その血が歩む道すじ:完全版   作:亞忌羅

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 駆け足気味な気がするけど晴蓮く封印されてるし、外の事分かんないからね、カットできる部分はカットよカット。


九十九話

「敵の手に渡るくらいなら取り込めばええやん」

「それもアリではあるが、どうする呪霊操術使い」

「まだ事が事ではありません」

「そうか、ではその意見を尊重しよう。

 あの男(羂索)の術師としての実力を考慮すれば接触した時点で操られる可能性が高い、だから私の本体は今薨星宮で全てを拒絶している。それらを加味すれば取り込んだ方がベストであかるがね」

「その上で護衛を?」

「そうだ。羂索は私に、そして加茂晴蓮と同等の結界術の使い手だ。薨星宮の封印もいつ解かれるか分からない。

 最も、ここに来る必要があるのかすら分からないのが現状だがね」

「何故今なんだ。星漿体との同化の阻止、天元(オマエ)を進化させ、還魂(かんごん)操術で操る。羂索は宿儺と関わりがあることは加茂君から聞いている。千年間術師をしているのも聞いている。だが、何故! 今なんだ!!」

「『天元(私)』、『星漿体』そして『六眼』。これらは全て因果で繋がっている、その事は加茂晴蓮から聞いているか?」

「………聞いてねぇな」

「だね、蓮(れん)から何も聞いていない」

「彼らしいな、大方情報過多だのなんだのと考え伝えなかったんだろうね、だからこそこうなったと言うのに。

 羂索は過去に二度、六眼の術師に敗れている。二度目の羂索は徹底していた、星漿体も六眼も全て生後一月(ひとつき)以内に殺した。

 しかし何者かの手によって(・・・・・・・・・)同化当日に六眼と星漿体は現れた、その後羂索は六眼を抹殺ではなく封印へと方針を変え、獄門疆(ごくもんきょう)の捜索を始めた。

 六眼持ちは同時に二人は現れないからね、だが十二年前に予期せぬ事が起こった。君だよ『天与の暴君』禪院甚爾の存在だ」

「俺は加茂甚爾だ、二度とその名で呼ぶんじゃねぇ」

「それは悪かった、以後気をつけよう。

 天与呪縛による天然のフィジカルギフテッド、その中でも特異な完全に(・・・)呪力から脱却した存在の確認。呪縛の力で因果の外に出た人間が、そしてそこには呪霊操術を持つ少年も居た。

 意図せずして獄門疆(ごくもんきょう)以外のピースが全てが揃った、本来であればその時に私達の運命を破壊される筈だった(・・・・・・・・・)。天与呪縛のフィジカルギフテッドを使い高専を襲撃させ破壊するつもりだったんだよ、だがーー」

「俺は晴(ハル)側の人間だからな、俺は使えねぇ」

「その通りだ、ピースは揃ったが天与の暴君は加茂晴蓮の味方、金で釣る事もそれ以外で釣る事も不可能。諦めなければならない状況下で羂索はとある、そして奇妙な術式を手に入れた」

「例の呪人か」

「ああ。詳細までは知らないが『無為転変(むいてんぺん)』とは違うやり方で呪霊と人間の改造、そして改造した人間を使った抹殺を決行したがされさえも失敗に終わった。何せ現代には六眼以上の、天与呪縛のフィジカルギフテッド以上のイレギュラーが生まれたからだ」

「それがハルか」

「そうだ、天与呪縛により未来も過去も視通せる術師が現れた。それだけではなく、その術師は時間さえも操ってみせた」

「時間さえも? どう言う意味だ」

「そのままの意味だよ、彼は……今の加茂晴蓮は時間遡行さえも可能としている(・・・・・・・・・・・・・・)」

「なんだって!!」

「マジかよアイツ人間辞めてんだろ」

「流石は蓮クンや、俺らの数段上をいっとるわ」

「そして加茂晴蓮の手によって星漿体暗殺は失敗に終わった、六眼以上のイレギュラーによりまたしても星漿体の同化を阻止できなかった。だが、加茂晴蓮は同化をさせなかった。

