(習作)とある転生者たちが作ったさいきょうのニホンの異世界戦記 作:ハルゼー
西暦 1939年 4月1日
この日、大日本帝国は、勢力圏諸国とともに地球上から消えることとなる
世界有数の大国、大日本帝国の首都たる帝都東京にいる首脳たちは大混乱の渦中にあった。
「近衛首相お耳に入れたいことが」
首相補佐官のひとりが慌てて入室してきた。
「何事かね?尾方君」
近衛と呼ばれた男が発言を促すと
「自国の領土以外のユーラシア大陸が消えました」
と呆然とした表情で尾方が言った。
「何!?それは真か?」
近衛はあまりに驚天動地の出来事に驚きのあまり大声を出してしまった。
「はい・・・にわかには信じられませんが、何度も何度も繰り返し欧州や大陸に対し連絡を取ろうと試みていますが返信が来ません」
「エイプリルフール・・・・なわけないか」
いまだ驚いた様子を隠しきれずに呟くように近衛は言った。
「航空隊や艦隊から構成される周辺の捜索隊を至急編成し周辺を調査するよう伝えたまえ
なんにせよ我々にはより多くの情報が必要だ」
「了解しました。そのように伝えます」
(至急評議会を開かねばならんな・・・仲間たちと協議して早急に対策をとらなければ)
帝都東京 某所
「いやはや困りましたな近衛さん」
「米内さん史実では後1年ほどで首相になりますね?どうです今から経験してみるというのは?」
と近衛が冗談交じりに言うと
「いやいや遠慮させていただきます。自分にはそこまで利害調整能力はないんで」
転生者で前世はサブマリナーだった男が心底いやそうに首を振った
「ふむ・・過去に転生したかと思えば異世界か・・なかなか我々も愉快な経験をしているな」
と高野が顔を歪ませて呟いた
「しかし実際に経験するとなると・・・厄介ごとしか起こりませんな」
と南条が迷惑そうなそぶりでいった
「で?対策はどうします?」
仕切りなおすように近衛は言った。
「「「う~む」」」」
全員が唸りしきりに何かを呟いては首を振ったりしていた。
「とりあえずはまずは近衛さんが指示したように情報が必要だ、我々は現在目隠しされたも同然の状態だ
いきなり嵐に突っ込むという事態は避けたい」
と会合のまとめ役である大高が言った
「確かにそうですな・・まだ現状では打てる手は少ない」
「それに帝国の構成諸国とは連絡がついているのだろう?ならまだ希望はある。」
「そうだな・・当座は何とか凌げそうだ・・・しかし根本的解決のためにはやはりどんな国とであれ交流が必要だ」
「ほかに国が存在していればの話だがな」
「それを確認するためにも調査をするんだ」
「さてどんな結果になるのやら」
「ドラゴンが飛んでいたりして?」
「ファンタジーか・・・ドラゴンが出るのなら魔法はデフォでしょう。」
「いやいや案外船が空を飛んでいたりして」
「まあ調査の結果次第だな」
周辺海域を航空機や艦艇が次々と探索していったがすぐに問題が発生した。
曰く航法がまるでうまくいかないと
そんな馬鹿なと何度も何度も検証したが航法がずれていくのである。
そうまるで地球が球体でなく平らであるように・・・・
このことに対し空海軍や海運業や航空会社はとても頭を抱え悩むことになり1から航法を構築することとなる。
そして調査隊はいくつかの成果を上げることとなる。
日本領布哇諸島から北へ調査へ向かった超重爆撃機富嶽がまさに驚天動地のものを発見する。
「な・・なんだこの巨大な滝は!?」
全高は1000mはありそして長さは地の果てまで続いているかのように長かった。
あまりにも非常識的な光景だったがしっかりと映像に収め本国へ帰還した。
その後も調査を続けこの世界の人類とのファーストコンタクトを果たすこととなる
帝紀1343年 8月 メスス島沖合
広大な青い空の中一機の航空機がポツン飛んでいた。
よく見るとパイロットはまだ中学生程度の少年東洋系の顔だちをした少年で後ろに同年代の西洋系の顔立ちをした少女を載せていた。二人の少年少女は言い争いをしていた。
「やめようよ清顕!おじさんの言いつけを破って海に出るなんて!」
「大丈夫だってミオ!ばれなければ問題ないんだから・・もしかしてビビってる?」
「何言ってるのよ!もうどうなっても知らないからね!」
