(習作)とある転生者たちが作ったさいきょうのニホンの異世界戦記 作:ハルゼー
大日本帝国と秋津連邦間の交流が始まり一年近くが経った。
両国間の交流は徐々に活発化しつつあり交流の拠点としてメスス島は急速に開発されていった。
技術交流も促進され秋津は空中船に必要な技術などを日本は、秋津の技術でも作ることができる航空機用や自動車用エンジンの技術などを交換した。
これにより停滞していた秋津連邦の新型戦闘機開発の状況は打破されることとなった。
日本帝国もこの技術を模倣し自らの空中船を建造していった。
この状況を快く思わなかったのはハイデラバード連合体である。
なにしろ2年ほど前から秋津との戦争を始めていたが、戦況は泥沼化して膠着状態に陥り
現在は「まやかし戦争」状態であったが、秋津連邦とは戦争状態にあり大日本帝国の秋津を助ける行為は到底看過することができなかった。
ハイデラバードの独裁者であるディジーオズボーンは、ウラノスに援軍を要請しウラノスはこれを受諾
大規模な増援を得たハイデラバード軍は、メスス島へ大規模空襲を行うことを決定した。
帝紀1344年 西暦1940年 8月
私 綾森真帆は帝国党に所属する議員である。
前世は国内最難関の大学に通う大学生で政治や経済のことについて学んでいた。
前世の実家は古武術などもしている裕福な旧家だった。厳しくも優しく自分を育て上げてくれた両親には今でも感謝している。大学4年就職も決まり気の置けない友人たちとともに街へ繰り出した時に事件は起きた。
通行人の一人が突然刃物を振り回し周りに襲いかかったのだ・・・もちろん最初は逃げようとしたが、友人が追いつかれ襲われようとしているのが見えたため私は阻止しようとした。一応家が古武術をやっていた影響で護身術程度ならばできたためそれなりに勝算があったが、返り討ちに遭い私は致命傷を負ったようだ。
その後すぐ男は取り押さえられた様子が見えたが意識が朦朧とし、友人たちが呼び掛けている様子が何とかわかったがそのまま意識を失ってしまった。
そして目が覚めると赤ん坊になっていた。その時は驚いたものだ・・・最初は夢かと思ったがどうやら現実らしく困惑したものだ。その後私はすくすく成長して妹ができた。妹のことはよくかわいがったものだ・・・そこそこおとなしかったあの子が小さいころから空にあこがれていてまさか軍人になるとは思いもしなかったが・・・。そして母校の前身となる大学へ入学することができた。史実の日本とはだいぶ歴史が違っており男女の性差があまりなかった。ちょっと出来心ができてしまい大学でときおり未来の知識を織り交ぜた論文を書き提出した。するとある日自分に会いたい人がいると教授に言われ着いていき自分が今所属している旭日会のメンバーと接触することとなった。そしてこの人物から自分の同類が結構居ることを知り自分の力をこれからの日本のために貸してほしいと言われ、すぐに了承した。このことが縁となり帝国党に入党し私は国会議員になることができた。まあ私の身の上話はこの際おいておくこととしよう。
約1年前から交流を開始した秋津連邦との交流拠点であるこのメスス島がどのような場所か自分の目で見るために視察団の一員としてメスス島に訪問していた。私たちはバラけて護衛とともにメスス島各所を視察していた。秋津の人々の農業の様子を視察していて農業用機械が売れそうだと考えていた時に事は起きた・・・・
ウラノスと名乗る連中が突然このメスス島に大規模な空襲を仕掛けてきたからだ。
幸い私たちはすぐに山の洞穴に逃げることができた。
メスス島の防衛拠点であるオデッサ要塞は激しく燃え上がっており、港湾施設や兵舎、飛行場といった軍事施設は残らずユンカースに似た爆撃機による急降下爆撃により廃墟と化していた。
そして奴らは信じられないことに一般市民を面白半分に追廻し機銃掃射を行っていた。私はこのことに激しく憤りを覚えたがどうすることもできなかった。半日ほどたった後ようやく奴らは引き返していった。
