転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
シンジが初号機からサルベージされてからまた少し。
シンジとアスカ、レイの3人の距離は一層縮まっていた。
登下校の時は必ず3人一緒と言っていい位だし、休日にも3人で出かけることが多くなった。
そして今日もシンジはアスカとレイの2人に、(やや強引に)デートに連れ出された。
そして、
「…………で? なーんで俺達まで呼ばれることになったんだ?」
両側にシェリルとランカを侍らすアルトが、ややゲンナリした様子でそう言う。
因みに俺も同じ気持ちだ。
俺の右腕にハルが抱き着き、左側にはルネ。
ルリは小柄な体を活かして俺の正面から背中を預けている。
「す、すみません………ジェイ兄さんにアルトさん、シンさんも……………ここの所、女の子2人と男1人って言うのが悪目立ちするみたいで………」
俺達はシンジにお願いされて一緒にデートすることになったのだ。
集団デートの割には男女の比率がおかしいのはスルーしておこう。
男が4人なのに女が8人もいるなんて気にしてはいけない。
「……………客観的にみると、凄い最低集団に見えますね、ジェイさん達………」
俺達の中で唯一1対1のカップルであるシンとステラが腕を組みながら俺達を眺めていた。
「それについては何も言えねーな」
俺はそう漏らす。
実際周りから見れば最低集団なのは自覚してるし。
「まあまあ、周りからの評価なんて気にしても仕方ないよ。せっかくだし、今日は存分に楽しもうよ!」
ハルが宥めるようにそう言うと、俺はそれもそうかと気を取り直し、楽しむことにした。
街を歩き、出店で買ったものを食べ歩いたり、ゲームセンターで遊んだり、カラオケに行ったりと内容は普通のデートだ。
まあ、カラオケはほぼシェリルとランカの独壇場だが…………
まさかエヴォリュダー能力を2人の曲を入れる為に使わされるとは思わなんだ。
そんなこんなで楽しい時間を過ごしていたのだが、突如としてシンジ達が持っていた携帯が鳴った。
それの示す意味は、
「非常招集!?」
「まさか使徒!?」
「…………ッ」
シンジとアスカが叫び、レイも不満そうな表情を浮かべる。
デートを邪魔された事が気に食わないのだろう。
「すみませんジェイ兄さん! 僕達は行きます!」
シンジ達は踵を返して走っていく。
それを見送ると、
「俺達も行くぞ!」
俺は皆を見回してそう言うと、全員が頷いた。
【Side 三人称】
新たな使徒は衛星軌道上に現れ、光る鳥のような姿をしていた。
「衛星軌道から動きませんね………」
「
オペレーター達がそう報告をする。
「……ってことは、降下接近の機会を伺っているのか………その必要なくここを破壊出来るのか………」
ミサトは推測をいくつか立てる。
「こりゃ迂闊には動けませんね」
マコトがそう言うと、
「どのみち目標がこちらの射程距離内まで近付いてくれないとどうにもならないわ……エヴァに衛星軌道の敵は迎撃出来ないもの………」
ミサトはそう言うと、
「エヴァ弐号機、及び零号機発進! 超長距離射撃用意!」
ミサトはそう指示する。
「初号機は出さないんですか?」
マコトがそう聞くと、
「凍結中なのよ………碇司令の絶対命令でね」
シンジは一応初号機の中で待機しているが、出撃する予定はない。
地上に現れた弐号機と零号機。
弐号機はポジトロンライフルを。
零号機はポジトロンスナイパーライフルを準備する。
前衛を務めるアスカがポジトロンライフルを構えるが、相手は射程距離外。
「んもう! さっさとこっちに来なさい! じれったいわね!」
思わず文句を言うアスカだったが、次の瞬間、突如として光が弐号機に降り注いだ。
「ッ!?」
『敵の指向性兵器なの!?』
『いえ、熱エネルギー反応無し!』
『心理グラフが乱れています! 精神汚染が始まります!』
『使徒が心理攻撃を………? まさか、使徒が人の心を理解できるの………?』
次々入る報告に、リツコは驚愕の表情で呟く。
「いやっ! いやぁあああああっ!?」
アスカが悲鳴を上げ、ポジトロンライフルを発射する。
しかし、射程距離外の為、弾丸を構成する陽電子は使徒に届く前に拡散してしまう。
『光線の分析は!?』
『可視波長のエネルギー波です! A.T.フィールドに近いものですが、詳細は不明です!』
『アスカは!?』
