転生したらTSふたなり聖女だった件   作:自給自足日常系異世界ファンタジー作家

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テーマは純愛です(錯乱)

異世界あるある
オカンやオババ飛び越えて祖先のバブみキャラ


玖話

「本当に申し訳ない、まさかあんな事になるとは思わなかったのだ。

——結果的にだが婦女子の隠したい事を暴いてしまった、本当に申し訳ない、結論を急いでしまった我のせいだ。」

 

 

「いえいえ気にしないで下さいな」

 

 

( ˙-˙ )スンッ...

 

 

「だからどうか!!それだけは勘弁してくれ!!」

 

 

背景で大量の木材を錬金術で変換し続ける、これらは全て俺の魔術の種になるのだ、因みにこれら大量の木材は近隣の森を丸裸にして用意したものである。

 

 

環境破壊は気持ちいいゾイ!!

 

 

「はっはっは気にしないでくれ、別にこれは俺が衝撃魔術をいざという時に大盤振る舞いする為の用意だ。

——だから言ってんじゃん過ぎてしまった事だからどうでもいいって、それで目的は達成できたのかな。

礼拝協会とやらは排斥できそうなのかな?これ以上は人を変な事に巻き込まないでよね?」

 

 

「礼拝協会は権威を失墜致しました、イリエ様が福音委員の司祭の杖を持っていた事が決定打となったと言えるな。

——お飾りの聖女様が本物の救世の主だとは思わなかった、人の汚い争いに巻き込んでしまい申し訳ない。」

 

 

おい待てプロパガンダをお前が本気で信じたら駄目だろ!!

 

 

「俺はただアイツ等が主張した有り得ない存在と背景が被ってしまっただけだ、正直ガチにされると困る。」

 

 

「分かりました、そういう事にさせていただきますね。」

 

 

心酔した顔してるんだけどコイツ...

国家指導者がそれはあかんやろ、国家規模のカルト集団とか洒落にならんぞ。

 

 

「俺は権威を示したかっただけだからな、ぶっちゃけ偽物の救世主どころかただの人間だから変な期待をされても困るぞ。」

 

 

「承知しております、帝国は対価なしに何一つ求める事は致しません。」

 

 

あその辺は正気なんだ、壊れるなぁ。

——その瞬間扉を蹴り飛ばしクソデカエルフが俺に向かって突っ込んできた

 

 

「男根があったけどあれは何よ?!どういう事?!前世あるの?!」

 

 

「だから何?」

 

 

「男根があるのは兎も角前世があるのはあの子と一緒じゃん!!何で言ってくれなかったの何で隠してたの?!」

 

 

「いやまだ言う気なかっただけだし隠してもない、言ったじゃん俺男だって。

——お前そんな気になるんだったらあの時に奥の奥まで見通しておけばよかったのに、はぁ俺はお前が何を言いたいのか理解できないよ。」

 

 

うわ急に泣き出した...うんまあ強く言ったのはアレだけど泣き過ぎじゃない?

よしよし1000歳エルフよ、俺のお膝上で気が済むまでバブみを感じるんだよ。

 

 

「概要は聞いているけど福音委員とやらを帝国内の主要宗教機関にするんだよね?内部からの反発はどうなの?」

 

 

「これ以上ない程に苛烈だな、十字軍は帝国の『聖都』を奪還しようと動いている。

——既にここは『帝都』だと言うのにな?」

 

 

完全ではないが国内を掌握し権力を奪還できてご満悦らしい、そんで帝都に侵攻してくるという異教徒の十字軍とやらを押し返す準備をしているとの事だ。

 

 

「その辺は興味ないのでどうでもいいです、でもここが彼らの本拠地じゃないんでしょ?ならどうでもいい筈じゃん。」

 

 

「異端者は許さないんだと、俺達は魔女と変わらない存在らしい。」

 

 

相も変わらず異世界でも人類は変わりませんね...

——ヤバ過ぎだろこの人はこの人で、よくもまあこんな状況でニッコニコの笑顔になれるな。

 

 

「俺は関与しないからな、巻き込まないでほしいな。」

 

 

——こいつ俺を尖兵にする気だな?

国家同士の戦争なんかに巻き込まれたくない、統制された軍隊と戦うなんざ魔術で俺つえーできる様になっても御免だ。

 

 

「予め伝えさせて下さい、気が向いたら戦列に並んでくれると有り難いです。」

 

 

コイツ絶対に負けるわ、絶対に巻き込まれるじゃんそれ。

——脅迫染みているな、まあいい支援する分には構わない、戦列に加わるより武器等を供与した方がよさそうだ。

 

 

「はぁ...

——ただし相手が人間ではない事が条件だ、超齢の妖精や魔女、会った事はないが話だけは聞いている吸血鬼等の洗礼魔術が特攻の存在が相手ならば戦列に加わろう。」

 

 

「——して何が欲しい?」

 

 

「権威と象徴、そして少しばかりの金銀財宝かな。」

 

 

「『永遠の都』を救世の主イリエ・リエンデールに、『承知致しました』ではその通りに。」

 

 

コイツ裏切ったりしないだろうな...いやまあ異様なまでに従順だから逆らわないだろうけど...

