転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第8話

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

北米、コロラド地区にあるテスラ・ライヒ研究所。

世界有数のロボット研究所であるこの場所は、現在インスペクターによって占領されていた。

ジェイ達がこの世界に来る前、インスペクターの襲来時に成す術なく占領されてしまったのだ。

インスペクターの幹部の1人、ヴィガジと名乗る禿げ頭の男は、研究所の所長であるジョナサン・カザハラやフィリオ・プレスティ、ゼンガーの師であるリシュウ・トウゴウらに研究成果を全て提出するよう命令していた。

しかし、ジョナサン達は施設の復旧に時間が掛かるなどの言い訳を使い、時間を稼いでいた。

だが、その時間稼ぎも限界に近付いていた。

 

「実力行使で暴いてもいいのだぞ? お前達が巧妙に隠している地下格納庫を含めてな」

 

ヴィガジがそう言い放つ。

ジョナサン達がどうしても隠しておきたかった地下格納庫の存在を仄めかされ、思わず顔を顰める。

 

「直ちに全てを明け渡せ。拒めば非研究員を処刑する」

 

「ッ!?」

 

人命を盾にされてはこれ以上引き延ばすことも出来ない。

だがその時、警報が鳴り響いた。

 

「何だ?」

 

『7時方向、アンノウン接近。カウント2』

 

ヴィガジの問いかけにバイオロイド兵が通信で答える。

 

「たった2機でだと? どこの馬鹿だ?」

 

ヴィガジは馬鹿にした口調で部屋を出て、襲撃者を迎え撃つために出撃した。

 

 

 

 

 

2機のアンノウンとは黒いグルンガスト参式とガーリオン。

ゼンガーとレーツェルの機体だった。

すると、ヴィガジの専用機である怪獣のような姿をした機動兵器、『ガルガウ』が姿を現す。

 

『この研究所は最早我らの物だ!!』

 

ヴィガジが叫びながら背中からミサイルを発射。

ゼンガーとレーツェルは飛び退いてそれを避けると、

 

「眼前の敵は、全て打ち砕くのみ!!」

 

グルンガスト参式がオメガブラスターを発射。

無人兵器数機を一気に消し飛ばす。

 

『フン………唯の馬鹿ではないようだな?』

 

ヴィガジはそれを見て評価を少し上方修正する。

 

「奴は俺が食い止める。レーツェル、お前は先に行け!」

 

ゼンガーがそう言うと、

 

「いくらお前でも1人だけでは………!」

 

敵はガルガウだけではなく、無人兵器も無数に存在している。

いくらゼンガーでも分が悪すぎた。

だが、

 

「1人では無い!!」

 

突如として声が響き渡った。

 

「「ッ!?」」

 

ゼンガーとレーツェルは思わず振り向いた。

その先には、白亜の戦艦と金色の戦艦。

 

「あれはジェイアークとマクロス・ブレイバー!? 何故ここに!?」

 

レーツェルは思わずそう漏らす。

本来であれば、彼らはハガネ、ヒリュウ改と共に行動を共にしていたからだ。

 

「気にするな。俺達もテスラ研に用があっただけだ」

 

ジェイがそう答える。

すると、マクロス・ブレイバーからガオファイガー、デスティニー、ガイア、YF-29が発進した。

 

「俺達でゼンガーの援護をする。レーツェルは人質の解放を!」

 

「ッ………! 了解した!」

 

レーツェルは一瞬迷うも、直ぐに頷いた。

レーツェルはテスラ研へ向かう。

 

『フン………援軍か。だが、所詮は下等な………』

 

ヴィガジがバカにした言葉を口にしようとした時、

 

「黙れっ!!」

 

『ッ!?』

 

ゼンガーの一喝がその言葉を止める。

 

「そして聞けっ! 我が名はゼンガー! ゼンガー・ゾンボルト! 我は、悪を断つ剣也!!」

 

名乗りと共にそう言い放った。

 

『野蛮人の分際で!!』

 

