超能力者系配信者です!   作:ホラータイム

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二話

そして、遂にその時間がきた。

 

”いや、閲覧人数多すぎて草”

”まさか100万人以上集まるとは”

”人数多い割には、全然重くならないな。さすが X Tube”

”やっぱみんな気になるんすね~”

”連投荒らしも多すぎて、コメント欄がマッハで読めない”

”ここまで炎上しながらデビューする配信者もいないだろ”

”そんなことより、未来予知だよ。宝くじの番号とか教えてほしい”

”嘘末でした~笑。で終わることは分かっているのに、期待している自分がいる”

 

 

阿鼻叫喚な様相を見せるコメント欄。

 

果たして何が起きるのか、様々な感情が渦巻くなか、その世界一はた迷惑な配信者は姿を見せた。

 

「みんな~こんばんは!!!!ツバサちゃんねるのツバサだよ!!!!今日は来てくれてありがとう~☆」

 

配信画面に映し出されたのは、ピンク髪を姫カットにして、アクセサリーでデコりまくった。やたらと騒がしいギャルだった。

 

”テンション高くて草”

”ていうか、結構かわいくね。目が痛くなるようなコーデだけど”

”背景は薄暗いけど普通の部屋っぽく見える”

”あ~この感じは承認欲求が暴走した噓つきですわ”

”震災で亡くなった子供を返して!”

 

「みんなもご存じの通り、私は未来予知ができます!だけど、未来人や占い師じゃありません!私は”超能力者”です!」

 

”超能力(笑)”

”じゃあそこで浮かんでみてくださいよ”

”発想が古くて草。いつも職場で浮いているのはお前定期”

”やめろよ、死人がでるぞ”

”っていうか、なんか急にコメントの流れが遅くなってね?”

”ホンマや、なんでやろ。今一番コメントされるタイミングだろ”

 

「そして、私が超能力者であることは、未来予知で証明したと思いますが、まだ信じてない人も多いよね!そこで~~♡。コメント欄に連投してるひとや、不適切なコメントをする人。ついでに、私が嫌と思うコメントをした人のアカウントを、全部、一斉に破壊☆しちゃいました!私は早くても全部見えますが、みんなが見やすくなってよかったね!」

 

”は?嘘…ですよね?”

”急に閲覧人数が数万人ごっそり減ってて草”

”ってことは、減ったアカウントが全部削除されたってこと!?」

”荒らしCOします。アカウントが強制的に、いきなり削除されました。今サブ垢で見てます。許さん”

”荒らしさん逆ギレで草”

”少し信用性がでてきたな。まあ、未来予知の時点である程度あったけど”

”けど、まだ普通に実現可能な範囲だろ”

”じゃあ、どうやってするか言ってみろ”

 

「それでは、なぜ私が未来予知の投稿をしたのか。なぜ配信を始めたのかしゃべっていっちゃうよ~」

 

 

通常では不可能なことを目の前で行われて、困惑しながらも、少し受け入れ始めている視聴者。

それで満足したのか、ツバサは次の話題へと移った。

 

「それじゃあ始めに、なんで私が地震を予知して投稿したのかというと……。まあ、ぶっちゃけ売名だよね。元から配信したいとは思ってたんだけど、視聴者を集めるにはどうしたらいいかなって考えて投稿したんだよ~」

 

 

”まあそうよね”

”それ以外ないよね”

”知ってた(迫真)”

”この調子でしゃべる人が、地震で出る被害者を減らすため……なんて愁傷なこと言うわけがないよねって”

 

 

「失礼な!私にも少しは残念だなって思う気持ちはあるよ!」

 

 

”少しは←ここ重要”

”ハイ、ソウデスネ”

 

 

「…まあ、私の知らない人がいくら亡くなっても、”あら大変、怖っ、戸締りすとこ”としかならないよね」

 

 

”ぶっちゃけやがったこいつ”

”クズで草”

”だけど俺らもそうだよな…。ニュースで殺人事件を見ても、しょせん対岸の火事としか思わないよな…”

”そんなことより、超能力の詳細をはよ”

 

 

「それじゃあ、次になんでこの配信をしようと思ったのか発表するよ~!超能力については、後で質問受け付けるから、ちょっと待ってね♡」

 

「まず、私は、生まれた時から超能力が使えたの!某ジャンプの超能力者の高校生みたいにね!それで、超能力を使って、なにか面白いことできないかな~って考えて、思いついたの!そうだ、配信者になろうって!」

 

 

”浅っっっせ~~~”

”○木さんを見習って、どうぞ”

”超能力を、一番持たしてはならない奴に渡ってしまったたくさいな”

”くそ!なぜこいつじゃなくて俺に発現しなかったのか!!!!”

 

 

「うるさいで~す。…はい!それでは、私が配信者になった理由を盛大に発表した所で、さっそくですが、質問したくてうずうずしているお前らのために、今から質問タイムにしまーす。コメントに書き込んでちょ♡」

 

 

 

”これからの配信ではなにをするの?”

 

 

「おや、超能力についてじゃなくて、配信についての質問が真っ先にくるとは。このリハクの目をもってしてもうんにゃらと。…配信内容ね!リクエストのあった超能力のお披露目とか、雑談をメインに考えてるよ~。コラボとかもできたらいいかも!」

 

 

”こいつと絡みに行く配信者はゼロ定期”

”ちょっと今は危なすぎるよな。大炎上真っ盛りだし”

”いや、炎上系配信者ならワンチャン…”

”質問です。未来予知以外にできることはありますか?”