 

 

「理想を語るには十分だ、して戦闘目標は達成可能なのか?」

 

 

「現有戦力11万、予備は9万程です。

——礼拝協会所属の聖騎士と軍人が帝国軍に加盟した為、高位魔術師の数はそれほど多くありませんが数だけならば対等以上の筈です。」

 

 

戦争は数その前提から考えれば有利なんだろうな。

 

 

「敵の数は根刮ぎ動員して17万程と見積もっております」

 

 

2倍には届かずか、それなりに厳しい戦いになりそうだな。

——妖精達が敵に回る可能性も無きにしも非ず、特にゴブリンとかゴブリンとかゴブリンとかは略奪に乗じて来そう。

 

 

「なら大丈夫そうだね、損害を減らす事を第一に戦うといい。」

 

 

元気いっぱいだったら俺が喧嘩を売られる可能性があるし、適度に消耗してクレメンス。

 

 

「これをあげるよ、あと設計図だ。」

 

 

俺特製ボウガン、魔物だろうが簡単に貫ける逸品だ、12.7mm相当の威力があるしただの金属製の鎧とかじゃ相手にならんよ。

——目指せ1万台だ、100万人都市ならそんくらいの数を用意できるだろう。

 

 

「これは弓ですかな?」

 

 

魔術で遠くに的を置いて、距離300mmの目標に向けて発射する。

——矢は的のど真ん中に命中し、的を壊して壁に突き刺さった。

 

 

「これいいでしょー」

 

 

「——末恐ろしいですな、この様な道具を簡単に作れるとは。」

 

 

上位種の魔物とかじゃなければ俺みたいな女子供でも、それなりに多くの種類の魔物を返り討ちにできる。

——籠城戦で女子供にこれを持たせたら効果覿面だろう、人間が半分蛮族みたいな人ばかりのこの世界ならドン引きする様な数を殺せるに違いない。

 

 

「これなら負けはしないだろ?

——勝てるなら何だっていい、負けても心配するな予備の九万を率いて皇太子くんが何とかしてくれるし派手に死んでこいよ。」

 

 

「...すまない実は、あいつ寝込んでしまったんだ。」

 

 

「何で?」

 

 

何で?

 

 

「すまん、どうやらイリエ殿が本当に男だった事にショックを受けたみたいでな。」

 

 

「はぁ?どういう意味だオォン?」

 

 

(*´Д`)/(;・д・)

オイゴラコッチ見やがれ、指揮官不在だと?戦争舐めてんのか。

 

 

「愚息がへっぽこでごめん!!そういう訳で俺が死んだら帝国を頼むわ!!」

 

 

「ざけんなテメェェェ!!」

 

 

悲報ワイ、皇帝陛下に扱き使われてしまう(意味深)

——はいはい俺は都合のいい救世主ですよーだ、俺は俺なりに動いて地位を掴むか。

 

 

「ごめんごめん、とりあえずさ?褒章要る?案内するけど。」

 

 

「要る、今すぐに案内しろ。」

 

 

「安い人間...」

 

 

「悪かったな...」

 

 

悪かったな安い人間で、でも仕方ないよね?金は大事だもの、それに自分の価値を示す基盤がなきゃいつまでも価値を示せないからね。

——その軽蔑は甘んじて受け入れよう、侮蔑してるのはお互い様だしね。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ワァイキンギンザイホウタカラノヤマダァ...

——いや多過ぎだろ辺り一帯に積み重なっているじゃねぇか、手入れもされてないしこの金貨に至っては上に乗っていた物の重量で曲がっているし雑な扱いだな。

 

 

「なあヘレンさん、ぶっちゃけ俺見る目がないんだよね、魔術的に歴史的に価値のある代物とか教えてくれないかな。」

 

 

「そこら辺に散らばっている雑貨まで、全て高い価値があるわよ。

——これら全てが聖遺物や呪物か魔術的な効果を持つ物、気になる物は片っ端から回収していきなさい。」

 

 

ならいいか、目を惹かれた物から魔力を込めたり色々と試してみよ。

 

 

「使い道がないからな、これらに触れるだけで誰もが聖気や瘴気にやられてしまう、処分にも困っていたんだ。

——むしろ全部持って行ってくれると助かる、礼拝協会に持っていかれたら色々と面倒だし有効活用してくれると嬉しい。」

 

 

聖気と瘴気って何だし、絶対にそれ碌でもないよね。

 

 

「ヘレン先生質問...聖気と瘴気に当てられたらどうなるの?」

 

 

「瘴気に当てられると、病に倒れて死ぬか存在が変質する、魔物になったり吸血鬼になったりね。

聖気に当てられると意識が混濁するわ、最終的には何かしらの方法で()()()()()()()か聖骸に肉体が置換されて聖屍になる。

——どちらも例外があるし、また違うナニかに成る事もあるわよ。」

 

 

「聖骸と聖屍って何?」

 

 

「聖骸は救世の主の聖なる祝福を受けて変質した生命を宿した骸ね、聖屍は厳密には違うけど吸血鬼の亜種みたいなものよ。」

 

 

へぇそれは大変だ、吸血鬼が黒魔術的な存在だとしたら聖屍が白魔術的な吸血鬼モドキか...そんなおっかない物を生み出す可能性が高い物ばかりなんだなここって。

 

 

とりあえず武器だな、装飾品もあるけど変なのが多そうだし触れないに限る。

 

 

迷うなぁ、いや面白そうなモノは多いんだけど自分が扱えるかどうかって問題が浮上してくる物品ばかりなんだよな。

——取り敢えず候補は絞ってみた、イカれたメンバーを紹介するぜ!!

 

強そうな魔剣の『タタカエ...』!

面妖な仮面の『チカラヲカシテヤロウ...』!

甘ったるい臭いがするネックレスの『メザメロ...』!

如何にも高そうな指輪の『タスケテ...』!

中に糸コンニャクの様なナニかがへばりついている靴の『ドゥチュピチャッ...』!

そして最後にヌメヌメしたドレスの『クチュッドゥチャ...』だ!

 

 

あ俺の紹介はないよ

 

 

すまない紳士諸君俺は変態ではあるが被虐心の強いMではなく征服欲に溢れたSなのだ、残念だが俺がこれらを着用する事はない。

 

 

とまあこんな感じ、全部同じ人に使ったら面白そうな事になりそうだ。

——なるほどこれがジャパニーズファンタジーHentaiという奴か、うん絶対に違うわ適当に言ったすまん日本人よ何方かと言えば中国(とばっちり)だな。

 

 

 

因みにクチュッドゥチャドレスとドゥチュピチャッ靴は洗礼品だったり...

