転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
【Side 三人称】
使徒の影から救出されたシンジは数日後、真っ暗な部屋に連れてこられた。
人類補完委員会という組織が第12使徒に飲み込まれたシンジに直接尋問を要求して来たのだ。
「何なんですか? ここ………?」
シンジが呟くと、13のモノリスが浮かび上がった。
『エヴァンゲリオン初号機パイロット、サードチルドレン、碇 シンジ』
男性の声が響く。
「はあ………?」
シンジは曖昧に返事をする。
『先の事件………使徒が我々人類にコンタクトを取ろうと試みたのではないのかね?』
別の声で質問された。
「そんな感じはしませんでしたけど…………」
『君の記憶が正しいとすればな』
「そんなこと言われても、影に飲み込まれて割とすぐ後に助け出されましたから、もしコンタクトを取ろうとしていたとしても大した事は出来なかったと思いますよ」
シンジはそう答える。
『使徒は人の精神………心に興味を持ったのかね?』
「わかりませんよ、そんなの………影に飲み込まれたと思ったら真っ暗な空間で、5分と経たずに空間に罅が入ったと思ったら外に放り出されただけです」
シンジは事実を口にする。
『今回の使徒には、エヴァを取り込もうとしたという新たな要素がある。これが、予測される第13使徒以降とリンクする可能性は?』
「ですからわかりません。僕は研究者ではなくパイロットです。しかも、数カ月前までは何も知らない一般人だったんですよ? NERVで聞いた情報以上の事なんて知るわけないじゃないですか。単純に、今回の使徒はそう言う能力だったと思ってるだけです」
シンジはモノリスから聞こえてくる高圧的な声にイライラする気持ちを抑えながらそう答える。
『そうかね? では、もう1つ尋ねよう。使徒と戦う時に現れる第3勢力………あの者達の話を詳しく聞きたい』
「第3勢力………ジェイ兄さん達の事ですか?」
『左様。あれらが持つ戦力は危険すぎる。世界を危機に陥れるほどにな』
「ジェイ兄さん達は危険なんかじゃない!!」
その言葉に、シンジは反射的に言い返した。
『それを判断するのは君ではない。我々だ』
「ッ………!」
その言葉にシンジは頭に血が上る。
「少なくともジェイ兄さん達は僕にとっては恩人です! 使徒との戦いでも何度も助けてくれました! 何でそのジェイ兄さん達が危険だというんですか!?」
『では、何故奴らが危険では無いと言い切れるのかね?』
「……………ジェイ兄さん達がその気なら、とっくにこの世界は滅んでいるか、支配されているからですよ」
シンジはそう言い返した。
『確かに『個』の力が秀でているのは認めよう。しかし、戦いは『数』だ。地球の全ての戦力を相手にすれば、そう簡単な事ではない』
「そんな考えは、ジェイ兄さん達には通用しません。地球の兵器をいくら集めたところで、簡単に撃破されるのが目に見えてます」
『サードチルドレン、あまり我々を甘く見ないで貰おう。君の命運など、我々の意志1つで如何とでもなるという事を覚えておきたまえ』
モノリスの1つがそう言うと、
「あなた達こそ、ジェイ兄さん達を甘く見ない方が良いですよ。ここの会話だって、もしかしたら筒抜けかもしれませんし」
『そのような事はあり得ない。この会話は厳重なセキュリティーを何重にも重ねた世界最高の機密と言っていい。ここでの会話を聞いているのは、今この場で会話をしている者だけだ』
モノリスの1人が自信を持ってそう言う。
すると、
「では試してみましょうか?」
『何………?』
シンジの挑発にモノリスの1つが怪訝な声を漏らすと、
「ルリ姉さん、聞こえますか?」
いきなりそう呼びかけた。
すると、
『はい。聞こえていますよ』
シンジの横にルリの顔が映ったモニターが開き、そう言った。
『『『『『『『『『『なっ!?』』』』』』』』』』
その言葉にモノリスの全員が驚愕の声を漏らす。
すると、
『どうも、人類補完委員会…………いいえ、『SEELE』のみなさん、こんにちは。ホシノ・ルリです』
ルリはいつもの無表情で自己紹介序に挨拶をする。
『『『『『『『『『『………………………』』』』』』』』』』
モノリス………いや、SEELEの面々は絶句していた。
『な、何故…………? セキュリティーは如何した!?』
