沫を上げる。
海中から浮上して来たのは白亜の戦艦ジェイアーク。
「ジェイアークだ!」
シンジが期待に満ちた表情で声を上げる。
「す、凄い! 今まで見たどの戦艦とも違う! 外見もカッコいい!!」
ケンスケが興奮しながらカメラのシャッターを何回も切る。
「それではご案内しよう。俺の戦艦、ジェイアークにな」
ジェイがそう言うと、ハルがサイコキネシスで全員を浮かばせる。
「きゃっ!?」
「おわっ!? 体が浮きよった!?」
ヒカリやトウジが驚きの声を上げる。
「ハルさんのサイコキネシスよ。心配しなくてもいいわ」
ハルの能力を知っているアスカが平然と言う。
「サ、サイコキネシスなんて…………非科学的だわ……!?」
リツコが狼狽えている。
「生身で空を飛ぶ日が来るなんて思ってもみなかったわ…………」
ミサトは半分驚き、半分呆けた表情でそう言った。
「こりゃ貴重な体験だな」
リョウジは、表面上は落ち着いていたが、内心は驚愕している。
一同をジェイアークの艦橋に案内すると、
「はぁ~~~~♪ 凄いぃぃぃぃ………♪ 凄すぎるぅぅぅぅぅぅ………!」
ケンスケはあまりの興奮に昇天しかけていた。
だが、
「フッ、この程度で満足されては困る」
指揮壇に立ったジェイが不敵な笑みを浮かべると、
「ジェイアーク! 離水! 上昇!」
『リョウカイ』
ジェイの号令にトモロが答え、ジェイアークが海面を離れて上昇し、空中に浮かび始める。
「嘘やろ!? こんなバカでっかい戦艦が空を飛んどる!?」
トウジが驚愕の声を上げる。
すると、
「空は良い………」
ジェイは何となく口走った。
ミサトやリツコ達も、覚悟はしていたのだろうがやや呆然としている。
そして、
「発進! ジェイアーク!!」
ジェイが指を指しながら号令を掛けると、メインブースターが火を噴き、ジェイアークが加速。
空へ向かって進路を取った。
艦橋の窓から見える景色が目まぐるしく後ろへ流れていき、1分と経たずに窓から見える景色は青空から星空………宇宙空間へと変化する。
「も、もう宇宙空間に!?」
リツコは驚愕する。
地球のロケットなら、宇宙空間に出るまでに凡そ10分はかかる。
つまり、ジェイアークの速度はロケットの10倍以上という事だ。
とはいえ、これでも全速力ではないが。
ジェイアークは更に加速し地球が見渡せる距離まで来ると、
「わぁ……奇麗………」
ヒカリが青い地球を眺めながら感嘆の息を零す。
青い地球を生で見られる人間など、宇宙飛行士以外にはあり得ない。
それを中学生の子供が見られるなど夢にも思わなかっただろう。
すると、
「…………けど、おかしくない?」
ミサトがふと思い出したように声を漏らす。
「宇宙空間って無重力でしょ? 何で私達は普通に立ってるわけ?」
このミサトの疑問にジェイが回答した。
「ジェイアークには人工重力発生装置があるからだ。余程の緩急を付けない限り、加速Gもほとんど感じない」
「そういえば、1分で宇宙に出た割にはGは殆ど無かったわね………」
リツコがそう言えばと声を漏らす。
気が付けば月が目の前に迫っており、ジェイアークが月を回り込んで裏側へ向かう。
「…………本当に30分足らずで月の裏まで来たわね………」
ミサトが以前シンジから聞いた話を思い出してそう呟く。
すると、月の裏に金色の宇宙ステーション、オービットベースが見えてきた。
「宇宙ステーション…………」
人類の夢の1つ、宇宙ステーションがそこに存在していた。
ジェイアークはオービットベースの頂点に接続されているマクロス・ブレイバーの中央にドッキングすると、ジェイは一同をオービットベースに案内する。
しかし、案内された所は照明が点いておらず、真っ暗な空間だった。
「なんや? 真っ暗やないか」
「何も見えないよ~」
トウジが怪訝な声を漏らし、ケンスケが不満そうな声を上げる。
しかし次の瞬間、目の前にスポットライトが照らされ、1人の人物を照らし出した。
それは、
「皆、抱きしめて! 銀河の! 果てまで!!」
可憐なステージ衣装に身を包んだランカだった。
「「ランカさん!?」」
シンジとアスカが驚愕の声を上げる。
『星間飛行』を歌い始めるランカ。
ミサトやリツコ、リョウジはポカンとしていたが、
「感動だ~! またランカさんの歌を聞けるなんて!!」
ケンスケが泣きながらビデオカメラを回している。