 

 

 

明らかに魔なるモノにしか見えなくても面白そうなモノだからヨシ!!

 

 

この世界に存在するであろう変態紳士が大喜びしそうなラインナップだ、俺も日本のネット社会という魔境で育てられた変態紳士として偉大なる先人達への手向けとしてこれを頂戴する事にする。

 

 

エロい人は言いました、異世界ファンタジーでは呪われた装備と魔物装備は仲間にしなさいと。

——俺はエロい人を信じる!!

 

 

大祖国Nipponは素晴らしい民を持っている、我らが愛友Nipponginはいずれこの異世界に招待したいところだ。

 

 

それはそれとしてヘレンさん...このドレスとかヒールが普通に似合いそうだなぁ...

 

 

「変態...」

 

 

「(´・ω・`)」

 

 

泣いたよね、いや本当に。

 

 

「いいセンスしていると思うよイリエ君、是非ともその服を着せた女の子を息子に紹介してほしい。」

 

 

「息子さんの気持ち考えた事ある?人の心はどっか捨ててきたん?」

 

 

ナチュラルに反応をブン投げて来るな...

——若気の至りってヤツだ許してチョンマゲ、中身はもうオッサンだけど。

 

 

「そうねイリエはこれがいいんじゃない?」

 

 

悩みに悩み抜いていた俺に、ヘレンさんが謎の赤紫色っぽい黒色の物体を取り出してきた。

 

 

「何これ?」

 

 

俺は価値のある宝石だろうか?などと俺は考えていたが、実際は思いもよらぬ物だった。

 

 

「賢者の石ね、ただ毀傷されているから本来の力は発揮できないみたいだけど。」

 

 

へぇ、魔力を流して触媒を変形させたり色々と混ぜ混ぜできるらしい。

——蜘蛛型の魔物の糸を編み込んで普段着が完成、おお便利だなこれ、超低燃費だ物質の精製し放題だな。

 

 

だけど欲しいのは武器なんだよなぁ...

この杖も機能は優れてはいるけど、使い潰してきたから壊れかけなんよ。

——ここから壊れるまでが長いんだろうけどね!!

 

 

頑丈そうで扱い易そうな武器ねぇ、いいモノがないなぁ。

——洗礼や呪いがどうのこうのって道具は手に余る、全部半芸術品みたいなモノばかりなんだよな、雑に扱えそうなモノがない。

 

 

あの槍だな、西洋風だがランスって呼ばれるモノだろう。

——一応固有の効果もあるらしく、この槍を使用したモノを洗礼する効果があるらしい、だけどそれ以上に只管に頑丈な槍だ。

 

 

手に馴染むし魔力の通りもいい、この槍を触媒にして速射する感じで使うと中々に優秀だ。

——何というか聖属性と言うべきか?そういったモノは忌避してたけど、案外俺はそういったモノの方が相性がいいのかもしれない。

 

 

少しだけ気に入らない、いやどこまでも気に入らない、俺の方向性を定めようとしているのが気に入らない。

 

 

身に着ける事もしない、だけど触媒は歓迎だよね本当にこの子は最高の逸品だ。

 

 

 

「聖槍ねぇ...ただ少し頑丈な槍に見えるが...」

 

 

「いいんだよ、呪いとか祝福の込められた装備とかこれ以上は勘弁、俺は俺色の便利な道具が欲しいの。」

 

 

俺の核をそのままに、これは自分の得意分野を活かせる装備だ。

 

 

「他には要らんのか?」

 

 

正直手に余るわい、呪いは分かり易く拒絶できるけど聖遺物っていうの?必要以上に洗礼されたモノに近寄り過ぎたくないんだなこれが、気が付かずに精神とかが侵食されるモノでもあるしな。

 

 

「正直貰っても困る物ばかりだし、壊れているとはいえこの賢者の石が便利過ぎるから他は要らない。」

 

 

賢者の石を削ってその一部を魔術書の魔術行使陣に刷り込んで何時でも何処でも3Dプリンター、もうこれだけでいい気がする。

 

 

「本当にこれだけでいいのか?」

 

「問題ない」

 

「本当いいいのか?」

 

「これ以上必要ない」

 

「本当いいいのか?」

 

 

しつこいんだお...

 

 

「要らねぇって!!処分して欲しいならまた今度な!!」

 

「宜しく頼むぞ」

 

 

言質取られてて草、まあ戦争が終わったらこれ全部使わせてもらおう。

 

 

皇帝は死ぬ気だし皇太子は好きな人が男と知り寝込んでいるし、この国泥船なんじゃなかろうか。

——やはり頼れるのは自分と筋肉だけだな、何でもない便利グッズよりも自分の四肢の方が有用だわ。

 

 

まあこの辺のは戦争が終わったら処分するとしよう、炉に入れて人々に愛される日用品に生まれ変わらせてやる。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

そんなこんなで皇帝陛下率いる反十字軍の出陣を見送った俺達は、学院とやらに講師として来ていた。

 

 

「初めましてだな諸君、こんな成りこんな年齢で救世主とかいうよく分かんない役職を与えられた第三階梯魔術師のイリエ・リエンデールだ。

——講師として一応送られてきたが教えられる魔術は特にない、まあ実戦的な稽古をつけてやるから全員家の名前なり自分の名に懸けて全力で魔術を使用してくれ。

 

でもまあ一応質問にも答えられたら俺が答えるよ、俺が分からなかった事は俺と同じ外部教師であるエルフのヘレン先生に聞いてくれ。」

 

 

周囲からどよめきが起こった、まあ反応は様々だった、あんな子供が?とか小さくて可愛いねとかああ見えてオチンチン生えてるらしいよとか...おい最後の奴誰だ。

 

 

「救世主の聖女様は黒魔術が使えないって聞いたんですが本当ですか?」

 

