転生したらTSふたなり聖女だった件 作:自給自足日常系異世界ファンタジー作家
丸太を転がしての物理攻撃は獣を狩るのに有用だ。
——といってもそれは体高1m程度の中型動物までにしか通用しない、所詮その程度のアクションなのだ。
故に、それ以上の体躯や身体能力を持つ魔物に丸太による質量攻撃が通用するのか分からない。
——否通じる訳がない、その程度の罠を使うのは俺にとって無意味な事としか思えない。
とある女郎蜘蛛型の魔物は体高数メートルで数tの巨躯を持っていながら約マッハ2.4以上の速度でジャンプする、信じられるか?その上で力では決して引き千切る事のできない糸や引っ張るだけでは絶対に剥がれない粘液を持つ。
——牙には毒があるし酸を吐き出すし、そのマッハ2.4以上の速度でジャンプしても問題ない内部器官や堅牢な外骨格に覆われている。
一見無敵の生物と思えるが焼く事ができれば殺せるし、足を根本から全て切り落し牙を削ぎ落とせばされるが儘の赤ん坊だ。
因みにゴブリン達が使っていたボウガンの糸はこれ、まあされるが儘の赤ん坊状態にするのが一番難しんだが。
とある亀形の魔物は何より硬く柔らかく
——その上で中々に機敏に動くし環境適応能力も高い、障害物は力強い顎と鋭い爪で切り裂く脳筋。
こういった頑丈な生物の弱点はだいたい関節部だがその隙を狙えない程機敏に動くため狙えない、ならどうやって殺す?どうやって甲羅の中身を狙う?甲羅の中身を吐き出してもらうのだ。
亀は甲羅の中で守られている内臓が体内から体外へ非常に飛び出やすい生き物だ。
俗に言う内臓脱という病気?に陥りやすく、魔術で内臓を引き摺り出しての衰弱死が最もメジャーな殺し方だ。
もしくは内臓が飛び出てくる場所に魔術を撃ち込んで、甲羅の中の内臓をグチャグチャにする方法のみでしか殺せない。
一応二酸化炭素中毒とか何だったら原子力爆弾程の威力であればでも殺せる筈だけどね、知らんけど。
他にも魔法を使う魔物も沢山いる、てか何だったら上で書いた化け物の上位種として魔法を使う個体が存在するとまあ、こんな化け物共に丸太を転がすだけの物理罠が通用すると思えない。
——魔術で思い通りに環境を改変し、自分にとって都合の良い場所にする魔物が沢山居るのだ、例えば自分に効果のない毒ガスを散布したりする異常な奴が。
それは規模は小さいとは言え世界を改変するから魔法の分類になるんだぜ、異様な恐怖感があるね。
あっ因みに大型動物に一番有効なのはワイヤートラップ、そんでくくり罠だ。
その二つだけで完封できる、因みにこれは魔物も例外じゃなかった、一部を除いてな。
相手が魔物なのが問題なんだよねぇ、頭おかしい腕力脚力を持ってるから植物の縄ぐらいじゃ簡単に引き千切られる、そんでワイヤーロープを所持していないからそれ以前の問題、正直中世レベルの技術力の世界で使える罠での殺し方が想像できない。
——てかそんな魔物を狩る時は衝撃魔法と身体強化で蹂躙してただけだから、そんな異様に強力な魔物相手に罠が通用するか知らないんだよな。
まあ世代を超えた経験と積み重ねは全てを上回る、あいつら魔法使うし肉体の頑丈さも異常だけど、そんな化け物相手でも通用する戦術があるのかもしれない。
——そう考えてこの世界の人間が編み出した魔物の狩りを観察する事にした。
「よぉし前衛!!しっかり受け止めろ!!」
ザリガニ型と蛇型の魔物が前衛に突進してくる、その前方には無数の丸太が転がっており、魔物達の進路を阻んでいた。
魔物達が無数の丸太に進路を阻まれた瞬間に、魔物の側面から無数の丸太が転がり落ちてくる。
——動きの鈍った魔物を槍で刺してから動きを止める、その状態から魔術を直撃させて剣士が斬り込む、40秒程格闘し続けて2体ともズタズタに引き裂かれて殺された。
こいつら連れて帰る用じゃなかったんだ...蛇もザリガニも食う分には普通にイケるのに...
