転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
【Side 三人称】
第15使徒アラエルを倒してから程なく。
大した時間を置かずに次の使徒が現れた。
白く光る円環状の外見をしており、第3新東京市の上空に浮遊していた。
凍結中の初号機を除いたエヴァ2機が発進。
使徒の出方を伺う為に周辺で待機していた。
だがその時、
『上空より降下する物体あり!』
シゲルがそう報告する。
その言葉にアスカとレイが上を向くと、そこには横に幅広い金色の戦艦があった。
「あれはツクヨミ!?」
アスカが叫ぶ。
その直後、ツクヨミから4つの光が射出される。
それは、
「ファイナルフュージョン!!」
光の1つ、ガオファーがファントムチューブを発生させ、合体を開始する。
ドリルガオーⅡ、ライナーガオーⅡ、ステルスガオーⅢとドッキング。
「ガオッ! ファイッ! ガァァァァァッ!!」
ファイティングメカノイド、勇者王ガオファイガーが姿を現す。
ガオファイガーが零号機の前に背を向けながら着地する。
「ガオファイガー………」
「ルネさん!」
レイが呟き、アスカがルネの名を呼ぶ。
「アスカ、レイ。悪いけど、今回は私に譲ってもらうよ」
ガオファイガーがそう言うと空を見上げ、
「ゴルディマーグ!!」
そう叫んだ。
すると、
「よっしゃぁっ!!」
ツクヨミからゴルディマーグが射出。
勢いよく地面に着地した。
――宇宙、マクロス・ブレイバー艦内。
ルリは状況を見ると、懐からキーケースを取り出し、金色のキーを取り出す。
「ゴルディオンハンマー、発動、承認します」
そう言いながら艦長席に備え付けられた鍵穴にキーを差し込み、回転させる。
承認シグナルがツクヨミへ転送される。
「ランカちゃん!」
シェリルが叫ぶと、
「了解! ゴルディオンハンマー! セーフティーディバイス………リリーヴ!!」
オペレート席のランカが金色のカードを取り出し、差込口へ挿入すると、勢いよくスラッシュする。
それにより、ゴルディマーグのセーフティーが解除され、
「システムチェェェェェンジ!!」
ゴルディマーグが叫びながら足の裏のブースターで飛び上がると、頭部と一体となっているバックパックが分離、残ったボディが変形を始め、巨大なマニピュレーターを持つマーグハンドとなる。
ガオファイガーの右前腕が分離し、ステルスガオーⅢに保持されると、残った右上腕を振り被り、
「ハンマァァァァァッ…………コネクト!!」
勢いよく繰り出すとともにマーグハンドとドッキング。
巨大なマニピュレーターが力強く開かれると、そこにゴルディマーグの頭部とバックパックから形成される巨大なハンマー、ゴルディオンハンマーが掴まれた。
「ゴルディオン………ハンマァァァァァァァァァッ!!!」
ゴルディオンハンマーが起動し、余剰エネルギーの放出によりガオファイガーが金色に輝く。
その時、円環状の使徒が形を変え、ロープのような形となって突っ込んできた。
だが、ガオファイガーがゴルディオンハンマーを振り被ると、
「光に…………なれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
咆哮のような叫びと共にゴルディオンハンマーが繰り出される。
使徒はゴルディオンハンマーを避けられず………
いや、避けようともせずに一直線に接近してきたため、繰り出されたゴルディオンハンマーの打撃面に接触。
発生している重力波の活断ウェーブにより光子レベルにまで分解されて行き、そのままロープ状となった使徒の端から端までが完全に光となって消滅した。
光の粒子が舞い散り、金色のガオファイガーを包み込む。
「金色の………破壊神…………」
その姿を見て、アスカが思わず呟いた。
ガオファイガーは一度弐号機と零号機に向き直ると、中のルネは微笑んだ。
そしてウイングのスラスターを起動させ、空へと飛び立っていく。
そのままツクヨミと共に、空へと消えていった。
「…………ルネさん」
「………………」
いきなり現れたと思ったら使徒を瞬殺し、あっさりと消えていったガオファイガーに、アスカやレイはポカンとする他無かった。
使徒との戦闘後、SEELEの会議がモノリスによって開かれていた。