『危険です! 精神汚染、Yに突入しました!』
アスカに同調し、頭を抱えるように苦しむ姿を見せる弐号機。
「いやぁっ! 私の、私の中に入ってこないで!!」
悲鳴を上げるアスカ。
『アスカ!?』
『心理グラフ限界!』
『精神回路がズタズタにされている。これ以上の過負荷は危険すぎるわ!』
『アスカ、戻って!』
リツコの言葉にミサトはアスカにそう言うが、
「ッ………駄目っ!」
アスカはそれを否定する。
「私が戻ったら、次はレイが標的になっちゃう!」
『アスカ……!』
「レイ………! 使徒が私を標的にしてる内に………早く!」
アスカは苦しみながらもレイに攻撃するように伝える。
「アスカッ…………!」
レイの方はようやく発射準備が完了した所で、もどかしい気持ちを抑えながら狙いを定め、ポジトロンスナイパーライフルを発射する。
閃光が衛星軌道上の使徒にまで届くが、A.T.フィールドによってあっさりと防がれた。
『駄目です! この遠距離でA.T.フィールドを貫くには、エネルギーがまるで足りません!』
『しかし、出力は最大です! もうこれ以上は……!』
『弐号機! 心理グラフシグナル微弱!』
『LCLの精神防壁は!?』
『駄目です! 触媒の効果もありません!』
『生命維持を最優先! エヴァからの逆流を防いで!』
『はい!』
作戦司令室では打つ手がないことに焦りが隠せない。
だがその時、
『夜明けの光を小鳥が見つけるように 私が気付いて見せる♪』
突如として響き渡る歌声。
「ッ………! この歌っ……!」
アスカがハッとなって顔を上げる。
『かすかな兆しに高鳴る胸をまだ 世界は眠っていて知らない♪』
第3新東京市に面する海の海面が波立ち、巨大な物体が浮上してくる。
それは、
『愛したから絶望を知った この手にまだ掴む力 失っても失っても♪』
金色の戦艦マクロス・ブレイバー。
その甲板にはフォールド・サウンド・ステージが展開されており、その中でシェリルが歌っていた。
マクロス・ブレイバーはそのまま海面から飛び立ち、弐号機の下へと飛行していく。
『マクロス・ブレイバー!?』
それに気付いたミサトが叫ぶ。
『誓いなさい その涙に 奇跡にとりつかれて ガレキを飛び越え上昇するカーブ♪』
マクロス・ブレイバーが変形しながら弐号機に降り注ぐ光を遮る位置に立ちはだかった。
『心に鼓動求めなさい この命返すまで 間に合うだろうか 間に合うと良いな♪』
響き渡るシェリルの歌声。
「シェリルさん……」
弐号機を護る様に立ちはだかるマクロス・ブレイバー強攻型を見上げ、呟くアスカ。
『なりたい自分を遠ざけるのは何故 ヒコーキ空を汚してく♪』
『ッ……! これは!?』
マヤが気付いたように叫ぶ。
『如何したの!?』
リツコが聞き返すと、
『弐号機パイロットの心理グラフが回復していきます!』
『何ですって!?』
『ほんとの孤独に凍えるくらいなら 人はこんなに残酷になる♪』
シェリルの歌が高まるにつれ、サウンドウェーブが周囲に広がり、使徒から放たれる可視光線を遮るバリアの様になった。
『何が起こっているの!?』
『わかりません! ですが、状況から推測するに、この歌が使徒の精神攻撃を遮断しているとしか…………』
ミサトの問いにマコトが戸惑いながら答える。
『守られてたんだ暗闇に 瞼を腫らして祈る 失っても失っても♪』
『まさかそんな………! これが………歌の力とでも言うの……!?』
その事実に、リツコが信じがたいと言いたげにそう言った。
『あと一秒生きる為に 魂の背中押せ 繋ぎ留めていて 点滅する運命♪』
『弐号機パイロットの心理グラフ、ほぼ正常値まで回復! いえ、それ以上です!』
マヤが更なる報告をする。
『心に鼓動求めなさい 不確かさ手繰り寄せ 間に合うだろうか 間に合うと良いな♪』
『誓いなさい その涙に 奇跡にとりつかれて♪』
『ガレキを飛び越え 上昇するカーブ♪』
『心に鼓動求めなさい この命返すまで♪』
歌が重なる部分をランカが補助する。
彼女達の歌を聞いて、作戦司令室は呆然となっていた。
『ひ、非常識だわ…………』
リツコが思わず呟く。
『……………けど、本当にいい歌ですよ。俺も思わず聞き惚れてしまいそうです』
音楽に興味を持つシゲルがモニターを眺めながらそう言った。
『誓いなさい その涙に 奇跡にとりつかれて ガレキを飛び越え 上昇するカーブ 心に鼓動求めなさい この命返すまで 間に合うだろうか 間に合うと良いな♪』