「どうだったか?」
足止めになっただけで罠とは言えないよな、てか罠ってあるだけで完封できる様なモノなのに、なんでこう近接戦闘してるんでしょうね、何か想像と違ったわ。
魔物を押さえつけるのに原木を使う程度じゃ何の意味もなさない、逆に砕けて尖った木材が刺さってるから普通に危ない、さっきから治癒魔術を使い続けているルイスさんの目も隈だらけで死に掛けだし。
もしかしてここの人達は毎日これを繰り返しているのか?
無駄な事ばかりだ、必要ない事ばかりして魔物に仕掛けた筈の罠が自分達に降りかかっている、何の為にあんなモノをばら撒いたのだろうか。
いやそのおかげで足元が安定するのか、水辺だからこそ水中だからこそ高い力を発揮できる魔物を相手にしているからこそ、その水分を吸い疑似的な足場になる丸太はその場にあるだけで俺達の有利な場所となるんだ。
人間が戦うのに不利な場所に来てまで、何故この場で戦うのだろうか?これじゃ人間が罠に飛び込んでいる様なモノだ。
...そんな罠が人間にとって多少マシな環境になのか?
ドゥトラス傭兵団総勢12名、その3分の1が負傷して戦闘不能状態に陥った。
戦闘可能人数残り8名魔物討伐数3体
「消耗が多いな、わりぃイリエ戦闘に参加してくれ、いきなり魔物相手の実戦はキツイだろうがなすまんな。」
ザリガニ型も蛇型もデカイだけ、ただ魔力があれど人間にとってはそれだけで脅威なんだよな。
——案外狩れるもんだな、体高1mぐらいのザリガニに“体高1m”の蛇、全長ではなく“体高1m”の蛇が相手だった、しかも地面を操る魔術を使う上位種だった。
彼らが今生きているだけで奇跡だ、それもルイスさんとモルガンさんが居てこのザマ、魔術師なしの布陣で魔物をあと3体狩るのは不可能だっただろう。
——殻を被ったヒヨコの俺、されど魔術師はこの場に居る人達の何人かを死なせてでも教育する価値がある訳だ、まあ大船に乗ったつもりでやらせてもらおう。
「よぉし次いくぞ!!」
「釣れたぞぉぉ!!戦闘準備ぃぃ!!」
釣りの役割を負っていた剣士のラインさん、その声の掛け声と同時に周囲は静粛に包まれた。
彼の戦闘音が突如音が消えたのだ、一回剣と何かが打つかる音がした瞬間にだ。
熟練兵が獲物を釣りながら後退、戦場に慣れた一般兵が抑えて新兵が不意の一撃で撃ち殺す、戦場の基本であり最も安価で優れた作戦であり軍事行動だ。
そうそう熟練兵は死なない、勘も優れているし身のこなしも理解している、奇襲を受けても何だかんだ生き残る変態しか居ない。
——何て言うかアレは人間じゃないんだ、いや人間ではあるが超常的な力を操る変態だ、いやまあそんな力はなかったのだが雑に運がいいから超能力者に均しい均しい存在なのだ。
それが易々と狩られるとか正直信じられない、そもそも熟練兵相手に直接攻撃を仕掛けても往なされて終わりだからな。
——魔力のない人間が手榴弾を投げ返したり蹴り捨てたりするんだから魔力のある剣士にどれだけの能力があるか想像もつかない、少なくとも俺はマッハ2.4で飛び掛かってくるの魔物の体当たりを杖で受け止めて殴り殺した事がある、自力の問題はあれど一撃で音もなく魔物に負ける事はない。
なぜ一瞬で殺された?いやどうやって殺された?
可能性として一番高いのは虫型の魔物、比較的小柄ながら絶大なパワーと能力を持つ怪物故に1番の脅威だ、動物型や爬虫類や両生類は上位種じゃなければただデカいだけの厄介な存在だが、昆虫型は次元が違う。
この静粛は彼が罠にかかって一瞬の内に無力化された事を示している、対象を完全に無力化する事を念頭に置いた罠を仕掛けられる存在で人間の言う罠と穴の概念を理解している。
——人型の魔物は存在しないから恐らく昆虫型だ、罠は自然界で最も安全な場所を危険地帯にする行為、それを理解しているのが今回の敵だ。
魔物を相手にする事を慣れている彼らには対処が難しい敵だ、出し惜しみはできない。
目の前の繁みに隠れた魔物を、丸ごと耕してやろう。
「ラインさんは死んだと判断していいよね?」
「...ああ、生きていても助け出す事は不可能だ。」
索敵の為に空を飛ぶ、どこにどんな魔物が住み着いてるかも分からない、だが砲撃による面制圧を行えば戦車並みのサイズの化け物を炙り出す事は造作もない。
「仰ぎ見よ邪悪なる存在よ!!我らの女神の力を!!
