転生したらTSふたなり聖女だった件 作:自給自足日常系異世界ファンタジー作家
ホントだよ嘘じゃないよ?
「アリシアー」
「何ですか?」
「迷宮の土台は作れそう?岩盤の形状弄ったり地下水取り入れたり」
「問題ありません!!」
今一度問題はないなと考えて追及するのは止める、彼女の迷宮だからアドバイスをして方向性を縛り付ける必要はないからな。
「できたね偉い偉い」
側から見れば水の流れは悪い、そのうえ妙な不純物が必要以上に含まれている様に見えるし生物が生息するには相応しくない水だ。
——でもまあ圧倒的な個に並ぶのは数だとか言うし、まあ生物って滅茶苦茶しぶといらしいしいし...まあざという時には魔物化するという手もあるしね何とか戦力化には漕ぎ着けられると見た。
その事を伝えてから、まあ何か取っ掛かりを見つけたのか?彼女は次々と様々な環境因子を迷宮内に取り込んで多種多様な魔物(スライム)を生み出したりしてた。
彼女のモチベを上げる為に音楽でも流すとするか、気分の上がりやすい音楽...そうだねアルプス一万尺とか魔術で奏でるのもいいだろうな。
そして彼女は俺の流したBGMに応作した
「山の向こうで誰かが笑う
誰もが夢見る楽しい日々は心を縛る薔薇の棘
森の深淵声が響けば
光の中でみんなは
野原の中で楽しく笑い軌跡は消え往き帰り道へと
朝日が昇れば全てが定まる
星の往く末は我が未来
奈落への近道誰もがそこに盲目的に一目散
夜空を見上げて誰かが叫ぶ
昨日は楽しい日でしたね
怖いんだけどこの歌詞...ん?
これ魔術の詠唱か、魔力で支配して操るっていう彼女の魔物使役魔術の詠唱か。
...元はかなり愉快な曲だった気がするが勘違いだったか?
皮肉的ではあったが、ここまでダークじゃない気がするんだが文化とかの違い故だろう。
何故この世界にアルプス一万尺があるんですかねぇ...
震えるっていうか悍ましいっていうか、何て言うかどこか痛ましい反応だ。
「凄い事になってるねぇ...
何とも歪な環境を構築しているんだな、まさか魔力を生存性の向上に使用するなんてな。」
魔物の元となる生物達を活性化させて積極的に捕食と繁殖を繰り返させている、魔力に親和性の高い肉体を構築させ異様な形質を故意的に発現させる自分専用の道具を生み出してるのか。
「人間にとって最も恐ろしい生物とは圧倒的な力で押し潰してくる存在なんですよね?
——そして人の自由と命を奪う毒と感染症、私はその手段を第一に充実させる事にしました。」
「いいね、ひとまず自らが求める形に練り上げるんだよ。」
「はい!!」
魔物と言ったら強力な牙や強靭な肉体そして不死身に等しい回復力を顕示している事が多いが、どうやら彼女は自慢の魔物達を俺に惨殺された経験を生かして方向性を変化させるつもりのようだ。
硬く俊敏ながら攻撃能力を失わせず、そして圧倒的な肉体内性能を魔術で発揮させるつもりみたいだ。
——そして化学的な物質による汚染攻撃方法の構築、或いは異怪な集合生物による環境汚染を手段として彼女は目の前の魔物達に彼らへ指針を提示していた。
資源保有量で優位に立つ動物性の魔物は物量と刃
微細生物系含むスライム等に近い魔物は毒や酸等で化学兵器代わり
そして最後に硬い速いデカい加えて炎を吐いたり何か飛ばしたりする科学兵器代わりの因子系統樹系の魔物だ
とにかく数を、人間や妖精に近い系統類の魔物。
在るだけで化学兵器及び地雷と化す、魔物化した微細生物群のスライムやワームに近い触手。
様々な因子を無理矢理備え付けた生物を肥大化させ、無理矢理生体化させた改造生物達。
うわぁ...
