その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 総監部(腐ったミカン)に予定を潰され激おこ中の晴蓮くん、多分帰ったらナニかしでかす。





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 それとこのキャラ口調ちゃうぞゴラァって箇所があれば教えていただけると嬉しいです、めっちゃ助かります。


二十四話

「何だコレは、コレが呪霊だと?」

 何だアレは祓う前は呪霊の周囲に漂う黒い泡、祓った後は弾ける様に消える黒い泡の様なモノは、呪力とは別の何か……だが限りなく呪力に似てもいる何か、気味が悪い。

 

「まぁ今は良い、調べるのは終わった後だ。残ったのは……一級呪霊があと1体か、祓う前に少し調べるか?」

 

 日が陰り一層暗さが増した森、顔に当たる風はどこか湿っており纏わり付く、そして風に紛れて不気味な呪力が晴蓮の体を舐め回すかの様に流れていく。

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「クソッタレが、最悪の未来が視えやがった、是非とも外れて欲しいが残念ながら僕の未来視は九分九厘当たる、間違いなく呪胎戴天しやがった。

 有り得んだろう普通この短時間で何があった、ナニがアレば呪胎戴天をする」

 

 ソコにいたのは人間とさして変わらない呪霊、ただ違うところが一点あった、それは腕の数の多さ……しかし、ソレを『腕』と呼ぶにはあまりにも禍々しく異様な気配を漂わせていた。

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「何だアレはホントに呪霊なのか? 匂い(呪力)は呪霊のソレだ、だが違うアレは僕の知る呪霊ではない全く別のナニ(・・)かだ」

 どうする調べるか? 相手は呪胎戴天した特級呪霊……成り立てでなら調べられる可能性もある、だが油断できる相手でも無い……やれるだけ、やってみるか。

 

 〔汗孔噴漿(かんこうふんしょう)〕〔散開凝固(さんかいぎょうこ)〕〔養物収斂(ようぶつしゅうれん)

縛漿:六漿甲牢(ばくしょう:りくしょうこうろう)

 

 術式を唱えると6つの薄い黄色の帯状の呪力が呪霊の動きを封じる。

 この術式は晴蓮が持つ拘束術式の中でも上位にある術式。

 並大抵の呪霊……1部ではあるが例え特級呪霊であっても身動きをとることは先ず不可能、そう並大抵の呪霊であれば……の話だが。

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「クソが、巫山戯るなよクソ呪霊が……コレを力ずくで壊すか」

 無しだ無し、調べるとか言ってられるかこんなもん、コレは今ココで祓う今すぐに。

 

 〔汗孔噴漿(かんこうふんしょう)〕〔散開乱漿(さんかいらんしょう)〕〔養物収斂(ようぶつしゅうれん)

「燃えろ、剡漿:双漿蒼火惨(えんしょう:そうしょうそうかさん)

 

「クソッタレが………ん? 何だ匂い(呪力)は、何だあの塊は、黒い泡? イヤ卵か?」

 

 見たこともない黒い泡ようで卵にも見えるソレを凝血棍の先で触れる、すると体に電気が走るが如く痺れ、凝血棍を落とす。

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「無痛症の俺が……痺れを感じた? 有り得ない、何だ今のは……俺の体に今ナニ(・・)かが」

 クソッタレが何だココは! 知らんヤツばかりだ。今何が起きた、体に異変は……呪力は問題なく安定しているが、今確実に体に何かが入ってきた、念のため調べておくか。

 ん? 待て、何だコレは? 体内に何か在る……分離して調べるか、時間が掛かりそうだが気長にやるしかないな。

 クソッタレ、これでまだ仕事は終わっちゃいないときた、本命本元の特級呪霊が残ってやがる、どうせ変な呪霊ナンだろうけど、イヤになるねホントにさ。

 こんな事をしでかした犯人を絶対にぶん殴る、覚悟しとけよ変態野郎。

 

「アレ……か、確かに呪霊の匂い(呪力)だが、さっきのにもまして異様な匂い(呪力)だな、さっきのがまだ可愛らしいく思える匂い(呪力)に見た目だ、ホントに呪霊かよアレ」