戦場の女神砲兵よ!!戦場の讃美歌をカナリアを奏でるのだ!!」
魔術行使『衝撃』
因みに詠唱は又聞きしたのをそれっぽく並べた、詠唱をすると魔術の効果が上がりやすいと聞いたので実践している。
目の前の繁みに1㎡につき1発の155mm榴弾相当の衝撃が襲う、そして全て剥がれた草や岩は粉砕されその下が露わになった。
——泥と糸と植物が絡まった物体、そして偶然空いていた穴から水が吸い込まれていた。
糸と土が混ざった物体、きっと泉の底へ空気を送り込み糸と土で頑丈な巣となる空間を作り出していたんだと思う。
——泉となる前にこの場所を丸ごと家に改造したのだ、そして家を改造して沼地を生み出した、それは様々な生物や魔物達が生存できる環境的資源に変貌したのだ。
集まったそれらをコイツは喰らっていたのだ、魔物動物人間その他様々なモノを食べる為の環境を整備していた、ある種管理の必要がない牧場とも言えるそれがこの場所だったのだ。
周囲では数え切れない数の魔物が粉々になっていた、戦場が違えば魔力を持つ超能力者をフィジカルだけで蹂躙する一騎当千の怪物達だが、この戦場ではそんな雑魚に目を向ける者達はない。
その地下空間から這い出てきたのは、無数の獲物や人間を喰らってきた蜘蛛型の魔物だ。
——そう聞いた事がある、水の中で暮らす世界唯一の蜘蛛である水蜘蛛の魔物だ。
ただそれだけじゃない、糸を飛ばす能力を持っている様だし水や土を操る魔術も行使している、これまた上位の魔物なのだろう。
——先程、そしてこれまで出会った魔物の上位種の中でも別格な雰囲気を纏っている。
ところで最強の魔物と言われたら何を考えるだろうか?
異世界に存在する生命体の頂点、神に等しい力を持ち魔物の頂点に君臨するドラゴンか?
——それともチート能力を持つスライムか?いいや違う、あれらは有り得ない構造の生物が成り立っているが故に君臨しているだけだ、『本物』の怪物が現れたら簡単に引き摺り下ろされる。
いやまあ魔物自体物理法則を逸脱している有り得ない存在なのだが、蜘蛛型だけは別格だ。
蜘蛛型の魔物の脅威、それは数え切れないほど危険な要素を内包している事だ。
体内圧を利用しての馬鹿力と瞬発力、これだけでも下手な魔物より脅威だがゴブリンに与えたボウガンを易々と弾く程頑丈な外骨格、そして罠を編み出す事ができる理解力と鏡に映った自分を自分だと気付ける想像力、そして胴体にギュウギュウに詰まった膨大な脳神経細胞の量に基づいた思考力及び計算リソース資源の多さに加えて、頑丈で機能に優れる複数種類の糸を操るからだ。
——知力で人間を上回り個体によっては毒などを持つ、環境適応能力も異常に高く幼体は空を飛び海を越える程の移動力がある。
生物史上最も優れているだろう空間認識能力、それに基づいた糸の活用能力は文字通り次元が違う。
——その高過ぎる能力を支える為に必要だった触覚に単眼と複眼、否全ての要素を効率的に扱う為の知力が、俺を狩る事だけを考えて恐ろしい牙を剥いてきているのだ。
人知に並ぶ魔物は存在しない、だが人知を上回る魔物の存在なんて誰が想像できようか。
——前世で世界を席巻していた人間の人知、それを上回る存在故にこの場に居る魔物達の頂点に立つのは当然の事だろう。
我々はそんな怪物に遭遇してしまったのだ、なるほどこんな怪物以上の存在が居る場所に馬なんか連れてきても餌にしかならないな、移動用に使おうと思っていたが置いてきて正解だった。
狩りの時間は終わりだ、自分が創り出した罠に飛び込んだ生き物を殺す時間だ。
完全自動畜農園を編み出した魔物、目の前に居るのは人間が理想を実現するに至った神に等しい怪物だ。
初めまして最恐の魔物よ、人智や歴史という魔物以上のナニかに鍛えられた戦争の世界へ。
「笑え!!生きたきゃ笑え!!」
脳内麻薬を出す為に意識を高揚させる、何の為にだ?脳機能を活性化させるため。
精神の高揚には大きな意味がある
第一に意識の活性化だ、注意力が上がり判断能力が向上する。
第二に身体能力の向上だ、より機敏に動く事ができる様になる。
その他諸々、人間を人間らしきナニかに変化させる状態に故意的に誘導する行動だ。
普通の人間は一人だけじゃそれができないんだけど、まあ俺は頭のネジが外れてるから一人でもできる。
...いや一人でもできる様になったと言うべきか?
