仮面ライダー鎧武 All For The Future 作:エクシ
ルイは制服から黒一色の服に着替え深夜になるまで茶道部の部室に待機していた。呉島コーポレーションの本部は警備が厳重であり正面から侵入するのは100%不可能と言っても過言ではない。だが第3天樹高校と接している部分はせいぜい監視カメラが設置されているだけであった。そして夕方ルイは野球部の体験入部の活動でバッティングを行った際、球を監視カメラに当てレンズ部分を故障させていた。先生からはこっぴどく怒られたがすべては彼の計画通りであった。深夜二時にもなると呉島コーポレーション内は静まり返っているのがそこと接している茶道部の部室からも感じられる。じっと待っているルイのもとに一人の男が現れた。
「待たせたな、ルイ」
「遅いよ、兄さん。」
「空港で書類に不備があることがわかってな、引っかかっちまってたんだ。」
男はそう言うとルイに「アルフォンゾ・ジェームズ・ヴァルドネール」と名前の欄に記載されている書類を見せた。ルイはため息をつくと話を続けた。
「そこから呉島コーポレーションに侵入する予定だよ。」
「よし、我々の依頼を確認するぞ。我々の今回の任務は呉島コーポレーション地下の研究所から三つの戦極ドライバーを回収し、それらをクライアントに届けることだ。いいな?」
「了解。今回は俺とアル兄さんは別行動かい?」
「いや今回は二人でやる。何かあった時に一人はまずいからな。」
そして二人は呉島コーポレーションに侵入する。呉島コーポレーション内は照明は切られているがセキュリティーは万全である。侵入者が現れたとあらばすぐに警報機が作動し常駐している警備員たちが侵入者を捕まえる。しかしこの日はアルが海外を経由し、呉島コーポレーションのセキュリティシステムをハッキングしていたため、セキュリティは機能していなかった。そのため二人が地下の研究所に行くことは難しいことではなかった。研究所につくとアルは戦極ドライバーの微弱な電磁波を視覚化することができるカメラを取り出し、戦極ドライバーが保管されている場所を見つけた。
「ルイ、あそこだ。」
「ピッキングで十分だね、本当にここはあの呉島コーポレーションなのか?簡単すぎるよ。」
アルはピッキングで棚を開けるとそこには二つの戦極ドライバーがあった。その隣にはドリアンロックシードとマンゴーロックシードが置いてある。アルは四つすべてを取るとルイに脱出の指示を出した。だがその時あたりの照明はつき、二人を囲むようにして黒ずくめの武装集団、そして信継と義秋が立っていた。そして得意げに義秋はアルとルイに話しはじめる。
「は~い、残念でした。君たちヴァルドネール兄弟だろ、盗人兄弟で有名の。」
「盗人だと?我々は傭兵経験もある兄弟。盗人で片づけられては困る。」
「そんなこと言ってるけど、君たち捕まっちゃうからね?」
黒ずくめの集団は二人に徐々に近づいていく。アルとルイは背中を合わせ、アルはそっと戦極ドライバーをルイに渡す。そしてアルは小声で無線マイクに向けて話した。
「Mr.X、申し訳ありません、戦極ドライバーは二つ手に入れましたが敵に囲まれました。」
するとMr.Xという者から通信がかえってくる。
「戦極ドライバーを使用して構わん。必ずやそれを持って脱出しろ。」
「了解!」
アルとルイは戦極ドライバーを取り付ける。
「まずい!撃て!!」
義秋の声で黒ずくめの男たちは二人に向けて銃を放つ。しかしそれよりも早くルイは煙玉をあたりに投げ、あっという間に煙で覆われた。
「変身!」
ドリアン! ドングリ!
何も見えない中で兄弟の声とロックシードの起動音がする。信継と義秋も戦極ドライバーを取り付ける。
「変身!」
メロン! ブドウ!
ロックオン!ロックオン!ロックオン!ロックオン!
♪~~♪ カモン! ソイヤ! ハイー!
ドリアンアームズ!ミスターデンジャラス!
ドングリアームズ!ネバーギブアップ!
メロンアームズ!天・下・御・免!
ブドウアームズ!龍・砲・ハッハッハッ!
アルはアーマードライダーブラーボ、ルイはアーマードライダーグリドン、信継はアーマードライダー斬月、義秋はアーマードライダー龍玄にそれぞれ変身を遂げる。
「ほう、これが戦極ドライバーの力か。」
「なかなかいい感じジャン。」
ブラーボとグリドンの二人は余裕を見せるも龍玄は怒りのスイッチが入っていた。
「おのれ…僕が製作した戦極ドライバーを…よくも!」
「義秋、落ち着け。直前にバロンの戦極ドライバーがあの我儘小僧に取られていたおかげで被害が三つから二つに減った。そう考えるしかあるまい…。」
「君は意外とのんきだな、女性に嫌われるぞ?」
龍玄は冗談を言い終わるとブドウ龍砲でグリドンを銃撃する。しかしブドウ型の弾をドンカチで叩き落とし、命中はしなかった。ブラーボはドリノコを構えながら斬月に向かっていく。斬月も無双セイバーを引き抜き、一騎打ちに応じる。2対2の戦いに黒ずくめの男たちは介入が出来なかった。それを見た斬月は彼らに指示を出す。
「ここは私たち二人が抑える!お前たちは出口をすべて封鎖しろ!ネズミ一匹通すな!急げ!」
黒ずくめの男たちは移動し、その場には四人しかいなくなっていた。
「答えろ、貴様らヴァルドネール兄弟は誰の命令で戦極ドライバーを狙っていた?」
「教えるわけがないだろう、クライアントの情報は渡さん。それよりお前筋がいいな、メロン男。」
「それは私が作った戦極ドライバーだ、返してもらおうか?」
「悪いけどこれはもう俺がつけちゃったの、だから返さねえよ!」
四人は戦いをつづけるも決着はつかない。だがそこに突如インベスが現れる。四人はインベスとも戦わなければならなくなった。
「なんだと!?本部内にクラックか!?」
「そんな馬鹿な!」
斬月と龍玄は驚きを隠せない。
「私ならクラックを出現させるくらい簡単なのよ。」
吹き抜けになっている上部の階から女の声がし、四人はその方向をみる。そこには斬月・真、シグルド、マリカ、デュークが立っていた。