星のミカービィ スーパーデラックス   作:イッセ

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最初はミカが1年からです。

星のカービィスーパーデラックスを元に、オリジナルで進めていきます。


はるかぜとともに・・・ゲヘナへ攻め込む!

 

 

トリニティ総合学園。

 

学園都市キヴォトスにおいて三大学園に数えられる一大勢力であり、優雅さや気品を大事にするミッション系の学園である。

 

そんなトリニティを構成している生徒連合「フィリウス」の構成幹部を代々つとめていた、桐藤家の娘たる私、桐藤ナギサも、今年からこの学園に通っている。

 

 

「ナギサ様、お聞きになりましたか?また、ゲヘナ学園の生徒がトリニティの自治区で問題を起こしたそうですわよ。」

 

「なんでも、トリニティ郊外の喫茶店に搬入する予定だった、果物や食料を襲撃して奪っていったとか。」

 

「まあ、なんて野蛮な。」

 

「やはり角ツキは下品な方が多いですわね。」

 

 

そんなトリニティと並ぶマンモス校であり、「自由と混沌」を掲げるゲヘナとは、長年敵対しており、粗暴で自由気ままな問題児が多いゲヘナ生を嫌っている生徒は多い。

 

 

「まあまあ、皆さん。所詮は些事に過ぎません。じきに正実の人間が解決してくれることでしょう。」

 

最も、一見、お嬢様学校といった印象を受けるトリニティも、一部では生徒間で陰湿なイジメが行われていたり、派閥の内外を問わず互いの足をすくい合うような騙し合いが横行していたりと、陰謀策謀渦巻くドロドロとした人間関係も垣間見える学校である。

 

ナギサ自身、気が滅入る話ではあるが、時期フィリウス派の幹部が内定している身としては、そういった方々とも上手く付き合っていく必要があるのだ。

 

 

「・・・・いえ、それが。パテル派の1年が飛び出していき、ゲヘナの自治区まで追いかけていったそうで“ぶふぉ!!”ナギサ様!?大丈夫ですか!」

 

「・・・・・・ええ、大丈夫です。お見苦しい姿をおみせしましたわ。(聞かなくてもわかる、食べ物関係には特に敏感ですもの。)」

 

 

噴き出してしまった紅茶を片付けつつ、話の当事者であろう幼馴染を思い浮かべる。

 

 

(みぃぃかぁぁさぁぁん!!!入学早々、何やってますのおおお!!!)

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

「あっれぇぇ?あいつらどこ行ったんだろう?」

 

 

ゲヘナの自治区内にて、普段では決して見かけないだろう白い羽を持った生徒がうろついていた。

 

各学校の入学式も終わり、ゲヘナ内でも比較的落ち着いた春。

 

はるかぜに導かれるよう、やってきた彼女の名は聖園ミカ。

 

トリニティの搬入車両を襲撃した不良たちを追いかけて、正義感のもと「全く、食べ物を独り占めしようとするなんてゆるせないよ!プンプン!」・・・・まあ、悩みのないやつだ。

 

 

「・・・ペポォォ、でも、見失っちゃったしなあ、とりあえず、高い所から探したら見つかるかも?」

 

 

改めて、周りを見回すと、遠くに円柱状の高い建物が見える。

 

屋上がへりの発着場になっているのだろう、あそこならゲヘナ学園が一望できそうだ。

 

 

「よし!とりあえずはあそこを目指そう!!ついでに美味しいお店なんかもあったら、立ち寄る感じ「よお?トリニティのニワトリちゃんがこんなところでなぁにしてるんだぁ?」ポヨ?」

 

 

季節的に落ち着いていると言っても、それはあくまで相対的な話。

 

キヴォトス内で最も治安の悪いと言われているのが、このゲヘナであり、そんなところで敵対しているトリニティ生がいれば、当然のごとく絡まれる。

 

見るからに不良という身なりをした生徒複数人に、ミカは周りを囲まれていた。・・・しかし

 

 

「あっ!ゲヘナの人?ちょっとこの辺で、大きなトラック見かけなかった?食料どろぼうで、探してるんだけど!」

 

 

この聖園ミカ、警戒心というものがかけらもない。

 

絡まれているという自覚もなく、声をかけてくれた親切な人とすら思っているだろう。

 

 

「・・・・お前、バカか!なんで私らがそんなこと教えないといけないんだよ!」

 

「バカにしてんだろ!身ぐるみはいでやる!!」

 

「かくごしろや!トリカスが!」

 

 

そんな反応を返せば、当然、不良たちに襲い掛かられるわけだが

 

 

「ペポォォ!?襲ってきた!?さては、さっきのどろぼうのお仲間さん!」

 

 

的外れな反応を返しつつも、すばやい動きで銃弾の中をくぐり抜け、最も近い相手の懐へ飛び込み。

 

 

「・・・じゃあ、投げるね☆」

 

“うぅんやあ!”