トウジやヒカリもランカの歌に聞き惚れていた。
「キラッ!」
サビが始まる直前の、親指、人差し指、小指を立てた手を、ウインク付きスマイルの顔の前で返す決めポーズを取るランカ。
すると、
「「キラッ!」」
シンジとアスカが同じ決めポーズで合いの手を入れる。
「シ、シンジ君………アスカ………!?」
2人の行動にミサトが更にポカンとする。
更に歌が続き、2コーラス目に入る。
その時にはその場の全員がランカの歌に聞き入っていた。
そして再びサビ部分に入ろうとするとき、
「皆一緒に――――――!」
突然ランカから呼び掛けられる。
そして、
「「「「「「キラッ!」」」」」」
シンジ、アスカ、トウジ、ケンスケ、ヒカリがランカに合わせて決めポーズを取りながら口ずさむ。
更に
「………キラッ」
少し遅れて、レイも声が小さいながらも決めポーズを取っていた。
「レ、レイ……………?」
これにはリツコもポカンを超えて唖然としていた。
リツコからすれば、レイがそのような事をするとは思ってもみなかったのだろう。
やがてランカの歌が終わるが続けてシェリルも登場し、それぞれが数曲を披露する。
突然の歓迎ライブが終了すると、
「どうだったかな? 歓迎のライブは?」
ジェイがそう問いかけると、
「もう最高です! これだけでここまで来た甲斐ありました!」
トウジが泣きながらそう言う。
「ははは。2人の歌が凄いことは認めるが、まだまだ楽しむものはあるからな。じっくりと堪能してくれ」
「「はいぃっ!!」」
トウジとケンスケが泣きながら返事をした。
ジェイ達に案内される一同。
勇者ロボ達との交流。
展望台から眺める宇宙の景色。
更に食堂や温泉施設などといった各種保養施設まで全て整っている事にミサトやリツコはNERV本部と比べて敗北感を味わっていた。
そして極めつけが、
『わぁあああ…………!』
ヒカリが感動の声を漏らす。
『うひょぉぉぉぉぉぉぉっ!』
トウジが興奮の声を上げ、
『感動だぁぁぁぁぁぁっ!』
ケンスケは泣きながら声を上げている。
その理由は、
『…………まさか、宇宙遊泳まで体験させてくれるとはねぇ………』
ミサトが驚愕を超えて呆れた声を漏らす。
一同は宇宙服を着てオービットベースの外。
即ち宇宙空間の無重力を体験していた。
勿論安全のための命綱はつけてあるし、万一の事態に備えて経験者であるアルトやシン、ステラも一緒であり、勇者ロボ達も周りで待機している。
『……………………………………』
リツコは放心状態で宇宙を漂っている。
『シンジ君とアスカは随分と慣れた様子だな?』
リョウジが宇宙空間をひょいひょいと移動するシンジとアスカに目を向ける。
『私達は今までにも何回か楽しませてもらってたのよ』
アスカがそう言う。
『レイ、僕に掴まって』
上手くバランスを取れないレイに手を貸すシンジ。
『あ、ありがとう………シンジ君………』
お礼を言うレイ。
ただ、
「楽しんでいるか?」
「困ったときは言ってね?」
光に包まれ、宇宙服を着ずに宇宙空間で普通に生きているジェイとハル、ルネの存在には、先程まで一同は驚いていた。
流石にここまで見せられては、リツコ達も異世界の存在という事を認めないわけにはいかない。
なのでリツコは放心状態で漂っていたのだ。
『ところで、ずっと聞きたかったことなんだが、君らの目的は一体何なんだい?』
このままでは埒が明かないと判断したのか、リョウジがズバッと切り込んできた。
「…………俺達の基本的な目的は、この世界に現れるだろうゾンダー、及びその親玉である原種を倒す事だ。今まで渡ってきた世界でも、基本的にその世界の事柄には極力関わらない方針だった。民間人の大量虐殺なんかが起こる場合には介入していたがな」
『その割には、この世界の事柄には随分と介入してきているようだが?』
ジェイの言葉にリョウジがそう返す。
すると、
「…………俺達だって、最初は極力介入しない方針だったさ…………この世界の裏で進められている、ふざけた『計画』を知るまではな」
『ッ………!?』
その言葉にリョウジはハッとなる。
ジェイはルリに頼んで子供達にこれから話す事を聞こえないようにした。
「『人類補完計画』………」
『ッ………!?』
ジェイの言葉に再びハッとなるリョウジ。
