転生したらTSふたなり聖女だった件 作:自給自足日常系異世界ファンタジー作家
魔術書と言ったら何を想像するだろうか?
悪魔精霊天使などを呼び出して願い事を叶えさせるとか、ファイアーボールみたいなのを見ただけで覚えられるとか、そういうのを俺は想像していあ。
——だがこれは何だ、何を書いてあるか全く理解できない。
意味の分からない数式に文字列、なんだったら途中から日記として使われているし脈絡がないぞ。
——マジで何だこれ?魔術書とは?勘違いですねぇ多分、はやとちりして崇高なモノだと思っていたわ。
それでもいいか、学べる部分だけ学んでおこう。
——まあそんな落書きの中で一番為になった事、何と魔力の扱い方を覚える方法が記されていたのだ。
魔術書に記された魔法陣に触れるだけで魔力の使い方を覚えられるらしい、その魔法陣は私の持つ体内魔力の循環を代行してくれるんだと。
魔力を外部から循環させる事で魔力の知覚を補助し、そして知覚ができたら段々と魔力の操作方法も覚えられるらしい。
それは追々、とりあえず魔術を学んでから実験してみよう。
世の中に存在する魔術はおおまかに5種類あるとの話だ
1つ目は白魔術、主に『洗礼魔術』と呼ばれるモノがそれに当たる。
あるべき
2つ目は黒魔術、主に『干渉魔術』と呼ばれるモノがそれに当たるらしい。
使用自体は簡単であり、程度はどうであれ魔力を操る事ができれば使用可能、例えば火を出したり水を操ったり、何だったら存在しないモノを生み出すのも可能らしい。
その他新たに構築した専門的な魔術或の行使や、例えば精霊や悪魔の呪いや魔物や妖精の使う
3つ目は錬金術、まあ想像通り石から金を創り出す事も可能らしい。
——反物質?エネルギーの物質化?不老不死となるための手段として肉体のエネルギー化や魂の物質化とか、賢者の石とか虚構物質錬成?とかヤバそうなのが盛り沢山。
概要の字面だけでヤバい、何でもできるであろう黒魔術も大概だが方法論が既に示されているのがヤヴァイと思う。
4つ目は呪術
物質の消費で魔術を使ったりする技術らしい、よく分かんない。
——あと呪い云々のどうたらこうたら、他者を蝕む想像通りの呪いもコレの分類だとの話だ、普通の黒魔術が想像と魔力で行使されるなら物質と不確定性で行使されるモノと言えるだろう。
5つ目は魔法
権能や異能そして『世界そのものを一変させる魔術』がそれに当たるらしい、時間逆行とか法則の書き換えとか...まあそんな感じなんだと。
——正直眉唾物だね、触れないでおこう。
そんでこの本で学べるのは俗に言う神官の使う『白魔術』や、魔力さえ操れればほぼ全員が使える『黒魔術』そして『錬金術』との事だ。
俺はやれる事もないし魔術を覚える事にした、ここから出た後に生きていく為にも力なり何なりが必要だから。
力なき理想など戯言であり、理想なき力は空虚でしかない。
俺が扱うのに慣れている銃とスコップがこの世界に存在しないなら、ソレの代わりになる暴力を用意しよう。
——俺の理想は俺を救う事、最終的には惰性で死ぬまで生きる事。
今すぐに全身頑丈な鎧で守られた守衛達を蹂躙できる魔女程強くなる事は不可能だが、最低でも守衛や魔女の使役していた魔物やあの妖精共を倒せるぐらいになりたい。
決めたぞ
——目標はスカトロ妖精共を全て殺せる様になる事、つまり魔女があの時使っていた魔法の習得。
あの大砲並みの衝撃を放つ魔術、輓曳馬を粉砕した魔術の習得だ。
てか重種馬より頑丈なのか俺、一応ポンポコが生えていたとはいえ女子に生まれたのもあり複雑な気分だ。
——まあ今となってはどうでもいいがな
ニヤリと口角を上げ、目の前のコイツらを殺す方法を視略する。
——使い古して異様に鋭くなったスコップで刺したり裂いたりして殺す、投げ技で頭を地面に叩きつける、この小さなナイフで喉を刺したり肉体の中央部を裂き殺す、ああいくらでも殺せそうだ。
食事はスカトロ好きの妖精が持ってきてくれる、
ただ直近の目標は白魔術の習得だ、治療魔術なり治癒魔術なりを覚えて病気の治療をしないと先に死ぬかもしれないし。
最初に魔力の操作の方法を覚える、魔術を使う為の最前提条件らしい。
——曰く普通の人間は魔力を感じる事すらできないらしく、それを感じられなければ魔術の行使など夢のまた夢だとの話だ。
一応熟練の兵士とかは無意識で魔力を扱う術を持っているとの話だが、まあただの娼婦の子の俺にそんな事ができる訳なく...面倒臭いが一からの鍛錬となる。
ただ俺の頑丈さは生来の魔力由来だと判明した、曰く成長限界だけならば人類トップクラスとの事だ。
才能は階梯として表現する事ができて、第1階梯が普通の人間で第13階梯が神との話だ。
それで俺の才能限界が第8階梯!!