 

相手を掴んで高くジャンプし。

 

“えい!(どかああああん!)”

 

地面に叩きつけつつ吹っ飛ばした。

 

 

「ちょっ!うわあああ!」

 

「はあ?!一緒にジャンプして地面に叩きつけた?!」

 

「いや!なんでそれで吹っ飛ぶのさ?!爆発もしてるし!!」

 

 

銃を使わず、接近戦を仕掛けられたのもそうだが、それ以上に物理法則を無視した仲間のやられ方に動揺が隠せない。

 

 

「それに仲間ってなんの話「うん!とりあえずぶっ飛ばすから、後で話きかせてよ!」ちょっま“はぁ!”ごひゃ!」

 

 

どろぼうの仲間について否定しようにも、話の途中で

サマーソルトで吹っ飛ばされる。

 

「やばい!にげっごひゃ!」

 

「うわああああああ!!」

 

「くるなくるなくるなああああ!!」

 

 

他の仲間も、横蹴り・足払い・バックドロップで、それぞれ吹っ飛ばされた。

 

 

「・・・・ふう、さてとお仲間の所へ案内して・・・・ああっ!全員どっかに吹っ飛ばしちゃった!!」

 

 

そう、この主人公、天然な上に容赦がないのだ。

 

 

「ペポォォ。とりあえず、あの高いとこ目指そう。」

 

 

・・・・・行き当たりばったりでバカなのも付け加えよう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「トリニティ生が暴れてる・・・・ですか?」

 

ゲヘナ学園、情報部。

 

学区内はおろか、キヴォトスのあらゆる情報が集まるここにも、ゲヘナで暴れるミカの情報が入っていた。

 

 

「ああ、トリカス共にしては珍しい話だが、多数のゲヘナ生がやられているらしい。」

 

「それほど強いということは、武闘派、パテルか正実の人間でしょうか?」

 

「正実の制服ではないそうだが、被害の報告からするに、風紀委員会の建物に近づいてきているようだ。」

 

 

ゲヘナ生にしては珍しい秩序側の生徒たちは、この異常事態にとある戦力の投入を決めた。

 

 

「君の実力は聞き及んでいる。是非ともこの犯人の制圧を頼みたい。」

 

「私は情報部所属の上、まだ1年なんですが・・・・。」

 

「重々承知の上だ、だが、君になら任せられる。」

 

 

巨大なヘイローを浮かべた、銀髪の少女に向かって、改めて指令をだす。

 

 

「行ってくれるね?『空崎ヒナ』」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

さて、厄介な相手に目をつけられたミカだが、そんなことはつゆ知らず。

 

順調にゲヘナ学内を

 

「おかわり!それとメニューの2列目と3列目も持ってきて~♪」

 

進んではいなかった。

 

 

ゲヘナ学園内にある食事処。

 

そこから漂う良い匂いに、ミカは目的も忘れて、フラフラと立ち寄っていた。

 

「・・・・おい!お前トリニティのせ“ヒュゴオオオオ!・・・ごきゅん!”・・・えっとこんなとこでなに“ぺっ!ガチャガチャ”・・・・あの“ヒュゴオオオオ!”・・・・なんでもないです。」

 

 

ここでも当然のように絡まれているのだが、いくつもの料理を食器ごと吸い込み、綺麗になった皿だけ吐き出すというあり得ない光景に、流石のゲヘナ生もすごすごと引っ込むしかない。

 

食事処を運営し、料理を提供しているのもゲヘナ生なのだが、同じくミカに対して、話しかける勇気はなかった。

 

そんな中。

 

 

「あ、あのお。すっごく食べますね。」

 

「ポヨ?」

 

 

次の注文を待つ間、おそるおそる話しかけてきた生徒がいた。

 