ヴィガジが無人兵器をグルンガスト参式に嗾けた。

だが、デスティニーの高エネルギー長距離ビーム砲が無人兵器を貫いて爆散させ、

 

「ブロウクンファントム!!」

 

ガオファイガーのブロウクンファントムが数機纏めて貫く。

 

「露払いは私達で引き受ける」

 

「少佐は敵の指揮官機を!」

 

ルネとシンがそう言うと、

 

「心得た!」

 

ゼンガーは迷わずに応え、ヴィガジのガルガウへと突撃した。

 

 

 

 

 

一方レーツェルはテスラ研内部へと侵入し、一階エントランスホールに集められた人質を解放しようとしていた。

人質を見張っているバイオロイド兵は5人。

レーツェルが隙を伺っていると、ジョナサンとフィリオの怪しい動きを察知したバイオロイド兵がレーザー銃を突きつけた。

レーツェルは咄嗟に銃を発砲。

バイオロイド兵2人の頭を撃ち抜く。

しかし、残った3人のバイオロイド兵がレーツェルに向かってレーザーを発射してくる。

レーツェルは咄嗟に柱の陰に身を隠すが、3対1では分が悪い。

だがその時、リシュウが隙ありと言わんばかりに目を見開くと、持っていた杖を引き抜くと研ぎ澄まされた刃が現れた。

杖の中に刀を仕込んだ仕込み杖だったのだ。

66歳という年齢とは思えない素早い動きで駆けつつ反応できなかった1人目のバイオロイド兵の胴を薙ぎ、2人目のバイオロイド兵は咄嗟に銃を構え、発砲する。

しかし、リシュウはその弾道を完全に見切り、レーザーを仕込み杖で弾きつつそのまま胴を切り裂いた。

そして、最後の3人目のバイオロイド兵に向かって仕込み杖を振り被りながら飛び掛かった。

バイオロイド兵は、咄嗟に銃を盾にしようとしたが、

 

「チェストォォォォォォォォォォォッ!!!」

 

リシュウの渾身の一振りの前にあっさりと切り裂かれ、そのまま袈裟懸けに斬られたのだった。

 

「た、弾を刀で弾き返すなんて………!?」

 

フィリオがリシュウの剣技に驚きの声を漏らす。

 

「儂の見切りと、ゾル・オリハルコニウム製の仕込み杖を、舐めるでないわ」

 

リシュウは自信を持って言い放った。

 

「先生、助かりました」

 

レーツェルが礼を言いながら歩み寄ってくる。

 

「エル、よく来てくれたね」

 

フィリオがそう言う。

フィリオはレーツェル………エルザムの幼馴染であり、エルという愛称で呼ぶ。

 

「友よ。すぐにダブルGを起動させてくれ。ジェイ達が手を貸してくれているが、敵が多い」

 

「ああ、分かっている」

 

フィリオはその言葉に頷く。

だがその時、

 

「侵入者発見!」

 

新たなバイオロイド兵がエントランスホールに突入して来た。

 

「しまった! 増援か!」

 

レーツェルは思わず声を上げた。

新たに現れたバイオロイド兵は5人。

しかも全員がレーザー銃を装備している。

バイオロイド兵が銃を構える。

 

「くっ………!」

 

レーツェルは歯を食いしばりながらバイオロイド兵を睨みつけた。

こちらにある武器はレーツェルの持つ銃のみ。

リシュウも近接戦なら戦力になるが、バイオロイド兵との距離が離れすぎている。

5人が一斉にレーザーを発射すれば、こちらに勝ち目はない。

そして、遂にバイオロイド兵達の持つ銃からレーザーが放たれた。

フィリオたちは反射的に頭を抱える。

そして……………

レーザーが彼らに届く前に、中程で何かに弾かれた。

 

「何っ………?」

 

それを目撃したレーツェルが怪訝な声を漏らした。

その時、その場所の空間が揺らめくと、1台のパトカーが姿を現した。

 

「パトカー!? 何でこんな場所に!?」

 

ジョナサンが声を上げると、

 

「システムチェーンジ!」

 

そのパトカーが瞬く間に姿を人型へと変えていき、

 