 結果としては羂索にとって望ましい結果になったがそれを知ったのは最近だろうがね」

「何故そう言える」

「加茂晴蓮の仕業だよ、加茂晴蓮は何かしらの呪術を使い羂索を最近まで騙しきった」

「洗脳術式か」

「だから蓮(れん)は術式の開発を急いだのか」

「その辺りは本人に聞きたまえ」

「今封印されてんだよ」

「……そうだったな。話を戻そうか、羂索の意図せずして揃ったピースでさえも因果を壊せなかった羂索は元のプランである獄門疆(ごくもんきょう)の捜索を再開し、その獄門疆(ごくもんきょう)も羂索の手に渡った」

「じゃあ死滅回游はなんの為に行われるんですか?」

「同化前の慣らし(・・・)だよ。

 星漿体以外との同化は不可能ではないが、現時点では高確率で不完全なモノと成るだろう。死滅回游は泳者(プレイヤー)の呪力と結界(コロニー)と結界(コロニー)で結んだ境界を使ってこの国の人間を彼岸へ渡す儀式だ。

 それを慣らしとして私との同化を始めるつもりだろう、だがこれだけの儀式を成立させる為には羂索自身もそれ相応の『縛り』を負っている筈だ」

 

 淡々とされる説明を聞き、現在の逼迫した状況を理解していくからか、全員が険しい表情で天元の話の続きを待っていた。

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「縛りの一つとして『死滅回游』の管理者(ゲームマスター)は羂索ではない、だがこれは君達にとった不利に働く。羂索を殺しても『死滅回游』は終わらないからだ、泳者(プレイヤー)が死ぬか、泳者(プレイヤー)が全員参加を拒否して死ぬかそれまで死滅回游は終わらない」

「それは好ましくない」

「ハルから俺らに何も指示が無いって時点であっちの望み通り事を進めさせろって事だろ」

「何かを視たか加茂晴蓮、では彼の望み通りに動いてくれ」

 

 三人のやり取りを見て加茂恵が険しい顔をしていると甚爾が、「安心しろ、縁(ゆかり)も津美紀(つみき)も安全な場所に居る。晴(ハル)が事前に移動させた」と呟く。

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「父さん!」

「高専襲撃後に晴(ハル)が自分が持つセーフハウスに移動させている。晴(ハル)からの手紙に書いてあった、だから安心しろ」

「そう、か。良かった………良かった」

「良かったね恵君」

「はい、懸念が一つ無くなりました」

「じゃあ残りは消極的な人達の退去だな」

「続きを話して言いかね? では先ず始めに死滅回游のルール6【泳者(プレイヤー)は自身に懸けられた点(ポイント)を除いた100得点(ポイント)を消費する事で管理者(ゲームマスター)と交渉し、死滅回游に総則(ルール)を一つ追加できる】を使ってゲームに消極的な人が回游を抜けるルールを追加しよう」

「その上で加茂先生の解放も平行しましょう。兄さんが居れば何か解決策を出してくれる筈です」

「その前に誰が残るか決めてくれ」

 

 沈鬱な表情をした虎杖を横目に二人が「俺が(私が)残ろう」と名乗りあげる。

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「良いのかい? 弟の傍に居なくて?」

「できれば悠仁の傍に居たいが、悠仁には乙骨かお前の協力が必要不可欠だろう。それに加茂憲倫(のりとし)が、羂索がここに天元を狙って来るのなら尚更ここに留まり奴の命を断つ事が弟達の救済だ」

「そうかい。私はまだ天元と話し足りなくてね、いいかな? 乙骨君」

「はい、僕はもう皆と離れたくないので」

「ありがとう、助かるよ。で? 天与の暴君、君はーー」

「俺がんな所に留まると思うか?」

「無いね」

「分かってんじゃねぇか」

「じゃあ決まったね、私と呪胎九相図(じゅたいくそうず)が残る。だらか教えろ天元」

 

