転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第9話 アナタノオト

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

テスラ・ライヒ研究所でデスティニー、ガイア、YF-29の改修が行われることとなり、パイロットのシン、ステラ、アルトも別行動になった。

シェリルとランカもアルトと一緒に残ると思っていたのだが、オウカを救う事や、他に2人の歌が必要になる事があるかもしれないという事で、2人はマクロス・ブレイバーに乗ってついてきている。

それから数日後。

ハガネやヒリュウ改が、ノイエDCとの連携がうまく行かずに各地を転々としていた時、ランカはハガネの廊下を歩いていた。

ランカやシェリルは、ハガネやヒリュウ改で度々歌を披露しており、パイロット達の士気高揚に一役買っていた。

今日もそう言う理由でハガネに居たのだが、ランカがT字路に差し掛かった時、突如として通路から飛び出してきた誰かとぶつかった。

 

「きゃっ!?」

 

思わず悲鳴を上げて尻持ちを着くランカ。

同時にぶつかってきた人物も派手にバランスを崩して廊下の壁に背中を打ち付けながらその場に座り込んだ。

ランカにぶつかってきたのは赤髪の少女。

見た目はランカと同年代だろうか。

 

「あいたた………あっ! 大丈夫ですか!?」

 

ランカはぶつけた所をさすりながら立ち上がり、赤髪の少女に歩み寄る。

その少女はその場に座り込んでいたが、

 

「えっと………確かアヤさんの妹のマイさん………だったよね?」

 

ランカはその少女、マイに見覚えがあった。

SRXチームの新メンバーとして一度紹介された事があったからだ。

しかし、その後は余り人前には出てこず、交流は無い。

すると、

 

「私………私は……………私は………レビ・トーラー…………?」

 

「レビ?」

 

マイの口から零れ出た名前にランカは首を傾げる。

その名は、L5戦役の時に地球に侵略して来たエアロゲイターの総司令官の名前なのだが、ランカには知る由もなかった。

それよりも、ランカには現状のマイの心がひどく不安定で、今にも壊れてしまいそうな事の方が気がかりだった。

 

「ッ!」

 

ランカは真剣な表情になると、

 

「♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪♪♪~」

 

歌を口ずさみ始めた。

その歌は『アイモ』。

落ち着いた印象の静かな歌だ。

マイの心を慰め、癒すためにランカはその歌を歌う。

その中でランカはマイの頭を抱きしめる。

 

「ッ…………!」

 

マイはその歌を聞いて、心が落ち着いて来るのを感じていた。

抱きしめられているランカの胸に身を預け、ゆっくりと瞼を閉じていく。

ランカが歌を終える頃には、静かに寝息を立てていた。

すると、その時を見計らってか、リュウセイとアヤが現れた。

 

「あっ! リュウセイ君、アヤさん」

 

ランカが声を上げると、

 

「ランカ、すまねえ。助かった。マイを落ち着けてくれたんだな」

 

「ありがとうランカ………私からもお礼を言うわ」

 

リュウセイとアヤはそう言う。

 

「あ、いえ。お役に立てたなら良かったです。それよりも、マイさんは一体どうしたんですか?」

 

ランカが尋ねると、2人は気まずそうな顔をして、

 

「ちょっと………な………」

 

歯切れ悪くそう言うだけだった。

 

 

 

 

 

それからしばらくして、ランカがマクロス・ブレイバーに戻った後、敵部隊と接敵した。

敵は、以前アーチボルドが乗っていたグラビリオンの強化型、ソルグラビリオンを中心に、オウカのラピエサージュと多数のリオンで構成されていた。

敵の奇襲に備え、ハガネ、ヒリュウ改からはSRXチーム、ビルトビルガー、フェアリオン2機で出撃し、マクロス・ブレイバーからもガオファイガーが発進する。

そんな中、ランカは出撃するR-GUNを見つけた。

 

「マイさん…………」

 

ランカはそれを見て心配そうな声を漏らす。

あんな状況で出撃する彼女は、本当に大丈夫なのかと心配していた。

一方、ラトゥーニやアラドは部隊の中に居るラピエサージュを見て、

 

「オウカ姉様………」

 

「姉さん………今度こそ………!」

 

オウカを救い出すために気を張り詰めていた。

その時、

 

『ウェッヘッヘッヘ………!』

 

突如として怪しい笑い声が通信から聞こえて来た。

 

『懐かしい顔が揃ったのう』

 

「その声は……!」

 

「セトメ博士………!」

 

その声に反応したのはアラドとラトゥーニ。

すると、目つきの悪い老婆の姿が映し出された。

 