『丁度いい暇潰しだったので、遊び半分で攻略させていただきました』
『ひ、暇潰し………? 遊び………?』
ルリの言葉に再び絶句する面々。
『それから、警告しておきます。シンジ君の命運が如何こう言っていましたが、私にとってもシンジ君は可愛い弟分です。そんな彼に何かあれば、容赦はしません。私達にとってあなた方程度をどうにかする事など簡単な事であるという事をお忘れなく。では』
ルリはそれだけ言ってモニターを閉じた。
閉じたと言っても会話は引き続き聞いているのだろう。
『『『『『『『『『『『…………………………』』』』』』』』』』
少しの間沈黙が流れた後、
『こ、これにてサードチルドレンへの尋問を終了する。下がりたまえ』
シンジは退室を促されるのであった。
その後、SEELEの面々が対策をどうするか話し合っていたが、もちろんそれも筒抜けなのであった。
それからすぐの事。
アメリカにあるNERVの第2支部が消滅したという報告が入った。
半径89㎞が消失し、被害者も数千人に上る。
そこではエヴァ4号機の開発と修復したS2機関の搭載実験が行われており、それが原因ではないかとNERVでは予想した。
一方、シンジ達は平穏な学校生活を送っていたが、ある時、トウジが校長室に呼ばれた直後からトウジの様子がおかしくなった。
心ここにあらずと言った感じでボーっとすることが多くなったのだ。
シンジがそれとなく聞いてもはぐらかされるだけだ。
そんな中、松代でエヴァ参号機の起動実験が行われることを聞いた。
ミサトとリツコもその実験に立ち会う事になっており、2、3日留守にすることになる。
その翌日、トウジが学校を休んだ。
そして松代ではエヴァ参号機の起動実験が行われ…………爆発が起こった。
NERVでは爆発地点に移動する物体を感知し、第一種戦闘配備が発令された。
尚、ミサトが居ないためにゲンドウが直接指揮を執っている。
エヴァ3機が発進し、野辺山で迎え撃つ事になった。
そして、望遠映像で移動する物体の姿を捕捉。
それは、松代で起動実験が行われていたエヴァ3号機だった。
ゲンドウは停止信号とエントリープラグの強制排出を指示。
しかし停止信号は受け付けず、エントリープラグは何かに引っ掛かって排出できない。
ゲンドウは即座にエヴァ参号機を第13使徒として識別した。
そしてついに、シンジ達からもその姿を確認できた。
「あれは………あれが使徒?」
シンジは思わず呟く。
『そうだ。『目標』だ』
ゲンドウの言う目標とは『殲滅目標』という意味である。
「『目標』って………」
シンジは山間部から現れ、夕日を背に歩いてくるその姿を見る。
完全な人型であり、大きさは40m程。
そのシルエットも良く知るモノに酷似している。
「これは………エヴァじゃないか……!」
「そんな……! 使徒に乗っ取られるなんて………!」
アスカも思わず呟いた。
「ッ!? パイロットは!? 参号機のパイロットは無事なんですか!?」
シンジはハッとなって問いかける。
『パイロットの呼吸、心拍の反応は確認してる………だけど………』
マコトからの報告に、シンジは真剣な目で3号機を見据え、
「アスカ! レイ! 参号機のパイロットを助けるよ!」
シンジは迷わずにそう言った。
「まっ、アンタならそう言うわよね」
「わかったわ」
アスカとレイは特に驚いた反応を見せずに頷いた。
「1人ずつだと各個撃破されるかもしれない! 一度合流を!」
「なら、丁度中間に居るレイの所に集まりましょ!」
「わかった……待ってる」
その言葉の後に初号機と弐号機は移動を開始。
零号機が待機していた場所に集結する。
近付いてくる参号機は、背中を丸め、両腕をだらんと下げた、まるでゾンビと思えるような歩き方だった。
「アスカ………レイ………行くよ!」
3人は参号機を囲う様な形で攻撃を仕掛けようとした。
しかし次の瞬間、使徒が跳び上がって弐号機の真上を取った。
「嘘ッ!? きゃぁああああああっ!?」
真上から踏まれ、地面に叩きつけられる弐号機。
「アスカ!」
レイが咄嗟にパレットライフルを構えたが、その前に再び参号機が跳び上がる。
「ッ!?」
咄嗟の事にレイは反応出来なかったが、
「レイッ!」
零号機が参号機に踏み潰される直前、初号機のハイキックが参号機に炸裂。
参号機は吹き飛ばされ、小山に激突した。
「あ、ありがとう………シンジ君………」
レイはそうお礼を言う。