——まあそんな事はどうでもいいんだよ、つまりこれは人間の潜在能力を無理矢理引き出す行動なのだ。
これは化け物と化け物染みた人間の様なナニかの戦いだ、人間の意識が介在する事は叶わない。
蜘蛛型の魔物が空に居る俺に、音の2倍近い速度で飛び掛かってきた。
それを正面から魔力による身体強化と、白魔術を使う為の杖で正面から迎え撃つ。
——マッハ2で跳躍してくる物体にどうやって反応する事ができようか、それは物心ついた時その数年後から銃を持って戦場を渡り歩いてきた彼の経験と勘に基づいた行動の結果だった。
無事最初の攻撃を受け止める事はできた、だが蜘蛛の糸に絡めとられて地面に叩き落されてしまった。
——衝撃魔術を物量に任せて放つが一向に直撃しない、例え命中しても外骨格が少し凹んだり傷付いたりするだけだった。
目や触覚、そして口部への直撃を狙うが目標部位に命中しそうはない。
155mm榴弾相当の攻撃が最低ラインになると誰が想像できただろうか?
戦車を破壊するには5kg相当の爆薬量を持つ爆薬で、人間を殺すには300gの榴弾の破片を命中させるだけで十分だ。
——その程度で我々人間と人間が扱う兵器は無力化できる存在なのに、コイツときたら何発直撃させても殺せない。
どんな材質で肉体が形成されているのだろうか、まあその辺俺も大概だがコイツら一部の魔物は頑丈にも程がある。
——地面と引っ付いている蜘蛛の糸を焼こうとしたが、泥水で湿っているからか焼き切れない。
地面に固定された俺を襲う蜘蛛の糸、いくら撃ち落としても放ってくる。
——この水蜘蛛は網の様な形状をした糸を放ってきた、魔術で防御してもそこ狙いと白いネバネバしたモノをぶっかけてくる変態野郎だったのだ。
俺の自由は為す術もなく蹂躙された、言い方がアレだが文字通りである。
一度は言ってみたかったセリフNo.1くっ殺せを言う余裕すらない、正直アレの全力タックルを受け止めた衝撃で呼吸が全然できない。
魔術の宣誓もできない、今の俺に使える魔術は詠唱の必要がない汎用魔術だけだ。
だがそれで十分、魔力消費量は多いが問題はない。
ところで諸君、汎用魔術とは何だと思う?
理論上可能な事を為す魔術なのだ、正確には想像を形にする魔術だな。
炎の矢など実現不可能、なれど実現可能とするのが黒魔術の始まりである汎用魔術だ。
故に理論さえ理解していれば核融合反応どころか反物質起爆式核パルス推進等という意味が分からない事もできる、まあ俺がそんなアタオカ魔術を使用するにはその概念自体が高度過ぎて不可能だけど、理論も分かんないしね。
——ただ今の俺でも使える技がある、この蜘蛛に通用する技がある。
それはマッハ20(時速2万4500km)の速度で弾頭を飛翔させる近代の軍隊で実用化された技術、目の前の蜘蛛の跳躍速度の約10倍の初速で魔物の残骸の一部や鎧を砕いた瞬間に超高速で放てば命中するだろうという魂胆だ。
残りの魔力を注ぎ込めるだけ注ぎ込んだ魔術を発動する、まあ流石にマッハ20は無理でもマッハ8程度は出せる筈だ、奴の移動速度の4倍されど散弾の弾幕故に目の前の蜘蛛でも避けきる事は不可能だ。
——もし生き残れても戦闘不能になるだろう、水蜘蛛は胴体の脳がズタズタになって行動不能になる筈だ。
全弾60発1秒間の連続射撃、生物及び人工物でこのエネルギー量に耐えられる存在はない。
「グッバイ鋏角類、神が汝と共にありますように。」
要するに死ねや
「ダンジョン化の傾向があるため魔物の間引きを命令されていたが、まさか既にダンジョンになっていたとは俺らも思わなかった。
——ともあれダンジョン攻略とダンジョンを生み出した魔物を討伐した我らが救世主イリエ、帝国から報奨が出るぞ。
新帝国時代が始まってから初の快挙だ!!絶対に連れて帰ってやるからな!!」
どうもさっきぶりですね、イリエ・リエンデールです。
実はあの水蜘蛛の魔物、俺の魔力をフルで使ったレールガン魔術を耐えやがったんですよね、マジないわどんな化け物やねん、土塊と糸の防御力高過ぎ定期。
んでもそれを貫通した部位もあるらしくてね、攻撃を受けて弱ったその隙を狙ってドゥトラスさん率いる生き残りが集団でボコしたらしい。
やっぱり数は正義ってハッキリ分かんだね、うぅむお姉さんの言いつけ守っておいてよかったわ、ワンちゃんアレを一人で相手してた可能性がある訳で、自分の力を過信してたわ。
魔女に並んだから何だ、有象無象はともかく変異種とやらを相手するには全然力が足りてなかった、前世であの魔境で生きてきた経験に過信していた。
蜘蛛程度なら勝てるけど上位種となると負けてもおかしくない、てか今回の水蜘蛛の魔物が強過ぎただけなんだろうけどな。
てかダンジョン攻略というよりダンジョンを破壊しただけでは?