——ってドン引きしたのは言うまでもない、まさか言葉通りに外部から干渉して異形の魔物達を一から生み出すとは思わなかった。
個人的には淘汰と新生を繰り返して試行錯誤していく感じだと考えていたが、まさかそれを吹っ飛ばすとはねぇ思いもしなかった。
ヒトガタの魔物は頑強な作りになっていた、普通の人間と比べ筋骨の密度が高く闘争反応に入る条件が低く設定されている。
——そして器用な所作を得意としていて、武器や道具の作成能力に優れている。
迷宮内特有の人間種として、妖精種として根付く事になった。
そして次の微細生物群である、まあシンプルながら多様な性質を持つ様に進化させたモノだ。
——電撃に加え酸に毒、ましては寄生や粘着性の持つ粘液の噴射ナドナド異様に多様な陣容だ。
そして最後に様々な生物の因子を持つ不定形の存在、その生物一つが生物の歴史そのものとなっている因子系統樹系の魔物だ。
——例えば失われた能力や器官の形状を再構築し既存の臓器等を取捨選択する事ができる魔物だ、既に在る生命体に悪魔或いは竜の因子を与え人の能力を内包し、組み合わせ次第で形を変えて様々な異能を操る存在らしい。
こんな化け物達を相手に生身でこの世界の人間は、この竜の前まで降りてくる事を本能もしくは観念或いは文化により強要されるのだ。
だがそんな彼らの数は減るばかりであった、どうやら繁殖行動に移行する事ができず撃破される事で因子の魔物が次々と減っているとの事だ。
「ごめんなさいイリエ様、助けて下さい私に力知識能のどれかを再び授けてください。」
半狂乱になりながら私に頭を下げてきた、どうしようすげぇ怖い。
——あとここまで恐怖されている事が少し辛い、まあ一朝一夕でそうそう人間関係は変わらんか。
「大丈夫だよ、ちゃんと落ち着いて話して。
——何がどうしたの?大丈夫怒らないからちゃんと話して?」
「実は竜の因子が人の生殖行動と噛み合わないんです、どうにも迷宮からの客人の生殖器を踏襲しているのですが...どうやら雌の膣内は竜の呪いで満たされているらしく半端な雄の精子を殺してしまうんです。」
「...なにそれ?」
雌?膣内?雄?精子?
——呪いで弾かれるの?
竜の呪いで?何でなん?
「そうかぁ...じゃあ適当に強そうな男でも狩りに行く?」
「イリエ君?!まさかの男狩り発言?!
——女の子が好きじゃなかったの?!まさか好みが変わったの?!」
「ちゃうわクソダボエルフ、まあ少しぐらい取っ捕まえてもバレないだろうし善は急げだ。」
「いぇ...それが...」
モジモジしたまま口を開かない、おい何を言いたいんだそんな忌避する様な事を俺にさせたいのか?でもそんな負担にならん事なんだろ別に早く言った方が気が楽になるぞ。
だが未だ口を開かず、目頭に涙を浮かべて未だモジモジしたままだ。
「因果に呼ばれてきました!!この私聖人マリエナが此度の件を説明します!!」
そこに現れたのは俺達の愛すべき馬鹿もとい淫乱ピンク、自称因果を視る事ができると言い張るアホの子だ。
——過去の凛々しく刺激的な雰囲気は家出中、ヘレンさんに続きギャグキャラ堕ちしてしまった哀れな超越者の一人である。
「あうんそれじゃあ説明は任せたわ」
純粋無垢なアリシア女子の頭を撫でる、説明はともかく実践方法については口にする事も憚られるんだろうな。
——まあ教育は必要なさそうだ、程よく学び研鑽し人を信じられる様になればいずれ警戒心は解けるだろう。
「因果は視させてもらった!!ここままだと悪魔の迷宮は崩壊する!!」
「「な...なんだってーー!!」」
「つまりイリエの精を彼女は欲しがっているのです!!」
「うんそれは知っているよ」
「そうなんですか?」
そうですよ、俺が困っているのは方法論を彼女が話したがらない事なんだ。
「...方法論の説明を代わりにしてくれない?
本人から話したがらない事は多いと思うけど、まあ必要な事なんだろうし。
——彼女の代行者を語るなら、説明シクヨロです。」
彼女は再び口を開いた
「お姉さんに任せなさい!!」
どちらかといえば俺がお兄さんだよ、こちとら精神はもう壮年入ってんねん。
「あ、うん。」
「竜の呪い、それは愛と拒絶の物語。
自らを愛し自らを捨てた誰か以外は認めない、彼女の肉体そして生物としての本能に魔力が応えたのです。
——つまりどういう事ですか?」
「お前が始めた物語だろ」
ニュアンスが...
うんお前が謳い始めた物語だな、何かすまん悪魔さん。
「えっと何ていうか...
強い情に裏付けられて呪いとなった魔力を紐解き、初めて与えられた拒絶によって生まれた悲しみを上回る喜びを与える事で竜は孕むのです。」
「...はぁ?」
何言ってるか分かんねぇ、いやまあ彼女も分かってないんだろうな、でも何か目が輝いてるのは何なのだろう。
「——つまりイリエ・リエンデール!!
あなたがアリシアを抱き、迷宮を通じて魔物達に経験という新たな因子を竜の因子を持った魔物達に精と共に与える事で初めて仔を遺せるのです。」
「なるほどぉ...