 

小さな子供が俺に質問してきた、警戒心を解くには子供と仲良くする事が大事だ、布石だなこれは。

 

 

「嘘っぱちです、俺は黒魔術も白魔術も両方得意ですよ。」

 

 

水と炎を出して空中に留めて、黒魔術も使えると表明。

 

 

「おおーー!!お姉ちゃんスゲェェェェ!!」

 

 

「オホホホホ、そうであろうそうであろう。」

 

 

子供の純粋な誉め言葉は心に響くね、心が浄化されますわ。

——と言っても肉体年齢は同じぐらいなんだよねぇ、まあ腹とか傷だらけだし貫禄が違うんだろうな多分。

 

 

「さあさあレッスン開始だ、前に出て好きな魔術を放ってくるといい。

——俺に傷をつけるだけで最低単位20点、最大100単位あげまぁす。」

 

 

「お姉ちゃん変な人だね」

 

 

「よぉし君には100単位あげよう」

 

 

小さな子供による無為かつ突飛な暴言が一番心にくるのである、ちゅらい。

 

 

周囲から笑い声が木霊する、まあユーモアな人ばかりでよかった。

別に自分のギャグは面白かったとは思えんがね(自虐)

 

 

「魔術はどうやったら素早く多く発動できる様になるのでしょうか?」

 

 

「そうだねぇ...」

 

 

俺は素早くだけどヘレンさんを見る感じ一度に何個かの魔術を並列して発動している様だし、まあソレ次第だな。

 

 

俺はぶっちゃけ一つの事しか考えられない人間だ、でも彼女はあの笑顔の裏で多分10個ぐらい考えているんだよな多分。

 

 

まあソレだろうな、思考回路数に則った行動をするか、思考の速度に任せたゴリ押しか。

 

 

「俺は魔術の構築が早い、だけど並列して魔術を構築するのは苦手だ。

だけど一度に何個も魔術を構築する存在は或る故にどちらかに特化しよう、魔術を早く構築する訓練をするか魔術を複数個同時に構築する訓練をするかだ。

——勿論両方鍛錬するのもアリだ、魔術の才能は神経と回路を除けば全て脳次第だからな。

もしくは専攻を白魔術から黒魔術に変えたりまたはその逆、色んな手段をそれぞれ試してみてくれ。」

 

 

そして話は変わるが学院は卒業までに単位が120個必要らしい、現物で釣るに限るとして教員を説得した甲斐があった。

——次から次へと単位を求める戦士達が名乗りを上げた、身体強化や徒党を組んでの大魔術の悉くを拳で弾き返す、弾き返された人はヘレンさんのところで追試である。

 

 

どんまい授業が増えてしまったな、まあそういう事もあるようん。

 

 

周囲が作戦を練り始め挑戦者が居なくなったその頃に、一人の少女が前に出てきた。

——年は俺より少し上だろう、そして彼女は俺と同じ様に少女らしからぬ貫録を示している。

 

 

「名前は?」

 

 

「アグレラレン」

 

 

俺の勘が言っているコイツはヤバい奴だと。

容姿は女だが佇まいは男の兵士に近い、角張った肉体になる様に矯正している。

 

 

目つき悪過ぎるのと角張った肉体で正直細身の男にしか見えなかったわ、老け顔だけどモルガンさんに似た感じでモノはいいな。

 

 

「よしアグレラレンとやら、好きにしたまい。

——傷一つぐらい付けられなきゃ授業が増えるだけだからな、アッチへの仲間入りしたくはないだろう。」

 

 

「どうでもいい、ただの小娘には興味はない。」

 

 

あらやだこの子怖い、なんだただの単位ガチ勢か。

 

 

この女子は魔術で鎖を取り出したのだろうか、その鎖が別の形を得たのである。

——鎖が大甲冑を纏い大きな剣を持った騎士となった、瞬間通常の魔術師では想像もつかない様な速度で突っ込んでくる。

 

 

魂の使役そして魔力による強化か、多分これは錬金術による肉体のエネルギー化かな?そのエネルギー化した肉体を魂ごと付与したんだ。

 

 

俺は方法論しか知らないしそれだけでは再現できないが、方法論だけではなく現物が兼備されれば理解できる。

 

 

知覚し模り形を与える事で魂を物質化できて、知覚し還元し形を与える事で肉体をエネルギー化できる訳だ。

 

 

頑丈さは魔術師と元になった人間の腕次第でも魔術で補完すれば何とかなると見た、何かしらの触媒を使用すれば面白そうな事が沢山できそうだ。

 

 

そうだね鎧人形としよう、まず鎧人形によって振り下ろされた剣を受け止める。

 

 

「手に切り傷がついた、取り敢えず20点ね。」

 

 

今更だがスゲェ頭悪い点数の付け方だな...

まあ俺ちゃん魔女の魔術が直撃しても痣ができるだけだもんね、それ以上に頭悪いのは俺の肉体だ、うーんこの人に教えるのは向いていないんじゃなかろうか。

 

 

狂化(バーサーカー)

 

 

お黒くなった強そう(小並感)

全力パンチでも一撃じゃ壊せない、いいねこれ80点あげよう、下手な第三階梯魔術師相手ならタイマンでも勝てそうだ。

 

——対象の魂や肉体を燃料にしているのかな?

爆発力だけは凄いな腕が折れたぞ、ただ燃費が悪いのが問題だね。

 

 

「さて続きだ、まだまだあるだろう?」

 

 

新たに生み出された騎士を砲撃で潰す、さあお前も第三階梯魔術師なんだろう?ならせめてもう一手ぐらいある筈だ。

 

 

 

目の前の少女は鎖を俺の腕に巻き付けてから一言だけ発した

 

 

 

「腹を切れ」

 

 

 

俺は自分の意志と関係なしに手刀で腹を裂いた

 

 

この俺にも問答無用で通用する黒魔術...いや、多分これは呪術に分類される呪いだ。

 

 

鎖に縛られた左腕を即座に切り落とし、アグレラレンからの支配から逃れた。

 

 

「100単位あげちゃいます、それでは皆さん目の前の偉大な魔術師に拍手を。」

 

 

おい拍手しろや、ここまで邪険にされる事もないだろうに。

——あ俺の左腕返して欲しい...あいありがとう!!

