その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 日下部さんは晴蓮くんの強権で一級術師とします、考えるの面倒だからね。





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 それとこのキャラ口調ちゃうぞゴラァって箇所があれば教えていただけると嬉しいです、めっちゃ助かります。


二十一話

「流石ですね、皆さん。まぁコレくらいの呪霊は祓えないと困りますが」

「そりゃ、な。一級呪霊にやられるようじゃ一級術師になってねぇよ」

 まぁそうでしょうね、術師の等級は同等級の呪霊を問題なく祓えるからなれるワケだし。

 

「日下部さんも流石ですね、それでこそ僕の師匠の1人です」

 実際、術式が無いのに一級相当に強かったし、あの程度祓えないワケが無い、これだから頭の硬い総監部(腐ったミカン)は。

 

「それで、冥冥さん。どうですか? 使い物になりそうですか? ソレ」

「ふふ、中々使えるねコレ、後は精度を上げる事が目下の課題かしらね。

 ただ、コレを使うと1匹減るのは痛手ね、その辺りは……単純に操るカラスを増やせば良いとして、ただ、増やせるかどうかは私次第……か。まぁ、ソコは何とかするさ。

 次は利点ね、コレを使った後でもカラスは死骸として残るから死骸も回収もできる、回収した後は……おいおい考ようかしら、フフフ」

 楽しそうで何よりです、しかし一級呪霊程度なら爆散するってかなりの威力だな、これなら特級も過不足なくやれるかもね、どの程度かはやらないと分からないだろうけど。

 

「ま、とりあえず……先を進みましょうか、お目当ての廃ビルはこの先にありますね。

 結構濃い匂い(呪力)を漂わせてる。間違いなく特級呪霊でしょう」

 

 妹達の頭を撫でながら「僕の出番ですかねー」と気楽にあっけらかんと言う。

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「さ~て、お兄ちゃんのカッコいいとこみせちゃうぞ~」

 

 肉雫唼の上でキャッキャと喜んでいる妹達にカッコいい姿を見せるため張り切るバカが1人そこには立っていた。

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「あー……あれですねー、スッゴい臭い。まあでも、この前の呪霊(金剛夜叉明王)に比べればザコですが」

「土地神、それも明王と比べるなよ雲泥の差だろソコまでいくと」

 

 呆れながら晴蓮にツッコミを入れる直毘人、そんなのとやり合ったのかと驚愕する日下部、流石は特級呪術師ねと言う冥冥、三者三様の反応をする。

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「さて、と。パパッと片付けて2人と遊園地に行きますか」

「お前……気楽だな」

「こっちに寄越すんじゃねぇぞ、晴蓮。俺じゃ対処できねぇからな!!」

「私は他にいないか探っておくよ、ふふ、そのついでに……ふふふ」

 冥冥さん楽しそう、日下部さんはいつも通りで安心した。

 

「直毘人さん。僕を誰だと思っているんですか? 僕は特級の1人『最強』が認めた『最優』の呪術師です。

 そんなヘマしませんとも、ですのでご安心を」

「がね"え"、がね"え"がね"え"よ"ごぜえ"え"え"あ"あ"あ"!! 

「あー、アレは人間が持つお金への執着や妬みの呪霊ですかねぇ。ま、所詮ザコ。敵ではありませんね。

 ふむ……そうだ丁度いい、アレを使ってみるか。彼の明王が宝物(ほうもつ)……どんな代物かなっと」

 

 晴蓮は宝玉を呑み込み、宝玉は晴蓮の肉体と融合している。

 そのため晴蓮は自身の身体から自由自在に宝玉内の様々な呪具を顕現させる事ができる。

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「さて、と。ふぅ……どんなモノかなっと。

 この手に在るは五大明王、北方神、金剛(こんごう)夜叉(やしゃ)明王(みょうおう)金剛杵(こんごうしょう)

 即ち、如何なる障害をも貫く聖なる()。今こそ来たりて、あらゆる敵を撃滅せん」

 

金剛夜叉明王=金剛杵(ヴァジュラヤクシャ=ヴァジュラ)

 

 雷光一閃……呪具が纏う莫大な呪力は膨大な熱と雷撃となり一筋の光が刹那に瞬くと、通ったであろう場所は焦土と化し、抉れた道が目で見えぬ程遠くまで続いていた。

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「ほほう、コレは中々……凄いですね。流石は五大明王・金剛夜叉明王の元神器……祝詞(しゅくし(のりと))を唱えたとは言え……凄まじい威力だ、気に入りました。

 いささか過剰火力な気がしますがソコはソレ、気にしない気にしなーー」

「やり過ぎだこのバカが!! 誰が焼け野原にしろと言った」

「……凄いわね、砂がガラス化してる」

「仕方ないじゃないですかこの呪具、僕も使うのは初めてなのでどれくらいのモノか知らなかったんです」

「(……バケモンだと思ってはいたがココまでかよ、知り合いでマジで良かった、稽古の依頼受けた過去の俺を誉めてやりたい)」

「ねぇ、晴蓮くん。その呪具はどこから出したんだい? どこにも持っていなかったように見えたのだけど」

「あぁ、それですか。それはですね」

 