シンジは微笑んだ後、
「アスカ! 無事!?」
シンジが呼びかけると、
「な、何とか………」
頭を抑えながらも何とか起き上がる弐号機。
その姿にホッとするが、同時に参号機も起き上がっている。
「こいつ………素早いうえに動きがトリッキーすぎるわ………」
アスカが思わず愚痴る。
今までの使徒は、どちらかと言えば動きは鈍重であり、力押しな印象を受けていた。
しかし、今回は使徒がエヴァ参号機を乗っ取った形の為、そのポテンシャルはエヴァンゲリオンそのもの。
いや、使徒が寄生したことを含めればそれ以上かもしれない。
同等以上な動きが可能な相手に、シンジ達は苦戦を強いられていた。
すると、エヴァ参号機が少し離れた所で右腕を振り被った。
「「「ッ!?」」」
3人は身構えたが、参号機が右腕を繰り出した瞬間、その手が伸びてきた。
「腕が伸びた!?」
予想外の攻撃方法に、シンジは対処できず初号機の首を掴まれる。
「ぐぅぅっ!?」
フィードバックによって苦しむ声を漏らすシンジ。
「シンジ!?」
「シンジ君!?」
アスカとレイは咄嗟に助けようとしたが今度は左腕が伸びてきて、鞭のように弐号機と零号機を弾き飛ばした。
「「きゃあっ!?」」
地面に倒れる弐号機と零号機。
すると参号機は両腕で初号機の首を絞めつけ始める。
「あぐっ!? ぐぐぐ………!」
苦しみに声を漏らすシンジ。
すると、
『戦えシンジ。パイロットの生死は問わん』
ゲンドウからそう通信が来る。
「ッ………! 言われなくたって戦うさ………それに、パイロットの生死は問わないって事は……生きてても死んでても構わないって事だろ………!? だったら僕は………生かす方を選ぶ!!」
シンジは苦しみながらもそう言い放った。
その時、
『……ッ!? 戦闘区域に接近する物体あり! 数は2! これは………!?』
オペレーターのシゲルから報告が入った。
すると、道路を走ってくる大型の緑色のミキサー車と、黄色のダンプカーの姿があった。
『何だ? あのでっかいミキサー車とダンプカーは?』
マコトが怪訝な声を漏らす。
その2台は、一般的なミキサー車やダンプカーと比べると遥かに大きい。
シンジは首を絞めつけられる苦しみに耐えながら、横目でその姿を確認すると、
「あっ、あれは………!」
思わず顔を綻ばせた。
次の瞬間、
「「
その2台が空中に飛び上がり、運転席側を下にして変形を開始する。
ミキサー車とダンプカーは、瞬く間に人型となり、
「風龍!」
「雷龍!」
緑色のロボットと黄色いロボットへと変形した。
「風龍! 雷龍!」
シンジは思わず声を上げた。
『何だあれは!?』
コウゾウが叫ぶと、
『わかりません。初めて見るロボットです!』
『ですが、各部の特徴から過去に現れた青と赤のロボットの同型機と思われます!』
マコトやシゲルがそう叫ぶ。
すると、風龍は胸のダイヤルゲージを2つ上げると、
「
背中に装備されている
3号機は咄嗟に初号機から手を離すと飛びのき、その攻撃を躱す。
「大丈夫ですか? シンジ」
初号機を護る様に目の前に着地した風龍が背中越しに声を掛ける。
「げほっ! げほっ! う、うん……ありがとう風龍」
開放されたシンジはせき込みながらお礼を言う。
すると、風龍は参号機に向き直り、
「ここは我々にお任せを!」
すると、風龍は再び胸のダイヤルゲージを上げると、
「
担いだ
「ッ!?!?!?」
参号機は凄まじい風の嵐にその場で耐える事しか出来ない。
その時、
「今だ! 雷龍!!」
「おうよ!」
風龍が呼びかけると、雷龍が背中の
そして、
「ヴァンレイ!」
雷龍の指先から雷撃が発射され、参号機の首の付け根付近、エントリープラグに直撃した。
「雷龍!? 何を!?」
まさかエントリープラグに直接攻撃するとは思わなかったシンジが思わず声を上げた。
「心配ありません、シンジ」
竜巻で参号機の動きを止めている風龍がそう言う。
「エヴァンゲリオンにはフィードバックってもんがあるんだろ? だから、パイロットには痛みを感じない様に電撃でちょいと気を失ってもらっただけさ」
「よし! 行けるな雷龍?」
「もちろんだぜ! 風龍!」
お互いに頷き合うと、風龍は竜巻を止めて雷龍と共に飛び上がった。
そして、
「「シンメトリカルドッキング!!」」
2機が左右対称になる様に変形を開始。
それぞれが半身を形成し、中央で合体。
右半身が緑。