 

 

それからは何人か集団で挑んでくる者達も居たが、俺に怪我を負わせられた者達は数えられる程度だった。

——ドサドサと来ると思ってたが慎重に一撃一撃を大事に来られたからな、あと思った以上に全員魔術が下手だった。

 

 

モルガンさんやレインさんの魔術の腕前って本当に凄かったんだな、ここの魔術師なんざ長ったるい詠唱を何秒もかけて使用する癖して発動してからの攻撃開始も遅い、その上で魔術の安定性も悪劣だ。

——その点アグレラレンさん以外も学生の黒魔術師は中々の腕前な人が多かった、うぅむ魔術ってのはもしかしたら生来の差ではなく環境因子が影響していそうだな、例えば一定の腕前の魔術師になるまでは使用する人が多いと力が弱くなるとか成長速度が遅くなるとか?白魔術師の彼らが努力不足だった可能性はない筈だがまあこれからの研究次第だな。

 

 

この異常な事態を解決したかったからあれだけの金を叩いたのか、何の為に雇うのかを教えてくれないと無意味な投資になるかもしれなかったんだぞあの皇帝陛下め。

 

 

他にも何か隠してやがるな、態々あんな宝の山にまで案内したんだ。

まあ俺が金にホイホイ釣られたのはアレだっただろうが...

 

 

俺はこの国を毟り尽くすと決めたんだ、その点文句はないだろう。

——この程度なら反抗されても問題はない、無防備にも程があるな皇帝よヒトに地位を預けたらどうなるか知らない訳ではないだろうに。

 

 

改めて俺は、背後に巣喰う帝国という存在の脆弱さを認識した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「アホかな?」

 

 

案の定十字軍に負けたらしい、曰く悪魔が相手で霊体故に物理的な武器の効かず魔力量の関係で魔術の効きも悪かったとの事だ。

——だと言うのに皇帝自ら先頭に立って悪魔に突貫、結果圧倒的な戦力差がありながら蹂躙されたらしい。

 

 

俺みたいな化け物が居るんだな...厄介だな!!

 

 

特に対処法とか思い付かなかった、未知の相手だからね、俺は全知全能の救世の主じゃないから当然未知の相手の対処法が思い付かない。

 

 

衝撃魔術で雑に残敵掃討するぐらいだろと思ってたらまさかの敗北である、まあいいや予備役9万連れて再戦だ。

 

 

イッツthe侵略戦争準備ヨシ、永遠の都から来た愚か者を殲滅して敵地に凱旋しようジャマイカ。

 

 

相手が悪魔だろうと俺が倒せば問題ない、駄目だったら9万人を生贄にしてコッチも悪魔を生み出せばいいし、方法は知らないけど(アホかな?)

——まあどうせ悪魔を騙った俺みたいな人間だろうからな、ならば勝てるだろう。

 

 

なら準備するか、俺は勝ちに行くんだからな。

 

 

「人が死んでるんだよ?その言い草は酷いんじゃない?」

 

 

「俺は行ったんだ死ぬからやめておけって、ノブレス・オブリージュだっけか?死んだら意味ねぇだろうがよ本当に。」

 

 

「...逃げない?」

 

 

「何で?俺の目的がこんなにも簡単に達成できそうなんだよ?

——俺は逃げない、多分次の機会はないからな。」

 

 

ただ一度力を振るうだけで地位と権威を得られる、この機会を逃す訳にはいかない。

 

 

「相手は悪魔なの、人間は悪魔に勝てない、ここは逃げるべきよ。」

 

 

その言い草は何か引っ掛かるな、嘘ついているなお前。

 

 

「悪魔として姿が固定されただけだろう?

——救世の主の俺と同格な筈だ、それに得る物は得たからな名誉の死を遂げた皇帝への手向けは用意してやりたい。」

 

 

「それでもよ、魔術を知らないイリエが正面から戦うのは危ない、悪魔じゃなくて異端でも『洗礼』を受けたら死んでしまうわ。」

 

 

「なら魔術関係なしにあちら側の悪魔の皮を被った人間を殺す、ならば問題はない。」

 

 

「それでもよ!!」

 

 

そんなに何を怖がっているんだか...

悪魔の様な機械相手に小銃と手榴弾で俺は戦争に参入してきたんだ、魔術師として人外の力を得た今の俺は易々と負けるほど軟じゃない、勝てるかは分からないがな。

 

 

「俺は生き物を殺し物を壊す事と生き残る事に関しては、この世界において誰にも負けない自信がある。」

 

 

「無理よ!!絶対に無理なの救世の主は勝てないの!!」

 

 

「大昔に救世の主を魔女が殺したのか?それが理由か?」

 

 

「それだけじゃない!!救世の主が魔女や悪魔に勝てた事は一度もないの!!」

 

 

別に俺は救世の主でも魔女でもないただの一般人だ、俺が負ける道理はない。

 

 

「折角のお誂え向きな舞台だ、それに俺は負ける気はない。」

 

 

「ならイリエを倒してでも止める...選んで!!