美しい金髪でスタイルのよいその生徒は、その容姿に似合わずどこかオドオドとしている。

 

 

「まあ、おいしいからね!!(にぱあ!)」

 

 

最も、そんな様子に気づくほど察しの良いミカではない。

 

 

「おいしいから・・・ですか。」

 

「うん!おいしいものを食べてるときって、なんか幸せ~って気分になるでしょ?たくさん食べれる方が、そんな幸せを長く感じられてお得じゃんね!」

 

「・・・・たくさん食べれる方が、しあわせ。」

 

 

ミカの言葉を、自分の中にしみこませるように繰り返す。

 

うつむいて、しばらく何かを考えていた彼女だが・・・目に何かを宿してミカに向かい合う。

 

 

「・・・あの!「おまちどうさま!」「きたきた♪」“ヒュゴオオオオ!”」

 

 

何かを話しかけようとした彼女だが、次の料理がきて、ミカの食事が再開されてしまう。

 

何度か話しかけようとする彼女だが、ミカの幸せそうな表情に邪魔する気がおきなかった。

 

 

「・・・・たくさん食べるのは幸せなこと、か。」

 

 

ミカの傍を離れた彼女は、先ほどまで座っていた席に戻り、先ほどミカに言われた言葉を繰り返した。

 

思わずつぶやいてしまった独り言だったのだが。

 

 

「当たり前のことですが、真理でもあると思いますわよ。」

 

 

美しい銀髪の少女が答えた。

 

 

「えっと、あなたは「食欲とは、人間がもつ3大欲求のひとつ。あなたが何を悩むのかは、先ほどのやり取りからなんとなく分かりますが、彼女の回答が真理だと思いますわ。」・・・・・。」

 

 

こちらを見透かされたような言葉に、思わず黙り込む。

 

彼女は自身の食事の多さを揶揄された経験から、人前での食事に苦手意識を持っていた。

 

 

「美味しい食事は幸せな時間、それを少しでも長く味わいたい。・・・当たり前のことなのに、ここまで心動かされるとは、私にとっての美食のあり方が、あの方のそれと似ているのでしょうか。」

 

 

一方的に話される言葉、にも関わらず、この人の話に聞き入ってしまう。

 

 

「・・・・あの、お名前を・・・・・お名前を教えてもらってもいいですか?」

 

「・・・ああ、失礼いたしました。わたくし、ゲヘナ学園1年の黒舘ハルナと申します。」

 

「・・・ハルナさん。・・・私は、アカリ・・・・鰐渕アカリといいます。」

 

「・・・・アカリさん・・・ですか。」

 

 

この出会いが、後のとある研究会の始まりであり・・・・・ゲヘナ有数の問題集団の出会いでもある。

 

 

食材のすべてを食い尽くされた食事処が、その化け物染みた食欲のトラウマとなり廃業したため、2年後には学食しかゲヘナになく、とある2年の生徒が苦労するのは、また別の話。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「・・・・しまった。ついつい時間を忘れて食事に没頭しちゃった。」

 

 

お店の食材を根こそぎ食べて満足したミカ(満腹ではない)は、当初の目的である食料どろぼうの追跡を再開していた。

 

 

「“ドカ!バキ!ゴキ!”・・・・全く、しつこいなあ!さっきから襲ってくるの、全員どろぼうの仲間?!」

 

 

その道中、絡まれた片っ端からぶっ飛ばしてきたミカは、その問題行動故に、風紀委員の襲撃を受けていた。

 

 

「ゲヘナはどろぼうさんばっかりかあああ!!!」

 

 

最も、本人は全く気づいておらず、最初の不良たちと同じく食料どろぼうの一味と思っているようだ。

 

なお、読者の皆様もお考えの通り、倒した相手の話を聞き出せば解決することだし、どろぼうの一味と思っているのなら追っているトラックの行き先を調べるために話を聞くべきなのだが、ぶっ飛ばすことに夢中になっているミカには、そんな考えは浮かばない。

 

 

「ええい!まとめて吹っ飛ばしちゃえ!“ヒュゴオオオオ!”」

 

「「「うわあああ!!」」」

 

 

風紀委員や不良だけでなく、銃や周りのものごと吸い込み。

 

 

“ピオォォォォォォォォォ!”