「ボルフォッグ!!」

 

10m程の大きさの紫色のロボットであるボルフォッグとなった。

そして、

 

「ジェットワッパー!!」

 

ワイヤー付きアンカーが射出され、バイオロイド兵たちを纏めて拘束した。

すると、

 

「ご無事ですか?」

 

ボルフォッグがレーツェル達に呼び掛ける。

 

「あ、ああ………君は一体………?」

 

ジョナサンが驚愕しながら問いかけると、

 

「私の名はボルフォッグ。ルネ隊長やジェイ隊員の仲間です」

 

ボルフォッグはそう名乗る。

 

「彼らの仲間か」

 

レーツェルが納得いったと言わんばかりに頷いた。

 

「近くに敵兵の反応はありません。さあ、お早く」

 

ボルフォッグの促す言葉にジョナサンは頷き、

 

「行こう」

 

地下格納庫へ向けて駆け出した。

 

 

 

 

 

一方、ゼンガーはヴィガジと1対1で戦っていた。

戦況は一進一退であり、互角の戦いを繰り広げている。

 

『野蛮人の癖にやるではないか! だが!』

 

ヴィガジがそう言った瞬間、地面から4機の無人兵器が飛び出し、グルンガスト参式の背中のドリルと両腕に組み付いた。

 

「ッ! どけぇい!」

 

ゼンガーは背中のドリルを回転させて組み付いた2機を吹き飛ばし、右腕の斬艦刀を振り回して右腕の無人機を振り払うと、左腕を無人機が組み付いたままガルガウへ向けると、

 

「ブーストナックル!!」

 

腕を射出した。

だが、

 

『阿呆が!』

 

それがヴィガジの狙いだった。

腕から放ったビームがブーストナックルを破壊する。

 

「ぬぅ……!? ぉおおおおおおおっ!!」

 

ゼンガーは一瞬怯むが、直ぐに残った右腕で斬艦刀を振り被りながらガルガウに向かって行くが、その動きは完全に見切られていた。

右肘をアイアンクローで捉えると、そのまま握りつぶす。

斬艦刀が宙を舞い、少し離れた地面に突き刺さった。

それでもゼンガーは機体を反転させると、背中のドリルで攻撃しようとする。

しかし、アイアンクローでドリルを止められ、力尽くで引きちぎられた。

機体性能は、グルンガスト参式よりもガルガウの方が圧倒的に上回っているからだ。

そのまま蹴飛ばされ、地面に倒れるグルンガスト参式。

 

『何が悪を断つ剣だ!? 悪とは貴様らの事だ! この銀河においてはな』

 

ヴィガジがそう言い放つ。

 

「我らの星に一方的に攻め込んでおいて、何を言うか!?」

 

ゼンガーはそう言い返すが、

 

『予防策なのだよ、これは。貴様らのような病原体を銀河に蔓延させぬためのな!』

 

「何っ!?」

 

『いずれ貴様らは銀河の秩序を乱す存在となる。故に我らに監視、いや、支配されてしかるべきなのだ』

 

ヴィガジはそれが当然とばかりに宣言した。

 

「ゼンガー少佐!!」

 

その時、デスティニー、ガイア、YF-29がゼンガーを助けるためにガルガウに攻撃を仕掛けた。

だが、デスティニーの高エネルギー長距離ビーム砲、ガイアのビームキャノン、YF-29のガンポッド・バーストモード。

それらの攻撃が直撃しても、ガルガウには殆どダメージは無かった。

 

『何だその豆鉄砲は? そんな攻撃ではこのガルガウには傷を付けることもできんぞ?』

 

ヴィガジは余裕の態度でそう言った。

 

「くそっ! なんて装甲だ!」

 

アルトがそう吐き捨てる。

量産型の無人機ならともかく、ヴィガジの専用機であるガルガウには、彼らの攻撃は通用しなかった。

すると、ガルガウはグルンガスト参式の頭を掴むと持ち上げ、

 

『さあ、病原菌を駆逐しよう。平和で清潔な銀河を実現するためにもなぁ!!』

 

