仮面ライダー鎧武 All For The Future 作:エクシ
第1話 「変身!再び空からオレンジ!?」
「なんか…近代になってから覚えること増えたな…。」
慧は教科書を閉じ、図書館を出た。どうしても歴史は苦手だ。自分に何も関係がないことなんて覚えても無駄だ。自分にそう言い聞かせ、日本史の単位は諦めることにした。
「慧!」
慧を呼ぶ透き通った声が後ろから聞こえた。日菜子だ。
「もう勉強やめちゃったの?」
「う…おれは理系なんだよ…!」
「じゃあなんで日本史なんてとったの?」
日菜子の悪意のない質問は容赦なく慧を不安へ誘っていく。慧は話題を変えるために頭をフル回転させた。
「そうだ!シャルモン!シャルモン行こうぜ!」
「あ!いくいく~!」
その二人を物陰からアタッシュケースを持つ青年がじっと見つめていた。
老舗のケーキ店 シャルモンで慧と日菜子は放課後を過ごしていた。シャルモンには歴代の店長の写真が飾ってある。一番右にはごく一般的にいそうなパティシエの相貌の現在の店長の写真があり、その隣にも同じような顔をした男性の写真があった。さらにその左隣にはメガネをかけた茶髪の二代目店長の写真、一番左には誰もが二度見してしまうような相貌の初代店長の写真が飾られていた。慧は初代店長の写真を見るたびに吹き出していたが、もう慣れたようで今は苦笑いする程度であった。
「あ、まただ。」
日菜子は小型端末をいじりながら呟いた。
「なにが?」
「怪人だよ。ニュー沢芽シティでまた怪人が出たんだって!」
「テレビでやってなかったぞ?そんなニュース。」
「う~ん、でもネットにあるし…。」
「デマだろ。今は超情報化社会なんだぜ。正しい情報と間違った情報をきちんと判断できるようにならないといけないんだ、わーったか?」
「…それ今日の情報の授業で先生が言ってたことのまんまじゃん…。」
「あのな」
その時、慧の視線の先の空中に突如チャックのようなものが現れた。それが開くと中からインベスが姿を現した。
「あ…あ…」
「どうしたの?慧。」
日菜子は振り向くと悲鳴を上げ、慧の服の裾を引っ張り逃げようとする。
「ははは…早く逃げなきゃ!!やっぱ…いたんだよ…!」
「あ…あ…。」
目の前の現象に驚きを隠せない慧は口を開けたままインベスが近づいてくるのを見ていた。インベスは慧たちのそばにゆっくりとではあるが迫ってくる。
「慧!慧!!」
日菜子は下にうずくまってしまった。気が付けばインベスは慧の目の前にいた。「何おれビビってるんだよ…日菜子を守らなきゃ…。こんな俺じゃダメだ…!」
「うおおお!」
慧は金縛りからとけると右手の拳をそのインベスに叩き込んだ。だが全く効いていない。インベスは慧を薙ぎ払った。慧は吹き飛ばされ、アスファルトに体を強くうちつける。インベスが慧に再び攻撃を仕掛けようと走り始めたとき、インベスは銃声とともに倒れこんだ。インベスが倒れるとその先に白い鎧武者がいることに慧は気が付く。
「やはりここでクラックが出現していたか。少し寄り道をしてしまっていてな、遅れてしまった。すまない、織河慧。」
「誰だ?」
「私は呉島信継。アーマードライダー斬月だ。」
斬月はそう言うと無双セイバーでインベスに斬りかかる。怪人は成すすべなく攻撃を食らっていく。このまま斬月の勝利かと慧は思ったが、斬月の後ろで再びクラックが現れ、中から別の青のインベスが現れ、斬月を後ろから攻撃した。1対2となり斬月は劣勢になる。斬月は二体のインベスに吹き飛ばされ、慧の近くに落下した。
「く…やはり私だけでは無理か。織河慧、君にはこれでインベスと戦ってもらいたい。」
斬月はそう言うとアタッシュケースから戦極ドライバーを取り出し、慧に差し出した。
「え?どういう…?」
「すまん、説明している時間は今はない。それと…これも。」
オレンジロックシードを慧に投げると斬月は再びメロンディフェンダーを構えながら無双セイバーでインベスに再び挑んでいく。
「これで…戦えるってことか?」
慧は戦極ドライバーを腰に当て、装着した。うずくまる日菜子を慧は見つめ、決意した。「そうだ…日菜子を守れるような男に…変身しなくちゃ…!」
「おい!アンタ!これどう使うんだ?」
「鍵を開錠しろ!それをドライバーにつけ、ブレードで切れ!」
いまいちよくわからなかったが慧はロックシードを開錠させる。
オレンジ!
「オレンジ…?」
慧はそれをドライバーに取り付ける。
ロックオン!
そしてブレードを動かした。
ソイヤッ!オレンジアームズ 花道 オンステージ!
慧の頭上にクラックが現れ、オレンジ型の鎧が降ってくる。慧はかわそうとするもすぐに慧と融合し、鎧が展開された。
「な…!」
「よし、アーマードライダー鎧武、一体は頼んだぞ!」
斬月は慧を鎧武と呼ぶと最初に現れたインベスだけに攻撃を再開した。もう一体が斬月の背後を襲おうとしているのを見た鎧武は大橙丸でそのインベスを斬りつけた。
「これ…すげえ!」
鎧武は呑み込みが早いのかどんどんインベスにダメージを与えていく。すぐに腰にある無双セイバーにも気が付き、二刀流で攻めていった。一方、斬月はカッティングブレードを二回下ろした。
メロンオーレ!
無双セイバーとメロンディフェンダーでの斬りつけ乱舞によってインベスを倒した。
「鎧武!カッティングブレードを一回下ろしてみろ!」
おそらく斬月が言ってるカッティングブレードとはこのことだろう。鎧武は先ほど操作したブレードを一回下ろす。
オレンジスカッシュ!
大橙丸にパワーが溜まっていくのを感じた鎧武はそれでインベスを斬りつけた。瞬く間にインベスは爆発によって消滅する。ため息をつく鎧武に斬月は話しかけた。
「アーマードライダー鎧武、君の力を借りたい。」
第1話、読んでいただきありがとうございます。どれくらい更新できるかわかりませんが頑張って更新したいと思っているのでよろしく尾根がします。