『ついに第16の使徒までを倒した』
『これでSEELEの死海文書に記述されている使徒はあと、1つ……』
『約束の時は近い』
『その道のりは長く……犠牲も大きかったが………』
『だが、不安要素が残っている………あの謎の人型戦闘兵器を有する組織………』
『この通信は大丈夫なのか? もしこの話も聞かれていたら………』
『セキュリティーは前以上に強固にした。心配はいらん。例えセキュリティーが突破されるにしても、暫く時間は稼げるはずだ』
『左様。次のセキュリティーが突破される頃には、約束の時を迎えている事だろう』
SEELEのメンバーは、自信あり気にそう言葉を交わす。
「…………………普通に聞いてるんですけどね」
マクロス・ブレイバーの艦長席でメインモニターに映るSEELEの会議を眺めながら、ルリはポテトチップスを齧る。
因みにセキュリティーは、更新した1分後には既に突破されていたりする。
尚、その後、リツコがその場に全裸で呼ばれたり量産型エヴァンゲリオンの完成が後4体等の話が出ていたが、やはり全て筒抜けなのであった。
ある時、シンジとアスカはリツコに呼び出された。
呼び出された場所は、普段は立ち入り禁止区域となっているエリア。
「リツコ、こんな所に私達を呼び出してどうしようって言うのよ?」
アスカが問いかけると、
「すぐにわかるわ」
リツコは扉のロックをセキュリティーカードで開けると、シンジとアスカとエレベーターに乗せ、下層へと降りていく。
その先にあったのは、『人工進化研究所 第3分室』と書かれた部屋。
その部屋は、ベッドが一つにいくつかの生活用品が散乱した部屋だった。
そして、シンジはその部屋に何となく見覚えがあった。
「この部屋………まるで以前のレイの部屋だ………」
感じた事を口にするシンジ。
「『綾波 レイ』の部屋よ。彼女が生まれ育った所……」
「ここが?」
「そう。生まれた所よ。レイの深層心理を構成する光と水は、ここのイメージが強く残っているの」
「こんなのを私達に見せてどうしようって言うのよ?」
アスカはリツコの真意が分からずそう問いかける。
「慌てないで。まだこれからよ」
リツコは2人を更に奥へと案内する。
そこにあったのは、エヴァの残骸。
「エヴァ?」
「最初のね。失敗作よ。10年前に破棄されたわ」
「エヴァの墓場…………」
「唯のゴミ捨て場よ」
シンジの言葉にリツコは淡々と答えていく。
「あなたのお母さんが消えた所でもあるわ。あなたは覚えていないかもしれないけど。あなたも見ていたはずなのよ? お母さんが消える瞬間を」
「ッ………!?」
その言葉に目を見開くシンジ。
その事を問いかける間もなく更に先へ進むリツコ。
辿り着いた場所は、真っ黒な部屋の中央に、コード類がまるで脳髄の様な形に集まった機械が存在する所だった。
そして、その部屋には既に先客がいた。
「レイ?」
アスカは思わず声を掛ける。
その声にレイはハッとなって振り向き、アスカとシンジを目撃する。
「アスカ………!? シンジ君………!?」
レイは狼狽えた表情で2人の名を呼ぶ。
レイにとっても、2人がこの場に居ることは予想外の様だ。
すると、リツコはリモコンのようなものを取り出し、
「真実を見せてあげるわ」
リツコがそう言うと、
「赤木博士ッ!? やめてっ!!」
らしくない大声を上げるレイ。
しかし、リツコは構わずにリモコンを操作した。
次の瞬間、部屋の壁がオレンジ色に発光する。
黒い壁だと思っていたものは、実はLCLの水槽であった。
そして、その中に浮かんでいたものは…………
「レ、レイ………?」
無数の『綾波 レイ』の姿をしたものだった。
その時、シンジの声に反応したのかレイの姿をしたものは一斉に顔を向ける。
「いや………いやぁ…………!」
レイはその場で座り込み、頭を抱えて怯えた様子を見せた。
「ッ………リツコ! これは一体何なのよ!?」
アスカが叫びながら問いかける。
「ダミープラグのコアとなるもの………その生産工場よ」
「ダミープラグ?」
「今まで使う機会は無かったけど、パイロットが居なくてもエヴァを動かせるようにするシステムよ」
「そんなものが………」
「ここにあるのはダミー………そしてレイの為のパーツに過ぎないわ」