 九十九が語気を強めて言うと「分かっている」の言葉と友にどこからともなく呪具を取り出し「加茂晴蓮の解放、その為に必要な呪具『獄門疆(ごくもんきょう)・裏(・)』だ」と見せる。

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「『裏』!?」

「初耳だね」

「この事も聞いていないのか、取捨選択が激しいな」

「マジで隠し事ばっかじゃねぇかハルの奴」

「出したら考えを改めさせないとね」

 

 メンタルを少し取り戻したのか「裏門って事?」と聞き「そうなるね」と答えた。

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「羂索に見つかる前に獄門疆(ごくもんきょう)は私の結界の外……加茂晴蓮は海外だろうと言っていたがその通りだった。この裏門を封印する事で表の気配を抑えていたんだが無駄だった様だ」

「蓮(れん)には何が、どこまで視えているんだろうね」

「知らね」

「出して聞けばいい」

 

 騒いでいるさしす組に「話していいかね?」と言うと「どーぞ」と返ってくる。

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「この裏門の中にも加茂晴蓮は封印されている」

「ならさっさと開ければいいだけじゃねぇか」

「イヤ、あくまで開門の権限は表の所有者である羂索だ、これを抉じ開けるにはーー」

「俺の出番ってこったな」

 

 そう言い腹の中から武器庫呪霊を吐き出し、その中から特級呪具『天逆鉾』を取り出す。しかし待ったを懸ける声があかった。

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「待て、先生からの指示がある」

「メカ丸君、それはどう言う意味なんだい」

「今から読み上げる。『今、皆の前には『獄門疆(ごくもんきょう)・裏』がある筈だけどーー』」

 

 

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「との事だ」

「マジで何考えてんだよ」

「言われた通りにした方が良いんだろうけど………」

「それとお前達に渡す物を預かっている」

「まだあんのかよ」

「五条悟、アンタにはこの呪具だ」

 

 手渡したのは深い青色の腕輪だった。

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「硝子のと似てんな」

「詳細は聞いてない。だが付ければ分かると言っていた」

「多分同じものだね、その腕輪から同じ式神が視える」

「マジで? どんな式神」

「人の形してるけどそれ以外は分からない」

「硝子と同じって事は何か術式が宿ってるって事か」

「先生が言うにはその呪具がいずれ必要になるとの事だ。いつ必要になるのかは知らん」

「ま、ハルが要るっつーならどっかで要るんだな」

「……信頼しているんだな」

「とーぜんでしょ俺達三人は『最高(最強と最優と最多)』の呪術師だからな」

「そうか、夏油傑。アンタにも渡す呪具がある」

「貰おうか」

「これだ」

 

 そう言い渡したのは黄金色の腕輪だった。

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「腕輪、か。色は違うけど悟の呪具と似ているね」

「んー蓮(はす)の台座にお坊さん? 仏像? が座ってる」

「フム、どんな術式なのかは」

「五条悟と同じように付ければ分かると聞いている」

「そうしよう」

 

 夏油が腕輪を付けているのを横目に「加茂甚爾、アンタにはこの二つの呪具と手紙を預かっている。これだ」と言われ渡された呪具は武器庫呪霊にしまい、手紙を見て「また難しい事を言いやがる」と溢す。

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「虎杖悠仁、お前にも呪具を預かっている」

「俺にも?」

「この二つだ。一つはお前に、もう一つは釘崎野薔薇(・・・・・)宛だ」

 

 釘崎の名前が出て表情が険しくなり「でもアイツは……」と呟くが「先生曰く『コレ(呪具)を渡せば丸く収まる』との事だ」と告げる。

 ━

「丸く収まる? それはどう言う意味だ。釘崎は今ーー」

「どんな状態なのかは言わなくていい、小型呪骸(じゅがい)から見て知っている。それでもこの呪具を渡せと言われている」

「!? まさか師匠は釘崎があんな事になることを……」

「そこまでは分からないがその腕輪を渡せばいいとだけしか言われていない」

「師匠………」

「黒色の腕輪がお前宛だ、使い方は同じ事を聞いている。付けておけ」

「ああ……」

「加茂恵、お前にもある」

「俺にもか?」

「この腕輪だ」

 