左半身が黄色の大型戦闘用合体ビークルロボとなる。
その名は、
「撃っ………龍ぅぅぅぅぅぅぅじぃぃぃぃぃぃぃぃん!!」
名乗りを上げる撃龍神。
「あれが………風龍と雷龍がシンメトリカルドッキングした姿………」
起き上がった弐号機の中で、アスカが呟く。
話には聞いていたが、見るのは初めてだった。
そして、
「唸れ疾風!」
撃龍神の右腕となっている
「轟け雷光!」
左腕に装備されている
「
その2つのエネルギーがそれぞれ龍の姿を形作り、同時に放たれた。
緑色の風の龍と黄色の雷の龍が参号機へ向かう。
参号機は飛び上がってその龍を躱そうとした。
だが、
「逃がさん!!」
撃龍神が両腕を振り上げると、双頭龍が生きているように向きを変え、空中に飛び上がった参号機に向かって飛翔する。
「ッ!?」
参号機は両腕を伸ばして迎撃しようとしたが、空中を泳ぐように飛ぶ龍を捉えることは出来なかった。
腕を躱した龍は、それぞれが参号機の肩の付け根に喰らい付くと、そのまま両腕を食い破った。
両腕を食いちぎった双頭龍はそのまま参号機の後方へ飛んでいくが、
「そこだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
再び撃龍神が両腕を振り下ろすと、双頭龍がUターンして向きを変えた。
そのまま2匹の龍が参号機の首の付け根に喰らい付いた。
そして、
「はぁああああああああああああっ!!」
再び撃龍神が腕を振り上げると、それに合わせて2匹の龍が喰らい付いたエントリープラグが引き抜かれた。
撃龍神は左手でそのエントリープラグを受け止める。
参号機はそのまま地面に落下し、動かなくなった。
参号機に取り付いていた使徒は粘菌型の使徒であり、エントリープラグ付近に本体があったようで、エントリープラグが引き抜かれる際、双頭龍のエネルギーによって消滅していた。
撃龍神はエントリープラグをじっと見つめ、
「エントリープラグ内の生命反応を確認。エヴァンゲリオン参号機パイロットの救出……完了」
そう口にする撃龍神。
撃龍神はエントリープラグを地面に置く。
すると、シンジ達はエヴァを降りてエントリープラグに駆け寄ると、ハッチを開いた。
LCLが流れ出し、中の様子を伺う。
「ッ!?」
その瞬間シンジは絶句した。
プラグ内にも使徒の影響はあったようで、粘菌状のものが至る所に張り付いていた。
だが、シンジが絶句したのはそれではない。
シンジが絶句したのはその中に居たパイロットが理由だ。
そのパイロットとは……………
「トウジ!?!?」
シンジの友人であるトウジだった。
「トウジ!!」
シンジは取り乱しながら、ぐったりとしてシートに身を預けているトウジに呼び掛ける。
何度か身体を揺すると、トウジの目がうっすらと開き、
「………………よっ、センセ…………なんやようわからんけど………えらい迷惑かけたようやなぁ…………? すまんかった…………」
「何言ってるんだよトウジ………! トウジが謝る事なんて何もないよ!」
シンジは思わず涙ぐんだ。
作戦司令室では、
「……………使徒の殲滅を確認。各パイロットの保護、及びエヴァ
ゲンドウがそう指示を出した。
「4機………ですか?」
「そうだ、4機だ」
ゲンドウは初号機、弐号機、零号機だけではなく、参号機も回収しろと指示を出したのだ。
「「「りょ、了解!」」」
オペレーター達はその指示に驚きながらも、作業を始めるのだった。
はい、エヴァ編第14話でした。
ゼーレ涙目、撃龍神大活躍な回でした。
当然ながらゼーレの暗躍などルリさんの前では丸裸です。
これでゼーレもシンジ達には容易に手出しできなくなったって事で。
でもってバルディエル戦ですが、エントリープラグを無事に回収しつつある程度原型残したまま蹂躙できる機体と言ったら撃龍神しか思い浮かばなかった。
ジェイダーでも行けるかな?
ガオファイガーだと粉々ですし。
参号機の原型残したのはまあ後々理由が出たりでなかったり?
スパロボでもこういう流れはあったのでまあいいかと。
次はゼルエル編ですが…………
『力』の使徒と言ってもゴルディオンハンマーで光にされる未来しか見えない?
作者も同意見です。
それではお楽しみに。
A.T.フィールドは心の壁。つまりシェリルとランカの歌で使徒の心を開かせればA.T.フィールド消滅or弱体化はアリ?ナシ?
-
アリ
-
ナシ