「パーツ?」
その単語にシンジが問いかけると、
「シンジ君、あなたが初号機に取り込まれたときのことは覚えているわよね?」
「ええ…………」
「同じことが、10年前にも起こった。取り込まれたのは『碇 ユイ』………あなたのお母さんよ」
「ッ……!?」
「もちろんサルベージが試みられたけど結果は失敗。彼女が戻ってくることは無かった。だけど、そこで思わぬ副産物が生み出された。それがレイよ。分かる? 彼女は人間じゃないの」
「やめて………やめてぇ………!」
レイの力ない抗議もリツコは聞く耳を持たない。
「その後、何度もサルベージは試みられたけど、あなたのお母さんが戻ってくることは無く、代わりにレイの身体が生み出された………何人も………何人も………! それがこのレイの姿をしたモノよ。だけど、魂が宿ったのは最初の1人だけ。残りは魂の無い唯の抜け殻」
リツコはどう?と言わんばかりの表情だ。
「けど、この抜け殻にも使い道はあった。それがレイのスペアという役割。レイには死ぬと次の身体に魂が移るという特性があった。そこに居るレイも、実は『2人目の綾波 レイ』なのよ?」
「ッ………!」
レイは、一番聞かれたくない事を聞かれてしまったと絶望的な表情をする。
「「……………………」」
シンジとアスカは何も言わない。
「ここに並ぶレイと同じモノには魂が無い。唯の入れ物なの…………」
リツコはそう言うと、再びリモコンを操作し、
「だから壊すの………憎いから……!」
そう言った直後、レイの姿をしたモノ達が崩れていく。
「あ………あ……………」
レイはボロボロと涙を零し、恐怖していた。
シンジとアスカから拒絶されることを。
「どう? これが『綾波 レイ』の真実。その子は人間じゃない………唯の人形なのよ!」
リツコは追い打ちのようにそう言い放った。
その言葉に、黙って話を聞いていたシンジは、
「…………………言いたいことはそれだけですか?」
平然とそう言い返した。
「ッ!?」
その反応にリツコは目を見開く。
「なら思ったことを言います。それがどうかしましたか?」
「ッ!?」
シンジの口から出た言葉にレイはハッとなり、
「話を聞いていたの!? 彼女は人間じゃないのよ!?」
リツコは感情を昂らせながら叫んだ。
「ちょっとは驚いたことは否定しませんよ。けど、だから何だって言うんですか?」
シンジは尚も言い返した。
「レイの正体が何だろうとレイはレイです。今更そんな事で僕達がレイを拒絶すると思ったんですか?」
「ッ……! シンジ……君…………」
レイは涙を浮かべたまま顔を上げ、シンジを見た。
すると、アスカがレイに歩み寄り、何も言わずに抱きしめた。
「………アスカ?」
レイがアスカの名を口にすると、
「ごめん………ごめんね、レイ………そんな辛いことを抱え込んでたなんて…………そんな事にも気付けないなんて、私は友達失格だわ………」
アスカは謝罪の言葉を口にする。
「アスカ………私が、嫌じゃないの………?」
レイが恐る恐るその言葉を口にすると、
「シンジも言ってたじゃない。それがどうしたって言うのよ?」
「ッ…………!」
「私もシンジも、今更そんな事でレイを拒絶したりなんてしない。レイ、アンタが何者だろうと、アンタは私の『友達』で、『仲間』で、『恋敵』よ!」
「アスカ…………!」
アスカの言葉にレイは涙を溢れさせる。
「ッ………! のんきなものね。仲良しごっこをしても、後が辛くなるだけだというのに………」
リツコは、思惑通りに行かなかったことに歯噛みしつつも、尚もレイの心を揺さぶろうと言葉を続ける。
「どういう意味よ?」
アスカはリツコを睨みつけるが、
「だってそうでしょう? 今は良いかもしれないけど、『彼』が選ぶのは結局1人。どちらかは捨てられる結末しか無いわ。いえ、もしかしたらどちらも捨てられる未来もあり得るのかしらね?」
リツコは暗に、シンジと結ばれるのはどちらか1人。
もしくは他の誰かと結ばれる可能性も示唆していた。
「その時あなた達は私と同じ思いを味わうのよ! 選ばれない苦しみ、悲しみ………そして憎しみを………!」
リツコは開き直ったかのようにそう言った。
その瞬間、アスカの中で何かがブチッと切れた。