「『不完全な人類という存在を知恵の実と生命の実を用いて、完全な単体の生命体にすること』………だったか? ゼーレの連中が何を思ってそんな選択をしたのかは知らんが…………俺から言わせてみればくだらんとしか言いようがない」
『………………』
「人………いや、生命が不完全なのは当然のことだ。不完全であるが故に不安になり、裏切り、憎み、争い合う事もあるだろう。だが逆に、不完全であるからこそ他者を信じ、分かり合い、手を取り合い、愛し合う事ができる…………それこそが生きている証! それ無くして何の生命か! それらを持たぬ完全な生命体など、そこに存在するだけの置物にも劣る!」
『『『……………………』』』
ジェイの言葉にリョウジ、ミサト、リツコは黙り込む。
すると、
「私は難しいことは良く分からないけどさ………」
ハルが飛んできてジェイの後ろに近付くと、
「こうやってジェイと抱きしめ合う事も出来なくなるのは嫌だなぁ」
そう言いながらジェイを後ろから手を回してジェイを軽く抱きしめる。
「ハル………」
回された手に自分の手を重ねるジェイ。
「遠回しになったが、ゼーレの言う人類補完計画は、生命体であることを捨てる行為だと俺達は判断した。異世界の存在である俺達がどうなるのかは分からないが、巻き添えは御免だ。故に邪魔をすることに決めた。そう言う事だ」
『なるほどね…………ゼーレの計画はほぼ破綻したも同然と言う訳か』
リョウジは若干呆れた表情をする。
「そう言う事だ。だから、アンタも危ない橋を渡るのは止めにすることだな。真実を知りたければ、ルリに頼めば調べられる………というか、暇つぶしでネルフやゼーレの情報全部暴いてるからな」
『おいおい………』
その言葉には、リョウジも呆れるしかなかった。
宇宙遊泳が終わり、子供たちがホクホク顔で、大人たちが神妙な顔で通路を歩いていると、
『ジェイさん』
突如として空間モニターが開き、ルリが報告して来た。
「どうした?」
『NERVの職員が葛城三佐に連絡を取ろうとしているようです。こちらで中継し、葛城三佐の携帯電話にお繋ぎしますが宜しいですか?』
「ああ。構わない」
ルリの言葉にジェイは頷く。
すると、ミサトの携帯電話が鳴り出した。
「もしもし」
ミサトが携帯電話に出ると、
『葛城三佐! 使徒です!』
使徒出現の報告が来た。
マクロス・ブレイバーのブリッジに全員を連れてきたジェイは、ルリにモニターに使徒の姿を表示させた。
地球の衛星軌道上にアメーバのような使徒の姿が映し出される。
「先ほど衛星軌道上に突然現れた模様です」
ルリがそう言うと、
「こりゃ凄い」
リョウジが呟くと、
「常識を疑うわね」
ミサトも声を上げた。
すると、使徒が体の一部を切り離して地球に落下させる。
それは太平洋に落下するが、かなりの範囲に影響を及ぼした。
「隕石爆弾型の使徒と言った所か………」
ジェイはそう漏らす。
「おそらく使徒の最終目標地点はNERV本部だと思われます」
「まあ、当然だろう」
ジェイは驚くこともしない。
「ルリ、マクロス・ブレイバー発進」
「了解しました。オービットベースより分離。マクロス・ブレイバー、発進します」
【発進!】
【出発進行!】
ルリの言葉と共に、周囲にオモイカネの空間モニターが開く。
「アンタ達………?」
ミサトが問いかけると、
「衛星軌道上にいる相手にエヴァでは手出しできんだろう? 精々落ちてきたところを受け止めるぐらいだ。今回も俺達が受け持とう」
「………………お願いするわ」
ミサトはそう言って頭を下げた。
すると、
「意外ね。あなたが使徒を倒す事を他人に譲るなんて」
リツコがミサトにそう言う。
「………別に。シンジ君達は私の復讐の道具じゃない…………使徒を倒せるならこれが一番よ………」
ミサトは前を向いたままそう言った。
オービットベースから分離し、発進するマクロス・ブレイバー。
「トモロ、ESミサイル発射」
『リョウカイ』
マクロス・ブレイバーの中央にドッキングしているジェイアークからESミサイルが発射され、目の前にESウインドウを作り出した。
そこに突入するマクロス・ブレイバー。
「この空間は……?」
ES空間内を見て、リツコが疑問を零す。
「簡単に言えば、空間跳躍をするための亜空間と言ったところだ」
「空間跳躍ッ…………!?」
驚愕の声を漏らすリツコ。
