転生したらTSふたなり聖女だった件 作:自給自足日常系異世界ファンタジー作家
8月とか熱症に何回もなりそうになったけど今は長袖長ズボンでも余裕な日々最高かよ
皆は仕事に困った事はないだろうか?
前世の俺はもう毎日困ってた、ブローカーに騙されたりして前線で1年タダ働きしてた時もあった、明日の食事の為にとにかく金が欲しかった毎日だった。
——だが今の俺はしばらく仕事をしないでも大丈夫な程まで裕福だ、もう10年ぐらい働かなくていいってぐらい蓄えられた。
宝石とか食べ物とか衣類とか小道具とかアクセサリーとか本とか、もう見知らぬ人達から沢山恵んで貰えた。
...あかん、量が多過ぎて俺の魔力が先に尽きる*1。
貧乏根性というか何と言うか捨てるのは忍びないし、迂闊に外出したら余計に手荷物が増える好悪循環?みたいな感じだ。
今は少しだけ程々に離れたいな、理由はまあ...あの町がどうなったか少し気になるからなんだけど。
それに母の亡骸なり知り合いの亡骸があったら弔ってやらんとね、まあ多分魔物や悪逆非道な妖精に食われているだろうけど。
前世でも人の死を見送る事ばかりの人生だった、思い返せば自分の過去を振り返る事はあれど人の過去を振り返る事は一度もなかったな。
——余裕か、またはこの世界の人に影響されたか。
ラインさんの葬式と言えるモノに招待された、死体も骨もないただの残された遺品だけが入った棺を使ってね。
ドゥトラスさんに呼ばれたんだよな、正直最初は意味が分からなかったが。
——でも思う事はあった、参列して正解だったよ。
前世から人間と言われる生きモノが苦手だった、意味が分からん事を説いてはその言葉に返事をしたら殴られて、聞いているだけでも殴られる。
——そもそも俺にも人の気持ちを理解しようという気持ちやその人自身を知ろうという気概がなかった、まあ小さな子供にそんな態度をとられたら気に入らない人は多い訳だ当然の反応ですわ。
ただ
——『埋葬』とはどうやらこれを生者の為の儀式とあの人は言っていた、そしてその人が死んだ事を受け入れて先に進む為らしい。
人が死んでも俺はそういった事柄に触れる事がなかったからな、そんな事をしていたら生きてられなかったし猪突猛進だったし。
——だけどあの人自分達の為に死人を辱めてるって言ったんだぜ、清々しいよな、だけど正直納得できたかもしれない。
これまでは人の事も自分の事も全然考えなかった、てか人とのちゃんとした関わりが少な過ぎて、人間関係というモノを軽薄に過大視してたのだ俺は。
捕虜は辱めるよね、正直人が可哀想と思う事がたまにあるぐらいだ、運なかったよねで終わり。
——だけど案外普段の人は考えて思い出してしまうらしい、だけど俺には意識する取っ掛かりがなかった。
曰くあの人は言った「辱められた事すらない人も居るんだよ」と、人はあまりにもモノを持たな過ぎるらしい。
納得したよ、確かにその通りだ。
——戦場に居れば人に頼られるし捕虜を使って性欲を発散できる、洞窟という楽園で悠悠自適な暮らしを続けられる。
それをした事もなければする事もなかった人も居る訳で、処女童貞のまま死んでしまう奴も少なくないんだと。
——余裕があるから弔ってやれる、俺達が明日から人として生きる為にするんだと、まあ確かに笑えない場所は悲惨だったな、人間笑えないと笑い方を忘れて壊れるから。
自分が掘った蛸壺に迫撃砲弾が直撃してセルフ埋葬されて死んだ奴、深夜塹壕の中で155mm砲の至近弾を受けて誰なのか判断できなくなった無数の死体、前世の俺達はそんなモノを処理する余裕はなかった。
——配給が足りない時はそいつらを食らっていたし、或いはその死体で腹を満たす為に犬やカラスを誘い出していた、これは人間的な行動じゃないんだと、当然だが俺にとっての普通は普通ではなく異常らしい。
まあ俗に言う理性的かつ倫理的な行動がこの儀式らしい、頭ブッ飛んだままで居ない為の行動なんだと、
人の為に行動するのは嫌いか?