 恵には黄緑色を渡す。

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「色は違うが同じ腕輪か」

「葉っぱ? みたいなのが浮いてて可愛らしい女の子が視える」

「女の子、ですか?」

「ま、晴(セイ)が恵に渡したんだから意味があるでしょ。付けときなよ」

「はい」

「加茂真希、お前にも呪具を二つ預かっている」

「マジで色々と渡されてんな」

「先生の事だ、こうなる事を知っていたのだろうな、これが預かっている呪具だ。一つは他の奴らにも渡した腕輪、もう一つは一対の双剣だ」

 

 紫色の腕輪型の呪具と波打つ鉤爪が重なっている呪具を渡す。

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「随分と禍々しい双剣だな。んでこっちは腕輪か、五条や夏油先生が渡されたモノと同じだな」

「どれどれ、んー………。人の形してるね、頭にウェディングドレスの時に使うベールかぶってる。でもなんか猫っぽい」

「ベールをかぶってて人の形だけど猫っぽい……メカ丸、術式は付ければ分かんだな?」

「そう聞いている、双剣の方は手紙に書いてあるそうだ。後で読むといい」

「次は禪院直哉、アンタだ」

「まあせやろな」

「受け取れ」

 

 直哉に渡したのは手紙と独特な形をした一対の拳銃だった。

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「なんや拳銃て」

「俺が知るか、手紙に書いてある筈だ」

「それもそうやな………無茶言うで蓮クン」

「何が書いてあるのかは知らんが頑張れ。

 これで言われていた事は伝えたし、渡すモノは渡した。そして『これらを聞いた上での行動は皆に任せる』と言っていた。好きにするといい」

「メカ丸君はどうするんだい? 彼の事だ、君にもまだ仕事を頼んでいると思うだが」

「ああ、俺にはやる事がある。俺は別行動させてもらう、じゃあな」

 

 言い終わるとそのまま薨星宮の外へと(・・・)出ていった。

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「言われた通りやるしかない」

「蓮兄の事だからな、指示通りやるしかないだろ」

「んじゃまあ俺も別行動させてもらおうか、晴(ハル)からの指示だからな」

「大丈夫なんですか?」

「知らねぇよ、アイツがやれっつーならやるだけだ」

「確かにな、ゴリラが言ってるように言われた通りに動く方がハルにとって望ましい結果になるんだからよ」

「私は何も言われてないけど、外に居た方が良さそうだね」

「硝子には後ろで待機して治療に尽力してほしい」

「晴(セイ)が私に何も言わないって事はそうしてほしいんだろうし、後ろでゆっくりさせてもらおうかな」

 

 全員のやり取りを見ていた天元が「言われた通りにするんだな?」と聞き代表するかのように五条が「それがハルの意思だ」と返す、その返答に「つまり加茂晴蓮の封印は解かない(・・・・・・・・・・・・)と受け取っていいんだな?」と問い掛けた。

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「ああそうだ、封印は解かねぇ」

「そうか、だが念のために裏門は加茂甚爾に渡しておこう。いつでも開封できるようにな」

「ま、一応預かっとくわ」

「この場所で、私が持っているよりいつでも開封できる方がいいからね」

 

 薨星宮での話し合いを終え、それぞれが晴蓮の指示通りの事をし始める。

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「彼は随分と信頼されているんだな」

 

 外へと出ていった面々を見て一人呟くと奥から、「あの人にはそれだけの信頼と人望があるからダ」と機械じみた声が聞こえた。

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「出てくるのが早いね」

「二人以外ガ外に出ていくのを見タ、問題はナイ」

「まだ居るだろうとは思ってたけど本当に居たのかい君」

「当たり前ダ、先生にはここを守れと言われていル。ここは砦の一つ(・・)だからな」

「砦、ね。(それに一つ、か。彼は何が視えている)」

 

