転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第13話 死に至る病、そして

 

 

使徒によるMAGIへのハッキング事件からまたしばらく。

この間にも、チルドレンの相互交換試験やらミサトがリョウジとヨリを戻した等の出来事はあったが、シンジ達は割と平穏な日々を送っていた。

今日もシンクロテストを行っていたが、今日はシンジが3人の中で1番のシンクロ率を記録した。

 

「チェーッ……! 遂にエヴァのシンクロ率までシンジに追いつかれちゃった………」

 

アスカがやや不満そうにそう言う。

 

「偶々だよ……! それに試験でうまく行ったとしても、本番で出来なきゃ意味ないし………」

 

シンジはアスカを励ますつもりでそう言ったのだが、

 

「シンジ、謙虚なのはあんたの美徳の1つかもしれないけど、過ぎた謙虚は嫌味になるからね!」

 

アスカは人差し指を立てながらシンジに諭すようにそう言う。

 

「え、えっと………」

 

シンジは戸惑うが、

 

「MSの操縦訓練の時から思ってたけど、アンタは普通に天才の部類に入る人間だからね?」

 

アスカはそう続ける。

 

「天才だなんてそんな………」

 

「アンタが天才じゃなかったら何!? アタシは凡人以下なわけ!?」

 

「そ、そう言う意味じゃ………」

 

アスカからの追及にシンジはタジタジになるのだった。

 

 

 

 

翌日。

突如として町中に謎の斑模様の球体が現れた。

MAGIの反応はパターンオレンジ。

使徒かどうかは不明と言う答えだった。

NERVは直ぐにエヴァ3機を発進させる。

 

『皆聞こえる? 目標のデータは送った通り………今はそれだけしか分からないわ。慎重に接近し、反応を伺い、可能であれば市街地上空外への誘導を行う……先行する1機を残りが援護よ。よろしい?』

 

ミサトがシンジ達に通信でそう伝える。

 

「「「了解!」」」

 

3人が返事を返す。

建物の影に身を潜めながら敵の様子を伺う3機のエヴァ。

 

「本当に何なんだろう………アレ……? 第5使徒みたいなものかな………?」

 

シンジは相手の様子を伺い、球体の姿を見て、今まで相対した使徒の中で、八面体の姿をしていた第5使徒を思い出した。

 

「…………僕が先行する。2人は援護をお願い」

 

シンジがそう発言した。

 

「何? カッコつけてるの?」

 

アスカがそう言うと、

 

「そう言う訳じゃないけど………どっちにしても未知数の相手だ。誰が行っても危険なのは変わりない。だったら、昨日の試験でシンクロ率が一番高かった僕が行くべきじゃないかと思ってね?」

 

「ッ…………!」

 

アスカも遠回しに自信を持てとシンジに発破をかけた本人なので、その言葉に言い返すことが出来なかった。

すると、

 

「シンジ君………気を付けて………」

 

レイがシンジを心配する言葉を掛けてきた。

 

「レイ………うん!」

 

レイの言葉にシンジも頷く。

 

「………あ~も~! ちゃんと援護してあげるから気を付けなさいよ!」

 

アスカも若干投げやりになりながらもそう声を掛けた。

 

「分かってる………それじゃ………行くよ!」

 

シンジは合図と共にビルの影から飛び出し、宙に浮かぶ斑模様の球体に向けてパレットライフルを連射した。

弾丸が飛来し、球体に当たる直前、球体が煙のように消え去った。

弾丸はそのまま球体があった場所を素通りする。

 

「ッ!?」

 

『消えた!?』

 

驚くシンジとオペレーター達。

次の瞬間、

 

『パターン青! 使徒発見! 初号機の直下です!!』

 

オペレーターのマコトが叫ぶ。

 

「ッ!?」

 

シンジは反射的にエヴァを跳び上がらせた。

直後に地面に黒い影が浮かび上がり、そこにあった車や電柱が黒い影に沈むように飲み込まれていく。

 

「影に………沈む………!?」

 

シンジは思わずそう漏らす。

シンジは迎撃用ビルの屋上に手を引っかけながらその様子を見ていたが、初号機が捕まっている迎撃用ビルも傾き、呑み込まれ始める。

 

「建物も!?」

 

建物すら飲み込まれ始めた事にシンジは驚きつつ、影に向かってパレットライフルを乱射するが、効果があるようには見えない。

 

「何だよこれ!?」

 

シンジは思わず愚痴る。

 

「シンジ!」

 

「シンジ君!」

 

アスカとレイが叫び、弐号機は駆けてきて零号機は援護の為にスナイパーライフルを撃つ。

スナイパーライフルの弾丸が球体に飛来するが、その球体は再び消え去る。

 

『また消えた!?』

 

「アスカ! レイ! 気を付けて! コイツなんか変だ!」

 

シンジが叫ぶ。

 

「ッ!? 影!?」

 

アスカが弐号機の真下に浮かび上がった影に気付き、呑み込まれる直前で飛び上がる。

近くのビルにしがみ付いたが、そのビルも飲み込まれ始める。

 

「いやぁあああああっ!」

 