そのままコクピットのある頭部を握りつぶそうとした。

 

「少佐!!」

 

ステラが叫ぶ。

だが、ヴィガジはそのままグルンガスト参式の頭部を持つ手に力を籠め、

 

「ブロウクンファントム!!」

 

側面から飛んできたブロウクンファントムに直撃し、グルンガスト参式を手放しながら横転した。

 

『ぬぉおおおおおおおおっ!?』

 

思わず声を上げるヴィガジ。

ガオファイガーの掲げた腕に右腕が戻ると、

 

「好き勝手言ってくれるね」

 

心底呆れたような口調でガオファイガーが呟いた。

 

『ぬう………貴様………!』

 

ガルガウが起き上がると、ヴィガジは忌々しそうな声でガオファイガーを見た。

 

「私達の事を、病原体だとか銀河の秩序を乱す存在だとか言ってるけど、要は怖がってるって事でしょ?」

 

『恐怖しているだと!? 下等な野蛮人が何を抜かす!』

 

ガオファイガーの言葉にヴィガジが激昂して叫んだ。

 

「少なくとも、戦闘力という面では何れ自分達を超えるかもしれないと危惧している。そうでなければ態々銀河の辺境にある地球に攻めてくる理由がない。もし地球人が本当に銀河の秩序を乱す存在だとしても、その時に倒せばいいだけの話だから」

 

『き、きっさまぁ~~~~!!』

 

「あなた達は怖がってる。自分達を超える可能性を秘めた地球人に。銀河の秩序なんかじゃない。自分達が決めた秩序を乱されることを怖がってるだけ」

 

『ふざけるなぁ~~~!!』

 

遂にヴィガジは我慢できなくなり、ガルガウをガオファイガーに向かわせる。

すると、胸部から巨大な砲身が現れ、エネルギーがチャージされ始めた。

 

「ッ! ウォールリング!」

 

ガオファイガーはそれに気付くと胴体からエネルギーのリングを展開。

 

『消えろ! 下等生物が!!』

 

ヴィガジの言葉と共に、ガルガウの必殺兵器であるメガスマッシャーが放たれた。

その瞬間、

 

「プロテクトウォール!!」

 

ガオファイガーは防御フィールドを展開。

その攻撃を受け止めた。

 

『なっ!? 防いだだと!?』

 

驚愕するヴィガジ。

だが、それで終わりでは無かった。

受け止められたエネルギーが一度集約すると、五芒星を描く。

そして、そのまま跳ね返った。

 

『跳ね返した!?』

 

防がれるならともかく、跳ね返されることなど微塵も予想してなかったヴィガジは、避けることも出来ずに直撃した。

だが、流石に装甲は厚いようで、ダメージは受けていたが動作に問題は無い。

 

『おのれ………ビーム兵器が効かぬのなら、直接捻りつぶしてやる!!』

 

ガルガウがガオファイガーに突進。

両腕を突き出す。

ガオファイガーはその両腕を受け止めた。

ガルガウの全長は60m以上。

対してガオファイガーは32m。

倍近い体格差がある。

ヴィガジは、このまま体格差で圧し潰せると踏んでいたが、

 

「……………ガオファイガーのエヴォリアル・ウルテク・パワーを舐めないで欲しいなっ!」

 

ガオファイガーのエネルギー源はGストーン。

搭乗者の勇気次第でいくらでも出力は上がる。

 

『ガルガウのパワーに対抗するだとっ!?』

 

ヴィガジは何度目かも分からない驚愕の声を上げる。

 

「ゼンガー少佐! こいつは私が引き受ける! 今のうちに新しい力を受け取りに行って!」

 

「ッ………頼む!」

 

ゼンガーはその言葉に頷くと、ボロボロのグルンガスト参式を動かしてテスラ研に向かう。

 

「シン達はゼンガー少佐の援護をお願い!」

 

「「「了解!」」」

 