意味は分からないがまあ、強い雄の精を持つ者が竜の呪いを紐解く事で仔を為せるという訳だ...まあ何をしたらいいかは理解したよ。」
つまり俺がアリシアとヤッて、その彼女の行った性行為という経験を迷宮にフィードバックする必要があるって事だ。
彼女が恐怖を前に歪んだ理由は分かったよ、つまり彼女を迷宮の繁栄の礎として焚べるしかない...と言っているんだ。
——何このエロゲみたいな展開は、悪趣味過ぎてドン引きなんだが。
「私が知る限りこの世界で処女かつ純粋なる竜の因子を保有するのはアリシアさんだけです、経験を持つ者は悪魔の意思によって受け入れられる事はありません。
——どうしますか聖女イリエ・リエンデール様、魔女アリシア・リエンデールを迷宮に焚べますか。」
その辺の人間かっぱらってきて代わりに生贄として献げる事はできない訳だ...
——よくできてる、俺の惰性と無心で悪趣味な因果を構築していたらしい。
「悪趣味なこの因果を作り出した奴はブン殴りたい気分だが、まあ今は忘れて事態の収拾を目指す事を優先する。」
「という事は?」
「待ってイリエ?それって...」
ヘレンさんがアリシアの前に立ち、マリエナは私の眼に真っ直ぐ合わせてくる。
「アリシアの判断に任せようと思う
俺の数少ない共であり掛け替えのない仲間を焚べるのにこの迷宮は足りる概念じゃない、駄目なら今一度真っ新にして新しく迷宮を再構築すればいい。
——だがアリシアがこの迷宮を気に入っているのなら、どうしてもこの迷宮を潰したくないのなら因果に従うのもアリだと思う。」
迷宮に彼女をくれてやる気はないがな、そもそも彼女を見捨てたら俺が耐えられないかもしれないし。
——迷宮に骨を埋める事になるだろうなと思っていたが、それは俺の骨であって彼女の骨ではない、故に俺には彼女の命の行く末を決める資格というかそんな感じのモノはない。
「さあどうしますアリシア様?
——彼の人の為に死ぬか、自分の為に生きるか。」
...ん?
何でヘレンさん剣を抜いているんですか、まあヤル気なら応じるけど。
——てかおかしいだろマリエナお前の言い方、何で俺がアリシアを殺す事に躊躇しないと言っているかの様な雰囲気をしているんだよ。
「この為に私を生かし続けてたんですか?」
「まあ迷宮の構築の為に味方にしたのは事実だね...それで?」
「私に死んで証明しろって事ですか?
——いつも言っていたあの人達と同じ様に私も貴方の惰性と無心で焚べるつもりなんですか?」
ん?えっと何か勘違いしてない?
何か変な伝わり方してる気がする、いや絶対に嫌だからね?一応言っておくが俺はアリシアを迷宮に焚べる気ないからな。
——いやあれはまあ尊敬できるよねって話で、それを死して証明する事しかできないのが悲しいよねって思って話してただけなんだ。
「死して証明されても俺には何も残らないからさ、俺的にはアリシアに生きてほしいと思っているんだ。
——一応俺の知っている何も持たないほぼ全ての人間は一思いの感情で、惰性と無心の末に出した結論で命を捨ててしまう人が沢山居たからさ。
...まあアリシアが死んででもこの迷宮を捨てたくないなら手段を考案して、アリシアが死なないで済む方法を実行しようと思ってる。」
「「「...」」」
あれ?どんな雰囲気だこれ?
「うん?アリシア様を迷宮に焚べる気はないんですか?」
「一方的かもしれないが、俺はアリシアを己の写鏡みたいなイメージ持ってるし。
——聖女或いは魔女として彼女との関係や立場がどうなっていたか分からないし今の状況こそ奇跡なのかもしれないが、まあ俺は彼女に嫌悪感どころか親愛を抱いてる状態な訳で、掛け替えのない策謀を企ててる仲間なのに安易と捨てる気にはならんわ。」
「あれ?また私の早とちり?」
「そうなるね」
「ごめんなさい...」
「私も何か聖女様の事を勘違いしていたみたいですね...以後聖女様も他者を尊重していると考えを改めます...」
「俺も言葉は気を付けるわ....」
やっぱ言葉じゃ通じないんよな、行動で示すのも何だかんだ難しいしまあ儘ならないな。
——いつになったら学ぶんですかね、すみません本当に。
「——それでだどうするアリシア?