——いいのかそれでこの世界の人達は...ダンジョンにある宝物とか回収できないんだぜ?
また何かの常識が崩れた気がする...
ダンジョンに宝物なんかないんですね分かります、まあ蜘蛛がそういったモノに興味を示すとは思えないしね。
何か異世界って想像してたのと違う、楽園ではあるがそれが人間の楽園じゃなかったし妖精は
てか魔物の糸ごと地面を持ち上げて台車に乗せられているのか、今の俺の状況何だこれ。
Q目が覚めたらドナドナされていた時の感情を答えよ
A前世で後送された時の事を思い出しました。
まあ冗談はともかく意味が分からない、帝国?報奨?ナニソレシラナイ。
あれ私何かやっちゃいました?
——あそこのギルドで毎日5体の魔物を狩っていい感じに寄生するつもりだったのに、どうしてこうなった。
俺がチームで初めて狩った魔物がよく分かんない楽園を作っていて、襲ってきたその魔物を瀕死の状態にしただけで表彰される事になるのなぁぜなぁぜ。
てかマジでこの土塊糸頑丈だな、指ハブ状態だし身体も抜けへん。
どこの誰だよ土を混ぜてから糸を編み込むと獲物が糸の拘束から逃げられないって事をアレに教えた奴は、いや自分で気が付いたのか。
あの水蜘蛛の魔物には申し訳ない事をしたな、彼だってただ家を作って楽な暮らしを追求した結果がアレなんだろうし。
——それを壊して命までも蹂躙して、彼は大きな市場を提供し多くの魔物や生物の腹を満たしていたが、その癖して私は壊すだけしかできないのか。
んー仕方ないか、俺は壊すのが得意だしそれ以外はからっきしだもんな。
「それがどれだけ名誉な事なのか全然分かんねぇ...」
「ああ坊主も根無し草だったな、そうだな何から話すべきか。
——まず皇帝陛下から表彰されて爵位を与えられる、それから坊主は司祭の杖を持つ資格があるから相応の待遇が得られる、そして報奨金から何やら望むモノがあれば基本何でも手に入ると思っていい。」
要にするに何でも手に入る、名誉金女何でも入手し放題って事か。
~異世界転生したら初仕事でFIREした件~貴族になって女を侍らせて悠々自適に暮らします
|にタイトル変わってしまうわい、タイトル回収がされたばかりなのにこれはマズい。《メタ発言?ネタ切れか作者?》
「てか俺だけじゃ倒せなかったし最終的にトドメ刺したのドゥトラスさん達じゃん、そういうの代表としてドゥトラスさんが恩賞受けるんじゃないの?」
「イリエと一緒に戦っただけで俺達も格別な恩恵が得られるんだよ、気にすんな。」
「ラインは残念だったが俺達はイリエのおかげで生き残れたんだ、本当に感謝しているんだぜ。」
気にするわ!!上の立場の人が一番いい褒賞を得ないと俺が殺されるわ!!
一卒兵が上官より目立ってみろ、嫉妬された上官に撃たれるからな、しかも新兵だったら上官に撃たれなくても同僚に撃たれるわい。
色々と不安だ...俺は明日を生き残れるのだろうか...
西暦世界の人類が構築してきた500万年の科学文明≦とある魔物の創り出した一世一代の楽園
実はこの作品俺スゲーではなく異世界スゲーなのですよお兄さん