 

 

「はい、次の質問いくよ~!…未来予知以外の超能力はね~。いろいろあるよ~。これが本当にいっぱいあって、某○木さんなみにいろいろできるんだよね!きりがないから、”○○できますか?”って質問にしてね‼ ちなみに、アカウントを削除したのは、言霊だよ~」

 

 

”ことだま?なんやそれ”

”某呪術の漫画のアレみたいなかんじか?”

 

「そうそれ!まあ、もっと自由度は高くて、どっちかというと。○ゼロの虚飾の権能に近いかな?やりたいことを口に出すと、だいたい叶うって感じだよ~。それで、”なんか荒らしてるアカウントやいやなアカウントよ!消えろ!”って配信直前に言ったんだよ~」

 

 

”無敵すぎて草”

”え……、ちょっと強すぎません…?”

”えやだ、こわ…”

”それ使えるなら、もう他の能力いらなくない?”

 

 

「便利なんだけどね~。ちょっと大雑把になることも多いから、細かいことには少し向かないかな~。トイレットペーパー出そうとしたら、箱で大量に出しちゃったりとかね!」

 

 

”ふ~ん。ほな使い勝手悪いな……ってなるわけないやろがい!”

”物質創造とか、エントロピーの法則が乱れる……”

”もはや神じゃね”

 

 

「神じゃないよ~~。…なんかさっそく私を神認定したり、悪魔認定したりしてる宗教がたくさん出てきたけど、私はそれに対しては、”ふ~ん”という対応なので。好きにすればいいけど、私は関知しません!」

 

 

”まあそうよね”

”好きにすればええ、けど自分を巻き込むなが一番!”

”けど、それで自宅凸とかされたら怖くない?大丈夫?”

”いや、そこは無敵の超能力でなんとかするやろ”

 

 

「おっ!私を心配してくれてる優しい兄貴がいますね!そんなあなたには、私のお助け権をプレゼント!ちなみにお助け権とは、私に頼み事を1回できる権利のことです!公序良俗をある程度守り、私が嫌と思わなければ、叶えられる範囲でなんでも叶えてあげます!」

 

 

 

”欲しいいいィ!!!!”

”5000兆円ください!”

”今日一番の大盛り上がりで草。……自分の○ンポを3cm大きくしてください(ボソッ)”

”短小アニキ。オッスオッス”

 

 

「は~い!お助け権を与えた人の願いしか聞かないので、コメントに要望を書いても無駄だぞ~!欲しかったら、私を喜ばせる何かをすることだね!!!!」

 

 

”その、なんていうか。その…美人ですね”

”そう、なんかツバサちゃんっていいよね”

”お前のことが好きだったんだよ!”

”お姉はん、元気いっぱいでよろしおすなぁ”

”なんか京都の人いない?そして、それは褒めてるのか?”

 

 

「さて、話を戻しまして、自宅凸は心配ご無用!この空間は異世界として完全に独立しているので、現世からは侵入不可です!残念でした!」

 

 

”ついには世界まで創造し始めたぞこいつ”

”これは…神…かもしれない”

”本当に人の子か怪しくなってきましたね…”

 

 

「ちゃんと人の子です~。一応親はいたよ~」

 

 

”ん?いた?”

”おっと”

”雰囲気が怪しくなってきましたね”

”まさか、能力の暴走で…ころ…”

 

 

「殺してないですーー!ちょっと私の記憶を失ってもらっただけですーー!」

 

 

”ん?”

”どゆこと?”

 

 

「…私の未来予知は、まあ、普通にしてたら間違いなく当たるんですけど。私自身の未来は直近の未来しかわからないんですよね…。」

 

「なんでかっていうと。私自身が、一番の変数だからです。例えば、私以外の未来の悪い出来事は、私が未来予知した時点で回避可能になります。しかし、その予知を、私が他者に伝えた時点で、その未来は変わるわけです。となると、常に未来予知できる私については、その瞬間ごとに、観測した未来が変わってしまいます。よって、自分についての予知は、時間が遠くなればなるほど、信頼性が失われるんですよね。」

 

「となると、ある心配が出てきてしまうんです」

 

「私が闇落ちして、人類絶滅とかに踏み切らないかと」

 

「いわば、愛などいらぬ!ってやつです。…私が大切な人を失って、その人のいない世界なんていらない!って本気で思ったら、そうなってしまうわけです。それで、人類の崩壊につながることは私も不本意です。」

 

「それなら、最初から闇落ち要素を排除しなければと思って、私はかつての家庭に誕生しなかったということにしました。もう、戸籍も存在しませんし、誰の記憶にも残っていません」

 

「すこし悲しいですが…。今でも必要なことだったと思っています」

 

 

”やばい、なんかめっちゃシリアスやった”

”想像以上に重たい理由に、なんか泣きそうになってきました”

”超能力なんかの強い力もメリットばかりやないんやな…”

 

 

「そうだね……。自分語りごめんね!ちょっと雰囲気が盛り下がっちゃったからここら辺で一反配信を閉じようかと思うよ!次回の告知は投稿サイトでするからね!それじゃ次回をお楽しみに~」

 

 

”うわ、あからさまな空元気みてると、心に来る”

”聞きたいことまだまだあるけど、また次回やな”

”とりあえずゆっくりするんやで”

 

 

そこで、最初の配信は閉じられた。

 

ここでの発表事項は世界に広まったが、何より驚かれたのがその超能力の自由度である。

いまだに少ししか判明していないが、その有用性は果てしない。

 

それでさらにお助け権である。

 

ほぼ何でもできると考えられるような力をもった人物への、お願いできる権利。

 

誰もが、その権利を欲し、何をしたらいいか頭を悩ませ続けた。

 

しかし、成果が特に何もないまま、次回の配信日を迎えるのだった。

 

 

 

 

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