...化け物やんけ、成長しきった俺ちゃん地上から衛星を撃ち抜くぐらいできそうだな。
俺つえーは好きじゃないんだけどねーまあ仕方ないよねー
ウキウキとした様子で、ニッコニコで魔法陣に触れて魔力の循環を感じ取る。
うむ中々悪くない感覚だ、例えるなら空腹の時にキンキンの水を飲んでる感じ。
...前言撤回、腹を壊しそうな感覚だな。
と言ってもまあ成長限界だからな、曰くあの魔女さんも才能限界は6階梯で実際は3階梯相当の力しか発揮できなかったらしい。
あれが3階梯か、馬や地面が吹き飛ぶ砲撃の様な魔術を連射してくるのが3階梯らしい。
1階梯が弱過ぎるのか3階梯が強過ぎるのか...
まあそんな化け物染みた原石の才能の開花、それを補助してくれる方法があるのだから使用しない手はない。
——相変わらずこの世界は自分への投資というモノのコスパが良過ぎる、最高かな異世界。
そんで二回ほど寝た後に魔力を感じれる様になった、その感覚を例えるなら第六感だな。
——ヒシヒシと魔力が伝わると言えば伝わるだろうか?。
最初から魔力が使えましたみたいな感じで知覚させてきやがりますよ...
それから数日かけて干渉魔術を覚えた、因みに干渉魔術の干渉の意味は世界に干渉する事らしい。
...もしかして黒魔術もとい干渉魔術が一番バグってるのでは?
などと考えながら多分一週間後に洗礼魔術を覚えて、それからしばらくかけて治癒魔術と治療魔術を習得した。
洗礼魔術を覚えてからそのヤバさも理解した、曰く霊体を正しい姿に変えるんだと。
——対象を神にとって正しい姿に変えるからアンデットとか幽霊の魂を人の形にして強制成仏?させられるらしいのよ、つまり神とって都合のいい人間の敵の存在を絶対に滅ぼす魔術。
あと白魔術を受け過ぎたらその対象は神にとって正しい存在になるらしい、偉大なる主に自らを捧げる存在になるんだと。
——笑う事しかできない、どうやら俺は前世から神の教義との相性が最悪らしい。
神を信じても救われないんだぞ、神なんぞ信じて何になるだよ、まあ俺にとって都合のいい神への信仰なら構わないがな。
とは言えそれを強制させるなんてのはイラつきを覚える、俺はソレを忘れるかの様にただひたすらに魔術を試し続ける。
魔術は難解過ぎる、才能はあれど頭が追い付かず最低限の魔術しか使えない。
...いや最低限できるだけマシか、それで敵を殺す事ができるもんね。
魔女さんは一から新しい魔術の構築?をしていたみたいだけど、正直それの基礎の基礎を覚えるだけで1000時間ぐらいかかりそうだから妖精共を
故に今回は魔女の魔術を流用をする事にした、彼女の錬金術や魔術理論をそのまま使う。
あの『衝撃魔術』や『錬金術』を、魔術書に記述されたそれを流用する事にした、魔術書に魔術行使陣とされるモノを表記して魔女の魔術を使える様にした。
そして魔女の魔術書を弄り倒して、この魔術書自体がかなり有用な道具という事に気付けた。
——錬金術を用いて錬金したであろう『亜空間内包物質』とやらを使用したアイテムボックス?みたいなヤツや、錬金術による物質のエネルギー変換に、そのエネルギーの保存ナドナド色々盛り沢山だった。
錬金術を利用したアイテムボックス?とかの制御は魔力を消費するだけで自動化できるみたい、これは俺でも使えた。
あと
...まあ強いて言うなら指で平方形の壁を作り出せる感じ?