今日清顕少年は『海に行っちゃいかんぞ』という父の言いつけを破り海に繰り出していた。
行っちゃダメと言われたら行きたくなるというのがこの年代の子供の特徴の一つなのだが
そのまま言い争いを続けていると、ミオが不意に話をやめた
「あれ?ミオどうしたの?」
「あれ何?」
「え?う~んと・・・・」
目を細めてよく見ると黒い点のようなものがどんどん近づいてくるのが見えた。
「あれは飛行機じゃない?」
「そうだね・・・よし近づいてみてみよう」
見知らぬ航空機が通過すると思われる地点へ先回りし見てみると
その航空機はとても大きかった。今まで清顕が見たどの航空機よりも大きくそして早かった。
翼は水平ではなく斜めに後退しており6基のエンジンが轟音を鳴らし信じられないスピードで飛んで行った。
「す・・すごく大きくて速かった・・軍の新型機かな?」
「何言ってるのよ!あんな赤い点のマーク秋津、ハイデラバード、セントヴォルト、ウラノスのどこのものでもないわ」
「じゃあ・・未確認の勢力?・・・メスス島の方に飛んでいったね・・」
「あ・・危ないんじゃないの?メスス島」
「い・・急いで戻ろう!」
そして慌ててメスス島へ戻った。もちろん清顕少年は言いつけを破ったことがばれて父から大目玉をくらったことは言うまでもない
同時刻 富嶽機内
「機長!前方に未確認航空機発見!」
添乗員が報告すると
「何?」
よく見ると複葉機がこちらに近づいてくるのが見えた
「どうやら軍用機ではないようです」
「だとすると民間機か・・・・」
「パイロットは…少年?」
複座型の複葉機の操縦席には中学生程度の少年が座っており後ろには少女が座っていた。
二人は大層こちらに驚いた様子で凝視していた。
「ふむ・・少女を連れて飛行機でデートでもしているのかな?」
「機長、この先に島がありますがどうします?」
「ふむ・・・虎穴に入らずんば虎子を得ずというからな・・・よしこの先の島の様子も見てみよう燃料に余裕はあるんだろう?」
「わかりました。」
さて・・・どんなものを拝むことができるのだろうか…
数十分後 メスス島
一人の男が農作業にいそしんでいた。男の名は坂上正治 かつては秋津連邦のパイロットで撃墜数100を超える超エースだった男だ
息子の帰りが少し遅いことを訝しみつつ農作業をしているとふと轟音が聞こえた。
ふと空を見上げると一基の航空機が飛行機雲をたなびかせながら飛んでいるのが見えた。
エンジンの数は6基あり翼は斜め後ろに後退しておりとても速いスピードで航行していた。
「む・・あのような航空機は確かまだどこにも配備されていないはずだ…」
すると軍の戦闘機とおもわしき航空機が例の航空機に近づこうとするが軍の戦闘機を簡単に振り払い
空の彼方へと消えていった。
今度軍の伝手を使いこのことを聞いてみようと思いつつ、おそらく言いつけを破ったであろう息子を
どうやって叱ろうか考えながら家へ帰って行った。
富嶽機内
「機長・・迎撃機が飛んできましたね」
「ああ・・だがえらく旧式の機体だったな」
「だいたい・・87式(史実の96式戦闘機)くらいの性能だったと思います」
「しかし今回はとても実りの多い調査だったな至急帰還してこのことを報告しなければ・・映像や写真もちゃんと取っているよな?」
「ええ大丈夫です」
この2日後再び評議会が開かれることとなる
帝都 東京 某所
「いやはや驚きの連続ですな」
「ああ、特に驚いたのは巨大な滝の存在だな」
「高さは軽く1000mを超え地の果てまで続く滝か…」
「地表が平らなことと言いまるで天動説の世界だ」
「それに我々似た文明の存在も確認できた。さてこれからどうするべきか…」
「交渉団を・・特使を派遣するのはどうでしょう?」
「確かにそれがいいだろう・・問題はだれを特使にするかだ」
「白洲さんか吉田さんかのどちらかでしょう」
「ふむ・・吉田さんにしましょう。ここは彼の能力に期待しましょう。」
「では不測の事態に備え護衛艦隊をつけて向かわせることとしましょう」
凶と出るか吉と出るかそれはまだわからないことであった。
1か月後 吉田を中心とした交渉団を乗せた艦隊が呉を出港しメスス島へ向かうこととなる