『久しぶりじゃのう、ラトゥーニ11』

 

「ッ……!」

 

セトメの言葉に表情を顰めるラトゥーニ。

 

「イレブン………?」

 

その番号にリュウセイは声を漏らす。

 

『それがそやつの本名じゃ。ラトゥーニクラスの11号。即ちラトゥーニ11』

 

「なっ!?」

 

『クエルボやケンゾウ・コバヤシが与えるような名など要らぬ。番号で十分じゃ』

 

「お父様を知っている? あなたは一体……!?」

 

父親の名が出てきたことに、怪訝な声を漏らすアヤ。

 

『特脳研に居た儂の事を覚えておらぬのか? ケンゾウに記憶を弄られたようじゃのう……被験体No.7』

 

セトメはアヤに向かってそう言う。

 

「えっ……?」

 

アヤは一瞬何を言っているのか理解できなかった。

 

『そしてNo.5』

 

更にセトメはマイに向かってそう言った。

 

「えっ?」

 

マイも戸惑いの声を漏らす。

 

『聞け!! お前達は本当の姉妹ではない! それどころかケンゾウの娘ですらないのじゃ!』

 

セトメが高々に言い放った。

 

「何を言っているの!? 私にはお父様やマイと過ごした記憶が……!」

 

アヤが言い返そうとしたが、

 

『それは儂とケンゾウで作り、与えたものじゃ』

 

「う、嘘よ………!」

 

セトメの言葉に尚もアヤは否定するが、

 

『…………子供の頃、自分の所為で妹に怪我をさせ、親や他人に本当の事が言えなかったことがあるじゃろう? その後ろめたさがケンゾウに従順となる切っ掛けの1つとなっておる』

 

「あ………あ…………」

 

その言葉は事実であった。

実際にアヤの記憶には、セトメの言葉通りの出来事がある。

それは、誰も知らない筈の記憶なのに。

 

『儂はお前の封印した過去を知っておる。それは、お前の記憶が作りものである証。トラウマを原動力として、より強い念の力を発揮させるための処置じゃ』

 

「やめて…………やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

アヤはもう耐えきれなかった。

頭を抱えて絶叫する。

空中に浮いていたR-3はコントロールを失って墜落。

地面に激突する。

 

「アヤッ!!」

 

リュウセイは思わず叫ぶ。

 

「私の失った記憶…………それさえも作り物………? な、なら………私は一体何なんだ………!? うっ……ああっ………!」

 

マイも自分の求めていた過去の記憶が作り物だと悟り、涙を流して放心状態となる。

 

『ウェッヘッヘッヘ! ハッハッハッハッハ! ケンゾウめ、被験体に情が移って秘密にしておったのじゃろうが、無駄な事よ』

 

「テメェ! アヤやマイたちを何だと思ってやがる!!」

 

リュウセイがセトメの言葉に激昂して叫ぶ。

だが、

 

『儂の研究素材に過ぎぬわ』

 

セトメは平然と言い返した。

 

「そんな理由で、ラトゥーニやアラド達も………!」

 

益々怒りが沸き上がるリュウセイ。

 

「許せねぇ………! お前みたい奴は………! 人の記憶や感情を弄ぶ奴は!!」

 

リュウセイは叫びながらR-1のライフルを構える。

 

『若造が御為暈しを! お前達も儂のサンプルにしてやる! 者共、かかれぇっ!!』

 

セトメは兵士達に命令を下す。

多数のリオンとオウカのラピエサージュが攻撃を開始する。

 

「姉さんの相手は俺がする!」

 

アラドのビルトビルガーが飛び出し、ラピエサージュと激突。

鍔迫り合いに入る。

 

『私を倒せると思っているのですか!?』

 

「倒す気なんてねぇ!」

 

『ッ!?』

 

「俺はアギラから姉さんを助け出すんだ!」

 

アラドはそう言い放った。

一方、アヤとマイは放心状態のままであり、アヤのR-3は墜落したまま微動だにせず、マイのR-GUNは棒立ち状態だ。

フェアリオン2機がR-3を、R-1がR-GUNを念動フィールドで護る。

ライやヴィレッタが敵機を墜としていくが、状況は不利だ。

 

「アヤさん! マイさん! 気を確かに!!」

 

ランカが2人に呼び掛けるが、2人は涙を流したまま呆然としているだけだ。

 

「艦長、このままでは! 追加の戦力を!」

 

ハガネのブリッジで、テツヤがダイテツに進言する。

 

「うむ………この状況では仕方あるまい………各機に出撃を………」

 