「ふっざけた事言ってんじゃないわよ!!!」
咆哮とも言わんばかりのアスカの叫び。
「結局あんたはフラれた腹いせにレイを苦しめようとしたって事よね!? いい年した大人が何やってんの!?」
「…………否定はしないわ。けど、私の言葉に嘘は無いわ。いずれどちらかは捨てられる。間違いなくね」
リツコは淡々とそう返す。
「いちいち腹立つわね! 決めたわ! 私は絶対にレイを不幸になんてしないわよ!! それで、私も幸せになるわ!」
「どうやって?」
リツコはそんな事は不可能だと言いたげな態度でそう言う。
すると、
「そんなもん私が、レイが愛人であることを許容すれば良いだけの話じゃない! 逆に私が愛人でも一向に構わないわ!」
とんでもないことを叫ぶアスカ。
「ア、 アスカ………?」
呆気に取られるシンジ。
「レイ、アンタは如何? 自分が愛人でも許容できる? 私が愛人でも許容できる?」
真剣な表情で問いかけるアスカ。
レイは一瞬戸惑ったようだが、
「…………私は………シンジ君の傍に居られるのなら、どんな形でも構わない………!」
はっきりとそう言った。
「決まりね!」
アスカは嬉しそうに叫ぶ。
「あ、あの……2人とも………?」
シンジが狼狽えながら声を掛ける。
「何? こんな可愛い美少女2人に言い寄られて、何か不満でもある?」
アスカがギロッとシンジを睨む。
「い、いや、不満とかじゃないけど…………」
「せっかくいい手本が近くにいるんだから、アンタも甲斐性見せてみなさい!」
「…………手本って…………ジェイ兄さんやアルトさんの事?」
「当然じゃない!」
シンジの言葉にアスカは頷く。
だが、
「不可能だわ!!」
リツコが否定するように叫んだ。
「愛してる人には自分だけを見て欲しいって思うものなのよ!? 愛してる人が自分以外の女を愛しているなんて、耐えられるはずないじゃない! そんなのは愛じゃない! 単なるおままごとだわ!!」
「うっさいわね! 『アンタの愛』はそうかもしれないけど、『私達の愛』は違う! 逆に言うけど、フラれたら憎むなんてお門違いよ! そりゃフラれたら傷つくし悲しいし、絶望もすると思うわ! だけど、憎むなんてことは絶対にしない! 本当に愛してるなら、愛した人の幸せを願うはずだもの! もし憎んだのなら、それは愛なんかじゃない! 『選ばれなかった』って言う敗北を認められないくだらないプライドよ!!」
「ッ!?」
アスカの言葉に、虚を突かれたような表情をするリツコ。
「私達は私達のやり方でシンジを愛する! 誰にも文句は言わせない!!」
アスカはそう言い切った。
「……………………」
リツコは黙り込む。
「…………行きましょ」
言いたいことを言い切ったと言わんばかりにアスカは踵を返し、シンジとレイを促す。
「リツコさん…………」
シンジは、リツコに僅かな同情の視線を向けるが、直ぐに視線を切った。
そのまま部屋を出ようとして、ふと気づいた。
紫色の光がこの部屋を照らしていることに。
「「「ッ………!?」」」
3人はハッとなって振り返る。
その紫の光の出所は、リツコ自身だった。
「リツコさん!?」
シンジが思わず叫んだ瞬間、
「ゾンダァァァァァァァァァッ!!」
蹲っていたリツコが起き上がり、大仰な身振りで振り返ったかと思うと、肌の色は紫に染まり、目は白目で、額には紫色の目のような物が取り付いていた。
「きゃああっ!?」
「あ、赤木博士……!?」
アスカとレイが驚愕の声を上げる。
「ゾンダァァァァァッ!」
リツコはレイを見据えると、体中からコードの触手を伸ばす。
「ッ! レイ!」
シンジが咄嗟に庇うように前に出る。
「シンジ君っ!?」
レイが思わず叫んだ。
その瞬間、
「ラディアントリッパー!!」
「ウィルナイフ!!」
アーマーを装着したジェイとルネが天井を突き破って現れ、伸びてきた触手を断ち切る。
「大丈夫か!?」
「ジェイ兄さん!」
「ルネさん!」
ジェイとルネの登場に、シンジとアスカは顔を綻ばせる。
「私もいるよ!」
少し遅れて浄解モードのハルも降りてきた。
「ハル姉さんも!」
叫ぶシンジを他所に、ジェイ達はリツコを見据える。
「赤木博士………ゾンダーになったか!」
ジェイがそう口にする。
