転生したらTSふたなり聖女だった件 作:自給自足日常系異世界ファンタジー作家
先の騒動から1週間、俺に暮らす場所になるなだからと旧都の軽い整備をしていたら謎の軍勢に率いられたジジイに謁見を申し込まれた。
「して何者だお前は」
どっかで見た事がある気がする...かもしれない?
「福音委員会首領カルーラと申します、御見知り置きを聖女殿下。」
「御託はどうでもいい、要件を言え。」
彼はこれはお厳しいと前置きを置いて口を開いた...そして彼によって発せられる言葉とは?
「神々による恩寵を受けられる存在は限られるとお思いですか?」
「万人全てが恩寵を受けられるとするべきだ、神への信仰とその恩寵の受け取りをしてはならない存在は居ない。
——例え魔女例え異端であれ、神を信奉するのならば迫害される謂れはないと言えよう。」
天からの言葉を彼らは必要としていたのだ、恐らく俺という存在が居たせいで権力の分散と新しい宗教的制度が上手く纏まらなかったのだろう。
「——総ての信仰は自由であると言うのですか?」
なるほど異分子或いは邪教徒との関わり方を聞きたかったのか?
「然り、邪教なれど彼らにとってはその教義は文化であり信仰そのものである。
——視点を変えるのだ、礼拝協会が弾圧してきた彼らから見たら我々こそ邪教徒である。」
「なるほど、では我々は緩やかに滅べと言いたいのですか。」
急に極論が飛んできたな?いきなりどうした?
「神は信仰を欲している、そして私は協会がやってきた事も神の教義の下では間違いではない行動であると断言する。」
「正気ですか?!」
こいつ俺と同類だわ、同意されたら困るよねぇ。
——混沌とした委員会の政情内でその頂点に立った人間だろう、その癖して人格者とか生きにくそう、でもいいさこういう人間なら俺に喧嘩を売るなんて事しないだろうし。
「俺は正気だ、例えこの手で人間を百千万と殺そうと俺は自分の信じる道を征く。
——俺個人としては人々にどう思われようが興味がないが、委員会が虐殺者の集まりと言われてしまうのは如何なものかと思うんだよな。」
「...と言うと?」
「無茶な排斥は止めろよ?
——俺達も生き残る為には力を振るい他者を蹴落とす必要がある、故に同じ信仰を持つ存在もしくは
怨みは永遠に続くぞ、未来永劫人類が滅ぶまで蛮行は伝わるだろう。」
「...私が代行者ですか?
——貴女様を差し置いてこの私が神を信じる人々の頂点に立つのですか?」
ヘタレてんじゃねぇ、まあ気持ちは分かるが、もし俺も俺の信ずる神が目の前に居たらキンタマ縮こませてヘタレる自信あるもん。
「俺にもやる事があるからな、全知全能じゃないし俺個人として色々と口出しするのもよくないと思うし。
——委員会が生まれた理由は知らないがどうせここ中央の圧制なりに辟易していた人が集まったからとかそんな理由でしょ?
君達は自由にやるといい、俺も自由にやらせてもらうからな。
協会は中央集権制を敷いていたが崩壊した、我々は地方分権制を敷き意地汚く生き残ろう。」
「それは...よいのですか?
とても各地への自治など考えられません、人治により現地の人々が神の名の下圧政を働かされるだけかと思われます。」
それは中央集権型の組織だった協会も変わらなかったでしょうが、あと一歩が踏み出せないんだな、背中を押してやらんと駄目か。
「何処にも完璧な人間は存在しない、間違ったらなら認め受け止めればいい。」
「...貴女様の言葉はこの老体に響きますな、ではその言葉に従い自らの信条を通して参ります。」
「そうだな頑張るといい、誰もが笑って過ごせる世界を目指して。」
彼の求めるモノはそういうモノだ、是非とも平和で安定した世界を目指してくれよ。
「それでは迷宮の構築を始めるとする、アリシア異存はあるか。」
「ありません」
「改めて説明するが領域を創り出す方法は簡単だ、閉鎖された場所に空間を作り出して、そこで魔術を使用して創り出したモノで全てを覆うだけ。
——そして君にとって都合のいい環境を創り出すんだ、それが難攻不落の地として自らの世界になるんだよ。」
「なるほど...迷宮の主を討ち果たした経験からのアドバイスですか?」
「そうとも言えるかな?」
あの水蜘蛛くんの頑強な住処、それを元にした簡単なアドバイスだ。
「ふむふむ...ならイリエならどの様な迷宮を創り出しますか?」
どんな環境の場所にしたらいいか分からないのか、なるほど無から1を生み出すのは不可能だから取っ掛かりは必要だな。
「そうだねまず1つ目は安全圏もとい生活圏、この点に関しては何でもいいから自分の望むカタチで過ごせる環境を構築するんだ。
2つ目は資源を処理したり生み出したりする場所、迷宮を維持する上で必要なものを生み出す空間かな?まあそんな感じ。
3つ目は防衛機構及び狩猟地だ、自分の生み出す迷宮の多様性を担保し外界から情報及び物的資源等を呼び込む場所だ。
——俺が迷宮を構築するならこの3つを基礎に構築する、そして改善点を精査し分化と統合を繰り返して最適なカタチに再構築するって事を繰り返すかな。」
「1は頭脳2は内臓3は四肢や牙って感じですか...
