目を開けると俺は真っ白な空間にいた。前を見ても後ろを見ても上を見ても終わりがない。ただ、何も無いというわけではない。俺の前には机があり、その上にはペンと紙が2枚ある。紙には何かが書かれている。近づいて読んでみると、
『貴方は、これからパワプロ・パワポケのキャラを5人選び、新たな世界へ転生します。そして勿論、甲子園優勝を目指して貰います。2枚目の紙に必要事項の記入をお願いします。』
と書いてあった
2枚目の紙には、キャラと自分の名前、ポジションを書く枠がある。一番下には米印で「転生は繰り返し行います」と書かれていた。
・・・これって何かのドッキリか? 夢か? ちょっと余りにも現実離れしてて理解できない。身体も心なしかふわふわしてる気がする。直前の記憶は、朝食を食べているときだ。たしか夏休みだから夜更かしして10時くらいに起きて飯を食べたんだっけ。
何故か自分の名前も思い出せない。もしかして死んだ? まあ転生する? らしいからいいか。正直、新作がやれないのは心が痛いし、身近な人を悲しませているかもしれない。でもいつも画面越しで見てたキャラと野球できるのは最高すぎる。
俺、こと・・・俺はパワプロが大好きだ。特にサクセス。パワプロ2022から始めた新参だけど滅茶苦茶やりこんだ。パワポケはRやったり、10を実況者がプレイしてるのを見たり、ちょくちょくストーリーのあらすじを知ってるだけ。ダークな世界だし出来るだけ関わらないようにしたい。ストーリーもキャラも。
さて、早速キャラを5人選ぶか。転生は繰り返すらしいし、最初は野球一筋じゃなくて恋愛もしたい。パワプロは彼女いないと強くなれないしね。ゲームみたいにイベントとかステータスがあるのかは分からないけど。今まで彼女出来たことないから、このままだと死んでも死に切れん!!
まずは彼女キャラを選ぼう。可愛いキャラ、、、いっぱいいるな。パワポケはどうか分からんけどパワプロは皆デフォルメされてるから可愛いんだよなー。姫野カレンは除いて。うーん・・・
ん! パワプロのキャラってパワプロに出てきたキャラもいけるよね!!? もしそうなら、藤崎詩織*1を選べるんじゃないか!? 藤崎詩織は俺がときメモの中で1、2位を争うレベルで好きなキャラだ。Youtubeで実況者の動画を見てからPS3でときメモのダウンロード版を買って、攻略サイトを見ながら彼女を攻略するために四苦八苦した。可愛いし、性格も良いし(嫌われてなければ)、パワフェスの能力化け物だったし、アプリだと固有の得能も貰えた。これは運命なのかもしれない!
一人目は詩織に決定だ! 多分いけるでしょう。多分。残るは4人。俺は投手をやりたいから守備の要のセカンドとショート、外野と替えの投手一人ずつ・・・か? キャッチャーも入れた方がいいか? うーむ。
せや! 詩織にキャッチャーやらせれば良いんだ。パワプロと原作ではマネージャーでしか登場してないけど、運動神経抜群だし説得すればいけるんじゃないか!? 早川あおいがプロ入りした後とかだったらかなりやりやすくなる。それにバッテリーを組めば自然に親密になっていくハズだ。それくらい、やらないと野球部と恋愛の両立はキツい気もする。
あともう一人くらい女子を入れたい。勿論詩織一筋でいくけど、俺が連れて行く男キャラと野球部のモブ達からの好感度を詩織から少しでも分散したい。一人でも野球部に女子がいれば、詩織を誘う口実にもなるかもしれない。
・・・誰がいるかな。外野には肩が強くて守備もできる女子は居なかった気がする。ショートだと霧崎礼里か? うーん。読心術あるから心読まれるかもしれないのか。俺の下心を読まれるかもしれない。霧崎がいる=人体実験をする組織がいるみたいなところあるから関わると面倒くさい気もする。
オリ変持ちのピッチャーを入れてオリ変取得イベントも起こしたい。投手の橘みずきか? オリ変も持ってるし美少女っていう設定もあるし。うーむ。佐渡摩智、十六夜瑠菜、早川あおい、アンヌ・・・
やっぱ橘みずき*2かな。投手が猪狩守とかアランみたいに強すぎる男だと詩織が奪われそう。わざわざ恋敵を作る意味は無い。俺が主力ピッチャーになる!!! それに女子の投手なら詩織と関わりもできて、仲良くしてくれそう。
あとはセカンド、ショート、外野か。ショートは、、、友沢亮*3で良さそうかな。コラボキャラのスネークも強いけど、世界観がどうなるか分からないからなぁ。