「リツコさんが………ゾンダーに!?」
ジェイの言葉にシンジが驚いていると、
「私に任せて!」
ハルが直接浄解しようと光を強めて前に出る。
「ゾンダァァァッ………!?」
ハルの光を受けてゾンダーとなったリツコは狼狽えるように距離を取ると、その形を変化させ、機械で出来たスライムのような姿のゾンダー人間へと変貌すると、壁に飛び込み、溶け込むように姿を消してしまった。
「しまった! 逃がした!」
ハルは悔いるようにそう口にする。
すると、ゴゴゴと地鳴りのような音が響いて部屋に罅が入り始めた。
「ッ………! 一先ず脱出だ!」
ジェイがそう言うと、ハルがサイコキネシスでシンジ、アスカ、レイの3人を浮かせ、ジェイがルネを抱えると、先程突き破ってきた天井から飛び出した。
その頃、作戦司令室でも異常を感知していた。
「ネルフ本部地下で爆発を確認!」
「何が起こってるの!?」
オペレーターの報告にミサトが叫ぶ。
「分かりません! MAGIも判断を保留しています!」
「リツコもこんな時にどこ行ったのよ………!」
姿の見えないリツコにミサトは歯噛みする。
その時、ミサトの携帯電話が鳴った。
その番号はシンジの番号だ。
「シンジ君!?」
『ミサトさん! 大変です! リツコさんがゾンダーに!』
「何ですって!?」
オービットベースに案内されたときに、ゾンダーの事も多少は聞いていたので、ミサトは状況を理解できた。
『僕達はジェイ兄さん達のお陰で助かりましたけど、ゾンダーになったリツコさんが本部内の何処かに居るはずです!』
「ッ………!」
その時、作戦司令室のメインモニターに異常が起こった。
モニターが盛り上がり、人型を取ったかと思うと、ゾンダー化したリツコが現れたのだ。
「リツコ…………?」
紫色の肌に白目、体中から伸びたコードの触手など、凡そまともな人間には見えない姿となったリツコに、ミサトは恐怖を覚える。
「せ、先輩…………?」
リツコを慕うマヤも怯えた様子でその姿を見た。
「ゾンダァァァァァァァァァッ…………!」
すると、ゾンダー化したリツコの視線が司令席にいるゲンドウを捉えた。
その直後、
「ゾンダァァァァァァァァァッ!!」
まるで感情が爆発したように体中のコードを伸ばし…………
「はぁああああああああっ!!」
床を突き破って現れたジェイに蹴り飛ばされた。
「ジェイ!?」
ミサトが驚いた声を上げ、
「ミサトさん!」
ハルのサイコキネシスで運ばれてきたシンジ達がミサト達の下へ降ろされた。
「シンジ君! アスカ! レイ! 無事だったのね!」
ミサトが安心した声を漏らすと、
「シンジ達は任せた」
ジェイがそう言うと、ゾンダー化したリツコに向き直り、
「場所を変えさせてもらうぞ!!」
エヴォリュダー能力を全開で発揮し、赤い光に包まれると全力で突進。
ゾンダー化したリツコに掴みかかるとそのまま押し出し、壁を突き破っていく。
何枚か隔壁や壁を突き破ると、ネルフ本部を突き抜け、ジオフロント内に飛び出した。
「はあっ!!」
ジェイはリツコを蹴り飛ばすと、勢いよく吹き飛ばされ、リツコは地面に激突する。
しかし、ゾンダー化したリツコは近くの基地施設に同化すると、ゾンダーロボに変化して巨大化した。
『ゾンダァァァァァァァァァッ!!』
現れたゾンダーロボは、人型ではなく三角形の移動要塞のような姿だった。
ジェイは、ネルフ本部の頂上に着地すると、ゾンダーロボを見据える。
「現れたか、ゾンダーロボ…………だが!」
ジェイがそう言った直後、ジオフロント内部にESウインドウが開く。
「来たか!」
ジェイが待ち兼ねたと言わんばかりに言うと、そのESウインドウから2台の大型トレーラーが飛び出してきた。
片方はピンク色のパラボラアンテナを乗せ、もう片方は黒色で大型のコンテナを乗せたトレーラーだった。
すると、
「「システムチェーンジ!!」」
2台のトレーラーが飛び上がり変形を開始。
氷竜や炎竜と同型だが、女らしさを持つ姿へと変わる。
それは、
「光竜!」
「闇竜!」
竜シリーズのビークルロボである光竜と闇竜。
氷竜、炎竜や風龍、雷龍と違い、女性型である。
「現れたわね! ゾンダー!」
「倒させていただきます!」
光竜と闇竜がそう言うと、光竜の背面に装備されていたパラボラアンテナが肩から前面に展開。