——逃げて私に護られるか、戦って私に倒されるか。」

 

 

強硬的だな、チッ俺に負けた癖して生意気な。

 

 

改めてボコボコにしてやる、もう慈悲も何もくれてやらない。

 

 

 

 

 

「いい度胸だ、今度こそ立場を分からせてやるよ。」

 

 

 

 

 

一刺一殺の祝福の槍、それを触媒にして魔術として無数に放つ、本番の為の予行演習とさせてもらおう。

——さあ殺してやる、死後は邪魔をしてくれるなよ。

 

 

俺が杖を抜き魔術書を開いた瞬間、扉が蹴り開けられて見覚えのある少女がやってきた。

 

 

「お待ち下さいお二方、二人が戦っても喜ぶのは協会だけです。」

 

 

入ってきたのは因果視を持つマリエナ・リアンスだった、走ってきたらしく息が上がっている。

 

 

「異教狩りで殺されていると思ったが生き残っていたんだな、それで何の用だ?要件だけなら聞いてやってもいいぞ。」

 

 

「因果視の祝福眼に導かれてきたのです、誤解されている様ですが私の因果は手元にありません。

——腹を刺そうとしても包丁が砕けますし私を襲おうとした毒蛇は鳥に食べられます、私が果たすべき因果と交わるまでは必ずです。」

 

 

ふむ...

これまた嘘をついてる様には見えないな、話を聞く分にはいいだろう。

 

 

「後回しにしようヘレンさん...

——それで俺に何を頼みたいんだ、早く言え俺はこの阿呆に灸を据えなければならないんだからな。」

 

 

彼女達が互いに見つめ合う、意図は理解できないがな...違うわヘレンさんがガン飛ばしているだけだわ。

 

 

「私の目的は神にこの眼を還す事です、その為に同行して頂きたいのです。」

 

 

「所要時間は?」

 

 

「教会に着けば1分もかかりません」

 

 

「ならいいぞ、今すぐ行くか。」

 

 

さて、今の内にやる事やる準備を亜空間内でやっておくか。

 

 

「——得体のしれないモノに身を任せるのは怖くないの?」

 

 

俺の心配はしてくれないんですかそうですか、何だこいつ。

 

 

「私の人生は何も持たない自分にとって過ぎた物でした、ですが神が与えてくれた私の幸せとその全てを与えてくれた神を裏切りたくはありません。

——私は教会にて神の遣いに身を任せます、それまでの護衛をお願いしたいのです。」

 

 

「いいわよ、でも一つその眼で見て欲しいモノがあるの。」

 

 

おい俺はいいと言ってないぞ、俺の意思を否定するな。

——まあこれぐらいならいいか、少し気が立っていたな落ち着こう。

 

 

「何でしょうか?」

 

 

「救世の主が必ず殺される事の確認、つまりイリエが異端と戦ったら死ぬ事の証明。」

 

 

そして彼女はゆっくりと口を開いた、震え恐怖したその口で。

 

 

「...もしかして見られた?」

 

 

「...イリエ様は異端の殺害と悪魔による異端の復活の阻止を果たしましたが、異端に力を与えていた悪魔に殺されました。」

 

 

「待て異端と悪魔は同一人物じゃないのか?」

 

 

俺は魔術書で見ていたし悪魔や天使等の存在を信じているが、そうポンポンと湧いてきていいものなのか?!この世界壊れるぞ。

——本当に悪魔が相手ならヘレンさんが無理矢理にでも止めようとした理由が理解できるわ...

 

 

「違う、異端者の後ろに悪魔が居るの、悪魔にはイリエじゃ勝てない。」

 

 

ふーん俺には勝てないねぇ、ソレを殺すのは俺じゃなくてもいいわけだ。

 

 

「なら天使を呼ぼう、天使なら対等に戦えるでしょ。」

 

 

「その通りです、天使ならば悪魔を討ち果たせる筈です。」

 

 

だが突然ゴミを思い出したかの様な顔をするヘレンさん、何だよ天使に悪い思い出でもあるのかな。

——まあ天使が碌でもない存在なんだろうなって事は理解できる、でも俺は悪魔を殺せるか調べる為に天使と会いたい。

 

 

「絶対にアレは駄目!!アレだけは駄目!!」

 

 

迫真である、まあ自分で判断しその評価を変えるのが俺の流儀だから会ってから決める。

 

 

「知るかアホ俺が逃げるか戦うか判断する、とりあえずこの覗き魔の経緯を見てから考える。」

 

 

「...それはいい判断ね、ごめんなさい理由も話さずに一方的に糾弾して。」

 

 

「いいよ別に気にしてない」

 

 

その瞬間マリエナ女史の腹から『グーッ』と虫の音がする

 

 

「——そうだイリエくん!!

美味しい物でも食べましょう、異世界の美味しい物が食べたい!!」

 

 

「それはマリエナ女史が言うべき言葉だぞ花嫁のプーさんかよ」

 

 

「「花嫁のプーさん?」」

 

 

「あ何でもない、雑に旨いモノを食わせてやるよ。」

 

 

「やったー!!」

 

 

「ヘレンさんそれマリエナちゃんが言うべき言葉だよ、あと手伝えよ年的にはもうオカン飛び越えて祖先なんだからな。」

 

 

「勿論!!イリエちゃんも休んでていいよ?」

 

 

「異世界の飯を食わせるんだからお邪魔虫だ、それとも異世界の食事に関する造形はあるのかな。」

 

 

「ないわ!!」

 

 

「そうキリってした顔で言う言葉じゃないぞ、それじゃ味見をお願いするよ。」

 

 

異世界産鳥ガラ饂飩は美味かった、美味過ぎる食事は覚醒剤以上の依存性がある。

——婦女子が饂飩を一心不乱に食べているのを見ると庇護欲をそそられる、男の性だなこれは。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

全てが空になった、始まりは海であった。

世界が明るくなり海は大地となった、それは『昔々あるところに』と言っていた人達が、『昔々あるところに』と言われてしまう程それはむかしのお話です。

 

 

 

 

 

一人の人間が外に出ると世界は闇に覆われていました、草木がなければ動物も居ない。

 

とある少年は人を探しました、いつまでもいつまでも黒色になった水を啜りながら死ぬまで歩き続けました。

 

 