セカンドは風薙・・・は性格に難ありだし、蛇島・・・も良くない。黒珠は、打てるけど守備力D。冴木・・・なら守備力Cでまあまあパワーもあって打撃系の青特もかなりあったはず。しかも女子。冴木創*4入れるんだったら橘入れなくていいかもだけど、、、彼女、女子力皆無だし、まあ物は試しでしょう。
最後は外野か。個人的には火野を入れたいんだけど、彼が試合でエラーをしたらイラつきすぎて手が出るかもしれない。こいつ入れるんだったら滝本とか雷轟、武秀英入れろって話だよな。
うーーーん。田団田ダン*5にしようかなチャンスFと併殺と悪球打ち持ってるけど守備力Bで鉄人と青特数個を持ってたはずだ。肩も強くて、レーザービームも持ってるからパワフェスアドベンチャーでセンターとしてお世話になった。
うし! まとめると、
投手 橘 みずき
遊撃手 友沢 亮
二塁手 冴木 創
外野手 田団田 ダン
彼女 藤崎詩織
もっとパワプロとパワポケやってたら人選も良くなるのかなぁ。まあ、どんどん周回して改善していこう。さすがにキャラのポジションは道中で変わらないよな? まあ変わっててもキャプテンになって強制的にコンバートさせるか(畜生)
それで俺は投手で名前は・・・野球からとって野原
書き終えると目の前から紙が消え、別の紙が浮かび上がってきた。なんだこれは、たまげたなぁ。
なになに。藤崎詩織の誕生日と血液型を選べ・・・? え。こんなのもできるの? まんまときメモじゃん 。
確か原作だと、誕生日で詩織が所属する部活が、血液型でプレイヤーとの相性が決まったはず。 PS版だと(誕生日×3+誕生月)÷11の余りで所属する部活が決まる。頼むからPS版の仕様であってほしい。野球部は6だったけ。大会当日に誕生日が来るってなるとイベントが潰れそうだから、大事な大会のある6、7、8月は念のため除外。
そもそも俺ってどの段階で転生するんだ? パワプロだと高2でパワポケだと高1か社会人だよな。しかも、夏の甲子園が終わればドラフト会議まで時が飛ぶ。となると4、5月か? 4月は早すぎるから、5月・・・・・・4日でいくか。
血液型は前世の俺がO型で同じだとすると・・・A型だと良いのか。まあそこはぶっちゃけ運だからなぁ。
よし! 詩織の誕生日は5月4日! 血液型はA型で決定だ!
「おーい。もしもーし。聞こえてるかー」
「ん」
誰かに肩を叩かれて目が覚めた。いつのまにか気を失っていたらしい。ここは教室か? 声の方を見ると、人当たりの良さそうな茶髪の青年が隣の席に座っている。もしかして彼は・・・
「よう。入学初日から居眠りか? 昨晩はワクワクして眠れなかったのか? 俺、早乙女好雄。これからよろしくな。お前は何ていうんだ?」
うっそだろ、おい。ここきらめき高校か? ときメモ1と4の舞台じゃん。もしかして詩織を選んだ影響か?
「ああ。昨日は興奮して寝付けなくてな。俺の名前は野原
「一年間? この学校にクラス替えはないらしいぞ」
やべ。クラス替えなかったの忘れてた。
「それにしても一生に一度の高校生活。胸躍るのも当たり前かー。実は俺の左のやつも寝てるんだよ。さっき起こして話しかけたけど、すんごい目つきで睨まれてよ。びっくりしたぜ」
好雄の左隣の席を見ると濃い紫の髪の青年が机に突っ伏していた。おかしい。髪色が派手すぎる。こいつネームドキャラか? でも俺が選んだキャラでこの髪色に当てはまるやつはいない。かといってときメモでここまで髪の派手な男キャラはいない。女子向けの方のキャラか? だったらまずい。詩織がとられる。
「まあ、そっとしてあげようよ」
「それもそうだな」
その時、教室のドアがガラリと開く音がした。
「「「あっ、来たわよ。素敵~!」」」
「何だ? 急に女子が騒ぎ始めたぞ」
これは・・・あの人のお出ましか。
「やあ、諸君。待たせたね。この僕のことを知らない者はいないと思うが・・・ 僕が理事長の孫の伊集院レイだ。同じクラスの男性諸君には悪いが・・・ ま、仲良くやっていこうじゃないか」
皆の前で悠然に話す金髪美少年。彼・・・こそが伊集院レイだ。まあ、実際は女なんだけどね。なんか伊集院家の家訓で卒業までは男の子として育てられるらしい。ときメモ2だとその設定に矛盾が生じたんだけど・・・割愛。攻略条件は電話を75回以上すればいい。主人公のステータスも、爆弾*6もデート回数も関係ない。ただ他の女の子がときめいている*7と告白はそっちに優先される。
パワプロの彼女はイベントを進めて好感度を上げると金特が貰えるけど、コイツはどうなるんだろう?
