転生したらTSふたなり聖女だった件 作:自給自足日常系異世界ファンタジー作家
「ギルドの使用は初めてですか?」
「はい」
「登録に銀貨1枚必要となります、後払いも可能ですがどう致しますか。」
「普通に払います」
ギルドに行ってみた、本当にブラックだよな人間の世界って。
てか思うんよ俺、金なくて仕事を求めてるのに、仕事する為にそこそこいい金が必要なのおかしいよな。
でもそれは組織を維持する為に必要だから仕方ないか、いや逆に考えよう銀貨1枚でそこそこ給料のいい仕事ができると。
「子供にできる仕事は町のお手伝いぐらいだけど大丈夫?」
「給金はどれくらい?」
「鉄貨4枚」
「足りない、多少危険でもいいから金払いのいい他の仕事紹介してよ、困ってんでしょ?魔物被害とか多いでしょ。」
「魔術使える?」
「そうだね汎用魔術ならばそれなりに、それ以外もできなくはない。」
そのまま見定めてくれたまえ、なるべく多く金も出すのだぞ。
「——なら魔物討伐隊『ドゥトラス』傭兵団への同行、これは子供ができる仕事の中で一番給金が多いわね。」
最初はお手伝いさんみたいな扱いらしい、俺がどこまでやれるか見る気なのだろう。
ただまあ傭兵団という集団、要するに組織が引き受ける仕事だ、相当危険か困難な仕事なのだろう。
「給金はどれくらい」
「鉄貨10枚でどう?」
足元を見やがって安く使う気だな?
もう少し出せるだろ、最低銀貨1枚は払わせたい。
「最低銀貨1枚。」
「だーめ、銀貨1枚は高望みよ。」
接客業してるインテリ女はこれだから、悪魔みたいな微笑みしやがってこの野郎。
今日も真面目に働いてて偉いですね!!人間らしく人情に流されろよぉ!!
「じゃあ歩合制でどう?それなら鉄貨10枚からでいいよ、傭兵団との仕事の後に別で狩った魔物の皮や肉をここに卸すから買い取って。」
肉や皮を卸せば給金も増えるって仕組みなら全然ok、このままじゃ今日の馬小屋代も払えん。
「う~んそれはマナー的にNGなのよ...」
チッ、裏で共犯にはなってくれないか。
「その傭兵団もわざわざ子供にそんな危険な仕事を手伝わせようとするぐらい人手が足りてないんでしょ?
俺自身魔術も使えるし馬を連れてるから荷物も運べる、どうかな銀貨1枚の価値はあると思うよ。」
「ダメよ今日は鉄貨10枚だし今日は馬を預けて行きなさい、明日からの給金はキミの仕事ぶりを見て決めるわ。
——文字は読める?血印でいいわよね?」
これ明日から仕事貰えなかったら金の払い損だぞ、イラつくマジで。
ドゥトラス傭兵団への一時加入ねぇ、でもまあ命を張って俺を守ってくれるらしい。
——仕事は炊き出しやお手伝い、そして必要なら『戦闘参加』ねぇ。
この雰囲気記憶にあるわ、中々に過酷な仕事の筈だ。
戦闘参加の可能性があると記してあるだけ良心的か、後方勤務の筈が気が付いたら前線勤務になって翌日討ち死にいたオッサンみたいな哀れな末路を迎えないように気を付けよう。
いやはや懐かしいな前世を思い出す、苦笑いしかできない。
「分かったよ、それで『ドゥトラス』傭兵団さんはどこですか?」
「あそこのテーブルに居るわ、打ち合わせ中だから混ざっておいで。」
雰囲気アレだな、入りにくい。
「ういうい、あんがとお姉さんまた会おうね。」
「今日一日頑張ってきなさい、生き残れたら明日以降報酬増やしてあげる。」
あと挨拶にもついてきてくれるらしい、サービスがあるの案外良心的だな、その上で賃上げの可能性があるだけ当たりか。
...その点前世で過酷な環境で働かされた挙句、給金を貰えんかった時の事を思い出したわ。
なんで外敵に脅かされている異世界よりも外敵の居ない西暦世界の方が人間にとって過酷な環境なんですかね?