ダイテツが残りの戦力に出撃命令を出そうとした。

その時、

 

「アナタノオト ドクン ドクン ドクン 聞こえてくるよ ドクン ドクン ドクン 生きてる音 やさしい音 だから切ない音 聴こえてくるよ♪」

 

突然響く歌声。

 

「この歌は………!」

 

「ランカ………!?」

 

その歌にライとリュウセイが声を漏らす。

 

「風が花を咲かせるように 笑い合えたら 雨が草を濡らす様に 涙 零れたらぼくたちの願いは 大丈夫 うたがいのコートはもういらない 時代(とき)に邪魔されたって大丈夫 もう 二度と離れない♪」

 

(アヤさん、マイさん。気付いて。確かに過去は偽物かもしれない。だけど、皆と生きてる今は。これから生きていく未来は、本物だって事を………!)

 

その思いを歌に乗せてランカは歌い続ける。

 

「アナタノオト ドクン ドクン ドクン 聞こえてくるよ ドクン ドクン ドクン 生きてる音 やさしい音 だから切ない音 聴こえてくるよ 愛が ドクン ドクン ドクン 目を覚ますまで ドクン ドクン ドクン この手でもっとアナタの孤独に触れたい 夜明けをふたり待ちながら きゅっと目を閉じた♪」

 

ランカの歌が戦場に響く。

 

(………………私の音…………)

 

(…………生きてる………音………)

 

その歌は、放心状態でありながらも、確かにアヤとマイに届いていた。

 

『戦場のど真ん中で、何を呑気に歌っておるか!?』

 

セトメが叫ぶと、ソルグラビリオンの胸部が展開。

巨大な砲門が現れた。

 

『愚か者めがぁ!!』

 

セトメの叫びと共に重力波のエネルギービームがマクロス・ブレイバーに向かって発射される。

しかし、

 

「させない! プロテクトウォール!!」

 

その前にガオファイガーが立ちふさがり、プロテクトウォールでその攻撃を防ぎ切った。

すると、

 

「お前には分からんようだな? 歌の力は」

 

ジェイがセトメに向かってそう言った。

 

『歌の力だと? ブロンゾ27のことを言っておるのか? そんなもの、偶然に過ぎぬ。リマコンが不完全だったことでブロンゾ28との接触により、記憶が蘇った。偶々その時に歌が流れていたにすぎぬわ!』

 

セトメがそう言い放つ。

ジェイは呆れたようにため息を吐くと、

 

「人の心を電気信号としか考えていない輩の言いそうな事だな。そのような輩に歌の力が理解できるはずも無いか………ならば思い知れ。お前がバカにした歌の力を……!」

 

ジェイがそう言うと共に、2コーラス目が始まる。

 

「星が闇を繋げるように 見つめ合えたら 月がすべて赦すように 恐れ溶かしたら ぼくたちは迷わず翔べるだろう コンパスの針さえまだ知らない 今日の先までだって翔べるだろう 永遠に守りたい♪」

 

『まだ歌うか! 歌など単なる空気の振動に過ぎぬ! そんなものに何の力があると言うのだ!!』

 

セトメの言葉と共に、ソルグラビリオンから無数のミサイルが発射され、辺りに降り注ぐ。

 

「くっ!」

 

リュウセイは念動フィールドで防ぐものの、このままではジリ貧だと感じていた。

しかしその時だった。

 

「アナタノオト 「ドクン ドクン ドクン かすかだけれど ドクン ドクン ドクン♪」」

 

ランカの歌に重なり、もう1つの歌声が聞こえた。

 

『あぁ?』

 

「アヤ………?」

 

セトメが怪訝な声を漏らし、リュウセイがハッとなる。

それはアヤの歌声だった。

 

「「肩と肩がぶつかるたび 息が出来ないほど速くなるよ♪」」

 

アヤがランカの歌に合わせて歌っていたのだ。

 

(この『音』が私の『音』…………アヤ・コバヤシが持つ私自身の『音』…………そうよ……! 確かに私の過去は偽物かもしれない………だけど、少なくとも皆と出会ってからの記憶は紛れもなく私自身の物! 作られた偽物なんかじゃない!)

 

アヤの瞳に光が戻る。

 

「…………ッ! アヤ………?」

 

その歌声に、マイも反応を示す。

 

「「胸が ドクン ドクン ドクン 確かなものは ドクン ドクン ドクン この気持ちとプラム・ブルーのあの空 すごくキレイで動けない ふたり」」

 

(なんだろう………さっきまで目の前が真っ暗で生きる気力も無かったのに、この歌を聴いていると、胸が熱くなって、心が震えて、ドキドキして…………自分の心臓の音が聞こえる………! この『音』が私の音………! 私が………マイ・コバヤシだけが持つ『音』!)