ボロボロのグルンガスト参式を狙う無人兵器達を、シン達の援護射撃が撃ち抜いていく。

テスラ研に近付いていくと、敷地内の一角に地下からハンガーがせり上がってきた。

グルンガスト参式がその近くに不時着すると、ゼンガーはグルンガスト参式から降り、

 

「すまん、参式」

 

ここまで戦ってくれた愛機に礼を言うと、ハンガーに駆け込み、そこにあった機体に乗り込んだ。

 

「これが………ダブルG…………」

 

ゼンガーは感慨深く呟く。

 

『そう、ビアン博士が君の為に設計した機体だ』

 

ジョナサンがそう語る。

 

「この姿……正に武士……!」

 

ゼンガーの言葉通り、その機体は鎧武者をモチーフとした姿をしていた。

 

『名は、ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン(Dynamic・General・Guardian)………』

 

ジョナサンがその機体の名を口にするが、

 

「いや、あえてその名は呼ぶまい………」

 

『?』

 

ゼンガーの言葉にジョナサンやフィリオは困惑した。

 

「ビアン総帥がこの俺に残した機体………俺の為に造られた剣………そう、名付けるなら………」

 

ゼンガーはそこで一度言葉を区切り、

 

「ダイ・ゼン・ガァァァァッ!!」

 

その名を言い放った。

 

『ダ、ダイゼンガー!?』

 

『なるほど、そう言う略し方もあるね』

 

驚きの声を漏らすジョナサンと、逆に納得の声を漏らすフィリオ。

そして、ゼンガーがいざ機体を動かそうとした時、コクピット内にエラーを示す表示が点灯した。

 

「ッ!? 機体が動かん!?」

 

ゼンガーの言葉に、ジョナサン達が急いで原因を調べる。

 

「DMLシステムの稼働率が………これでは内蔵武器が全て使えない……!」

 

余りにも緊急に起動させたため、OS調整が不完全で起動出来ずにいた。

すると、フィリオは咄嗟に別のシステムを立ち上げ始めた。

ダイゼンガーには本来専用のOSがあったのだが、こちらも調整が不十分であったため、信頼性が高い従来のTC-OSを使用していた。

だが、そのTC-OSによる起動が不可能になったため、フィリオは急遽その専用OS『JINKI-1』の立ち上げを開始したのだ。

とはいえ、流石のフィリオでもそう簡単にはいかない。

その時、

 

『突然ですが、お手伝いします』

 

フィリオが扱うモニターにルリが映し出され、そう言った。

 

『君は?』

 

『ジェイさんの仲間です』

 

『ッ………お願いする』

 

フィリオは一瞬迷うもすぐに頷く。

 

『わかりました』

 

ルリとオモイカネがバックアップを開始し、フィリオの作業効率が格段に上がった。

 

『ッ! これなら!』

 

フィリオはルリ達の能力に驚きながらもシステムを立ち上げていく。

そして、

 

『これで!』

 

最後のパネルをタッチすると、『JINKI-1』が起動する。

すると、

 

「ッ! 機体が!」

 

ゼンガーの動きに合わせ、ダイゼンガーが動き出した。

 

『『JINKI-1』の立ち上げ………完了しました………』

 

『この短時間でやってのけるとはな』

 

ジョナサンは感心した声を漏らす。

 

『しかし、内蔵武器は…………』

 

内蔵武器が使えないのは変わらない。

いくら機体性能が良くても、武器が無ければ戦う事は出来ない。

だが、

 

「ゼンガー!!」

 

ゼンガーに呼び掛ける声がした。

そちらを振り向けば、先程弾かれた斬艦刀をジェイダーが引き抜く。

 

「受け取れ!」

 

そのままダイゼンガーに向けて斬艦刀を投げ渡す。

それを片手で受け取ると、

 

「感謝する! ジェイ!」

 

ゼンガーは斬艦刀を構えると、鍔が展開し、巨大な両刃の大剣となる。

 

「我が魂を受け継げダイゼンガー……!! 否!」

 

 

 

 

 

 

 

第8話

武神装攻

ダイゼンガー

 

 

 

 

 

 

 

 

新たなその名を言い放つゼンガー。

 