マクロス・ブレイバーがES空間を抜けると、地球の衛星軌道上であり、目前に使徒を確認できた。
「本当に一瞬で衛星軌道上に………!?」
ミサトが驚く。
「さて…………」
ジェイが皆に向き直ると、
「お前達にはジェイアークに移ってもらおう」
そう言った。
「ええっ!? もっと見ていたいですよ!!」
ケンスケが不満そうに声を上げる。
するとジェイはニヤッと笑い、
「だからこそだ。戦艦の雄姿はブリッジからでは分かり辛いだろう? 離れたところから見てこそ、マクロス・ブレイバーのカッコよさが分かるというものだ」
ジェイはそう言ってルリ以外をジェイアークの艦橋に移動させると、ジェイアークがマクロス・ブレイバーから分離。
少し離れた位置まで移動し、艦橋の窓から使徒とマクロス・ブレイバーが見える向きになる。
「さて………では頼むぞルリ」
『了解しました』
ジェイの言葉にルリが答えると、
『トランスフォーメーション、開始します』
ルリがそう宣言するとともに、マクロス・ブレイバーに動きがあった。
後部エンジン部が下側へと折れ曲がり脚部を形成。
前方の二又の甲板が両サイドに移動しつつ腕部を形成した。
「ちょ、ちょっと待ってよ……! これってまさか………!?」
その形に気付いたミサトが狼狽えながら叫ぶ。
ブリッジが頭部となり、マクロス・ブレイバーが完全な人型を形成した。
「変形だ~~~~~~~!!」
ケンスケが興奮しながら叫び、ビデオカメラを回す。
「おいおい………戦艦が人型に変形するとか頭イカレてんのか?」
リョウジもお手上げとばかりに頭を掻いた。
「何ちゅう大きさや………」
トウジもポカンとしている。
「あれがマクロス・ブレイバーの強攻型だ」
ジェイがそう言うと、マクロス・ブレイバーが右腕を形成するガンシップを使徒へと向けた。
ガンシップが三又に展開し、その中にエネルギーがチャージされていく。
『エネルギー充填100%。マクロスキャノン……………発射!』
ルリの号令と共に、ガンシップの先から3条の閃光が放たれ、その直後に放たれた重力波によって3条の閃光が捻じ曲げられて螺旋を描くように絡み合いながら使徒へと直進。
閃光の竜巻とも呼ぶべき一撃が使徒を貫いた。
貫かれた使徒は、その威力と重力波により捻じ曲げられ、その体を崩壊させていき、ついには爆発する。
マクロスキャノン。
正式名称『重量子反応砲』。
従来のマクロス級の主砲にも匹敵する威力を持つクォーター級の主砲である。
「………………い、意味が分からないわ…………」
リツコが狼狽えたように後ずさりながら呟く。
そして、
「何で態々人型に変形する必要があるの!?!?」
「驚くとこそっち!?」
リツコの言葉に思わずミサトが突っ込む。
現在のリツコは、脳のキャパシティーを超え過ぎていたため、少々ポンコツになっていた。
「マクロス級が人型に変形するのは、初代マクロスであるSDF-1まで遡るんだが、フォールドと呼ばれる空間跳躍システムの事故により、主砲のシステムと動力炉の間にあるエネルギーバイパスが消失。主砲が発射不能になったが、艦のモジュール構造を組み替え、主砲システムと動力炉を直結させることで主砲の発射が可能だった。その時の形が偶々人型に近い形だったから、それ以来マクロスの名を冠する艦は、人型である強攻型に変形できるのがデフォになったらしい。因みに、強攻型になる事で機動性は落ちるが運動性能が格段にアップするから格闘戦も可能になる」
ジェイがそう説明した。
「……………あっ、そう…………」
リツコは考えることを放棄するのだった。
はい、エヴァ編第11話です。
まさかここでミサトたちをオービットベースに案内するとは誰が予想してたでしょうか?
作者も考えていませんでした。
いや、どっかで連れて行こうかとは思ってたんですけどね。
まあ、マクロス・ブレイバーを出すならここかなって……
次回はイロウルですが果たして…………
P.S すみません。今回の返信もお休みです。
A.T.フィールドは心の壁。つまりシェリルとランカの歌で使徒の心を開かせればA.T.フィールド消滅or弱体化はアリ?ナシ?
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アリ
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ナシ