イリエは訝しんだ
「イリエです、今日手伝いに参加する事になりました。」
「チッお嬢、ガキを紹介すんなよ。」
「馬鹿言うんじゃないよ!!人が来ただけありがたくおもいな!!」
肝っ玉オカンみたいな事を言うね...
総勢12人か、
お?エルフらしき美魔女も居るな?
「まあまあ、魔術がそこそこ使えるから足手纏いにはならないと思う。」
「ははぁん?なるほど魔術師か、なら歓迎するぜ。
こんなんでも俺は傭兵団のまとめ役をやってるドゥトラスだ、よろしくなイリエ。」
「こちらこそドゥトラス、それじゃあ仕事内容を教えてくれ、足手纏いになってほしくはないだろ。」
あれ何か行き違っているな...
「なんだお嬢仕事内容話してねぇのか?」
あこれ契約の不履行だ、俺が基本何でもやるって言ったからやったな受付嬢、バレなきゃいい作戦とかマジで止めといた方がいいぞ信頼に関わるぞ。
「悪い?」
こりゃハズレ引いたか?
真っ黒じゃねぇかこの人、多少の規則破りなんざ気にしないってか?どうやら利益の最大化が得意らしい、着服してるなこの野郎。
「いいや、まあ誰も死にたくねぇからな、今なら下りてもいいぞ坊主。」
「今日生き残れたら明日も来るよ、ただ給金は銀貨1枚以上まで増やしてもらう。」
彼は何でもないかの様に口を開いて要望を受け入れてくれた
「まあ俺は何でもいいぜ?
んで仕事内容は近くに沼地があってな、そこに居る魔物を5体間引くんだよ。
その死体を5体連れて帰るのが仕事でな、1日金貨1枚貰えるから全員で山分けだ。
どうだ?いい仕事だろ?」
案外適当な仕事だな、まあいい。
沼地か、これまで見た事があるのは蟹や魚に蛇ぐらいだが、まあ12人でやる仕事だしそれ以上の何かが居るんだろうな。
——金払いがいい仕事なのは確かだしな、乗った。
「まあそうだな、必要な持ち物とかある?支給品とかどうなのかな。」
「強いて言うなら武器だな、消耗品は明日以降必要なのを俺に言ってくれ。」
「ふむふむ、じゃあ使ってほしくない魔術とかある?逆に使ってほしい魔術はあるかな。」
「臭いで魔物が必要以上に集まるから炎はダメだ、それ以外は好きにしろ。」
なるほど隠密性も大事にすると...
「分かった、沼地だし水や土を使わせてもらうよ。」
「それじゃあ今すぐ出発だ、お前に皆を紹介する。」
という訳で異世界初の職場にレッツラゴー
「新入りだ、コイツが前に出過ぎない様に見張っておいてくれ。」
「イリエです、足を引っ張らない程度に頑張ります。」
うぅむ歓迎されてない...
ふむふむ神官(男)と魔術師(女)か、まあこの2人の後ろについて行く感じかね。
「おいドゥトラス、よりにもよって子供かよ、これ以上子供が死ぬのは御免だぞ。」
「人手不足なのは事実だ。
——猫の手も借りたい、それにこんなガキでも魔術師らしい、戦力にはなる。」
「ボクも魔術師なの?」
「ええまあ」
舌なめずりすんな、えっろいねぇ。
——おっぱいもデカい、俺の勘が言っている絶対にヤリマンだ母と同じ雰囲気を感じる。
「一発どう?」
これナニに誘われてるんかね?それとも
杖向けて来くんな!!絶対にエスカレートするだろ!!