 

【何を言う? お前は………】

 

その時、マイの中にあるレビの残留思念が語り掛けてくる。

 

(違う。私はレビ・トーラーじゃない。私はマイ・コバヤシだ。本当にレビなのだとしたら、こんなことはしない!)

 

マイが心の中でそう決めた時、

 

「「「生きてる音 やさしい音 だから切ない音 聴こえてくるよ♪」」」

 

2人の歌にもう1つの歌声が重なる。

 

「マイッ!」

 

リュウセイが叫ぶ。

 

『ぬあっ!? 被験体No.5まで!?』

 

セトメはマイまで歌い出したことに困惑した。

 

「「「愛が ドクン ドクン ドクン 目を覚ますまで ドクン ドクン ドクン♪」」」

 

ランカ、アヤ、マイの三重奏。

その歌声は戦場に響き渡り、味方を勇気付け、敵を困惑させる。

 

「「「この手でもっとアナタの孤独に触れたい 夜明けをふたり待ちながら きゅっと目を閉じた♪」」」

 

3人の歌が終わると、

 

「アヤ! マイ!」

 

リュウセイが2人に呼び掛ける。

 

「ごめんなさい、リュウ! もう大丈夫よ! 私は過去には囚われない! あなた達と共に進むわ! 私自身の意志で!!」

 

「私もだ! 私はアヤ達と共に行く!!」

 

2人は完全に立ち直っていた。

 

「これが歌の力。聞く者の心を震わせ、傷付いた心を癒し、閉じた心を開かせる。まあ、その中でもランカとシェリルは特別凄いんだけど」

 

ガオファイガーがソルグラビリオンの前で言い放つ。

 

『ほざくでないわ! 何が歌の力だ!? そんなものこのソルグラビリオンの『力』の前には敵わぬぞえぇぇぇぇっ!!』

 

ソルグラビリオンの全武装が発射され辺りを火の海にする。

しかし、ガオファイガーはプロテクトウォールでそれらの攻撃を防ぎ、SRXチームとフェアリオンは爆炎の中から飛び出してくる。

 

「アヤ! あのデカブツとやり合うには!」

 

「わかってるわ。隊長!」

 

リュウセイのその言葉だけで言わんとすることを理解したアヤはヴィレッタに呼び掛ける。

 

「ああ! SRX合体を許可する!」

 

ヴィレッタは合体許可を出した。

 

「「「了解!」」」

 

R-1、R-2、R-3が一カ所に集まる。

 

「念動フィールド! ON!!」

 

R-3を中心に広範囲に念動フィールドが広がり、R-1、R-2を範囲内に収める。

 

「トロニウムエンジン! フルドライブ!!」

 

ライがR-2に搭載され、通常は50%以下に抑えられているトロニウムエンジンの出力をフル稼働させた。

 

「行くぞ! ヴァリアブルフォーメーション!!」

 

リュウセイの掛け声と共に合体を開始。

R-3が腰部、脚部に変形。

R-2が胴体と両腕に変形すると、R-1がR-2の上部に合体し、頭部とバックパックを形成する。

R-3がR-2の下部に合体し、両腕となったR-2のハイゾルランチャーが両側にドッキングした。

最後にヘッドギアを装着すると、その姿が完成する。

 

「天下無敵のスーパーロボット! ここに見参!!」

 

リュウセイが決め台詞を言い放った。

 

『ハッ! 何が天下無敵じゃ! 笑わせるでないわぁ!!』

 

セトメは鼻で笑うと、サイズミック・ボールと呼ばれる2つの球状の物体を回転させながらSRXに向かって放った。

 

「ザイン・ナッコォッ!!」

 

それに対し、リュウセイはSRXの両手に念動フィールドを集中させ、サイズミック・ボールをそれぞれ片手で掴み取った。

そのまま握りつぶしつつ両側へ放り投げると直後に爆発した。

そしてソルグラビリオンに向かって突進すると、

 

「ブレード・キィィィック!!」

 

足の甲に付いているブレードで切り裂くようにキックを放つ。

それはソルグラビリオンの左肩部を大きく切り裂き、損傷させた。

 

「へっ………! なっ!?」

 

リュウセイはどんなもんだと言いたげに鼻を鳴らしたが、直後に驚愕の声を漏らす。

何故なら、切り裂かれて損傷していた部位が、見る見るうちに再生し、修復したからだ。

 