 口をモゴモゴさせたと思ったら「ちょっと待ってくださいね」と言い、いきなり口から拳大の宝玉を吐き出した。

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「うお! な、なんだそりゃあ」

「とうとう人間辞めやがったな、お前は」

「へぇ、コレは興味深い」

 3人ともヒドい言いぐさだな、コレが一番良い方法なんですよ、甚爾さんもしてるし……モノは違うけど。

 

「以前の呪霊……金剛夜叉明王から貰った(授かった)呪具の宝玉です。この呪具、結構便利で良いですよ。

 この宝玉に内包されている術式は奉納殿、要するに神器(呪具)の収蔵庫ですね。ですので……このように、と。先ほどの金剛杵です」

 

 そう言うと、先ほど使った呪具『金剛杵』を宝玉から出して見せた。

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「流石は金剛夜叉明王。

 この宝玉を含め元は神器の類いですね、じゃなきゃあの威力(性能)は説明がつかない」

「晴蓮、金剛夜叉明王が持ってたつー事はだ、そいつは仏尊の持物(じもつ)。お前さんも言ったが神器の類いだ、何故お前が使える」

 

 それは俺も疑問だった、でもおそらくは……

貰った(授かった)、と言うのもあると思いますが、今のコレらは呪具です。

 そして呪具になってしまった理由はおそらくですが、地主神・夜叉神(金剛夜叉明王)が堕ちて呪霊となったその時に併せて仏尊の持物(じもつ)である神器も穢れ同様に堕ち呪具と成った……と言ったところですかね、とはいえ呪具に堕ちた時点で性能は大幅に落ちているでしょうねコレらは」

 

 金剛杵を手の中で転がしながら「おおよそ6~7割減といったところでしょうかねー、もう少し成長すれば出力を上げれそうですね」と事も無げに言い放つ。

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「な、なあ晴蓮。そんな事起こりえるのか?」

「んー、無くはない……ですかね。ほら、特級呪具で有名な天逆鉾、アレも元は由緒正しい神器ですね」

「あぁ、甚爾のバカが盗っていったヤツか」

 根に持ってますね、直毘人さん。

 

「アハハハ、特級呪具『天逆鉾』に関しては正確に言えば、高千穂峰山頂に在る本物が長い間に渡り呪霊を抑え続けた結果『天の逆鉾』の1部が破損した、一説には坂本龍馬が引き抜いた。

 なんてのもありますしその時に破損してもおかしくはありませんね。

 そして、その破損した1部を材料に当時の呪具師が制作したのが特級呪具『天逆鉾』。

 なので厳密には今回のコレとは違いますが……呪具となった要因はどちらも『穢れ(負の感情)』です、イヤー穢れってコワイですねー」

 穢れは神仏さえ堕としてしまう、神器であっても堕ちてしまう、それ程までに穢れとはおそろしいモノだそれは人も例外では、イヤ……人など容易く堕ちてしまう。

 

「晴蓮くんがそれを持っている理由も使える理由も分かったわ、気になるのはどうして吐き出したの?」

 あー、ソコか。そりゃ気になりますよねー。

 

「単純な事です、僕がこの宝玉を呑み込んだからですね」

「呑み込みんだぁ、それは師匠として見過ごせねぇな晴蓮、呪霊ほどではないにしても呪具も人間には毒だ、納得できる答えをしてくれよ」

 うっ……珍しく日下部さんが怒ってる、この人怒ると結構怖いんだよなぁ。

 

「えっと……開示にならない程度に濁して話しますが、いいですよね?」

 ぶっちゃけソコが問題なんですよ、どうしようかな、どう説明すれば……

 

「あぁ、ソレは構わねぇ。幾ら術式が無い俺でもソコまでしろとは言わねぇさ」

 それは何よりで。

 

「先ず最初に言えるのは僕がいつも使っている術式、アレは拡張術式になります」

「拡張……だとしたら順転は別にある、と言う事でいいのね?」

「ええまぁ、はい。そうなりますね」

 こればかりは仕方ない、話すしかないし。

 

「おい晴蓮(バカ)、どれだけ拡張した」

「あー、えーと………少なくとも、多分5種類はありますね」

 俺めっちゃ頑張った超頑張った……まだある気がするけど。

 

「5種類だぁ!? ……マジかよお前、ぶっ飛び過ぎだろうが」

「流石は天才ね……『最優』と名乗るだけはある」

「俺にゃあ術式がねぇから良く分からんがそんなにすげぇのか?」

「術式の拡張なんざ2つもできりゃいい方だ」

 それは術師たちの頭が固いんですよ、もっと柔軟にいきましょうよ。

 