実弾演習の撃ち合いでガチで狙ってくる阿呆がこの世には存在するからな、多分この人もその部類。
美形のエルフがグヘグヘしてるのに全然そそられない...
「年だろテメーも、小さなガキを狙ってんじゃねぇよ。」
「はいはい、リーダーには従います。」
おー組織の人員を統制して纏められてるのすげぇ、てか癖強過ぎだろこのエルフさん。
赤髪・ピアス・魔女帽・デカい杖にグヘヘ要素と、ここまでメジャーな要素爆盛りのエルフも今時珍しい。
——いやグヘヘ要素はメジャーじゃないか?
そして筋肉ゴリゴリの神官さん...絶対物理的に強い...
「改めて俺の名前はイリエです、2人の名前はなんですか。」
「モルガン、エルフで善き湖の妖精よ。」
「ルイスだ、オマエが怪我した時は治してやる。」
お~俺みたいなパチモンごちゃ混ぜ魔術師と違って本物なんだろうなこの人達...
などと互いの事を話している内に、周囲をゴブリンに囲われてしまっていた。
さっき俺らが話しているときチラチラ見てただろ(因縁)
なんか敵ゴブリン達との距離感が気持ち悪いな、注意散漫っていうか俺に惹かれてんのか?どうなってんだこれ。
ゴブリンに好かれても全然嬉しくねー
「ゴブリンか?
珍しいないきなり、前に会ったのは一年ぶりぐらいか。
チッ、妖精には魔術が効き難いし運がねぇな。」
あボウガン持ちだ、俺の居た群れから流れた奴かな。
「弓持ちが2体に大盾持ちが3体と槍持ちが3体に片手剣盾持ちが3体か、前に出るなよ。」
ふぅむまずいな、あれの威力は異世界の主人公が使う剛弓並みだぞ、大型の魔物にも通用する怪物だ。
人間に使うにはオーバーキル、盾ごと人体を貫通してくる。
「後ろに下がってな」
「前に出るな、先頭を狙ってくる。」
「何?」
こちらの盾持ちが撃たれて負傷した、そこを狙い槍持ちが攻撃を仕掛けてきた。
——乱戦の恐怖を、子供が大男を殺せる機会を生み出す為の行動だ。
陣形を崩しての近接攻撃で迅速な排除をする事が狙いか、知能は低くとも理解力だけは人間並みだな。
ここで介入しなきゃ全滅する。
——そもそも前世で少年兵やってた俺の経験のもと、この時代で用意できる武器で最適化された戦術と最適な装備だ。
そうじゃなきゃゴブリンが熟練の冒険者グループを幾つも壊滅させる事は不可能、自分よりフィジカルの強い敵を狩る事を目的とした現場行動理論と戦闘教義。
——こいつら相手じゃこの人達も全滅必死、様子見してる暇もないか。
距離40mもないから安全圏とは言えない、壁でも出してもらうか。
「モルガンさん魔術で壁出せる?水か土だとありがたい」
「言われなくても!!ストーンウォール!!」
私達の前方に高さ3m程の壁が反り立った、それは矢の攻撃を易々と受け止める。
そして俺は空を飛び、そして魔術行使の宣誓する。
「魔術行使『衝撃』」
『衝撃の魔女』の二つ名の所以、属性に囚われず魔術を行使する異端の魔術、圧倒的魔術投射量を誇る戦場の支配者の真似事だ。
数千の魔女狩りが一夜にして惨殺された旧帝国史における汚点、人を殺す為の力が振るわれた。
40MJのエネルギー体(155mm榴弾相当)が盾持ちのゴブリンに直撃した。
その盾は砕け、盾の破片が周囲のゴブリンを襲う。
後衛を失ったゴブリン達は、いとも容易く魔女の魔術によって裂き殺された。
「「「「...」」」」
「悪いね大きな音を出してしまった、怪我人の治療をしよう、悪化しない内にね。」
「——場所を移して休憩しよう。」
まとめ役のドゥトラスは、迅速に傭兵団の統制を掌握した。
——怪我人の応急処置をした後に、本日の仕事の準備に取り掛かった。
「改めて感謝するイリエ、お前のおかげで生き残れた。」
流石に『砲撃』は刺激が強過ぎたか、うぅむ怖がられているな、PTSDにならない様にケアしておいた方がいいと伝えとくべきか。
「いやこちらこそ、皆さんが囮になってくれたおかげで簡単に倒せた。
今日は仕事が終わったら皆さんのケアをして下さい、『砲撃』の衝撃は心によくない影響を与えますから。」
「ああ分かった、何つうか流石衝撃の魔女だな。」
「誰だそれ?」
「んんん?」
いや待て衝撃の魔女は最近死んだよな?
