仮面ライダー鎧武 All For The Future 作:エクシ
織河桜子はポテチを頬張りながら夕方のニュースを見ていた。
「次のニュースです。A県ニュー沢芽シティの高司神社にあるご神木が今朝、急成長しました。高司神社は2004年に破産しましたが、2015年にふたたび再築され現在まで残っています。このご神木は…」
「えー高司神社、テレビに出てるよ…。」
ぽかーんと口を開けてみている桜子。そして家のチャイムが鳴り、桜子はテレビを消すと玄関まで行き、鍵を開けた。
「ただいま、桜子。」
「おかえり!お兄ちゃん!あ、日菜子さんもいらっしゃい!…えっと…?」
「私、呉島コーポレーション研究部主任 呉島信継という者です。お兄様と少しお話をさせていただきたく伺った次第なのですが…」
「は…はぁ…」
「とりあえずちょっとあげるから。いいよな?」
慧はそういうと二人を自分の部屋にあげた。そして部屋のドアの鍵を閉めると信継に話しかけ始める。
「で、インベスってやつらが地球を侵略しようとしててそれをこの戦極ドライバーでアーマードライダーになって阻止すればいいってことか?」
「まぁ簡単に言えばそうなるな。」
「てかなんでそんなあんたは詳しいんだ?」
「インベス…いや正しくはヘルヘイムが地球を侵略しようとしたのはかつてもあった。そしてその時ヘルヘイムと戦っていたのが私の先祖である呉島貴虎だ。その仲間に葛葉紘汰もいた。」
「葛葉って…母さんの旧姓だ。」
「君は葛葉紘汰の姉、葛葉晶の子孫だ。」
「そ…そうなのか。」
「過去にヘルヘイムの危機が去ったためにその対抗手段である戦極ドライバーを処分したことがあった。だが新たに敵が現れ、対抗手段がほぼなくなってしまうという事態に陥ったことがあったそうだ。そのような事態がもう起きないようにするために貴虎は戦極ドライバーの情報やヘルヘイムに関することを資料とデータにまとめ、それを呉島家を継ぐ者が引き継いでいくようにした。私は貴虎が残した資料とデータを父から託されたんだ。」
「へ…へぇ。」
「その資料の中にアーマードライダー鎧武は葛葉晶の子孫を選ぶように書かれてあった。」
「なんでだよ!?」
「私にもわからん。貴虎は何か考えがあってそのような資料を残したのだろう。」
「にしても慧がいきなり変身して戦わなくちゃいけないなんて…。」
ずっと黙っていた日菜子は心配そうに慧を見つめた。そんな日菜子を少しでも安心させようと慧は冗談を言い和ませようとする。だが信継はきちんとした姿勢を崩すことなく、慧に対し話を続けた。
「戦極ドライバーは作るのにかなりのコストがかかる上に高難度な技術を要する。実際、過去に作れたことが奇跡なくらいだ。ましてや量産化なんぞ今は不可能。だから戦極ドライバーは現在、すべてイニシャライズを必要とするバージョンになっている。」
「イ…イニラ?…結局何が言いたいんだ??」
「つまりその戦極ドライバーは今君にしか使えない仕様になっている。君にはアーマードライダー鎧武として戦ってもらいたい。」
信継は慧にまっすぐな視線を浴びせる。その視線に耐えきれなくなった慧は思わず了承してしまった。信継はそれを聞くと内ポケットからパインロックシードを取り出し、慧に渡すとすぐに帰って行った。
翌日の朝、慧は学校に向かって走っていた。慧が通う学校は第3天樹高校である。昔からある第1天樹高校は相変わらずの超難関進学校であったが、第3天樹高校は悪く言えば”たかが知れている”レベルであった。だがそんな学校にもエリートは存在する。
「今日も凡人たちが登校してくるな、斗真。」
「そりゃあお前からしてみればみんな凡人だろ、零児。”文武両道”まさにお前のためにあるような言葉だ。」
「ふん…。朝礼が始まる。行くぞ。」