——なるほど勉強になりました、試しに迷宮を構築してみます。」
「そうだね、頑張っておいで。」
さあこんな日々を過ごしている訳なのだが実は大き過ぎる問題がある、アリシアが可愛過ぎて死にそうなんだ。
ヒョイヒョイ俺に話しかけてくれるし最近は料理を教えて欲しいと事ある毎にせがんできている、そして何よりあの真摯であろうとする心、惚れてまうやろ。
——真面目だしいい子だしついつい手を貸したくなっちゃうんだよなぁ、しかも俺の言う事に何でも従うっていう、つい俺が色々と間違えて変な事をしてしまいそうな子だ、まあその辺は今後いい感じに自立心を養っていかないとねぇ。
そんな彼女の好きなところ発表ドラゴンが好きなところを発表します
睫毛
おっぱい
尻臀
透き通るように綺麗な肌
表現方法が分からない魅力も好き好き大好き
それに加え薄い唇に透明な瞳、そしてバランスのいい肢体...もう完璧としか言えないよね本当に。
——でも何より黒髪黒目が美し過ぎてヤヴァイ、しかも魔術を使う時とかに目の色が変わるのも最高過ぎる、白魔術を使うときは黄色になるし黒魔術を使う時は紫色になるのよ綺麗スギィ。
そんな彼女を前にして手を出す存在は居ないのかって?
——悲しいけど居るよ、例えばヘタレな俺とかね。
これまで以上に自分のコミュ障を呪った事はありません、今日の懺悔は以上です。
頑張っておいで
「私の旦那様が素敵過ぎるって話をしたいですヘレンさん」
「何?喧嘩売ってるの?」
「いやでもイリエ様は素敵過ぎませんか?!」
「それは同意するしかないわねぇ...」
正真正銘の女子による女子の為の女子会、ここに開幕。
「凄い綺麗なんです!!そしてあの佇まい!!
とても美しいんです、同じ人間救世主或いは魔女と呼ばれる対等な人間なのに別次元の魅力を持っています。
——目が会うたびにクラクラしてしまいます、目が合わせられません。」
「確かにあの眼力は猛毒よねぇ、ミステリアスな部分とか秘密主義なところとかが余計に魅力を肥大化させているし、底が見えないから一度嵌まると抜け出せないのよね。
——それなのに人情はあるし度胸もあれば自分を通す為の力がある、料理も上手だし意外なところで繊細な部分が見受けられる、意外性が多過ぎるわよね。」
うんうんと二人は首を縦に振る
「最初は凄い怖い人だと思ってたんですけど悪い人じゃないなって思いました、いや今でも怖い人だとは思っているんですけど意外と可愛い部分もあるんですよね。」
「例えばどういうところ?」
「陽の落ちた後に甘えさせてくれたり、その後は甘えてくれたり、どこか寂しそうなところを埋めてあげたいと思っています。
——力強いけどどこか儚い、ある日急に死んでしまいそうなところとか、目が離せません。」
「私達がイリエの庇護対象なのに庇護してあげたくなるその気持ち、込み上げてくるものがあるわよね。」
だが勿論彼?彼女?だって完璧ではない、周囲の人間にも多少の愚痴はあるのだ。
「私達に興味があるように見せながら次の瞬間には別の何かを見ている、普段は意外と素っ気ないのよね。
——この前なんか私と話した後に寝る時は協会の淫乱ピンクと肩を寄せてたのよ、許せなくない?この私が居るのに。」
「——私もそうでした!!