約4ヶ月前魔女が魔物を率いて二つの城塞都市を滅ぼしたのは有名な話だ、曰く魔女は救世主を狙っていたが、その救世主と相討ちになったって話だが。
「——もしやお前がソレか?魔女を殺した救世主か?」
「いいえ私が殺した救世主じゃないです。
ゴブリンに攫われた末に、この魔術書を手に入れて魔女の魔術が使える様になっただけの一般人です。」
魔女の力も使える正しい存在なんか聞いた事がねぇ、その逆も有りえない、白魔術もとい洗礼魔術の使用には資格が必要なんだ。
魔女の魔術なんかも常人には使えねぇ、例えモルガンでも魔女の魔術なんざ使ったら1日寝込む羽目になるかもしれないってのに涼しい顔してやがる。
本人は自分は救世主じゃないと否定しているが、多分本物だろう。
「そうか、でもイリエお前が俺達の救世主なのは事実だ、俺達の為に戦ってくれてありがとう。
まあ礼っていうかまあ、今夜何か食いたいものはあるか。」
「まあ強いて言うなら肉かなぁ?」
「いいだろう、お嬢にとびっきりの作らせてやる。」
白魔術を使い司祭の杖を持ちうる資格を持つ、決して悪しき者ではない、彼はルイスと同じ正しい存在だ。
よい関係を築ける存在だし、俺達の大きな力にもなる。
ふむ...ギルドにイリエを雇う分の報酬を追加請求するか?
何だかんだガキにも危険な仕事をやらせてみるもんだな、おかげで今日の仕事は楽に終わりそうだ。
ふぅむ暇だ、手伝い係の筈なのに客人扱いされてる。
まあ俺が居なかったらゴブリン相手に全滅してたし...そう考えるとこの待遇は普通なのかな?
いやでも給料分の仕事はしたいんだが...
こういう扱いを続けられると何かが爆発して罰が当たるからな、内側から崩壊はマジで避けたいのよ。
それにグヘグヘエルフの膝の上っていうのがまぁ落ち着かない、柔らかいモノの感覚もするし色々な意味で落ち着かない。
——エッチコンロ点火されたわ、心の中のチンコが勃起したわ。
「あのー俺の仕事がないんですが?」
「とりあえず今は休んでてくれ、ほら魔術を使った後だし疲れているだろ。」
「いや元気ピンピンなんですが...」
そもそも衝撃魔術で投射したエネルギー自体はストックだから大して消耗してないんだよ、魔物の大軍とかを相手にした時とかは休みたいが、所詮分隊規模の妖精だったし。
「そうよ休める内に休まないとね、魔術を使った後の集中力がない魔術師にできる事なんて何もないわ。」
俺のにおいをを嗅ぎ続ける変態め...もしやゴブリンとエルフの中身って知能と常識以外変わらないのでは?
——犬人間カラスイルカその全部がストレス発散に性行為をするし、仲間を大事にする傾向もあればイジメもするしな、まあそんなのんか。
いやでもこれは発情の域だよな?ルイスさんもドン引きしてるし...