んで最後に魔術行使陣、魔力を流すだけで予め指定した魔術が発動できる様になるバグ魔術。
その指定方法は、ストックしたい部分に魔力を通しながら魔術を使うだけ。
レコードに音楽を刻んでその音楽を再生する様に、魔術を記録して使用する魔術だ。
——一度ストックした魔術は魔力を注入するだけでクールタイムなしで使い放題になるのがヤヴァイ、その上で何て言うんだろう魔術を使用した感覚がフィードバックされるから次々と魔術が上手くなっている。
そして魔術のストック可能回数は魔術書の使用者に依存するらしい、俺は8個のストックができるから階梯的な成長限界が基準なんだと思う。
こんな赤子に毛が生えた腕前の魔術師の俺でも魔女の魔術を使える様にした、そしてこの力はゴブリンを殺すぐらいの力としてなら通用するだろうと確信している。
魔力による身体強化も上々、鉄製の首輪や岩ぐらいなら軽々と握りつぶせる。
治癒魔術と治療魔術を使用して肉体を完全に治療する、出血も止まり体内に沸いたウジも駆逐した。
「教育の時間だ、正しい倫理をクソッタレの妖精に叩き込んでやる。」
——私の監視役というべきか?
立ち上がった俺に飛びかかってきたその妖精の頭を握り潰す、そのゴブリンは赤黒く薄汚い血を撒き散らしながら地面に倒れた。
俺にあんな事をして狂った様に笑う事を強要したこいつらが、死ぬ時はこんなアホみたいな顔しているんだから。
緑色の肌を持ち、不健康な生活故に水の溜まった腹を抱えた妖精だったモノ。
——それが力なく地面に倒れていた、ああ死んだ後は前世でそれなりに健康的に生きていた人間と同じなんだな。
誰も居ない何もないその先に進む、そこでは無数の妖精達が魔物や人間を食い散らかしていた。
その中から着飾った妖精が私の目の前に立つ。
耳の垂れた妖精であり、どこか怪しい雰囲気を持っていた。
「ナンダ?」
「平伏しろ」
俺は目の前の小鬼に命じる、その立場を譲れと脅迫する。
彼は理解できなかった、ペットに自分の立ち位置を譲れと?
——可愛いもんだと考えたのだろう、手を振り上げた瞬間に手を切り落とされた。
今度は武器を持ち目の前のペットに刃を振り上げたが、その刃は届かず、腕を捩じり落とされる。
——お前の敗因は油断と慢心、そして最後に圧倒的な人殺しという悍ましい経験の差だ。
両腕を失った妖精は後退り尻餅をついた、戦意を失った彼にペットの生み出した炎が襲う。
——5秒ほどもがいた我々の長、ソレを我々の中で救う者はなかった。
ある者は彼に救われた、ある者は助けられた、だがその彼を助ける者は誰一人として存在しなかった。
彼は全てに裏切られたのだ、自らが招いた厄災によって。
そして妖精の長老の居た場所に長老のペットだった者が座り口を開いた
「平伏しろ、しないなら死ね。」
この場に居る全員は降伏し、彼に従う事を決めた。
——王からの最初の命が下る、絶対の存在新たな自らの支配者からだ。
「余に仕えよ、その活躍に応じて地位を用意してやろう。
——身支度を整え出陣するのだ、未来の英雄たちよ。」
俺という世界のために働き、勤勉の大事さを理解するんだな。
理想の姿を文字列に沿って表現するのって難しい、小説を金にしてる人達ってマジですげぇよな。