名もなきルビコニアン   作:ぶたたけ

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用語集+本編 2月19日『花』・2月20日『企業戦士』

『用語集』

 

《花》

レースで作った装飾品、リボン等の総称。

アイビスの火以前のルビコン入植者たちが花の代用品としてレースの装飾品を利用し始めたのが起源。

ルビコンでは冠婚葬祭及びプロポーズ等の祝い事の際に《花》を贈る習慣がある。

 

ルビコンの市街には先祖を弔う儀式として町中にロープを張り、《花》をロープに結びつける。

《花》が風に揺れるとそれが結びつけた人々の祈りとなって先祖達に届くと信じられている。

 

《酒》

ルビコンで一般的に流通しているお酒の代用品。ミールワームの体液を炭酸水で割ったもののことを指す。

本物のアルコールも流通してはいるが、星外から輸入する他に手段がない為一般人では手に入れることがほぼ出来ない。

味はあまり良くない。

 

《五本指》

ルビコン解放戦線のサム・ドルマヤン、インデックス・ダナム、ミドル・フラットウェル、リング・フレディ、リトル・ツィイーの五人の総称。

ただし、五本指のうち一般ルビコニアンに知られているのはドルマヤン、ダナム、フラットウェルの三人のみで、あとの二人については存在していることだけが知られている。

 

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2月19日『花』

 

惑星ルビコンにおいて『花』という言葉はレースで作った装飾品のことを指す。

装飾品は祝いの席や愛を囁く時、そして別れの時に贈られる。

 

私はその飾りを売る花屋だ。

この頃は寝る暇もない程多忙である。

 

店に花を並べても、その日のうちに売り切れる。

墓に飾る花が全然足りない。

死人が多すぎる。

店に閑古鳥が鳴くのを望む日が来るとは思わなかった。

 

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2月20日『企業戦士』

 

今日は変な客が来た。

企業の兵士だ。

 

一応は身分を隠そうとボロのジャケットを羽織っているが、首元から見えるデバイスが明らかに綺麗で質が良い。

 

解放戦線の勢力圏内に、単身堂々とやってくる奴がいるとは思わなかった。

所詮はルビコンの端にある小さな町、大した武装も無いと思ったのだろうか。

その見当は当たっているので、仕方なく対応をする。

 

「親父さん、合格祈願のお守りってどれですか!?」

 

威勢のいい声で若者が私に尋ねる。

うちをお守り屋だと思っていたらしい。

 

「ウチは花屋だからお守りは無い。」

 

そう言うとあからさまに肩を落としてしまった。

なんでも、今度レッドガンとかいう部隊の正式パイロットになれるかどうかの試験があるらしい。

 

願掛けにどうしてもお守りが欲しかったと言うので、ガーベラ柄のブレスレットを渡してあげた。

 

ガーベラの花言葉は『希望』

 

そのことを伝えると無邪気にありがとうと喜んでくれた。

 

明日にはルビコニアンを殺す敵になるかもしれないが、今この瞬間だけは彼の夢を応援してあげようと思う。

 

 

追記

 

元気のいい若者を見ているとついつい優しくしてしまう。

恨むべき相手と思っていても実際の人間を見ると、相手も生きていると実感してしまう。

 

このことはあまり考えたくない

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