「まあ何ていうかイリエも大変だな妖精に好かれて...」
ルイスさんからの同情を受ける羽目になるとは...
あのゴブリン全員俺の事を見てたからな、どうなってんだゴブリンってやっぱ気持ちわりぃな。
てか俺を好く理由って容姿ではないよな?
いやまあ俺自身美形の部類だが、だとしてもあの救世主を探していた衝撃の美魔女さんが食われた理由にはならないし。
「俺が妖精に好かれてるの?」
「そうだな、俺には分からんが妖精は『魔力の質』を見るらしい、そうだろモルガン。」
魔力の質が妖精の審美の判断材料らしい、人間の言う透き通る肌みたいな概念なのだろうか。
「そーそ、イリエちゃんは一生手放したくないぐらい綺麗な魔力をしてるわ。
——私達を惑わす魔力をしてる、あのゴブリン達もイリエちゃんに誘われてきちゃったのよきっと。」
目が怖いわやっぱこの人、凄い美人なんだがそそられない。
ふぅむつまり俺は、故意ではないが妖精特攻の魅了を振りまいてるって事か。
——つまり美女が駅のど真ん中で裸になってるのと同じ...
魔力の対外放出量を減らす努力をするべきか?
いやでも魔術の行使が鈍くなるからな、そう上手い話はないか。
魅了かぁ、混沌の世界で生きていく上では足枷でしかないんだよな、美貌だけで生きていける前世の世界なら別だろうけどね。
「因果者だなイリエも、妖精に好かれるなんてな。」
——妖精って厄介に扱われてるのかな?
確かにゴブリンは碌でもない存在だったが、エルフはゴブリンほどヤベェ存在じゃないでしょ。
てか因果者に関してはマジで否定できない、前世から誘拐されて売り飛ばされる後まで最悪な環境だったが売り飛ばされた場所での暮らしは最高だったからね。
「そうなんだよぉ、ゴブリンに誘拐されて殴られたり色々とあったんだよぉ。」
「おいおいそりゃぁ大変だったなぁイリエ、今夜は沢山食べて忘れような。」
「なら今夜はお姉さんと一緒に居る?安心して何もしないから!!」
安心して何もしないから→ホテルに連れ込むヤリチン男みたいなソレじゃねぇか
「おまもう年なんだからやめとけよ...」
「失礼ね本当に!!恋愛に年なんか関係ないわ!!」
おい待てモルガンさん何歳だよ...
「いいかイリエ?妖精は年を取ると長い耳が垂れる、そんでエルフの平均寿命は2000年ぐらいだけど下手したら1万年ぐらい生きるんだ、しかも肌とかじゃ年を見抜けない罠要素が盛り沢山で唯一と言っていい耳の垂れ具合も個体差がある。
——人間では許されない悠久の時を生きてる、その長い経験に基づく行動に絆されるぞ。」
超長寿種(1万歳)だとして少しは垂れてるがまあ1000から2000年は生きてるんだろうな、ふぅむ大人の女性か非常に好みだ。
耳の垂れ具合がゴブリンと同じぐらいとは限らないが、まあエルフがゆっくり垂れる系なら2000から3000歳ぐらいなのだろう、うん人間換算すれば俺が一番好みな年頃だわ。
「人間換算なら20歳ぐらいの大人のお姉さんだよ!!
ルイスって本当にいけずだよねぇ?イリエちゃんもそう思わない?」
「まあ人間の価値観からしたら1万年生き続ける知的生命体ってだけで理解できる気がしない、絶対に何かやらかしたでしょお姉さんも。」
不気味の谷現象だっけか?