アスカは思わず情けない声を上げた。

 

「アスカ!」

 

自分の方の影が消えた事で移動できるようになったシンジが、ビルの屋上を足場に初号機を飛び移らせていく。

 

「アスカ! 手を!」

 

初号機が弐号機に手を伸ばし、弐号機もその手を掴んだ。

屋上に引っ張り上げる初号機。

 

「あ、ありがとうシンジ………」

 

アスカはホッとしながらお礼を言った。

だが、

 

「きゃあっ!?」

 

今度はレイの悲鳴が響く。

見れば、零号機の片足が影に飲み込まれ始めていた。

スナイパーライフルを撃つために、ビルとビルの間に体を固定していた事が、脱出の遅れにつながったのだ。

 

「レイッ!」

 

シンジは反射的に飛び出す。

 

「シンジッ!?」

 

その行動に驚いたアスカは出遅れてしまう。

 

「ッ…………!」

 

レイは必死に影から抜け出そうとするが、どんどん足から飲み込まれていく。

その時、背後のビルの屋上に初号機が着地する。

 

「レイッ!」

 

「シンジ君っ!」

 

初号機が差し出した手を零号機が掴む。

初号機は零号機を引っ張り上げようとしたが、

 

「ぬ、抜けないっ………!」

 

影から引き抜くことは出来なかった。

零号機の影に飲み込まれる部分が右足の膝にまで達する。

このままでは飲み込まれるのも時間の問題だろう。

 

「ッ………! シンジ君! 手を放して! このままじゃ2人ともっ……!」

 

「ッ!? 何言ってるんだよレイ!?」

 

「このまま呑み込まれたらどうなるか分からない! せめてシンジ君だけでも………!」

 

「駄目だ! レイを見捨てるなんて出来ない!」

 

シンジはそう言いながら必死に引っ張り上げようとするが、引っ張り上げるどころか沈み続けている。

 

「……………お願いっ………! 逃げてっ………!」

 

レイが涙を流しながら懇願するようにそう言う。

すると、

 

「…………………レイ………………ごめんっ………!」

 

シンジの言葉と共に、初号機の手が零号機の手を離した。

 

「…………………」

 

レイはその行動に安心したように表情を和らげ…………

次の瞬間、初号機が屋上から飛び降り、自ら影の上に降り立った。

 

「ッ!? シンジ君っ!?」

 

その行動にレイは驚愕の声を上げる。

当然、初号機の足は影に沈み始める。

だが、

 

「うぉおおおおおおおおおっ!!」

 

沈むまでの僅かな時間に、シンジは肩のウェポンラックからプログレッシブ・ナイフを取り出すと、呑み込まれかけていた零号機の足を切断した。

 

「あぐっ!?」

 

フィードバックした痛みに、レイは苦しむ声を上げるが、その隙に初号機は零号機を影に触れない様に両手で頭上に持ち上げると、

 

「シンジ君ッ!?」

 

「アスカァァァァァァァァァッ!!」

 

こちらに向かってきていた弐号機に向かって零号機を投げ飛ばした。

 

「シンジ!?」

 

突然飛んできた零号機にアスカは狼狽えつつも、何とか受け止める。

しかし、

 

「シンジ!?」

 

「シンジ君ッ!?」

 

2人は直ぐに初号機を見るが、初号機の下半身は完全に飲み込まれていた。

 

「アスカ………レイ……………」

 

通信でシンジが微笑む。

 

「いや………シンジ………!」

 

「シンジ君…………何で………!?」

 

2人は泣きそうな顔でシンジの名を呼ぶ。

 

「大丈夫だよ………2人とも」

 

そんな2人にシンジは微笑む。

 

「きっと………ジェイ兄さん達が何とかしてくれるから………」

 

その言葉には、恐れも不安も無い。

絶対的な『信頼』が伺えた。

 

「シンジ………」

 

「シンジ君………!」

 

2人はシンジを見る。

 

「だから…………大丈夫…………」

 

その言葉を最後に、初号機は完全に影に飲み込まれた。

 

「嫌だ…………シンジ……………」

 

「いや…………シンジ君…………」

 

その光景に2人の心に絶望が広がっていく。

 

「「いやぁあああああああああああああああああっ!!!」」

 

2人の慟哭が響き渡った。

その時、

 

『上空より降下してくる物体を確認!!』

 

オペレーターのシゲルが報告をする。

 

『これは………!』

 

その言葉に、アスカとレイは空を見たそこには、上空から降下してくる横に幅の広い金色の戦艦。

 

「あれは、超翼射出司令艦ツクヨミ!!」

 

アスカが叫ぶ。

その直後、ツクヨミから4つの光が射出された。

先頭を行くのは人型のメカノイド、ガオファー。

更にドリル戦車のドリルガオーⅡ、ロケットのライナーガオーⅡ、ステルスガオーⅢが続く。

 

「ファイナルフュージョン!!」

 

ガオファーの胸からファントムチューブが発生し、その中にガオーマシンが飛び込んでいく。

そして、

 

「ガオッ! ファイッ! ガァァァァァァァッ!!」

 