嫌いじゃない、自分の為の行動が優先だが人の為の行動はその次に大切だ。
——誰だってそうだ、そもそも根源的な欲求だしね。
という訳で根源的欲求という名の本能に任せて母の亡骸なり知り合いの亡骸なりを探しに行きまぁす、何だかんだ世話になった人は多かったし火葬ぐらいはしようかねと思いましてね。
——それにそう魔女の亡骸もゴブリンが一部回収していたし母も同じだ、ゴブリンを完全に撲滅する。
あのボウガンを持ったゴブリンの強さは度が過ぎている、ゴブリン達の繁殖速度であのボウガンが世界中に広まったら、ドゥトラスさん達が褒章を貰うまでに冒険者が全滅して国が滅びそうだからね。
...自業自得だって?
その通りだよ!!
俺らしくない行動だと思う、俺は人が死に果てた場所に自らの意思で近付いた事はない。
——そもそも人が死んだ場所はナニかが待ち構えている事の表明だからな、伏兵や警備用ドローンが居るかもしれない場所に進んで向かう阿呆は居ない。
だけど今の俺には余裕がある、普段は絶対にしない行動だけどそれだけの事ができる余裕がある。
本能というか第6感が止めておけと囁いてる、すげぇ警告を発してる。
...だが俺は行くと決めたのだ、人として生きていく事を考え始めた、それを実行しようと思ったのだ。
全く俺もロマンチストになったものだな、ただロマンチズムに傾倒し続けるにはそれなりの度胸や対価が必要だからな、俺の経験その全てを使って身の程を知る機会でもあるしな。
——生きていくにはこの身一つで十分だが心を生かすにはこの身一つでは足りない、まあ可愛い
町を占拠しているのはゴブリンの群れ、洞窟から抜け出して人間の生活圏を流用しているらしい。
ボウガンやボウガンで使用する矢を製造し、その矢で魔物を仕留めて、その魔物を食い武器を量産している様だ。
——どうやらゴブリンは分業を覚えたらしい、いいねぇいいねぇ中々えげつない存在になってきたね。
ゴブリンの繁殖速度や世代交代速度は人間の100倍以上、変化及びリセマラの試行回数は人間の比じゃない、時期にこの世界の支配者はゴブリンになりそうだ。
そうなる前に滅ぼしてあげよう、この世界も俺達人間のモノだ、せいぜい抗ってくれ。
——何年後に人類は大戦争を始めるのだろうか?
...この世界の人類は外敵に苦労しなさそうだけどね、魔物がジャンジャン沸いてくるから人間同士が協力できる人間に優しい世界だ。
その瞬間ゴブリンが俺に向けて炎を放ってきた、そうあの理解力しか取り柄のないゴブリンが魔術を使用したのだ。
武器に続き魔術の体系化の一歩を踏み出したのだ、理解力だけで突き進む異形の妖精、どうしても俺はモルガンさん達と同じ妖精だと思えない。
彼ら妖精は魔物ではない、一番俺達人間の本性に近い気がする。
だとしても相互理解は不可能だから殺さなきゃいけない、きっと第二次世界大戦のナチスドイツもこんな気持ちだったのだろう。
正直人を殺すのは好きじゃない、でも込み上げてくるモノがあるのは確かだが。
...おっと違ったな、コイツらは人間じゃなくて妖精でもないゴブリンという生き物だったよ。
いざ俺が衝撃魔術を放とうとした瞬間、魔術の炎による絨毯炎撃を受けた、そう第2階梯クラスの妖精がノコノコと俺を殺しにやってきたのだ。
「愉快愉悦これが最高の感覚だ、この時こそ生を実感できる。」
俺は人間だ、生を実感する為でもなく生きるために生きている、その為にこの立ち上る感覚を維持して最高効率で戦う。
穴倉に潜る事が俺は耐えられなかった、生を実感できなかったから。
塹壕の中に籠って無駄死にしてたまるか
——と考えて出てきた彼らだ、危険故に殺すに限る。
新兵と違って熟練兵はまた別の恐怖を感じる事ができるな、やはり熟練兵から新兵になる前に、生産能力を戦力に転換される前に殺すに限るな。
「俺の為に死んでくれ」