転生する前に詩織一筋って決めたけど、それはあくまで詩織を攻略する上でそんな時間はないし、他の女の子に
「伊集院ってあの金持ちのか・・・ 嫌なクラスになっちまったなぁ」
「ーーー美しいな」
「げっ。お前ホモかよ。気色わりいなぁ」
「いや違うし。男でもあんな綺麗な肌の人居るんだなって」
「まあ。言われてみればそうだな」
そして赤く長い髪をした女の子、藤崎詩織が席を立つ。可愛すぎる。てか今って自己紹介の時間だったんだ。
「みなさんはじめまして藤崎詩織です。趣味は音楽鑑賞でクラシックとかをよく聴きます。みなさんこれからよろしくお願いします」
「か、かわいいー。藤崎詩織ちゃんか。同じクラスでよかったぜ! あっ。今お前の事見たぞ? あの娘知ってるのか?」
いや、こっちが聞きたいんだけど。この世界の俺って藤崎詩織のこと知ってるのか? 俺がときメモの主人公なら知ってるんだけど。さっき目が会ったのは偶々かもしれない。この後にくる好雄の質問攻めに答えて、面識なかったら面倒くさい。
「いや。知らん」
「ちぇー。俺の秘蔵のメモ帳に書こうと思ったのになー。」
「秘蔵のメモ帳? 女の子の事でも書いてるのか?」
「正解だ。ま、女の子の事で知りたいことがあったら俺に連絡しな。力になるぜ。」
「そうか。それは頼もしいな」
そして好雄は何かを紙に書いて俺に渡してきた。
「ほらよ。これやるよ。俺の連絡先」
「お。ありがとう。 ……ん? 10桁の電話番号? 珍しいな」
「ん? どこの家の電話番号も10桁だろ? 何言ってんだ?」
「家? 自分のケータイ持ってないのか?」
「ケータイ? 新しいタイツか何かか?」
あ、これあれか。てっきり現代にいると思ったけど違うのか。ときメモの舞台と同じ1995年なのかな。確かにキャラはそのままで時代が変わってる方がおかしいのか。不覚。
「いや。なんでもない」
「変なの。それよりもお前、この高校の伝説知ってるか?」
「ああ。確か卒業式にでかい木の下で女の子に告白されると永遠に幸せになる・・・みたいな」
「そう。あの窓から見える木の下で。いいよなぁ。うらやましいぜ」
卒業式の日までに絶対詩織を堕としてみせる!!!
そうして俺の自己紹介も終わり、
てか俺の能力ってどうやって見るんだ?
・・・・・・おぉ! いきなり空中に見慣れた画面が浮かび上がってきた。まじでパワプロじゃん。えーと、俺のステータスは、
選手能力
弾道4
ミート E44
パワー F27
走力 D54
肩力 E45
守備力 S94
捕球 G2
右投げ
右打ち
投手能力
球速120km/h
コントロール D57
スタミナ B76
球種
ストレート
チェンジアップ 4
対ピンチA
対左打者A
打たれ強さB
ケガしにくさF
ノビG
クイックD
回復F
ポーカーフェイス
野手能力
チャンスA
対左投手A
ケガしにくさF
盗塁B
走塁E
送球G
回復F
悪球打ち
これ凄くね? 凄く凸凹してるけど高校入学時にこれって化け物じゃね? てか守備力Sってなんだよ。投手なのに。元々外野だったのか? でも捕球もG2とかふざけた値だし、サブポジもないし。火野より捕球ないってまじ? でも変化球持ってるのありがたすぎる。変化量のあるチェンジアップって強いのか分からんけど。★999も夢じゃない。
「
ファッ!? いつの間にか詩織が目の前に来てる! え。なんでや。
「・・・どうかしました?」
「どうかしましたって・・・ なんか他人行儀。高校でも一緒のクラスになったから挨拶しに来たのに。しかも私が目の前に来ても気づかないし」
え。まじで幼なじみなの!? 素晴らしい!!! これもうイケるでしょ。
「さっきのは冗談だよ。三年間よろしく。ちょっと今考え事しててさ」
「それってなかよし君のこと?」
誰やねん。なかよしって。あだ名か? 隠語?