「固定観念に捕らわれ過ぎなんですよ、直毘人さんや冥冥さんにも言ったと思いますが柔軟にいきましょうよ、柔軟に」

「ん"ん"ん"。晴蓮、コレでも昔に比べれば柔軟になった方だ」

 直毘人さん拡張できましたもんね、冥冥さんは……コレからかな。

 

「よし、晴蓮(バカ弟子)。拡張術式を常用してんのは分かった、次は呪具を呑んでも問題無い理由を話せ」

「あ、はい。

 端的に言えば僕の術式順転を用いて呪具の毒を無毒化(分離)しているからですね」

「んな事できんのか」

「実際できてますし性質的には可能ですね。だからやったんですが」

 俺の術式順転の性質上できる自信あったしね。

 

「つまりだ。てめぇは呪具の類いを体内に入れても問題は無いと?」

「まあそうなりますね、それに反転術式も使えるので何かあっても自分でどうとでも出来ますし」

「てかお前、反転術式使えんのかよ」

「どうやら僕の生得術式は反転術式がデフォルトっぽいので」

「……晴蓮」

「なんでしょう日下部さん」

「問題はねぇんだな?」

「それはもう安心してください、なにか不都合が起こる事はあり得ません。僕を信じてください、師匠(日下部さん)

「はぁ……こう言う時に師匠つーんじゃねえよ、バカ弟子がよぉ」

「ア、アハハ。何度も言いますが問題はありません」

 日下部さんは何だかんだ言って優しいですからね、自分が1番大事だと豪語しておきながらも知り合いに何かが起こることの方が許せない人なんだ、だから俺もこの人の事を気に入っている。

 

「1つ……分かったのは、君が天才(バケモノ)と言う事ね、普通そんな事しないし考えもつかない」

 冥冥さんに言われると正直、いやかなり言葉に詰まる。

 

「コイツがバカなのは今に始まった事じゃねぇしなぁ……それに、俺もそのおかげで拡張もできりゃ極ノ番も習得できた。

 ま、今回は何も見てねぇし聞いてねぇってヤツだ、どうやらでけぇ耳クソでも詰まってたらしい」

「そうね、どうやら私も呪力を使いすぎて意識が混濁してたみたいね」

 ……お2人の優しさに感謝します。

 

「……俺は一級だからな、特級に吹っ飛ばされて気絶でもしてたんだろうよ」

「皆さん、ありがとうございます」

「さて、何の話しか分からねぇなぁ」

 ホントに助かります……冥冥さん、でも悟には言いそうだな、主にマネーの力で。それはそれで助かるけど

 

「どどどー」「バリバリバリ」

 

 双子たちは目の前でおきた現象を分かりやすく喋りながらはしゃいでいた。

 あー、どうやら俺の妹達は清涼剤にもなるらしい、めっちゃ可愛いよしよししたい。

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「さっさと帰るか、ガキどももいるしな」

 直毘人さん、ガキではなく天使です。

 

「晴蓮、上にゃ俺の方から連絡しておく。お前さんはさっさと帰ってこの2人と遊びにでも行くこった」

「分かりました、そうさせてもらいます」

「晴蓮くん、今日は色々と楽しませて貰ったわ、特に術式でね」

 アナタなら強くなれますよ冥冥さん、あの術式(技術)は考え方次第では化けるだろうし。

 

「あー、俺は……とっとと帰ってのんびりさせてもらいますかねぇ、報告は禪院のご当主様がしてくれるみたいだしな、安全(晴蓮が居る)な特級案件で良かったぜ、マジで」

「それじゃ、パパッと帰りますか。

 肉雫唼(みなづき)、それでは皆さん乗ってください」

 晴蓮の声に呼応するように『術式式神:肉雫唼(みなづき)』は全員が乗れるほどまでに巨大化した。

 

「これも意味わかんねぇ」

「彼という人物はこういうモノと思うしかないんじゃないかしら、ヘタに考えたらダメなのさきっと」

「俺たちとは別の次元にいやがるな、コイツはよ」

 3人ともひどすぎやしません? 成ったモノは成っちゃったんですから、仕方ないじゃないですか。

 

「ささ、皆さん乗ってください。帳の外まで行きましょう。2人はお兄ちゃんに掴まってね、ギューって、あらやだ超可愛い、マジ天使」

 

 3人の呆れ顔とともに帳の境界まで肉雫唼に乗って行った。

 ━




 金剛夜叉明王の梵名はヴァジュラヤクシャと呼ばれています。
 ヴァジュラは金剛杵を意味しており、ヴァジュラは雷を放つ神の神器(武器)です。
 そして金剛夜叉明王は『雷=どのような障害をも貫く聖なる力を持つ神』とされてます。
 Wikipedia抜粋
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