仮面ライダー鎧武 All For The Future   作:エクシ

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第10話 「ニヴルヘイムの真実」

鎧武 ジンバーレモンアームズはソニックアローを構えた。シグルドも同じくソニックアローを構える。信継は射撃の当たった胸の部分を抑えながら校舎の壁に寄り掛かった。鎧武とシグルドは同時に動き出し、お互いの斬撃をソニックアローで受け止める。刃と刃がぶつかり合う音が鳴り響く。それを繰り返すたびに徐々に鎧武がパワーでシグルドを押し始めた。シグルドも負けじと両手でソニックアローを持つもジンバーレモンのパワーには勝てない。とどめとばかりに鎧武はカッティングブレードを一回おろした。

 

 オレンジスカッシュ!ジンバーレモンスカッシュ!

 

鎧武はジャンプするとシグルドの方向に向けてオレンジとレモンの輪切りの形をしたエネルギーが現れた。それを通過していきシグルドのアームズ部分にキックを決めた。シグルドは吹っ飛び、ゲネシスドライバーに取り付けられていたチェリーエナジーロックシードは着地した鎧武の足元に転がった。強制変身解除したフェンリルはヨロヨロと立ち上がり、ダンデライナーを召還した。

 

「これでは終わらぬ…、次はニヴルとともにお前たちを倒す…。」

 

そういうとダンデライナーに乗った。それを見た信継はビデオカメラを取り出しフェンリルの様子を撮影する。フェンリルは加速していくと黄色の花びらのようなものとともにクラックの奥へと消えていった。

 

 

 

 

 

「あ”あ”…ぐ…」

「懐かしいなあぁ、戦極ドライバー。それレベルじゃ私を倒すことはできないよ、零児君」

 

デュークは余裕がある言い方でバロンを挑発する。バロンはパナスピアーを使って立ち上がり、再びデュークに挑む。だがデュークはソニックアローによる的確な射撃でバロンの手足にダメージを負わせていく。

 

「いい加減あきらめたらどうだい?その戦極ドライバーを破壊させてくれたら命は保証してあげるよ。」

「…ふざけるな!」

 

 バナナスパーキング!

 

バロンはバナスピアーを地面に突き刺すと同時にデュークの足元からバナナ型のエネルギーが現れ、デュークを襲う。そのエネルギーに吹き飛ばされるデューク、だが大して効いてはいないようであった。

 

「いてて、やるじゃないか。」

「ハァ…ハァ…」

「息が上がっているようだ、さぁもうあきらめてくれ。」

「…まだまだぁ!」

 

バロンは接近戦をデュークに仕掛けるもボロボロの体では敵わない。すぐにデュークに反撃をされてしまった。

 

「なぜそんなに戦いを好むんだい?」

「別に戦いが好きなわけではない、俺自身の強さを証明したいだけだ…他でもない…この俺自身の!」

「力を証明してどうする?」

「…支配だ。」

「なんだって?」

「アーマードライダーの力があれば世界を支配するのも夢ではない。だがお前ら部外者に余計なことをされるのもうざったいからまずお前たちを排除する。」

「おいおい、たかが高校生が支配って…中学生じゃないんだよ、零児君、ハハハ!」

「俺はずっと親父の陰に隠れていた。俺がいくら努力し力や知力を得ても誰も認めようとはしなかった…俺は俺自身の力で世界を支配することで周りを認めさせる!」

「…ふーん。」

「さぁいくぞ!」

「はい、ストップ。ここで戦いは終わりだ。」

 

デュークは変身を解除し元の青年の姿に戻る。

 

「なんだと!?」

「天樹零児くん。君のことを気に入ったよ。今からニヴルヘイム世界に私とともに来ないかい?」

「なんだと?ニヴルヘイム?」

「私たちの世界さ、この人間世界とは別のね。もし君がこの世界を支配したら次はほかの世界に行くんだろ?そのための社会科見学だと思ってさ、な?」

「何をたくらんでいる…?」

「さぁなんだろうねぇ。とりあえず、はい。渡しておこう。」

 

青年はローズアタッカーを零児に渡した。

 

「貴様…」

「私の名前はニヴル。さぁ行こうか、ニヴルヘイム世界に。」

 

ニヴルは自分のローズアタッカーの錠前を開き召喚した。零児もバイクの姿に変えると二人はエンジンをふかせ、やがて屋上からクラックを通って別世界へと旅立った。

 

 

 

 

 

零児はいつの間にか廃墟でローズアタッカーを走らせていた。右を見るとニヴルが並走している。ニヴルがバイクを止めると零児も止め、二人は丘のようなところに出た。

 

「さぁようこそ天樹零児くん。ここが我々の世界 ニヴルヘイム世界だ。」

 

零児の視線の先には廃墟しかなかった。ビルのようなものが倒れ、町のような場所も瓦礫しか残っていない。とてもじゃないが生物が生きていけるような環境ではなかった。しかしよく目を凝らすとところどころで動く影がある。それはヴェルダーであった。

 

「この世界で生きているのは私の仲間とヴェルダーだけさ。それ以外はみーんな死んでしまった。」

「なぜだ?」

「ヴェルダーが食ったのさ。」

「なに!?」

「ヴェルダーは他生物を食ってその食った生物の能力を力にする生物なんだよ。あいつらが暴走してこの世界は滅んだ。」

「なぜ抵抗しようとしなかった?あれほど繁殖する前に殲滅すればよかっただろう、そのベルトの力で。」

「あーちょっといろいろ順序が違っているな。まずヴェルダーは繁殖はしない。もともとあの個体数なんだ。いきなりあれだけの数が現れた。この世界は生物学が進んでいたからね、誰かがヴェルダーを産み出したんだろう、大量に。んでヴェルダーが世界を壊してから私がゲネシスドライバーを作ったんだ。一時的にでも彼らをコントロールできる”ヴェルダーコントローラーシステム”を搭載してね。」

「こんなものを見せて俺に何が言いたい?」

「そうだねぇ、何が言いたい?か。私は…いや私たちはヴェルダーによって滅んだこの世界を救おうとしている…といえば言いたいことがわかるかな?」

「……これだけ崩壊した世界をも復元できる力が存在するということか?」

「そう、正解。それを私たちは狙っている。”黄金の果実”それを手にしたものは全知全能となり森羅万象を司るという。」

「どこにある、その果実とやらは。」

「ヘルヘイム世界さ。」

「ヘルヘイム世界?」

「かつて人間世界の黄金の果実を手にした男がいた。そいつは世界を救うためにその力を使ったんだ。ヘルヘイムやインベスをすべて別の惑星に送り地球を救った。私たちはその惑星のことをヘルヘイム世界と呼んでいる。」

「それでそのヘルヘイム世界ってのには行けるのか?」

「簡単さ、そのロックビークルで行けばいい。」

 

拍子抜けする零児。それを見たニヴルは笑いながら話を続ける。

 

「この世界はまだヘルヘイムの森に選ばれてはいないんだ。だがいずれ選ばれる時を待っていられるほど私たちも我慢強くない。現在ヘルヘイム世界に黄金の果実があるのだからそいつを戴いちゃおうってわけさ。」

「なるほど…全知全能の力か…それでなぜ俺にそれを話す?」

「いや~?別に。君が世界を支配しても他のやつが黄金の果実を使えばそんなの簡単に革命を起こされるって教えてあげただけさ??」

 

わざとらしい身振りと手振りで言うニヴル。「何か企んでいるようだが俺には関係ない、むしろいいことを聞けた。」零児はそう思っていた。

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