「う、うん。そうだよ」
「さっきの自己紹介の時も起きなかったし・・・ 具合悪いのかな。
なかよしってあの紫髪かい! あいつがときメモの主人公なのか?
「いや、話してない」
「中学校に上がるときに引っ越ししちゃったから覚えてないのかなぁ。小学校中学年くらいまでは一緒に遊んでだのにね」
「そうだね」
「って、おい!
急に好雄が話しに割り込んできた。あ、やべ。さっき詩織と面識ないって言ってたんだ。
「ごめん。なんか変なこと聞いてきそうで面倒くさかったんだ」
「酷くないか」
原作だとスリーサイズも聞いてきてたし。
「貴方の名前は・・・確か早乙女君よね?
「いや。席が隣でさっき喋ったばっかだ」
「そうなんだ」
「あ。名乗るのが遅れたな。俺は早乙女良雄。気軽に好きな呼び方で呼んでくれ」
「分かったわ。よろしくね。早乙女君」
「なかよし君と話したいけど・・・ さっきも起きなかったし。どうしようかしら」
「俺も自己紹介の前に話しかけたんだけどよ。気が立ってるぽかったから今はそっとしといたほうが良いと思うぜ」
「そうしようかな」
「さすがに昼休みには起きるだろうし、その時に話すか。時間もたっぷりあるし。詩織もそれでいいか?」
「うん」
「好雄はどうする?」
「いや。俺は良いかな。3人の感動の再会を邪魔しちゃ悪いし。後で個別に話すとするぜ」
まだ諦めてなかったのか。頑張れ。二人とも仲良くなって、詩織以外の
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よし。とりあえず午前中の授業は終わった。前世で学んだ分だいぶ楽ができそう。ただ最高にロックな学校だったから文系科目、特に古文がやばそう。この高校の筆記テストは語学、数学、理科、社会、美術だけらしい。意味分からん。語学は国語と英語が一緒になったやつらしい。美術のテストって何すんの? 俺は絵下手だし不器用だからやめてほしいんだけど。なかよし君は教師に当てられてもビクともしないし、授業の始めと終わりの挨拶もしない。肝座りすぎだろ。打たれ強さAすぎる。
「それにしても起きないな」
「そうね。どうしちゃったんだろう」
授業が終わって3分ほどか。詩織と待っているが起きる気配がない。教室には机を合わせてご飯を食べたりする人もちらほら出てきた。
「もう起こすか」
彼の肩をポンポンと叩く。それでも反応がなかったので少し強めに肩を揺らすと反応が返ってきた。眠そうな目で俺たちの方を向くなかよし?君。
「なかよし君。久しぶり。私たちのこと覚えてる?」
俺と詩織を交互に見ながら、彼は深く頷いた。
「うん。高校でもよろしくね」
そう言い終えるのと同時に再び机に伏せてしまった。ええ・・・(悲哀)
「私たち嫌われてるのかな?」
少し心配そうな顔をしている。すごくいい!!!
「違うでしょ。多分。疲れてるんだよ」
「そうだといいけど」
「それと詩織はどの部活に入るか決めた?」
「勿論。中学校の時と同じ野球部に決まってるでしょ。だって私たちバッテリーでしょう?」
これ勝ち確じゃん。よほどの事が無い限り、詩織は攻略できそうだな!!! ある程度、球君が好感度を稼いでくれたおかげで楽できるわ。なんか申し訳ないけど・・・ 彼の屍を超えていこう。
「改めて高校でもよろしくな」
「こちらこそ」
「詩織ちゃん! 一緒にお弁当食べない?」
突然女子が詩織に話しかけてきた。この子も可愛いな。いや。ダメだ。何を考えてるんだ!! 詩織一筋だろ!?
「うん! 食べましょう。じゃあ私はこれで。放課後にまた」
「分かった」
詩織が入った輪には10人くらい女子がいる。友達作るの早すぎだろ。
ちょうどその時、教室に入ってきた好雄と目が合い、こちら向かってきた。
「飯食おうぜ! ちなみに球は弁当か?」
「うん」
「俺と同じだな。じゃあ早速机合わせて食おうぜ」
とりあえずぼっちは回避できたか。
いやー。放課後が待ち遠しい!!
最初の世界はときメモクロスです。次はパワプロにある高校で、3つ目はもう一度ときメモクロスでやろうと思っています。