 

 ソコに在るは呪霊と呼ぶにはあまりにも異形、ファンタジー(コズミックホラー)に出てきそうなモンスターが沼の中心にいた、ソレは正しくスライム(ショゴス)だった。

 その呪霊(ショゴス)は何十何百もの触腕を蠢かせ、晴蓮に気付くや否やその不定形の身体を震えさせると、声らしき不協和音を響かせながら無数の触腕を晴蓮に向けて叩き付けてきた。

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「クッソ、何だよ! 何がおきた、何があればあんな気色悪い呪霊ができる! さっそく式神(蠅頭)眼鏡が役に立ったなぁ畜生が!!」

 

 攻撃を見切り触腕を避け、カウンターで呪霊めがけ術式を使う。

 そして式神(蠅頭)とのラインを切り本来の戦闘スタイルに戻す。

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剡漿:(えんしょう:)爆惨火漿(ばくさんかしょう)

 

 大気を焼く血の炎は触腕をとらえ数本を焼き払う、すると液体が蒸発する音と共に鼻がもげそうな悪臭が立ち込めた。

 そして焼き払ったハズの触腕は減るどころかさらに本数を増やし晴蓮を襲う。

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「ウッ……オエ、くっせぇ。見た目通りドブ水だな。どちらにせよクセェ事にゃかわりわねぇ、燃やすのは無しだ……なら」

 

「クセェのなら凍らせる! 悪臭ごと凍らせるまでの事、氷漿:(ひょうしょう:)千栓(せんせん)氷漿牢(ひょうしょうろう)

 

 無数の巨大な氷柱を呪霊の周囲に発生させ、閉じ込め、さらに続けて術式を行使する。

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 〔汗孔噴漿(かんこうふんしょう)養物収斂(ようぶつしゅうれん)〕〔極漿寒栓(きょくしょうかんせん)

「氷漿:漿竜氷霰架(しょうりゅうひょうせんか)

 

 薄い黄色の槍が異形呪霊(ショゴス)を貫き血色の十字架型の氷塊が咲き閉じこめ、不快な()さえ響くこと無く砕かれた。

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「……匂い(呪力)はもうしない、呪霊が祓われた時特有の匂い(呪力)も感じた、一先ず……(来たか!)」

 

 残心のさなか晴蓮を呪力の塊が近づいてくる、が、既に視て知っていた晴蓮は揚々と躱し襲撃者に体を向ける。

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「や、初めまし……うぉ痛ぁ! 酷いじゃないかいきなり」

 

 来ることが分かっていた襲撃者を正眼に構え声をかけられたと同時に穿血(潜血)を放つ。

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「……アンタの匂い(呪力)……嗅いだ事がある。

 あの時だ、夜叉神を祓った(ヤりあった)時に嗅いだ匂い(呪力)だ。

 だが、あの時と少し匂い(呪力)が違う……アンタは何者だ、アンタは誰だ言え。答えろでなければ撃つ」

 

 直ぐ様式神(蠅頭)とラインを繋げ目で相手の姿を見える様にすると襲撃者から目線を切らず、合わせた両手を前に突きだし、構えをとかない。

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「私かい? 私は君と友達になりたい術師だよ」

「へぇ……友達になりたい術師ねぇ、そんなヤツがこんな所で何をしている、術師なら何故呪霊を祓わない」

「ああ、アレらの呪霊かい? アレらは君のために特別に拵えたモノ達でね、気に入ってもらえると嬉しいね」

 拵えた……ね、呪霊操術の使い手……では無さそうだが、それにヤツは用意したではなく拵えたと言った。

 どう言う意味だ……呪霊に何をした? 術式が分からない。

 それに今アレがいる場所は沼の中心、ここの沼はそれなりの深さがあったハズだ、なのにヤツは浮かんでいる。

 

「それがアンタの術式か? その割には今のアンタ……沼の中心にいるみたいだが……どんな術式か是非とも教えて欲しいね」

「(私の位置を正確に把握している、スゴいねコレが全盲の天与呪縛か、どうやって私の位置を割り出したのか気になるね)そうだね……ソレは、私と友達になってくれたら教えるよ」