歌が一段落着いたとき、
「ッ!? 衛星軌道上の使徒に接近する物体あり!」
マコトが叫んだ。
「モニターに出ます!」
そう言ってモニターに映ったのは、
『やっとマイクの出番だもんネー!!』
円盤状の乗り物に乗ったずんぐりむっくりしたコミカルなロボット。
「あれって確か………マイク・サウンダース13世って呼ばれてた………」
ミサトがオービットベースで覚えのある名を口にする。
「あれも例の彼らの戦力ですか?」
「ええ」
シゲルが尋ねるとミサトが頷く。
「なんだか今までのロボットと比べると、コミカルで可愛いロボットですね?」
マヤがマイクの外観を見てそう述べる。
「否定はしないけど、その反面なんか頼りなさげっていうか…………」
ミサトはマイクが気の良いロボットという事は知っているが、他の勇者ロボと比べると頼もしさと言う点で劣ると思っていた。
だが、
『システムチェーーーーンジ!』
マイクが円盤型の乗り物、バリバリーンから射出されると変形を開始。
瞬く間に二頭身のコスモロボ形態から八頭身のブームロボ形態へと姿を変えた。
『マイク・サウンダース………13世!!』
その変形を見て、思わず静まり返る作戦司令室。
『最高だッゼ!』
サムズアップをしながら決め台詞を言い放つマイク。
何故かカメラ目線で。
『……………ずんぐりむっくりしたロボットがどうやったらあんなスマートな姿になるのよ!?』
ミサトは思わず突っ込んだ。
『アニメ顔負けの変形パターンですね』
マコトも唖然としながらそう言った。
すると、マイクはバリバリーンが反転したステージ型の乗り物、スタジオ7に乗ると、
『カモンロックンロール!』
そう叫ぶとスタジオ7から1枚の円盤が飛び出した。
マイクは左手でそれをキャッチすると、胸のハッチを開き、
『ディスクX! セットオン!』
その円盤をその中にセット。
ハッチが閉じると、今度はスタジオ7の右側からエレキギターとミュージックキーボードの複合サウンドツールであるギラギラーンVVが飛び出す。
マイクはそれをキャッチすると、両腕とコスモロボの腕の3本の手でそれを構えた。
そして、
『ギラギラーン
そんな叫びと共に演奏を開始。
重厚な音楽が響き渡る。
それを見ていた作戦司令室のメンバーは何をやっているのかと首を捻っていたが、やがて気付く。
「…………ッ!? 使徒の身体が、崩壊を始めています!!」
モニターに映る使徒の姿が、外周から粉々に砕け始めていることに。
「何が起こってるの!?」
ミサトが叫ぶと、オペレーター達が急いで状況を分析する。
そして、
「超高密度のエネルギーソリトンの発生を確認!!」
「エネルギーソリトンですって!? まさか、ソリタリーウェーブ!?」
マヤの報告にリツコが驚愕の表情で叫んだ。
「何よ? そのソリなんたらっていうのは?」
「説明が難しいけど、対象物の原子レベルまで入り込んで、その物質が持つ固有震動に同調させて破壊するものよ。対象の分子構造さえ把握すれば、理論上は破壊出来ないものは無いといえる代物ね。だけど、それは一歩間違えば地球そのものを滅ぼしかねない危険なものよ。そんなものを制御できるなんて………」
リツコが見つめるモニターの先で、使徒が完全に砕け散り、消滅した。
「使徒の反応………消失しました………」
マコトが唖然となりながら報告をする。
「……………ソリタリーウェーブ………なんて恐ろしい兵器なのかしら…………」
そう言ったリツコの頬には、冷や汗が流れていたのだった。
エヴァ編第17話です。
今回は少し日常編とアラエル戦でした。
アスカはシェリル達の歌で救出。
使徒本体はマイクのディスクXで。
何気にディスクXはこの小説初出です。
今まで使えるタイミング無かったのでやっと出せました。
使徒の分子構造は……………まあ、今までの使徒と共通してたって事で…………(目逸らし)
それでは次もお楽しみに。
P.S 今日の返信はお休みします。
A.T.フィールドは心の壁。つまりシェリルとランカの歌で使徒の心を開かせればA.T.フィールド消滅or弱体化はアリ?ナシ?
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アリ
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ナシ