「修復している!? あの時と同じか!」

 

ライは過去に戦ったウォーダンのスレードゲルミルと同じ修復能力を持っていることに気付く。

 

『敵わぬと言ったろう? 撃て』

 

『ハッ! グラビリオン・アーク!!』

 

セトメが部下に命令し、胸部の砲身を展開。

重力波のエネルギービームを放つ。

 

「ガウンジェノサイダー!!」

 

対するリュウセイは、SRXの頭部のヘッドギアのバイザー部分に念動フィールドを集中させ、ビームとして撃ち出した。

それらは互いの中央で激突。

凄まじい爆発を起こし、両者を巻き込みながら吹き飛ばした。

SRX、ソルグラビリオン共にそれなりの損傷を受けていたが、ソルグラビリオンは持っていた修復能力で瞬く間に修復していく。

 

『自己修復能力を持ったマシンセルがあれば、天下無敵よのう?』

 

リュウセイの台詞を逆手に取る様に皮肉を飛ばすセトメ。

 

「くそっ!」

 

「奴を倒すには、修復が不可能なほどの大ダメージを一気に与えるしかない!」

 

思わず吐き捨てるリュウセイに、ライが言った。

 

「ッ! それは!」

 

「ああ。トロニウムバスターキャノンだ! よろしいですか!? 大尉!」

 

「ええ!」

 

ライの進言にアヤは即座に頷く。

 

「マイ! ツインコンタクトをやるわよ!」

 

「わかった!」

 

アヤの呼びかけにマイが答えると、R-GUNがSRXに向かって行く。

 

「「T-LINKツインコンタクト!!」」

 

アヤとマイ、2人の念が共鳴し念動フィールドが大幅に強化される。

 

「メタルジェノサイダーモード! 起動!!」

 

R-GUNが変形し、巨大な砲身を形成した。

 

『何をしても無駄よ! 叩き潰せ!』

 

セトメが部下に命令すると、

 

『『ソルグラビリオンソード!!』』

 

両腕に重力波エネルギーの剣を発生させ、SRXに向かって突っ込んできた。

SRXは、巨大な砲となったR-GUNを右腕で掴むと、それにエネルギーがチャージされ始める。

 

「トロニウムエンジン! フルドライブ!!」

 

「リュウ! トリガーを預けるわ!!」

 

ライとアヤが叫ぶ。

 

「おう!」

 

リュウセイは応えると突っ込んでくるソルグラビリオンに狙いを定める。

そして、ロックオンが完了すると、

 

「一撃必殺! バスターキャノン!!!」

 

叫びながらトリガーを引いた。

砲口から放たれる凄まじいエネルギー。

それがソルグラビリオンを飲み込む。

その威力は、修復能力など知った事では無いと言わんばかりに機体を端から消し飛ばしていく。

 

『ひぁあああああああああああっ!?』

 

セトメの悲鳴が響く。

爆発と共にソルグラビリオンが吹き飛んだ。

 

『母様!?』

 

オウカが声を上げると、爆煙の中から損傷したガーリオンが現れ、

 

『て、撤退じゃ! 撤退するぞぇ!』

 

そのガーリオンからセトメの声が聞こえた。

どうやらギリギリで生き残ったらしい。

 

『はい! 母様!』

 

オウカは即座に頷くと、ガーリオンと共に撤退していった。

 

「………オウカ姉さん」

 

アラドはオウカを助けられなかった悔しさを滲ませた。

 

「マイ、大丈夫?」

 

アヤがマイに声を掛ける。

 

「うん」

 

マイは頷いた。

 

「さあ、戻るぞ」

 

リュウセイが呼びかけると、

 

「ありがとう。リュウセイ」

 

マイがお礼を言うと、

 

「アヤと同じで、俺の事はリュウでいいぜ?」

 

「ッ! わかった………リュウ」

 

マイは仄かに頬を染めて頷いた。

 

 

 

 








はい、スパロボOG編第9話でした。
今回はランカに出張ってもらいました。
因みに今回の話の中の曲は、アイモとどっちにするか迷いましたが、あの状況だとアナタノオトの方があってると思ったのでこっちにしました。
シン達は機体改修中なので出番はもう少し後になります。
次回はキョウスケ達とダイテツの運命の分かれ道ですが果たして………?



P.S:アロンダイトのアンケートが拮抗しすぎているので決選投票を行います。


デスティニーのアロンダイトの改造案決選投票

  • 形は変えずにZ・O製にして出力UP
  • アロンダイトの形から斬艦刀に形状変化
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