光竜はそれを砲身を持つように両手で支えながら構えると、
「プライムローズの月!!」
その先端から高出力レーザーが放たれた。
光竜が装備していたパラボラアンテナは、『プライムローズの月』と称する高出力レーザー砲だ。
桃色の閃光がゾンダーのバリアを打ち破り、本体を破損させる。
『ゾンダァァァァァァァァァッ………!』
傾き始めるゾンダー。
「追撃します! シェルブールの雨!!」
闇竜が背中の大型コンテナを頭上に展開。蓋が開くと無数のミサイル発射口が姿を現し、一斉に発射される。
闇竜の装備する大型コンテナは、『シェルブールの雨』と呼ばれる多弾頭ミサイル砲である。
その名の通り、雨の如くミサイルがゾンダーに降り注ぐ。
しかし、
『ゾンダァァァァァッ!!』
ゾンダーの身体から無数の対空砲が発射され、大半のミサイルが撃ち落された。
「ッ………! 取り込んだ施設に多数の武器が保管されていたようですね………」
闇竜は悔しそうにしながらそう推測する。
『ゾンダァァァァァァァァァッ!!』
ゾンダーが体を再生させ、お返しとばかりに無数のミサイルを撃ち放ってきた。
「「ッ!?」」
ミサイルの爆発により、吹き飛ばされる光竜と闇竜。
「「きゃぁあああああああっ!?」」
地面に倒れる2人だが、直ぐに起き上がる。
「いった~い! よくもやったわね~!」
「許さないっ………!」
2人がゾンダーを睨みつけると、
「やっちゃおう! 闇竜!」
「もちろんです!」
2人のシンパレートが上昇し、100%に達する。
すると、
「「シンメトリカルドッキング!!」」
2人が飛び上がり変形を開始。
光竜が右半身。
闇竜が左半身を形成。
中央で合体すると、頭部がドッキング。
更に胸部に闇竜のシールドが装着される。
それは光竜と闇竜が合体した合体ビークルロボ。
「天っ………竜ぅぅぃぅぅぅ神ッ!!」
その名を名乗る天竜神。
「天竜神! 光と闇の舞!!」
天竜神は左肩に装備されているミサイルコンテナから無数のミサイルを発射。
ゾンダーは先ほどと同じように、体中から対空砲を発射してミサイルを迎撃する。
だが、先程とは違い、黒い煙がゾンダーを覆った。
途端に天竜神の姿を見失うゾンダー。
この煙幕には、センサー類を狂わせるジャミング効果を発揮するのだ。
その直後、ゾンダーが背後から攻撃を受けた。
『ゾンダァァァァァァァァァッ!』
ゾンダーは咄嗟に攻撃を受けた背後にミサイルを放つ。
爆発が起こるがそれ以外の反応がない。
その直後に再び右側面から閃光が走り、直撃を受けた。
ゾンダーは直ぐに反撃に移ろうとしたが、今度は反対の左側面から攻撃を受ける。
『ゾンダァァァァァッ……!?』
ゾンダーは何が起きているのかと戸惑う様な声を上げた。
すると、
「EI-01の攻撃をシステム化した光と闇の舞………反射角の計算、とっても大変なのよ?」
暗闇の中からそんな声がする。
この煙幕を構成する粒子にはビームやレーザーを反射するコーティングが施されており、それを完全に計算しきることで、縦横無尽の攻撃が可能になるのだ。
『ゾンダァァァァァァァァァッ!?!?』
四方八方からの攻撃にゾンダーは遂に耐えきれなくなり、その場に崩れ落ちる。
すると、
「後は任せたわよ」
煙幕の奥から姿を現した天竜神がそう告げると、
「おおっ!!」
いつの間にかフュージョンしていたジェイダーが飛来し、そのままプラズマソードでゾンダーを貫通。
ゾンダー核を確保した。
その後、リツコはハルによって浄解され、無事に保護されるのであった。
エヴァ編第18話です。
アルサミエルは何しに出てきたんだと言わんばかりに速攻で光にされました。
まあ、レイを自爆させるわけにはいかんので。
そしてゼーレの面々は相変わらず。
レイの正体バラシですがこんな感じで如何でしょうか。
結局シンジも2股に…………
序とばかりにリツコがゾンダー化。
ストレス解消係とかしていますねゾンダー。
いや、本来の用途なんでしょうけど………
次はカオル君の出番です。
お楽しみに。
A.T.フィールドは心の壁。つまりシェリルとランカの歌で使徒の心を開かせればA.T.フィールド消滅or弱体化はアリ?ナシ?
-
アリ
-
ナシ