「ぶっ、武神装攻………!?」

 

「ダイゼンガー………!?」

 

「カッコいい!」

 

呆気に取られた声を漏らすアルトとシン。

ステラにはなぜか好評のようだ。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

ゼンガーの咆哮と共に斬艦刀が一振りされ、周囲の無人兵器を文字通り薙ぎ払った。

 

「凄い………剣の一振りで複数の敵を………!」

 

シンがその姿に畏敬の念を覚える。

すると、ゼンガーはガオファイガーと組み合っているガルガウを見据え、ブースターで飛び出す。

すると、残った無人兵器がダイゼンガーに殺到してくる。

しかし、その無人兵器を閃光が貫く。

それは、

 

「待たせたな。友よ」

 

レーツェルの声と共に、黒い西洋の騎士のようなロボットが現れる。

 

「レーツェル………その機体が………」

 

「そう。ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンの2号機。名付けて、アウセンザイター!!」

 

『『穴馬』か。言いえて妙だね』

 

レーツェルの命名にフィリオは苦笑する。

因みにドイツ語である。

 

「ゼンガー、有象無象は引き受けた!」

 

「応! 狙うは大将首!」

 

レーツェルの言葉にゼンガーは応え、ガウガウへと向かう。

それを邪魔しようと無人兵器が集まってくるが、

 

「トロンべよ! 今が駆け抜ける時!」

 

アウセンザイターの踵に装備されているホイールが高速回転し、地面を滑る様に高速移動する。

 

「ランツェ・カノーネ! 発射!!」

 

そのまま回転しながら両手に持ったライフルを連射。

その弾丸の一発一発が的確に無人兵器を撃ち抜いていく。

 

「何て射撃精度………!」

 

アルトがレーツェルの射撃の正確性に舌を巻く。

そして、ダイゼンガーがガルガウの元へと辿り着くと、

 

「ガオファイガー! そやつの相手はこの俺とダイゼンガーが引き受けた!!」

 

ゼンガーがそう宣言すると、ガオファイガーはガルガウを押し返し、その隙に飛びのく。

 

「ん。任せる」

 

その言葉に反対もせず頷くガオファイガー。

 

『おのれ………何がダイゼンガーだっ!!』

 

ヴィガジが叫びながらガルガウを回転させつつ尾撃を繰り出す。

しかし、斬艦刀の一振りがその尻尾を切り裂いた。

 

『野蛮人の分際で、監査官たる我らに逆らうか!!』

 

ヴィガジが叫ぶが、

 

「野蛮人と呼ばば呼べ! だが、力に物を言わせてきた貴様らもまた、野蛮の徒!!」

 

ゼンガーはそう言い返した。

そしてその言葉は、ヴィガジの堪忍袋の緒を切るのには十分すぎた。

 

『貴様はここで死ねぇっ!!』

 

激昂しながらガルガウを突進させてくるヴィガジ。

だが、

 

「はぁああああああああっ………! はあっ!!」

 

ダイゼンガーが斬艦刀を振り上げ、地面に叩きつけると、その勢いを利用してダイゼンガーが空高く飛び上がる。

 

『ッ!?』

 

「届け! 雲耀の速さまで!!」

 

ダイゼンガーの背中のブースターが火を噴き、更に加速する。

そして一定の高さまで到達すると、斬艦刀を上段に振りかぶり、急降下。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

『ぬおっ!?』

 

そのままの勢いで渾身の一振りを繰り出した。

 

「チェストォォォォォォォォォォォッ!!!」

 

その一撃は、見事にガルガウを真っ二つに切り裂く。

 

『ぐぁああああああああああああああああああああああああああああっ!?!?』

 

一瞬後に爆発するガルガウ。

しかし、その爆炎の中から脱出艇が飛び出す。

 

『おのれ地球人め……! この屈辱忘れんぞ……!』

 

ヴィガジは忌々しく吐き捨てながら、撤退していった。

 

「我が斬艦刀に、断てぬ物無し!」

 