 九十九の心配を余所に「奥に行こう、話し合いの場所は造ってある」と他人事のように話す天元を見て呆れた様子で三人はついていった。

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「ちょっといい加減にしてよ! いくらこっちから頼みに来たって言っても限度ってモンがあんでしょ!!」

「なら早く加茂先生連れてきなって言ってんじゃん」

「それもさっきから何度も言ってるでしょ!」

「そんなんを『はいそうですか』って信じられる訳ないでしょ、あの人がそんな事される訳ないんだから」

「だよなー信じねーよなー、俺も信じらんねぇし」

「ちょっとパンダ! アンタも何かしなさいよ! 私が人に術式使うの嫌いなの知ってんでしょ!」

 

 このやり取りをするのは今日で約五日目(・・・)で、真依とパンダは、星綺羅羅(ほしきらら)の術式を見破れず星にも秤が居る部屋(モニタールーム)に近づけないでいた。

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「真依先輩、パンダ先輩」

「ん? なんだ恵か、何しに来たの」

「あの二人の説得です」

「(あのウニ頭くん今日真依達が来る前に下に来た子? ……! 金ちゃんが危ない!)」

 

 顔を顰め「私達五日(・・)以上掛かってんだけど」と返すと「先生からの指示なので」と答えた。

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「兄さんから? どんな指示?」

「死滅回游に秤さん達を参加させる事です」

「あの二人を?」

「それに乙骨先輩から聞いたんです、『ノってる時の秤さんは乙骨先輩より強い』と」

「あぁ、まあそうね。強いわね『ノってれば』だけどね」

 

 三人が話し合っている隙に携帯を触り見えない位置で秤金次(はかりきんじ)に連絡をいれる。

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「どう言う意味かは分かりませんが先生の指示でもあるので必ず説得します」

「じゃあ綺羅羅(きらら)の術式を見破りなさい」

「綺羅羅(きらら)さんの術式は先生からの手紙にヒントが書いてありました」

「できんなら答え書いといてくれたら助かるんだけどなー」

「ソレも手紙に書いてありましたよ」

「なんて」

「『正解を書いたら綺羅羅(きらら)君に悪いからね』と」

「まあ他人の術式を吹聴するのは駄目だけど時と場合を考えてほしいわね」

「実はもう一つ違う事が書いてありましたよ」

「マジで?」

「……『それじゃあ面白くないでしょ?』と」

「兄さん………」

「なんつーか、加茂センだなって感じだな」

「それで? ヒントは何」

「『星座』、だそうです」

「星座か」

「それだけで見破れって?」

「そうなんでしょうね、どこまで分かっているんですか?」

 

 

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「そう、ですか。(近づけない、物に引っ張られる。しかし真依姉さんの術式で構築された物はその限りではない)玉犬(ぎょくけん)・『渾(こん)』」

 

 加茂恵が式神、玉犬(ぎょくけん)〈渾(こん)〉を使い綺羅羅(きらら)に突撃させるが触れたと思った瞬間、加茂恵と衝突する。

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「(これが近づけない、か。パンダ先輩が言っていた事と同じ、玉犬(ぎょくけん)は近づけ(・・・)なかった。そしてヒントは星座。ん? 腕輪が光っている? 使えと言う事か? でもその前に……)綺羅羅(きらら)さんに一つ聞きたい事があります」

「……聞いてあげる」

「なんで協力してくれないんですか」

「そっちが先にハブったから」

「パンダ先輩、何かあったんですか?」

「保守派と揉めたんだ、加茂センの甥なら保守派がどんな奴らなのかは分かんだろ」

「現代的な術式」

「そうよ、金ちゃんの術式はその典型だから私達を否定したのよ。上のバカどもはそんなんだから負けんのよ、でも加茂先生は擁護してくれた。だから加茂先生を連れてこれば話だけは聞いてあげる。でもさ、アンタらはには五条悟が居るし夏油先生も居んじゃん。