 

 

全てを吐き出して、周り事吹き飛ばした。

 

 

「きゃあああ!なになになんですかあああ!」「うわああああああ!」「ええええええええええ!」

 

 

まあ、そのような範囲攻撃をすれば、当然巻き込まれる生徒たちもいるわけだが、必要な犠牲だったとあきらめてもらうこととす「危ないわね。」る?

 

 

吐き出したあれやこれやが、周りのゲヘナ生を巻き込もうとした瞬間、大きな翼を広げて空から落ちてきた銀髪の少女が、すべての攻撃を受けきった。

 

 

「全く、面倒ね。・・・けど、これ以上は見逃せない。」

 

「ぽよ?」

 

 

巨大なヘイローを頭に浮かべ、大きな翼を広げて舞い降りる。

 

その容姿は幼いながらも、身の丈ほどのマシンガンを持つその姿は、強者の風格を纏っていた。

 

 

「あなた達、大丈夫?あのピンク髪は私が押さえておくから、今のうちに逃げなさい。」

 

「は、はい!」「あ、あ、あ、ありがとうございます!」「うわあああ、に、にげろろおお!」

 

 

巻き込まれそうになっていた生徒たちに声をかけ、この場から逃がす。

 

しかしその間、目の前に立つ銀河のようなヘイローを持った女から目を離さない。

 

 

「ポヨォォォ、あなたもどろぼうさんなの?」

 

「どろぼう?何のことかわからないけど、ゲヘナで暴れられるのは困るわ。」

 

「むう、襲ってくるのとどろぼうさんが悪い。」

 

「・・・・ゲヘナの風紀的に反論できないけど、とにかく捕まってくれないかしら?」

 

「どろぼうさん捕まえれなくなるから、嫌かな☆」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

ある程度の会話をするが、双方黙り込んでしまう。

 

いきなり戦闘に入らないあたり、ミカ自身にも、相手の強さが侮れないものというのがわかった。

 

それはヒナも同じこと。

 

それでも。

 

 

「・・・・力ずくで連れていくことになるわよ?」

 

「じゃあ、無理やり押し通るしか、ないじゃんね!」

 

 

ミカVSヒナ。開戦!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なんなんですか、あれは。」

 

 

ヒナに庇われ、何とかあの場から逃げ出せたゲヘナ生は、あの理不尽の塊を思い出す。

 

 

(あのとんでもない質量を吸い込んで吐き出す?!人間、いや、質量的に無理があるでしょう!!)

 

 

あまりに無茶苦茶、理不尽の塊、己に降りかかった不運にとりとめのない怒りを感じる。

 

 

(もし、あの人が庇ってくれなければ、どうなってい・・た・・か)

 

 

そこで思い出すのは、絶望的な場面で現れた銀髪の少女。

 

幼い容姿とは裏腹に、その眼光は鋭く、その背中に安心感を覚えた。

 

 

「アコ、大丈夫だった!」

 

「カヨコさん!」

 

 

人並みの向こうから、こちらに向かって走ってきたのは、自身が最も信頼を置く友人だった。

 

 

「無事でよかった。あの戦闘に巻き込まれてたら、私でも助けにこれたかどうか。」

 

 

先ほどまでいた場所では、凄まじい轟音と衝撃波がここまで伝わってくる。

 

 

「カヨコさん、あの庇って下さったかたは、いったい?」

 

「ああ、彼女は空崎ヒナ、情報部の1年だけど、入学前から優秀で風紀委員の幹部候補らしい。まあ、戦闘力は見ての通りだね。」

 

 

遠くに見える2人の戦闘は、既に人外染みたものとなっている。

 

空崎ヒナの戦闘力は、噂以上といえるだろう。

 

「・・・・お礼、言いに行きたいですわね。」

 

「・・・アコ、何考えてるの?」

 

親しい友人だからこそ、彼女の目に並々ならない決意が宿っていることが見て取れる。

 

「カヨコさん、やりたいことができたんです。カヨコさんも付き合っていただけますか?」

 

「・・・・いいよ、そんな目で言われちゃあね。」

 

 

後にこの2人は道を違え、それぞれ敵対する組織に入ることとなるのだが、今は関係のない話である。

 




ミカの接近戦は、64の大乱闘を元にしています。

最初のは通常投げ技で上スマッシュ、横スマッシュ、下スマッシュ、後ろ投げです。
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