衝撃魔術が命中し魔術を扱うゴブリンは砕け散った、散り散りとなった残党も全て砲撃を受けて死亡または重傷を負った。
さて俺が対処すべき、この恐怖心の源はどこに居るのかな。
ゴブリン程度ならいくらでも倒せる、第三階梯クラスのゴブリンでも居るのだろうか。
...勘だが待っててもしばらく来ないんよな、よし
魔力の込められた首飾りに鏃か、そんで蜘蛛の魔物を利用した糸が沢山...これは売れそうだな。
でも多分売り先がないんだよな、物流が発展していない世界なんて嫌なモノだ、メルキャリが恋しい。
それはそれとして今回の人生こそ人間らしい行動をとると決めたんだ、死体を全て集めてゴミと一緒に燃やす、再利用されたら堪ったものじゃないから。
容赦なく敵は潰して殺し尽くないとね
いやはや、本当に未熟な人間というかゴブリンは怖いな。
まだ魔物の方が戦いやすい、あの時みたいな馬鹿げた強さの水蜘蛛の上位種とやら程じゃないけどね。
「いやはや肉は美味い、パンや野菜と合わせると尚更だ。」
そして後方から弓矢が数本飛んでくる
——真打登場って感じかな?
片手剣に盾、そしてボウガンに槍だ、どれほど世代交代を重ねても銃器が生まれるまでこの定石だけは変わらないだろう。
機動力の問題は魔力による身体強化で解決可能だ、故にこの世界にはサラブレッドは少ない、まあ物好きが居る事は確認できているが所詮その程度だ。
ただ銃撃や砲撃には耐えられまい、まあ当然だな威力と投射量が違うんだから。
異世界の魔物や妖精がどれだけの化け物になれるポテンシャルがあろうと、それを生かすための経験や積み重ねがなくちゃ意味がないな。
——一時の天才の閃きより、凡人の10年間の積み重ねの方が恐ろしいのだ。
その点俺は化け物に分類できる人間だ、その上でほんの一握りとはいえ魔女の積み重ねてきた魔術を受け継いでいるし、前世の過酷過ぎる環境で生き抜いた事で得た観察力や勘にサバイバル能力は最早普通の人間に分類できるか怪しい。
——あの過酷で混乱した死の世界で生きていた経験を持ちながら、この世界最高峰の知識を得ている俺に個が集まった程度でしかないゴブリンが抗える訳ないだろう。
さて諸君、戦争で使用される武器の特徴や特性どういったモノが重要視されるか知っているか。
第一に射程と威力
第二に敏捷さと速射性
この二つだ、むしろこの二つ以外ない。
故に、大砲は強力であり海上戦力は怪物に等しく航空戦力の代替品は存在しない。
——あ人工衛星兵器は抜きで、あんな高価なモノを前線に手を出してくることないし。
そしてこの時代で人間の脅威になる程の敏捷さと速射性を有した兵器は存在しない、近接兵器によるヒット&アウェイが未だに幅を利かせている。
俺の様に高初速の魔法を速射してくる敵が居るなら、それがこの俺の危機意識の正体だ。
この街には居なさそうだ、恐らくもう一つの町か洞窟に居る。
とんでもないヤツが居るらしい、だから俺の為に死んでくれ。
魔物程度なら第一階梯の人間が使う魔術でも殺せる、だが魔女の様な階梯の高い存在は別だ。
——ゴブリンが居るならばその悉くを蹴散らそう、一匹残らず確実に。
ゲームじゃ雑魚キャラだが何だかんだリアルじゃ恐ろしいな、リセマラできたならゴブリンなんぞ怖くないんだが残念かな?人間横腹切られただけで死んじまう。
魔術で魔力の肉体を構築できないんかね、錬金術による肉体のエネルギー化ってヤツの対局にある魂の物質化ってヤツだよなぁ。
——この世界に住む人達の人生のゲーム化も可能と、残酷な事考えちまった。
「人間の想像力は無限大故に、俺達はどこまでも征ける。
——全てはその数だけの力と所以、上回る存在が居るのならば殺すしかない。」
男は殺して女は犯す、そんな感じのマインドで愉しくやろう。
ふむマズったな、まさかのゴブリンじゃなくてエルフか。
...しかも女だしかなり好みの部類、いいねぇ最高だねぇ。
——おん?
