仮面ライダー鎧武 All For The Future   作:エクシ

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第8話 「理由を知るとき」

ヘルのオーバーロード態は不気味にかすかに青白く光るも女性的な体つきでどこか美しさを秘めていた。だがその美しさを見出す暇を与えずヘルはクラックを開きそこからヘルヘイムの植物による攻撃を繰り出した。ブラーボはドリノコで植物を切るが怒涛の攻撃に追い付かず、ふっとばされてしまう。グリドンはブラーボの助太刀に行こうとするもヴェルダーに足止めを食らってしまい行けなかった。

 

 ♪~~♪ドリアンオーレ!

 

ブラーボは植物を処理するよりもヘル自身にダメージを与えようとカッティングブレードを二回下ろした。ドリノコにドリアン型のエネルギー弾が集約され、それをヘルに投げつける。しかし再びヘルはそのエネルギー弾を弾くために植物を操り盾にする。ヘルの視界が植物に覆われたとき、ブラーボはグリドンの方に向かった。

 

「まずそいつを消すぞ!」

「あぁ、兄さん!」

 

 ♪~~♪ドリアンスカッシュ!

 カモン!ドングリスカッシュ!

 

ドリノコの斬撃とドンカチの打撃がヴェルダーを消滅させた。「次はあの女インベスだ…!」二人が振り向くとそこには黄金に輝きながら苦しむヘルがしゃがんでいた。

 

「なんだ兄さん、かなりのダメージを与えているじゃないか。」

「いや…おれは何もしていない。」

「ぐううう…!」

 

ヘルは苦しみながらクラックを開けると向こう側の世界に逃げていった。

 

 

 

 

 

信継は自宅に戻っていた。

 

『俺はあんたら呉島コーポレーションの犬じゃないんだぞ⁉』

 

慧の言葉がずっと引っかかっていた。「俺は彼をインベスを倒す道具としか扱っていないのか…?」信継は自分に問いかけていた。自分ではそうは考えていない。共にニュー沢芽シティを守る仲間と考えている。だがなぜ彼にニュー沢芽シティを守らせなくてはならないのか、彼に義務はない。むしろ彼は俺が守るべき町の市民の一人なのかもしれない。彼を巻き込んだのは…貴虎の資料のせいだ。貴虎はなぜ彼を選んだのか…。

 

「よう、呉島貴虎の子孫。」

 

信継の後ろで突然声がする。そこにはサガラが立っていた。

 

「お前はサガラ…!なぜここが?」

「俺はヘルヘイムの痕跡があるところならばどこでも現れることが出来る。メロンロックシードは元々ヘルヘイムの果実だ。」

「なるほどな…。何の用だ?」

「なぜ呉島貴虎が織河慧をアーマードライダー鎧武に選んだのか、それが気になっているようだな。」

「…。」

「いいだろう、教えてやるよ。なぜ葛葉晶の子孫を鎧武に選んだのか。」

「知っているのか?」

「あぁ、ブドウロックシードを通じて呉島家の様子はヘルヘイムが消えてからも見ていたからな。呉島貴虎はアーマードライダーの力が悪用されることを恐れていた。かつて自分の弟 光実が斬月・真の力をオーバーロード側の為に使ったようにな。だから貴虎はせめて一人でも正しく力を使う人物にアーマードライダーになってほしいと考えていた。」

「それが葛葉晶の子孫ということか?」

「あぁ。世界を救った男 葛葉紘汰を育てた葛葉晶、彼女のことを尊敬していたからな、貴虎は。彼女の子孫であれば正しい心を引き継くと考えたんだろうな。」

「…。」

「だが貴虎は相変わらず詰めが甘い。子孫だからと言っていつまでも迷うことなく正義を貫ける奴が生まれるというわけじゃない。実際、織河慧はなんのために戦っているのか見いだせていない。」

「……。」

「お前も貴虎の我儘に振り回されて大変だったな。同情するぜ。」

「…俺の役目だ…。」

「何?」

「ようやく分かった。彼を…慧を正しい道に導くのが俺の役目だ。」

「…。」

「貴虎は俺の尊敬する先祖の一人だ。世界を守るためにたった一人で罪を背負おうと覚悟した男、俺はそんな強い男にあこがれた。そんな男が認めた女性の子孫なんだ。正義の心がないわけがない。ならば俺が目覚めさせる。彼が彼の中で芽生えるはずである正義の糧となってやる。」

「お前は貴虎に振り回され過ぎだ、なぜそんなに自分を犠牲にする?」

「『ノブレス・オブリージュ』それが俺の…いや呉島家の行動原理なんだよ。慧に犠牲は負わせない、俺が彼に代わって犠牲になる。」

「…ははは!」

 

サガラは笑い始めるとテーブルの上に載っていたグラスとそこに入っていたレモンを手にした。その二つはそれぞれゲネシスコアとレモンエナジーロックシードへと変化する。そしてその二つを信継に投げる。

 

「慧に本当に正義の心がありそのために戦っているのか…見ものだな、楽しませてもらうぜ。」

 

サガラは消えた。鎧武の資料にあった”ジンバーアームズ”。そのために必要なゲネシスコアとエナジーロックシードが手に入った。「彼にまず聞かねばならない…彼はどうしたいのか。」信継は第3天樹高校へ戻るため家を出た。車も使わず信継は走った。彼はひたすら走る、そしてもうすぐ第3天樹高校というところで彼の目の前にいきなりサクラハリケーンに乗ったライダーが現れる。そのライダーはサクラハリケーンから降り、マスクを外す。

 

「なんだ、お前は?」

「おいおい、忘れたのかよ!ニヴルヘイム最強の戦士、ヨルムンガンド様だ!この前は決着つかなかったからな、ここでケリつけてやるぜ…。」

 

ヨルムンガンドはゲネシスドライバーを装着する。信継も戦極ドライバーをつけ、二人は自分のロックシードを構えた。

 

 メロン!メロンエナジー!

 ロックオン!ロックオン!

 ソイヤ!ソーダ…

 メロンアームズ 天・下・御・免!

 メロンエナジーアームズ! ♪~~♪

 

二人の斬月が変身を完了した。

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