再び降り立つ勇者王。

 

「ルネさんっ! シンジが………!」

 

「お願いっ……! シンジ君を助けてっ!」

 

アスカとレイは縋る様にガオファイガーに呼び掛ける。

すると、

 

「任せて………!」

 

ガオファイガーは頼もしく頷く。

そして、

 

「来て、プライヤーズ!!」

 

そう叫ぶと、ツクヨミから3つの影が飛び立った。

それは、頭の無い小型の人型ロボット1機と、円柱状の身体をしたロボットが2機の合計3機のロボットだった。

尚、頭の無い人型ロボットと円柱状の身体をしたロボットの1機は安定した飛行でガオファイガーに向かって飛んできていたが、円柱状の身体をしたもう1機のロボットは、手足をバタつかせながらフラフラと飛んでくる。

因みに頭の無い人型がDP-C1。

円柱状のロボットの安定した飛行を見せた方がDP-R2。

バランスが悪い方がDP-L3である。

3機のロボットはガオファイガーが降り立った背後のビルにそれぞれ1機ずつ着地する。

DP-C1とDP-R2は見事に屋上に着地を決めたが、DP-L3着地の際にズッコケ、危うく屋上から落ちそうになるものの、ビルにしがみ付いて事なきを得た。

 

「それって、カーペンターズの…………」

 

その3機のロボットに見覚えのあったアスカが呟く。

 

「うん。今では修理修復用のカーペンターズとして運用されることが殆どだけど、彼らの本当の力はそうじゃない」

 

「えっ?」

 

ガオファイガーの言葉にアスカが声を漏らす。

 

「彼らは3機で1組のチーム、『プライヤーズ』」

 

「プライヤーズ………」

 

レイが呟く。

 

「今こそその力を見せる時だよ! プライヤーズ!」

 

ガオファイガーの号令に応えるように、電子音と共にカメラアイが数度点滅すると、それぞれが飛び上がり、

 

「ディメンジョンプライヤァァァァァァッ!!」

 

その名と共にそれぞれが変形を開始。

DP-C1を頂点として、他の2機がその下部にドッキング。

巨大なプライヤーの形を作り上げた。

 

「ツールコネクト!」

 

ガオファイガーが両腕を突き出しながら叫ぶと、DP-R2とDP-L3が構築するコネクター部にドッキングする。

ディメンジョンプライヤー。

それは、空間を修復したり、逆に捻じ切ることも出来るガオファイガーのハイパーツールである。

閉じていたプライヤーの先端が開放されると、ガオファイガーは飛び立ち、使徒の影に向かって突撃していく。

 

「ルネさん!」

 

アスカが思わず叫ぶが、

 

「はぁあああああああああああああああああっ!!」

 

影に到達すると同時に、ガオファイガーの周囲の空間が捻じ曲げられながらディメンジョンプライヤーの先端が閉じていく。

それと同時に、宙に浮いていた斑模様の球体にも徐々に罅が入って行き、血のようなものが噴き出し始める。

そして、

 

「でやぁあああああああああああああああああああああっ!!!」

 

ガオファイガーが思いきり捻じ曲げた空間ごと腕を振り上げると、影の空間がねじ切られるように空へ向かって放出される。

それと同時に斑模様の球体が砕け散り、内部から初号機が現れる。

 

「シンジ!」

 

「シンジ君!」

 

それを見てアスカとレイが思わず叫ぶ。

 

「アスカ………レイ…………」

 

シンジは一度2人の名を呼ぶと、

 

「………ただいま」

 

そう言って微笑んだ。

 

「ッ………! もうっ、心配させないでよバカシンジ!!」

 

アスカが目に涙を溜めながら叫ぶ。

 

「シンジ君………もうあんな無茶はしないで………!」

 

レイも涙を溜めていたが、その表情は怒っている表情だ。

 

「ごめん…………」

 

シンジは自分が悪いと分かっているので素直に謝った。

それからディメンジョンプライヤーを降ろしたガオファイガーに目をやると、

 

「助かりました、ルネ姉さん………」

 

そうお礼を言った。

ガオファイガーは頷くと、背を向けてツクヨミに向かって飛び去って行く。

 

『………………また、助けられたわね…………ありがとう』

 

飛び去るガオファイガーの背に、ミサトはそう呟く。

 

『…………敵わないわね…………本当に…………』

 

リツコは、敵が空間に何らかの干渉をしている所までは予想できたが、それを打破する方法は持ち合わせていなかった。

それをあっさりとやってのけたガオファイガー……いや、異世界の技術に、敗北を認めるのだった。

 

 

 

 

 






はい、エヴァ編第13話です。
ネタが無かったのでレリエル戦まですっ飛ばしました。
今回はディメンジョンプライヤーでレリエルに干渉出来るかっていう所がツッコミどころですが、まあ、勇気があれば何でもありだろうという事であっさり撃破。
次はバルディエル戦になるかと。
お楽しみに。



A.T.フィールドは心の壁。つまりシェリルとランカの歌で使徒の心を開かせればA.T.フィールド消滅or弱体化はアリ?ナシ?

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