——それの精神版だ、妖精を人間として見るのは難しいな。
少し精神性というか、思考能力というか、思考回路というか、そういう感じのモノが理解できない位置にある様に感じる。
おじさん知ってるよ、いくら言葉にしても恋心は通じないって生殺しされ続けるってね。
——もしくはとんでもない目に遭いそう、森の中で死ぬまで監禁とかされたりしそうだよね。
「そんな事ないよ!!私はお姉さんを全うしたから!!」
「「...」」
案の定らしい、多分ルイスさんが若い頃にこっ酷く振ったんだろうな。
なぜ恋心が庇護欲と直接繋がるのだろうか、エルフさん絶対に何度も可哀想な男を量産してきたよね。
——もしくは人間にとっての恋心とエルフにとっての恋心は程遠いのかな?
「はい2人の昔話は終わり。
——まあエルフの蠱惑的な魅力には惑わされてみたいし是非とも応じたいが、生憎俺には愛馬の世話があるからお姉さんとの魅力的な日々には応えられない。」
俺が間に入らなければ始まったであろうこいつらの昔話、犬も食わないだろう泥沼だろうからな、てか疲れてるとか言いながら元気すぎでしょ。
——特にモルガンさん、漏れ出た魔力の電気がスパークしてる。
モルガンさんってエルフの価値観ならブス扱いになるのかな?
きっとエルフの言う透明な魔力は特性のないモノなのだろう、俺は魔力を漏らしても電撃を発する事はないが彼女の場合は違うらしい。
「もしかして馬に負けたの私?あの馬に?私が?私人間の好みにはドストライクだと思うんだけど?」
「そういう事もあるさモルガン、多分容姿は関係ないからそう気を落とすな。」
「いやまあ流石に毎晩馬小屋の中で、愛馬の横でお盛んに盛り上がるのはアレだしね。
——そこまでしてお付き合いしたい?」
「そうだね」
「そうよね」
案の定である、何だかんだ仲良いね二人とも。
——エルフの夜のお誘いをキッパリと断った転生者って俺ぐらいなんじゃないかな?
とか考えながら立ち上がり、魔術書を取り出しての戦闘準備に入る。
「お前ら元気なら手伝え、大型の魔物用の罠の設置もまだだからな。」
「お任せをリーダー、ゲリラ戦は得意分野だ。」
「意味は分からないがまあ期待してるぜ」
うん絶対にしてないよね
物語を一旦区切るが諸君は罠とは何だと思う?
※Wikipediaから引用
仕掛けられた側が知らず知らずのうちに被害を受けることを目的として、仕掛ける側が何らかの手段(社会的手段や物理的手段)を密かに講じることを指す。
もしくは、講じた手段そのものを指す。
隠喩ではあるが本人の知らず知らずの内に、自分だけでは
そして穴の底に落とされる事とは、恐怖の向こう側であり身構える事のできない現象であり本質である、本能や感情の先の存在で人間には理解できないモノである。
——砲弾や機関銃による攻撃を避ける為になぜ塹壕や地下に籠るのはなぜか?
空中では駄目なのか?