オデッサ周辺は徹底的に破壊されひどい混乱に陥っていた。私たちが乗っていた車ももちろん破壊され私たちの宿舎のある市街へ帰ることは難しいだろうし、今日迎えが来ることはないだろうと考え、視察していた村の後片付けを屈強な護衛とともに手伝い一晩を過ごした。村の人々には感謝されたが申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
翌日の早朝私はよく眠ることができず気を紛らわせるために村の周辺を散歩していた。
周りを見るとやはり空襲の被害が生々しく残っていた。
憂鬱な気持ちになりつつ歩いているとふと泣き声が聞こえてきた。
居ても立ってもいられず鳴き声のする方向へ若干小走りになりつつ近づくと、一人の中学生程度の少年が泣いていた。少年の前には父親、母親そして姉と思われる遺体がきれいに並んで横たわっていた。おそらくこの空襲で家族をすべて失ったのだろう。
少年は慟哭し、この世の理不尽を恨み、生きる気力を失いかけているように見えたが、私はかける言葉が見つからなかった。私は当事者ではなく少年にとって他人に過ぎないからだ
だが私はこの光景が脳裏に焼き付けられ一生忘れることはできないだろう・・・・
数日後迎えが来て私はこの島を離れることとなった。
視察団の議員は幸い死傷者はいなかったが、随員である護衛には何人かの死者が出ることとなった。
しかしこれだけでは戦争の理由には弱すぎるため、せいぜい良くて物資の援助で義勇軍の派遣ができればおの字だろう。だが働きかけてみようと私は思った。
このメスス島襲撃から1か月後、大日本帝国吉田外相が秋津連邦に電撃訪問すると物資の支援を確約した。
「我が国はハイデラバードの侵略を受けている秋津連邦への支援を実施する」と
帝国議会では電撃訪問の翌日『武器貸与法』が全会一致で可決され、さらに義勇軍の派遣も決定した。
自分たちに似た容姿と文化を持つ人々が面白半分に虐殺されていったことに多くの人間が眉をひそめていたからだ。
そして『武器貸与法』から1か月後『両用艦隊法』が可決され空海軍の大軍拡が始まることとなり以後戦時体制へ急速に移行していき大日本帝国は着実に戦争の準備を進めていくこととなる。
この大軍拡を容認した理由はメスス島襲撃が大きく関係しており自分たちも襲われるかもしれないと恐怖感に駆られたことが大きな理由である。
帝都 東京 某所
「これで我々も戦争に片足突っ込むことになります。」
「本来はここまではしないのだが…何分ここにきてから実績(戦争の勝ち負け)がないからな」
「どうやら帝国主義全盛のようですので何より力を実際に示すことが我々が交渉を行う際に有利になります」
「これで舐めた真似をどこの国もできなくなるだろう。」
最初に近衛が発言し高野、鳩川、嶋川と発言が続いたがやはり表情はあまりさえていなかった。
そう彼らは不安に思っていた。何せ異世界初の実戦に臨むことになるからだ。
「まずは義勇軍を派遣してノウハウを蓄積しましょう。」
「まさかアメリカのような真似をすることになろうとは。」
南条が言い、大高が若干顔をしかめながら言う。
「まあまだ戦争に参加することができないから有効な方法ではあるがな」
「それに在庫の一斉処分もできますしね、旧式の兵器がよく売れることとなるでしょう。」
「我々には旧式でも彼らに取っては最新鋭機よりも性能が高いだろうからね」
「ええこれから軍備の拡張に莫大な金を使うことになりますからね、少しでも金はほしいです。」
岸など経済畑の人間たちが顔をしかめつつも若干嬉しそうに言う。
「小沢君には頑張ってもらわないとな」
「義勇軍はかなりの規模ですからね。」
遣秋義勇艦隊
戦艦 比叡
空母 蒼龍 飛龍
軽空母 龍驤
工作艦 明石
重巡洋艦 妙高 那智
軽巡洋艦 最上 三隈
駆逐艦 12隻 (秋月型 陽炎型)
義勇航空隊『飛虎』
1個航空戦隊 144機 補機72機
義勇師団
一個装甲師団
「いやあ、かなりの戦力ですね。」
「機動艦隊を派遣するようなものだからな」
「田舎海軍程度ならこれだけで楽々殲滅できますね」
「派遣先はどこに?」
「おそらく最前線たるメスス島でしょう」
「小沢さんの健闘を祈り・・・・乾杯」
「「「乾杯」」」
その後も飲み食いしながら評議会は続いた・・・