超能力者系配信者です! 作:ホラータイム
ある日、とある文が、某呟いた系の投稿サイトに投稿された。
”20○○年○○月○○日、○時○分に、○○県沖123km地点で、マグニチュード8.7の地震が起きます!近くに住んでいる人は注意してね♡”
この投稿は、とあるインフルエンサ―の目停まり、拡散された。
そして、その未来予知ともいえる投稿がされたアカウントは、瞬く間に大炎上した。
”こーいうネタにもならない投稿ほんとイラつく。”
”何を投稿するのも自由だけど、やっていいことと悪いことがあると思います。”
”おーい特定班まだかー、社会秩序に混乱を巻き起こす犯罪者宅を焼きに行こうぜ~”
”↑お前も犯罪者になる定期”
このように、誰もが、その投稿を信じはしなかった。
まあこれは、当たり前で、むしろ信じる方がヤバい奴だと思う。
この炎上は一時は話題になり、投稿に書かれていた県の地方局のニュースで、少し取り上げられたりした。
このようなネットでのデマには、惑わされないようにと。
ひとしきり大騒ぎした後、時間が経つにつれ皆は次の新しいニュースにすぐに夢中になり、この投稿は忘れ去られていった。
まあ、だいたいこんなもんだろう。
実際に起こった大地震ですら、数年もたてば日常会話から消え去る。
常にフェイクニュースやデマが投稿されているサイトの、たった一つの投稿など、普通はすぐに忘れ去られる運命だろう。
しかし、そうはならなかった。
”いや~まじ○○の引退発表にはショックだわ~”
”まあ、アイドルって職業である限り、いつか来るものじゃない?それはそれとして、悲しいもんは悲しいけど。”
”円満な引退であるだけありがたいことな。お前らも感謝して引退ライブにいってどうぞ”
”あ、そういえば。前にあった予言の日、今日じゃなかったっけ?”
”なんやそれ”
”ほら、一時期超炎上してた、地震を予言してた投稿あっただろ。それが今日でもうすぐ時間じゃないかって。”
”まだそんなこと言ってんのかよ、嘘を嘘を見抜けない人はネットやらん方がいいみたいなことはご存じ?”
”情弱おつ”
”うるせえええええ!!!!地震でお前らがケガしないか心配なんだよ!”
”なんだ優しい人か”
”やさしいせかい”
”やさいせいかつ”
”ここまでテンプレ”
”………”
”……”
”…”
”あれ、おいちょっと揺れてないか?”
その日、その時間、その通り。
まさに投稿された通りに某県を中心とした大地震に見舞われた。
海洋が震源ということもあって、8mを越える大津波も発生し、多くの人が犠牲となってしまった。
混乱は大きく、被害金額も甚大。
地震がもたらした被害は、人々の心に大きく傷を作る結果となった。
そんな混乱が少し落ち着いてきた人々は思い出した。
”そういえば、あの予言の投稿。本当だったんじゃないか?”
投稿は再び掘り起こされ、誰もが確認してしまった。
その投稿内容が、まさにこの大地震を言い当てていたことに。
そして、その投稿は再び炎上することとなった。
”いや、これ本当だったのかよ”
”ガチの未来人説ある?”
”なんでもっと呼びかけれくれなかったんですか!そうすれば犠牲者が減ったかもしれないのに!”
”この投稿者も笑うてるやろうな…。信じんかったお前らのせいやぞって。”
地震による被害者の、八つ当たりじみた声。
傍観者の騒ぎ立てる声。
これを取り上げたインフルエンサーも悪いと、飛び火させる声。
様々な声で、盛り上がる中。その予言をおこなったアカウント。”ツバサちゃんねる”から、再び投稿がなされた。
”やあ、みんな。これで私のことは、信じてもらえたかな☆そうです。実は私は超能力者なんだお♡”
”せっかくお前らのために未来予知してあげたのに、活用できなくて残念('ω')ノ”
”私の投稿を信じなかったせいで多くの人が死にました。お前らのせいです。あーあ”
”ってことで、実は○月○日○時に、某配信サイトで配信者デビューをします!”
”URLはこれ→http:……”
”みんな見に来てね♡”
……と、火に油を注ぐような投稿を行い。火は燃えに燃え盛った。
投稿サイトの運営は、地震被害者の感情を考慮し、このアカウントを停止しようとした。
しかし。
「…すみません。ツバサちゃんねるのアカウントを停止しようとしたのですが」
「どうしたんだね。すでに会議で決まっただろう。後はいつものように処理すればいいだけじゃないか」
「はい。私もいつもと同様に行おうとしたのですが…。これを見ていただけますか?」
「ったく、なんだってんだ。………いや、本当になんだ…これは…」
そのモニターに映っていたのは。
”ヽ(`Д´)ノプンプン私のアカウントを停止するなんてひどいよ~”
”けど残念!できませ~ん!!!!”
と書かれたポップアップだった。
「…もしかしてウイルスか?それかハッキング。いづれにしてもシャレにならんぞ…これは」
「すぐさま原因究明に動きます」
「そうしてくれ、他にも人を回すから、なにが起こったかすぐに明らかにするんだ」
「承知しました」
そうして、運営は原因究明と対策に動いた。
そして、被害に遭った部分は、ツバサちゃんねるのアカウントを、停止できないことのみとすぐに判明した。
運営はすぐさま、その解除を試みた。
しかし、一向に解決の見込みは立たなかった。
「…解決不可能とはどういうことなんだ」
「はい、ウイルス、ハッキング。ありとあらゆる線を当たりましたが、一向に原因がわかりませんでした。うちのエンジニアによると、全てが正常に動いているとのことです。」
「…しかし、現にツバサちゃんねるのアカウントは停止できなくなっているじゃないか」
「その通りです。なにも問題がないはずなのに、問題がおきている。まるで、”超常的な見えない何か”が、我々を弄んでいるようだ。というのが、原因究明に当たったチームからの報告です」
「そうか…。それ以外には被害は見られないんだな?」
「はい、その通りです」
「…なら、公表はしない。」
「…ですがっ」
「”なにかわかりませんけど、問題がおきました。解決は不可能です”なんて言えるわけないだろう。我が社の信用に関わる。個人情報や社内秘が漏れたわけじゃないんだ。事を無用に荒立てる必要はない」
「…承知…致しました。力及ばず、申し訳ありません…」
「君のせいじゃない。何より、例の投稿は君ももちろん知っているだろう?そんな得体の知れないものが、使っているアカウントも、何が起こってもおかしくないだろう」
「…その通り…かもしれませんね」
「はぁ……、例の配信日が今日だったな。どうなることやら」
これは、事情を考慮してアカウントを停止しようとした、某配信サイトにおいても、同様の事態に見舞われた。
誰もが、その配信を止めることができない中。ついにツバサちゃんねるの生配信が始まった。