二人っきりでイリエ様とご飯食べてる時にあの淫乱ピンクが割り込んできたんです、二人きりの時間を奪われたんですあの瞬間だけは許せません。」
運に恵まれないのか、彼にその気を起こす為に戦争の一つでも起こすべきかと考える二人であった。
——ただまあ彼女らも人の倫理に沿った存在である、ギリギリのところで踏み止まる事ができた。
「「こうなったら無理矢理にでも...」」
と邪推したが、あの狂気を孕んだ笑顔を思い出して考えを改める。
——絶対に勝てないし、押し倒される彼の想像がつかない二人であった。
「私達の寿命は悠久に近いですし100年単位で頑張りましょうか、最大のライバルの馬と淫乱ピンクもその時には死んでいる筈です。」
「実はそれ上手くいかなそうなのよね...」
「何でですか?!」
アリシアが驚愕の声を上げた、祝福眼を預かっているとはいえ魔術師としては三流の淫乱ピンクのマリエナと何かガタイが良くて魔力を持っているだけの馬が何故私達の脅威で在り続けるのだ?!と。
「実はイリエの魔術指導でマリエナ女史は急成長してて早速成長も遅くなっていてね...
——あとあの馬は普通の馬じゃなくて妖精なの、だから私と同じとは言わないけどそれなりに永い時を生きるわ。」
「うせやん」
彼女達の理想とする恋路は、どこまでも遠いのであった
俺達は紆余曲折あり約1年かけて簡単な迷宮を完成させた
『悪魔の迷宮』
最下層には悪魔が巣喰っている、世界を滅ぼし得る世界最大の迷宮だ。
俺の考案したクソザコトラップやスライムの様な低レベルの魔物や魔物にすらなっていない虫蟲の数々が巣喰う第一ダンジョン
落とし穴や小型の魔物及び過酷な環境で生存が可能な一部の妖精が巣喰っている第二第三ダンジョン
道の中心以外には無数の罠が張り巡らされており正面から強力な魔物と対峙する事になる第四第五第六ダンジョン
罠を張り巡らされた場所で魔法や魔術を扱う魔物や妖精と戦う事になる第七第八第九ダンジョン
そして最後に討ち果たすべき悪魔が待ち受ける最終階層
迷宮内環境は安定リソースの総量もそこそこ、自動で罠の再配置や魔物の誘導が可能になった。
外界からの熟練魔術師や傭兵団の引き入れは大成功
魔物の研究に熱心な魔術師から魔物の素材を求める傭兵に貴族軍、彼らの糞尿が迷宮の栄養となり血肉が迷宮に与える影響は計り知れなかった。
アリシア監修の下で迷宮は次々と改修され、去年とは比べ物にならない場所となっていた。
それに加え帝都からかっぱらってきた呪いや祝福を受けた道具を無数に迷宮内へばら撒いた、所謂伝説の武器を求めて迷宮に入り込む人が増えより活気の溢れる場所となった。
だが比例して迷宮攻略の難易度が上がり過ぎてしまった、その辺はヘレン・アリシア・マリエナによる三名直々の魔術指南と俺の実戦訓練によって底上げしたが未だ一番以上の階層への攻撃は起こらず仕舞いである。
故に俺達は一計を案じた、戦いや魔術における才能に溢れ強力な力を持った人間を呼び込めばいいと。
俺達は俺の因果を頼りに、向こうの世界の人々の肉体をエネルギー化させた後に魂を召喚、魂を物質化し狂化させた異世界の勇者を呼び出した。
彼らは魔術や戦いの才に溢れており、ゲーム感覚で次々と階層を攻略し魔物を殺し迷宮へ経験・実績・経歴を与えた。
人間魔物妖精悪魔天使問わず迷宮に突入させ、時に手を貸し時に確実に迷宮の糧とした。
迷宮の外ではダンジョン攻略用の武器及び兵器を生み出す製造産業が生まれ、サービス業は大きく発展しつつある、1年前の誰もいない瓦礫の街とは大違いの賑わい様であった。
まあ俺は法整備とか治安維持とか問題解決の為の云々で多方面に引っ張り凧なんですけどね、ある種の嬉しい悲鳴かもしれない。
——だがそんな時は続かず10年という年月でバブルが崩壊し更に10年かけて立て直された、多様な存在が迷宮に挑み敗れるという事が繰り返されている。
最終的に迷宮は20階層にまで広げる事ができた
1から10階層のダンジョンは秩序だったモノであり、ある種安定した場所であったが11から20階層のダンジョンは魔物達が制御から離れており混沌とした場所となっていた。
迷宮と救世の主は次々と勇者を呼び込んでいく、そして迷宮は人々の生活に強く根付く事になった。
外国からの侵略は膨大な資源と常に研鑽され続ける武器及び兵器群によって跳ね返す事に成功し、救世の主の地位は確固たるモノとなったのである。
ある種の機構として世界に認められ、この迷宮及び内部のダンジョンで数多の事変が起き数々の事件の中心となっていった。
かくして、とある聖人達の野望は果たされたのである。
んだんだもう悔いはないだ、あとはこの世界で遊ぶだけですね。