迷宮を今一度取り壊すかアリシアが処女を捨ててコレを維持するか、好きな方を選んでくれ。
俺は何であれアリシアの判断を尊重するし見捨てないし、何だったら迷宮の構築以外の方法で脅威を別の手段で生み出す事になってもいいぞ。」
彼女は不意に涙を流す、目前に迫っていた死の恐怖という抑圧が否定された事で気が弛んだ事が一因として、これまでの人生で溜まっていたソレらが一気に溢れ出したのだ。
「度胸あるわね、イリエってあなた。」
そりゃあ勿論、何かを失う事を躊躇する所以がないからな。
——ただ人間だけは別なんよ、特に近しい人間は自分を構成する要素の全てだからな、物と違って失ったら取り返せない。
「アリシアは俺の人生でも中々に特別な人間だからなそれ相応の行動をするというもの...それでどうする?」
「えっと...
私はイリエ監修の下でこの迷宮の構築と制御という役目を負いましたが、これは掛け替えのない経験でした。
——そして私がこれまで制圧してきた魔物の巣喰う迷宮の中で、ここは世界最高の場所と環境なのは間違いありません。」
「同じく俺も悪魔の迷宮、アリシアの作ったこの迷宮が世界最高だって断言できる。」
互いに笑顔になっちゃう不思議、どうしようこれまで以上になく心が通じ合ってる気がするわ。
「迷宮以外の手段で地上に継続して常々的に圧力をかける事のできる手段は思い付きません、あるとしたら空想と現実を一元化した状態にする事ですが不可能ですので、これが一番優れたものです。
——そしてこの迷宮は私自身の意思で編み出した世界初めての形あるモノです、悪魔の迷宮への入り込みは肉体と魂を完全に失う事の次ぐらいに嫌な事です。」
「分かった、ならどうしたい?」
覚悟は決まったらしい、浅く未熟な欲望、されどこれは彼女の全てなのである。
「迷宮は失いたくありません、でも魂と肉体を迷宮に焚べるのはもっと嫌です。」
「なら手段を選ばずにこのクソッタレの二択を蹴り飛ばして新しい選択肢を提示しよう。」
「私にできる事なら何でもします!!方法を思い付き次第相談しましょう!!」
「まず竜の因子さんは拗らせ処女で王子様と性交しないと心を開く事はない、その上でその経験をした肉体と記憶を献げる事で呪いは解ける。
——そういう判断でいいよねマリエナ女史?」
「はい、イリエ様の解釈は正しいです。」
「私はイリエに処女を捧げます...だけど記憶と精を入れる入れ物は何とかならないんですか?」
俺の精を入れる
——となると彼女以外にその役目を負える人が居ない、てか彼女以外居ないんだなこれが。
——処女だったモノに加えて記憶が付随していればいいんだよな?
逆に考えよう、
「なあアリシア」
「何ですか?」
「自分の尊厳を大きく貶める事になるかもしれないが大丈夫か?」
「問題ありません、私は魂と肉体の全て以外なら何でも捨てられます。」
「まずアリシアが処女を俺に捨てさせる、俺が子宮を摘出してから性行為で得られた経験の記憶媒体を迷宮に焚べる...って作戦はどうかな。」
「なるほど...ん?」
「「...ん?」」
「マリエナ、これで問題はないかな。」
「えぇ...
確かに竜の因子に刻まれた彼女の要望を果たす事はできます、試してみる価値はあるかと。」
よしきた彼女のお墨付きだ、試してみる価値はあるし駄目だったら今の悪魔の迷宮は諦めよう。
——それにまあ、いざとなれば絶対に嫌だけど魔物を犯す手段もとれるしね。
「——どうかな?
少し痛いかもしれないし精神的には辛い体験だと思うけど試してみる価値はあると思うんだ、嫌なら別の手段を探すから問題ないよ。」
「...分かりました!!やります!!」
「よく決断できたね、俺絶対に後悔させないからね。」
アリシアの眼を見て、あの時のモルガンさんの魅了の魔眼をトレースする。
——魔術的薬物的な耐性が比較的低いアリシアは、その魅了にされるが儘誘導された。
「はぁい...♡」
堕ちたな(確信)
——効きすぎじゃね?
まあいいか、変にタジタジされたら面倒だし丁度いい。
「それじゃあ方法論として外部に魔物なりで記憶装置を構築し、それを脳と繋げた状態でキメる...そしてアリシアが気絶した時に捧げてくるって感じでいこうと思う。
——異存あるかな?」
「それじゃぁ二人とも俺達席開けるから、また明日にでも会おう。」
「うっ...うん?」
そうして彼女達二人は、肩を組みながら何処かへ消えていった。
「これがNTRってヤツですかヘレンさん...」
「何で私がずっと一緒にいるのにぃぃぃ!!」
「これが
「あんまりだぁぁぁ!!」
いい人止まりってこういう事を言うんだなぁと思ったマリエナ女史であった...
何か違うけどこれでヨシ!!