第3天樹高校生徒会長 天樹零児と副会長 浪川斗真は生徒会室を出て校庭へ向かった。全校生徒はすでに校庭に整列している。彼らは整列している生徒たちの前に出ていくことが好きだった。「この学校を支配している。」それを実感できるからだ。二人は朝礼台に上り、朝礼を始めようとする。だが零児の視界に急いで走ってくる男子生徒が入り込んだ。「遅刻か…。腹立たしい。」だが零児は気にすることなく朝礼を始める。面白くもない校長の話は零児の権力で20秒に短縮させ、すぐに生徒会からの連絡までもっていき、再び零児が朝礼台に立つ。「今度はジャマするものはいないようだ…。」ニンマリ笑い、話し始めようとするとまたもや零児の視界にジャマ者が映り込む。「やれやれ、次は誰だ?」目を凝らしてみるとそれは人間ではない。赤いインベスであった。たちまち生徒たちは悲鳴を上げながら逃げていく。インベスは人々を襲い始めた。
「な…なんだ、あれは!」
「おい!零児!やばい!逃げるぞ!」
斗真は零児を呼ぶが、彼は近くにあった木の棒を拾うとインベスに挑んだ。
「うおおおおおお!」
だが棒は折られ、すぐに吹っ飛ばされる。零児は自分の無力さを生まれて初めて実感した。それと同時に自分より強いものがいるこの状況を打開したくて仕方がなかった。「棒なんぞなくてもまだ俺にはこの拳がある…!」零児は再び立ち上がりインベスに挑もうとした。しかしその前に慧が現れる。
「ったく、学校にもインベスかよ。」
「インベス…?」
「生徒会のみなさんよ、下がっててくれ。変身!」
オレンジ!ロックオン!ソイヤッ!オレンジアームズ 花道 オンステージ!
慧は鎧武に変身し、インベスに斬りかかる。零児は目の前の現象に驚きを隠せなかった。自らの力が通じなかった相手と渡り合っている者がいる。それは零児自身の存在意義を脅かすものであった。
「くっそ!パワーが足りねえ!」
鎧武は大橙丸と無双セイバーで何度も斬るもインベスにダメージを与えられていなかった。インベスは鎧武に反撃し始め、鎧武はピンチに陥る。
「くっそ、どうすれば…。」
「慧!昨日もらったロックシード、使ってみたら!?」
日菜子が鎧武に叫ぶ。
「そっか!よっしゃ!」
パイン!ロックオン!ソイヤッ!パインアームズ 粉砕 デストロイ!
鎧武はパインアームズへとアームズチェンジし、パインアイアンをインベスにぶつける。インベスは確実にダメージを負っているようであった。
「よっしゃ!いけるぜ!」
ソイヤッ!パインスカッシュ!
パインアイアンをインベスに投げつけ動けなくさせると鎧武はキックをインベスに放った。キックが決まるとインベスは爆発とともに消滅した。
さらに翌日、慧はまた遅刻しそうになり、走っていた。
「今日朝礼ないから遅刻したらぜってえバレる!!やべえ!」
なんとかギリギリ時間内に校門に着くと慧はため息をつきながら歩きに変えた。校舎に入ろうとすると人が全くいないことに気が付く。慧は不審に思い、あたりを見回し、人を探すと校庭に大勢の生徒が円になって立っているのが見えた。慧に気づいた生徒の一人が慧の腕を引っ張り、円の真ん中へ慧を入れた。そこには零児がいた。
「待っていたぞ。織河慧。」
「あ、あんた…生徒会長?てんじゅ…れいじだっけ?」
「あまきだ。まぁそんなことはどうでもいい。今戦極ドライバーは持っているな?」
「なんで戦極ドライバーのこと…?」
ニヤリとすると零児は戦極ドライバーを取り出した。
「な!」
「ふん、本当の力というものを教えてやる。」
零児はドライバーを腰につけ、ベルトを展開させた。そしてバナナロックシードを取り出す。
バナナ!
「変身」
ロックオン!カモン!バナナアームズ ナイトオブスピアー!
零児はアーマードライダーバロンに変身した。
第1話がアップしたばかりなのに多くの方が読んでくださっているようで大変うれしいです。ありがとうございます。
これからも頑張りたいと思うので是非ともよろしくおねがいします。
また感想なども待っていますのでよかったら書いてください!