——何だったら衛星軌道上や宇宙空間でもいいだろう、物量押しできない環境にまで逃げ込めれば解決する、衛星間程の距離があれば文明レベルに差がなければ飛び道具など完全に無効化できるというのにな。
だと言うのに未だ人間社会における戦争はこのザマだ、ふざけた茶番だ、それを疑似的に達成可能だというのに。
——前世では世界中に存在する人間を幾度も完全に駆逐する事ができる物量を誇っていたが、その人間を何度も守る事が可能な兵器も存在していた。
なのにその全ての問題を解決できる手段を使用しない為に、未だ地雷等の罠が猛威を振るっている。
——神がラグナロクを起こす程の怠慢である、まあそのおかげで我々は生き残れてきたのだがね。
これは罠なのだ、命の灯火が消えかかっている人間という哀れな生き物は自らの墓場である塹壕や地下に籠る事しかできない。
——人間としての能力が及ばない際に穴に潜る、いや、正確には人間がネズミだった時の本能だけどね。
その本能に従って自分の周りを整備するから|あんな墓場が濫立しても方法を変えようとしない《砲弾や迫撃砲の直撃によるセルフ埋葬》、そしてそれは人間以外も同じなのである。
——特に哺乳類はネズミだった頃の本能がそのまま生きて残って巣喰っているのだ、起源もとい発祥より定義されている安全圏という穴そのものに牙を剥いているからこそ俺達が殺される事に特化しているのだ。
最後に生物として唯一頼れる存在が牙を剥く、それに耐えられる者の中でそれに頼らずに生きられる生物が罠の存在を克服できる。
——そう哺乳類には克服できない概念が罠として扱われる、なになに?人間も動物も罠を撤去し無力化できるだろって?タネの割れた罠なんかただの背景なんだよ、それは罠じゃない。
まあうだうだ無駄な事を話していたが本質を話そう、人が死ぬ時に限らず哺乳類は穴の底を想像できない。
人間はそういった概念を表現するのが上手な為に、存在を仮定もとい擬人化?擬哺乳類化?して理解を目指した。
——正確には虚構の体系化を行い、最終的にクトゥルフ神話を生み出した。
人型多くないかって?言っただろう?偉大なる作者が存在しない絵に描いた餅を食べる為に理解しようとした結果それは生まれただけさ。
——もしくは奈落や地獄、よりクトゥルフ神話より根源的に近い概念を体系化したモノだ。
そしてこれまた引用となるが、手話を使えるゴリラのココは『苦痛のない穴にさようなら』と表現した。
この穴というモノは共通した概念は耐え難い恐怖を認知する為に存在しており、虚構という概念を得た存在の陥る袋小路なのだろう。
では哺乳類以外の生物の場合を想像してみよう、魚類はどうなのだろうか?結論としては罠を使う事があっても罠は解除できない。
——故に現象を物事で理解している、人間の視点から見出した結論としての収斂進化ではあるが哺乳類が持つ穴の意味を理解していない。
次に両生類や爬虫類だ、彼らは穴という概念を想像した事すらない。
——人間が手足を持つ事に疑問を持たない様に、自らが穴そのものなのである、同じく収斂進化かそれに類ずるモノである。
そして次は甲殻類及び鋏角類及び昆虫類、彼らはどういった存在なのか想像すらできない。
——我々には認知する事も叶わぬ数千年数万年数億年前に塞がった穴から易々と這い出て、いつの間にか地上に跳梁跋扈していた怪物達だ、|ちんちん《得体の知れない例外に触れ合った事による思考放棄もとい幼児退行》。
そして最後に鳥類だ、彼らは穴という概念と無縁なのである、故に人間が形容した罠という概念を持たないし理解できない、似た概念を持っていても穴などと表現しない。
——あいつらは頭がいい、だがそれでも罠をしかけないし罠という概念を持たない、まあ似た概念は持ってはいると思うけどね。
そしてなぜ鳥類は穴という概念を持たないか?それは穴という概念に至る個体が絶滅したからだと思う、哺乳類が持つ穴という概念に固執した鳥類は滅び、
世の中には例外が存在するため、その点は別とする。
——世の中には|去勢される事が趣味な人間《倒錯的な変質者である仕事依存症や性癖というエゴを追及する狂人》が存在する様に、日本の校長先生の売春人数の平均値を爆上げした特異点があるためだ、その辺は考慮に入れない。
故にこの世に存在する例外を排除した中央の値のみを基軸に私はこう考える、罠とは哺乳類の頂点である人間が喰らった禁断の果実であると。
自らを滅ぼす概念及び事象、決して理解する事のできない哺乳類にとっての特異点であり事象の限界、要するに『例外』が罠の正体である。
罠とは逃げる事のできない獲物が嬉々として飛び込んでいく場所の事を言う
恋愛日常ギャグシリアス戦闘を全部ゴチャゴチャ書いてしまった...
駄作にも程があるけどまあ自給自足だし別にいいか