そしてついに巡り逢えました、ようやくヒトと出逢えました。

 

 

だけど言葉は通じません、触れる事もできません、それでも彼は彼女と暮らし続けました。

 

 

『可哀想に』

 

『家族は居ないの?』

 

 

()()には家族は居ません、ヒトとは違うのです。

 

 

そんな時、空の彼方からナニかがやってきました。

 

 

大きな口を持っています、そのナニかは大きな手で星を口に運びました。

 

 

 

全員食べられてしまいます、このままだとヒトは死んでしまいます。

 

 

 

ヒト達を守る為に彼女は命をかけて戦いました、大きな口を持ったナニかはズタズタに引き裂かれました。

 

だけど彼女も無事ではありません、ヒトを守る為にカタチを失ってしまいました。

 

 

 

それから()は自分達を守ってくれた彼女を忘れて暮らしはじめました

 

 

 

カタチを失った彼女は願いました

もう一度人と話したいと祈りました

 

 

カタチを得て永遠を捨てました、人と死ぬことを選んだのです。

 

 

人は死にませんでした

 

彼女は裏切られました

 

それでも彼女は人が大好きです

 

 

彼女は消えても思念は残りました

 

何も持たない思念は何もかもがある世界で彷徨います

 

 

何もかもを持つ()()と出会いました

 

人間は彼女がしてきた事を知りました、彼女に人としての形を与えたのです。

 

 

 

 

 

彼女は人と同じ存在になりました

 

 

 

 

 

彼女は()()残らず死んでしまいました

 

 

人間は悲しみました、彼女『人』の死を受け入れる事ができなかったのです。

 

 

人間は彼女の亡骸を大切に大切にしました

 

 

毎日水をあげて食べ物を供えました

 

 

それでも自分を許せなかった人間は自分を彼女にあげました

 

 

 

彼女は人間の形を手に入れました

 

 

 

彼女は喜びました

 

彼女は悲しみました

 

 

 

彼女は優しい生き物です、この時からずっと人を助けています。

 

 

人が彼女の優しさに気付きました、人は彼女にお礼をしました。

 

 

彼女は喜びました

 

 

()()()は人をもらいました

 

 

それから彼女は人を助けました、お礼に人をもらいました。

 

 

人と彼女はずっと仲良く生き続けています、彼女の願いは叶いました、めでたしめでたし。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「はしたない姿を見せてごめんなさい...」

 

 

「あれは音を出して食べるのがマナーだって言ったじゃん、俺としては美味しく食べて貰えて嬉しいよ。」

 

 

中世バリの不衛生で苦いだろう食事を摂っていた彼女に、清潔で味が濃くて塩味の効いた食べ物を与えたんだからね、そりゃぁハマるだろうさ。

 

 

味付けをメッチャ薄くしなくちゃいけなかったのは少し悔しいが...

——まあそれはそれとして天使も同じ様に見定めたいな、庇護を願うか関わらない事にするかどうしたものか。

 

 

まあエルフは人と同じぐらいヤバいって俺は思ったけど、妖精でさえアレなんだから天使は想像上の悪魔並みにカスの可能性が高い。

 

 

だけど...まあ解脱した存在かつ自己犠牲を厭わない存在なら別だね、その時は真摯に手を借りようと思おう。

 

 

最悪なのは神の御名の下に横暴を働いてくる事だ、無理矢理昇天させようとしてきたり魅了しようとしてきたり?そういう事をしてきたら即殺すつもりだ。

 

 

あと気になる事と言えば天使も俺達人間と同じく赤い血を持っているかって事かな?

 

 

俺は唯一絶対の神が居ると信じる。

——故に俺の思想信条に則れば悪魔は信仰を試す存在だと仮定できる、だとすれば天使は試練を与えてくる筈だ、故にその思想信条に反した行動をしたら殺す。

 

 

解釈不一致である、故にその瞬間天使との殺し愛が始まるのである。

 

 

「ねぇイリエはどうする?」

 

 

「俺は好きにする、ヘレンも好きにすればいい。」

 

 

「...そうね、そうするわ。」

 

 

 

 

 

その瞬間どこからか声が聞こえた、きっと天の声だろう。

...あの陽気な感じの声じゃなくて真摯かつ美しい声だよ、山ちゃんじゃないよ。

 

 

 

 

 

「お迎えに上がりました聖者マリエナ、よく使命を果たしましたね。」

 

 

周囲から10体程の天使が降臨し、俺達全員を取り囲んだ。

 

 

「私はこれからどうなるのですか?」

 

 

「神の居る天に向かいます、一度死して肉体と共に祝福眼を主に返す事があなたの最後の役目です。

——神への信仰を示した貴女と我々で末永く暮らしましょう、あなたは成し遂げたのです。」

 

 

天使は彼女を祝福し、彼女はそれを受け入れた。

 

 

天使が何かしらの魔術を使用した、段々と少しづつ空間が歪んでいる、いずれ天使が居る場所に繋がるのだろう。

 

 

「ありがとうございました救世の主イリエ・リエンデール、おかげで主の意志を我々が果たす事ができました。

——何か願いはありますか?」

 

 

「そうか、なら俺はこれから異教と戦うんだがその異教を下した後に顕現するらしい悪魔と戦う為に力を貸してくれ。」

 

 

「——なぜ貴方は人の為に行動するのですか?