ゴブリンと仲良しこよししているな、あのゴブリンがゴブリン以外と対等な関係を築く事ができたんだな、少し以外だ。
...共存という線はあるのだろうか?うぅむ為政者じゃないから分からん、少なくともここのゴブリンとは無理だな。
なら殺すに限るな、余計な事してグダグダするのは面倒だ。
——いくら発展した社会でも人間同士で相互理解は不可能だしな、人間同士で世界大戦するぐらい相容れぬ存在だし異種族と分かり合える筈がない、やはりそれ以前の問題だ。
ゴブリン狩りの次はエルフ狩りかな?
いやはや力ってのは碌でもないね、ただの一卒兵だった俺がここまで残虐になれるんだから。
ハイになった俺にブレーキは存在しないらしい、ああ愉快だ。
「初めまして、イリエ・リエンデールと申します、この度ゴブリンを根絶させて頂きますゆえ最後のご挨拶に参りました。」
「殺ゼ!!」
無数のゴブリンが特攻してきたが、その悉くを杖で叩き潰す。
「あなた人間?!何しているのあなたは!!」
エルフは武器を抜き俺に相対して、凶行の意味を問い質す。
「害獣駆除だ、エルフはいい魔物はいい他の場所のゴブリンはいい、だがここのゴブリンだけはダメだ。」
「わざわざ率先して狩る程じゃない!!ここに居る子達は人間や他の妖精を脅かす事をしていない!!
——まさかあなただったの?この子達の家を焼いたのは!!」
生産拠点と住宅地、当然だろう、だが彼らが生み出したモノで俺達は大きな被害を受けている。
...それにコイツ等が身に着けているやつ、元は全部盗品じゃねぇか、俺みたいなヤツは俺以外に必要ないの。
「あそこは俺の住んでいた町だ、スカトロ趣味のゴブリンが住み着いていたらクソイラつく...かもしれない。
ゴブリンは人を脅かす力を得ているだろう?故に殺す、自分の尻は自分で拭くんだ。」
「...何を言っている?」
「ボウガンは俺が生み出した武器だ、あの町は俺が住んでいた場所だ、そしてここは俺の居場所だ。」
一番最後のは嘘だけどね、まあいいのさ。
「逃ゲロ!!オ前達!!」
残ったゴブリンが散り散りとなり逃げていく、より深い場所や出口のある方向へ、だがその先は既に塞いである。
「通レナイ!!全部塞ガレダ!!」
「当然だここは俺の住処だったからな、横道も裏道も何がどこにあったか全て知っている。」
「...分かった、でも小さい子だけは見逃してあげて。
ここは盗品だろう物も多かった、それを取り返しに来たんでしょう?私は剣を収める。」
何かすごい勘違いされてる...
まあいいや、うん別にいいや。
てか殺そうとしているのに全然殺せないんだが、何この人強過ぎでしょ。
——魔術は閉鎖環境で使うのは危険だしね、どうしたものか。
「若い子とか関係ないだろう?
俺は過去にこのカス共に色々なモノを奪われたんだ、よく分からない趣味に突き合わされたりもした、それに俺は何が何でも死にたくないんだよ。
——この子達を殺さなかったら彼らは復讐を誓うだろう、だから全員殺すんだ、俺みたいに牙を剥かれたら大変だろう?収集がつかなくなるだろう?だからだよ。」
説得に切り替えて、情に訴えてゴブリンを捨てさせるか。
「何でそこまでするの?何でそこまでできるの?」
「それを見てきたから、それをされてきたからだ。」
「もうやめなさい!!これ以上やるなら手加減してあげられない!!」
俺のセリフでもあるぞ?