 いくらでもケツ拭いてもらえる、私らに頼る意味が分かんない。って事は頼ってきたのは嘘で、他に目的があるって考えるのが普通じゃない?」

「確かに五条先生と夏油先生も健在です、ですが二人とも兄さんの指示で動いているので頼れませんし何より先生の指示で二人に協力を仰ぎにきました」

「だから加茂先生を連れてきなよ」

「兄さんは羂索……死滅回游を行った術師の手で……特級呪具『獄門疆(ごくもんきょう)』に封印されました」

「獄門疆(ごくもんきょう)? ソレって加茂先生がずっと探してた呪具じゃん」

「それを羂索に使われ加茂先生は封印されたんです」

「…………さっきも言ってたけどその羂索ってのは何者」

「正確には分かっていませんが千年以上生き、そして今回死滅回游と言う儀式を始めた呪詛師です」

 

 恵の話を聞き考えているとモニタールームの扉が吹き飛ぶと同時に誰かが飛んでくる。

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「!! 虎杖!」

「恵、パンダ先輩に真依姉さんは手を出さないでくれ」

 

 

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「マジで? 加茂先生封印されたの? あの加茂先生が?」

「マジです」

「渋谷に行けば分かります、氷の大樹がありますから」

「後ついでのようで悪いが学長が牢に入れられた」

「は? 学長が牢に?」

「上と揉めてな、抵抗した末に捕まって牢屋にぶちこまれた」

「なんでそんな事に」

「なんで今まで黙ってたのパンダ」

「まあいいかなって」

「兄さんに似てきたわね」

「パンダ先輩?」

「スマン黙ってて、だが本当だ。それに生きてんだから問題ねぇさ」

「オマエがそう言うなら俺達はなんも言えねーよ」

「ね」

「にしても世話んなった人らが悉く…………」

 

 話し合っていると突如として死滅回游の式神が喧しい音と共に現れ、新たに追加されたルールを説明した。

 ━

「ん? なあ恵」

「なんだ」

「この銀崩(ぎんほう)って言う名前って……」

「ッ! 兄さんが戦った特級呪霊だ」

「コイツも死滅回游に参加してんのかよ」

 

 二人で話し合っていると「場所はどこだ」の声が聞こえ「京都です」と答える。

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「京都か……」

「ですが確か京都には禪院さん達が向かっている筈です」

「禪院のおっさん達か」

「はい、直哉さんは東京第1結界(コロニー)にいる筈です」

 

 一連の話を聞き「禪院のおっさん達が向かってんなら問題ねぇな。よし、作戦会議とシャレこむか」と締める。

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「マジであんじゃん氷の大樹」

「コレの中に加茂先生が居るの?」

「はい、正確には中央にある呪具の中に封印されています」

「確かにあるな、アレが獄門疆(ごくもんきょう)ってヤツか」

「恐らくは」

「確認もしたしこれからはさっき話した通りにやんぞ」

「はい」

 

 

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 秤達と別れ虎杖悠仁、及び加茂恵は東京第1結界へと現着。突入準備を整え帳へと近づく。

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『よお俺はコガネ! この結界では死滅回游って殺し合いのゲームが真っ最中だ! 一度足を踏み入れたらオマエも泳者(プレイヤー)! それでもオマエは結界(内側)に入るのかい!?』

 

 突如として現れた式神であり死滅回游の管理者(ゲームマスター)のコガネが死滅回游の説明を懇切丁寧にし、秤、パンダ、加茂恵、虎杖悠仁が返答し結界(コロニー)内へと侵入する。

 ━

「いい、必要ない」

『ちぇ』

「虎杖、先ずは日車(ひぐるま)の情報収集だ。行くぞ」

「応!」

 

【虎杖悠仁、及び加茂恵は東京第1結界(コロニー)へと突入。突入後虎杖悠仁、及び加茂恵は別々の場所へと強制転送、そして各々が呪術師と激突】

 ━

「そうか、こうなるのか。なら俺はこのままやるべき事をやろうか」

 

 某所建物屋上にて立つ雲の絵が描かれた白い外套を着た人物が目を閉じ何かを視て、状況を把握してそのままどこかへと消えていった。

 ━




 晴蓮くんがいないと細部は違えど原作をなぞるだけだからね、カットするのは致し方無い。

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