斬艦刀を掲げながら、ゼンガーはそう言い放つのだった。

 

 

 

 

 

 

戦闘が終わったあと、ジェイ達は改めてジョナサン達と顔を合わせていた。

 

「助けてくれてありがとう。助かったよ」

 

ジョナサンは礼を言う。

 

「どういたしまして。と言っておく」

 

ジェイが答えると、

 

「改めて聞こう。君達は何故ここに?」

 

レーツェルが問いかけると、

 

「ああ。テスラ研に用事………というか頼みたい事がある」

 

ジェイはそう答えた。

 

「頼みたい事?」

 

ジョナサンが聞き返す。

 

「ああ。こちらの機体、デスティニー、ガイア、YF-29の改修を頼みたい」

 

「ジェイさん!?」

 

ジェイの言葉に驚くシン達。

 

「先程の戦闘を見て分かったと思うが、この3機は火力の面でこの世界の機体に劣っている。今はパイロットの操縦技術で何とかなっているが、指揮官機相手だと心許ない」

 

「「「……………」」」

 

ジェイの言葉に何も言えないシン、ステラ、アルト。

実際にガルガウ相手には殆ど有効なダメージを与えることが出来なかった。

 

「もちろん、そちら側の最新技術を使え、なんて事は言わない。技術はこちらから提供する。それを使って機体を改修して欲しい。対価としては、提供した技術そのもの。それから…………」

 

ジェイはそう言いながら視線をフィリオに移すと、

 

「あんたの身体の治療で如何だ?」

 

「ッ!?」

 

ジェイの言葉に驚愕の表情をするフィリオ。

 

「知っていたのか………?」

 

「まあ、交渉するために色々と調べたからな」

 

「……………本当に治せるのか? 僕の病気は、この世界の医療技術では治療は不可能と言われたんだけど…………」

 

「まあ、完治できるかどうかは一回試してみないと分からない。少なくとも幾許かの延命は可能だと思っている」

 

フィリオの言葉にジェイはそう答える。

 

「…………………本当に僕の病気を治せるというのなら、君からの頼みは引き受けよう」

 

フィリオはそう答える。

 

「フィリオ………お前さん………」

 

ジョナサンがフィリオに呼び掛ける。

 

「………死ぬ覚悟はできていましたが、生きられるというのなら、生きていたいですから………」

 

力なく笑うフィリオ。

それを見て、

 

「…………わかった! フィリオの病気が治るというならこちらにとっても願ったり叶ったりだ。フィリオという優秀な科学者を失うのは、こちらにとっても痛手であり、人類の損失とも言える。そんなフィリオをたった3機の機体の改修で助けられるって言うのなら安いもんだ。喜んで引き受けてやる!」

 

テスラ研の所長であるジョナサン自らそう言った。

 

「ならば、さっそく治療に取り掛かろうか」

 

ジェイはそう言うとフィリオをジェイアークへと招待した。

 

 

 

 

 

 

結果、フィリオの治療は成功し、無事完治することが出来た。

尚、

 

「やっぱ赤の星の科学力パネェな」

 

というのがジェイの談である。

因みに何故かシンがリシュウに弟子入りすることになったそうだ。

 

 

 







はい、スパロボOG編第8話の完成です。
テスラ研奪還作戦にジェイ達をぶっこみました。
その所為でウォーダンとスレイの出番が…………
そして火力不足を補う為に遂にデスティニー、ガイア、YF-29の改修が始まります。
まあぶっちゃけGSライドとウルテクエンジン積み込んでフレーム強化と武器出力の向上位の予定ですが…………
OSもC.Eやマクロス世界の物よりもOG世界のTC-OSの方が性能いいですかね?
あと、デスティニーのアロンダイトだけは何か電波を受信したのでアンケートします。
それでは次もお楽しみに。





P.S:本日忙しいので返信はお休みです。申し訳ない。




デスティニーのアロンダイトの改造案

  • 形は変えずにZ・O製にして出力UP
  • サイズを合わせた参式斬艦刀(約30m)
  • アロンダイトの形から斬艦刀に形状変化
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