「道を開けろ、死にたくなかったらな。」
その瞬間エルフは本気を出したのだろうか?魔力の圧力が一気に上がり、その魔力に任せた身体強化で服を裂かれて投げられた。
「——その体は何?」
彼女は俺の傷だらけの腹を見て言葉を失っていた、何でもないよくある怪我を見てな。
「何が言いたいんだい?」
「それが...その傷をゴブリンに負わされたから?」
バツの悪そうな悪そうな顔をして恐る恐る聞く彼女、少し繊細が過ぎるな。
「いやそれは別件、ただそれなりの傷は彼等にも負わされたから、でもそれとは別だ。」
「なら何で!!あなたの恨むゴブリンはもう居ないのよ!!」
「何を勘違いしているんだ?別に恨んでないよ、所詮処女をコイツ等に奪われて何日間も凌辱されただけだ。
ここに居るゴブリンだけは滅ぼさなきゃいけない
ただそれだけだよ、最後だ、そこをどいてくれるなら生かして帰してあげますよ。」
「断ります!!あなたには彼らと和解してもらいますから!!」
頭お花畑かよ...
シクシク悲しいよ俺は、そしてついニヤついてしまった。
「故に死んでくれ、故に殺させてもらおう。」
誰がこんな場所で戦うか、俺は逃げるぜ、広い場所じゃないと衝撃魔術が使えないし生きた心地がしない。
わざわざゴブリンを一匹づつ殺す必要はない、衝撃で洞窟の全ての入り口を陥没させるしかないな、そのあとに酸素を焼いて換気する事にしよう。
「何をする気?!」
「殺す気だよ、さあ笑いたまえ永く生きた妖精よ、死にたくなければな。」
砲撃を耐える皮と肉、末恐ろしい頑丈さだ。
豊満な体付きに種族譲りの美貌、それに加えて底なしの善性...ああ唆られる。
「ごめんなさい」
「「魔術行使『衝撃』」」
「「?!」」
——相手も同じ魔術を使ってきた、何だ?もしや魔女さんとの知り合いか。
なるほど手札は同じか、腕力脚力はエルフさんが上だけど技能は同等か、それでCQCは何とかこちらが上だ。
勝ち目はない、強いて言うならば撃ち合いは上回れている筈だ。
「なぜあなたがその魔術を?!」
「魔女が俺を殺し損なった、そして偶然智謀を得る機会を得ていたから。
——まあ全ての原因はあの狂った魔女だ、アイツが町を滅ぼさなきゃ俺も悪くない暮らしができたんだけどね。」
「それが本当なら、それは私の罪でもある。
——私は君を止めなければならない、あの子に魔術を教えた責任をとらせてもらう。」
え責任って何...話飛びすぎじゃない?
「まあ死なないでくれるなら何でも構わないよ、この後が楽しみだ。」
「「...」」
地上に降りてから汎用魔術を使用し地面を隆起させる、地面や岩に邪魔されようとゴリラパワーでエルフは突破してくる。
——これを狙おう、この怪物を殺すには蟲のような戦略が一番だ。
網はある、糸を繋げた、水ヨシ地面に網を隠すのヨシ。
「何度も同じ手は通じないよ!!」
その瞬間彼女の前方からは収束してくる網が、後方からは覆う様な網が迫っていた。
「バーカ!!罠を仕掛けるのに色々とする必要があるだろうが!!」
そして彼女は糸に捕らわれてしまった、彼女は彼の仕掛けた罠に嵌まったのである。
「「...」」
やべ頭から足まで全部土の中に埋まってやがる!!