魔女を諭し異形の妖精から人を守ったというのに、この世界の人達の為と言う理由で自分を薄汚い皇帝に売ったのですか。」

 

 

祝福

 

 

「それは俺の為だ、永く生きるだろう俺が人間の居る世界で生きる為だ。」

 

 

祝福

 

 

「それでもあなたの行動は人の為になったのです」

 

 

祝福

 

 

「何で殺してばかりの俺を褒めてくれるの?」

 

 

祝福

 

 

「あなたは正しいのです、ですが世界は正しくありません、理想と現実の乖離で悩んでいます、ですが我々ならばあなたを正しい世界に招く事ができます。」

 

 

祝福

 

 

「この苦しみから逃れたい、人と心を通わせて毎日腹一杯食べても満たされない自分を満たしたい。」

 

 

祝福

 

 

「——主はあなたの死を望んでいます、ですが我々はあなたを解脱した存在と認めます、天へ往く事ができる存在と認めます。」

 

 

洗礼

 

 

それは求めていない

 

 

祝福

 

 

「っ我々が救います、人の友人である我々天使と妖精が救います。」

 

 

ああパチモンだコイツも、でも天使という役割を全うするならついて行ってもいいとは思える純粋さだ。

 

 

「ならお願いがあります、聞いてくれますか?」

 

 

魅了

 

 

「勿論です、我々にできる事であれば何でも致しましょう。」

 

 

「天の遣いを騙る君の腹の中を見せてくれ、黒色か透明か白色か俺達と同じ赤色かをな。」

 

 

天使はね人を救わないの、天使は人を魅了しないの、言う事やらせる事その全部が滅茶苦茶じゃないといけないの。

——天使は直接手を下したらいけないの、天使はあくまで手助けする存在なの、自らの意思で悪魔に直接手を下すなんて事はしないの。

 

 

「はぁこの色は美しいなぁ!!君達も生きているんだ俺達人間と同じで!!

——腐った糞袋の中にある唯一の輝きだよ、この甘酸っぱくて糞みたいにエグ苦いリンパ液があると知れて嬉しいよ。」

 

 

気付けとしては少し過激だが、まあ丁度いいさ。

 

 

「へっ...?」

 

 

「俺ねどうしても知りたい事があったんだ、天使を直接信仰する宗教を聞かない理由を知りたかったんだ。」

 

 

 

——神の付属品としての天使じゃなくて純粋なる天の存在という意味での信仰だ、ああ納得だお前等を指しての信仰がない理由が分かった。

 

 

「何で...私が?」

 

 

「お前等本当は主に会った事ないんだろ?

——違うなら証明してくれ、直接神からの洗礼を受けているのなら俺程度の洗礼は耐えられるよな。」

 

 

神の付属品である巫女や神官が神を差し置いて信仰されるのはおかしいもんな...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所詮その程度だろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待っ...」

 

 

天使は救世の主によって洗礼を受け、魂は解脱し実体化した肉体は砂となった。

——ただの地上に住まう人間の洗礼によって、天使は昇天したのである。

 

 

「俺は何だっていいんだよお前らの存在なんて、私欲に負けずお前らが本気で神の遣いとして行動してたなら俺はついて行ってたよ。」

 

 

お前等人間の神官と本質は変わらないんだなガッカリしたよ、所詮お前等もパチモンなんだな。

 

 

「前提から間違っている

全知全能の主が全ての人の罪を裁き救うなら、お前達による救済は必要ないんだよ。」

 

 

そうやって人を使い潰して使い潰させてイライラする、俺の意思を枉げてくれるな。

——人間なんかよりよっぽどコイツ等の方がタチが悪い、イライラする俺の全てを奪ってくれるな。

 

 

「——神に反逆する気か?!」

 

 

「それなら直接神が俺を殺させに来いよ、自分が信ずる神とやらに祈るがいい。」

 

 

地面に組み伏せた天使に杖を向ける、天使の視線は自分の真横で洗礼された存在に向いており、表情は恐怖に滲んでいる。

——それに加え組み伏せられていた天使の目の前に、首がボトリと落ちてきた。

 

 

周囲で俺達が虐殺していた天使の内の一体だ、エルフでも人間でもなく天使の首だ。

——天使はエルフに向けて問う、理解できない存在を見るかのように。

 

 

「何故だ?!何故お前達は!!何を考えているのだ?目の前に人が居るのだぞ?」

 

 

「私達はお前達とは違う」

 

 

ヘレンさんは屈んでから天使に、悪魔みたいな笑顔で言った。

——一緒にするな、そう声を発した瞬間に天使の頭を潰す。

 

 

「何か因縁があるみたいだけど関係ないね、それじゃ本番いきますか。

 

 

「イリエくん最高!!やっぱ天使はカスね!!」

 

 

案の定天使は碌でもない奴と判明しました、別空間に住処を持っているし妖精よりタチが悪い存在かもしれない。

——天使の輪って死んだら消えるモンなのか、そして天使の羽は相当な魔力が込められているらしく、使い道が多さを加味して所有させてもらおう。

 

 

 

あと天使とかいうドスケベボディが魅了してきがってムラムラしてきた、屍姦しましょ。

 

 

 

「——あれマリエナ女史は天使に連れて行って貰うんじゃないの?」

 

 

「何言ってんのよあんなゴミカスに明け渡されたくないから助けたんでしょ?」

 

 

そういうつもりはなかったんだが...

まあいいや勘違いさせておこ、説明しても意味ないしね。

 

 

「んーまあいいか、それじゃ俺はやる事ができたから後は頼んだよ。」

 

 

「任せて...で何する気なの?」

 

 

「屍姦」

 

 

「止めなさい、そんな汚いモノに触れてはいけません。」

 

 

嫌い過ぎでしょこの人と思った、そして天使を彼女が焼却処分したと同時に魅了も解けた。

 

 

「わぁ...」

 

 

魅了とは関係なしにビジュアルだけはよかったのに(´・ω・`)

 

 

しっかしこの欲はどうやって発散したものか...

 

 

折角だし色街にでも行くか、ちな親の業種形態はヘルスだったけど俺はパブの方が好き。

——可愛い女の子と無駄話してお持ち帰りっていう流れが好きなんだよね、という訳でレッツラゴー。

 

 

おっぱい!!おっぱい!!

——後ろから蹴られたが気にしない、いいね。




2468と評価が順々に押されてるの見てて面白いw次は10だな(((殴
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