死んじまうぞこのままだと、ヤバイヤバイ俺の楽しみがなくなってしまう、豪速で俺は土を掘り出してエルフさんの顔を出させた。
「俺の勝ちでいいよね?」
何でそんな大人しいまま涙流すんですかね、気持ち悪いなコイツ、さっさとゴブリンは殺すか、はぁ飽きた醒めた。
「何でもします!!お願いします何でもしますから小さい子達だけは!!」
って言われてもなぁ、まあ赤子なら別にいいか。
——イラつく、これだから女は、他者に条件付けて負けても泣いて泣き落とししてくるのが本当にイラつく。
「黙れゴブリンは殺すんだよ、俺が生きる為に。
——それにそうだ、ならお前が死ぬなら別に赤子だけはそのまま生かしてやってもいい。」
「...何を言っているの?」
「選ばしてやるよ、お前が今ここで死ぬか、彼らゴブリンがここで死ぬ事で根絶やしになるか。
——そして俺が選ぶ予定なのは後者だ、約束は守ってもらうぞ?もしそれを破って欲しいと言うのならお前には死んでもらう。」
「私の命はどうでもいい!!だからあの子達だけは...あの子達だけは助けてあげて!!」
はぁ...気に入らない、心が動いてしまった事が気に入らない。
——色々とある荷物、アイツらが奪っていた道具を回収し、馬車に載せられるだけ載せた。
洞窟は完全に陥没させて内部の酸素を全て炎で焼き尽くす
「何でこんな事をしたの?!あの子達が何をしたの?!
言いなさいよ!!何か言いなさいよ!!」
話が通じない...
興醒めだわ、ストレス発散する気概も出ない、個人的には殺しながら犯すのは趣味じゃないんだがなぁ。
顔面でも一発殴って黙らせるか
「うるせぇよお前、俺が死にたくないからゴブリンを殺しただけだよ、別にお前は俺を殺せる程強くないしエルフは人間を絶滅させる存在に成り得ないから見逃してやるって言ってんだよ。」
「あなたはやり過ぎているわ!!過激過ぎるわ!!
——何であそこまでやる理由があったの?」
「お前の求める理由はない、俺は質のいいベッドでスヤスヤと無心で寝たいが為にあの洞窟で無数に巣喰っているゴブリンを殺した。」
一つ道具を取り出す、ゴブリンが使用していたボウガンと、俺が作ったゴブリンが製作していたボウガンのオリジナルだ。
「これは元は俺が作った奴だった、ただ対人用として用いるには強力過ぎて、そして人間を殺すには有用過ぎる道具でもあった。
このボウガンを使用して魔物を狩り尽くし、ゴブリンが大繁殖したら食い扶持を得る為に人を襲うだろう?10とか20とかなら無視したが、数百数千数万と増えてしまったら私の住む予定の町が襲われるし。」
このボウガンは木を貫くほどの威力がある、やはり過剰な威力を有しているな、12.7mmと遜色ない。
「ここにはこんな威力の矢があったの?」
「そうだ俺が作った」
「あなた凄いのね...記憶を見せてもらってもいい?
話したくないのは分かった、でも私はあなたを知らないといけない、あなたを知らなければ正しく関わる事ができない。」
「記憶を見せる?読心術みたいな魔術でもあるの?
——まあ構わないけど、隠す事じゃないし、その後はどっか行ってよ鬱陶しいし。」
彼女が「ありがとう」と言った瞬間、何かの魔術を発動していたかのような気配がした。
——彼女は何を見たのだろうか、下を向き胃の中を全て吐き出し気絶していた。
「うわぁ、捨ておきながら帰ろ。」
だがバンバが頑なに連れて帰ろうと主張する、何故に?理解できない。
まあいいか、異世界だし奴隷制度も残ってるだろ、容姿に優れ俺と同等に近い戦闘能力を持っている事だし売り飛ばしたらいい金になる筈だ。
臨時収入が沢山だ、もう今世では金に困る事はないだろう。
...てかこの人えっろ、
ゲロ女は生理的に受け付けないし売るか、凌辱趣味のない自分が扱う事はないだろうし。
エルフの森は焼いたらダメだけどゴブリンの家は焼いてもええんやで?