「そうか、なら死ね」

 

 言い終わる前に既に手の内に圧縮していた血漿を撃つ、その速度およそ亜音速! 当たるは必至。

 だが……そうはなら無かった、呪詛師の周囲がいきなり沈んだが故に亜音速の穿血は沼に墜ちる。

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「!? 今……何をした、あの速度なら普通は防げない、だがアンタには当たらなかった。

 それがアンタの術式か? ……まあいい、躱せない技を使えば……ああイヤ、その前にアンタに確認したい事がある」

「私にかい、いいとも答えられる範囲のコトであれば答えようとも。(彼は確実に私の居場所、行為を認識している。彼の天与呪縛はそこまでの……)」

「今回の依頼……この森の呪霊ども、そしてアンタは拵えたと言った、コレはアンタの仕業でいいんだな? アンタが犯人で間違いないんだな?」

「………何だその事か、ああそうだよ。この騒ぎをおこしたのも、この森に大量の呪霊を放ったのも私がした事だ。

 だからそうだね、私が犯人であってるよ」

「そうか、アンタが犯人か……なら1つすることあるんだ」

「それはな……」

(血漿操術:術式順転『固有時制御三倍速』)(Time alter triple accel)

 

「へぇ、それはなん「テメェをぶん殴る事だよ!!」……ウッぐっフぅぁ

 

「(今、何がおきた……彼が消え……た!? 術式さえ行使できずに顔を殴られた! いったい何をした!!)」 

「ココに来るまでに自分に縛りを設けててね……こんな事をしでかした犯人を1発殴るって言う縛りを、だから殴らせてもらったよ、今……サイッコーに気持ちの良い気分だ、そして……アンタを捕らえさせてもらった」

 

縛漿:(ばくしょう:)鎖漿鎖縛栓(さしょうさばくせん)

 

 薄い黄色の太い鎖が襲撃者に巻きつき体の自由を奪う。

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「どうせさっきの術式は見てたんだろ? だから違う拘束術式を使わせてもらった、それもさっきのより上位のをね」

「コレも気になるけど、今どうやって私を殴ったかを教えて欲しいかな」

「ハッ、バカじゃねぇのクズ野郎。手札を教えるなんてするワケ無いでしょ、少し考えれば分かるじゃん」

「(ま、だよね。

 しかし何がおきたのかが全く分からない、姿が消えたのは間違いなく彼の術式……だが、彼の戦闘スタイルは多岐にわたる血液変換による術式のハズ。

 今のもその内の1つか? 『加茂の麒麟児』面白いね、いったい彼は何をしたんだ。

 知りたい、とても知りたいけど……無理だよねぇ、それにしてもこの鎖……頑丈だね。でもね、この程度で私を捕らえられると思われてるのは心外だな)」

 

 薄い黄色の鎖に捕らえられていた襲撃者がなんらかの術式を使うと彼の周囲が歪み始める。すると鈍い音をたてながら鎖が軋み、へし折れ、破壊され沼に沈む。

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 またソレか、匂い(呪力)が一際強くなった(起こった)、おそらく術式を使ったんだろうが……あの呪詛師は俺みたいに拡張の種類が多いのか? だがモノが違いすぎる、厄介な相手だ。

 

「(コレ以上は無意味かな、できればこちら側に引き入れたかったけど……コレは無理だね。

 確実に私を殺しにきてるし私は彼を殺せない、ココは逃げさせてもらおうかな)加茂晴蓮くん。

 とても残念だよ、私たちは仲良く出きると思ってたけど無理みたいだ、だからここいらで逃げさせてもらうよ」

「逃がすとでも? 何をしても防ぐのなら、防げない様に技を使えば良いだけだ」

 

解漿:(けしょう:)解々雷漿剣(かいかいらいしょうけん)

 

 握り締めていた手を開き圧縮されていた血漿の電解質を拡張術式により電離させ、プラズマ化した剣と成り呪詛師の前から飛来しーー真後ろ(・・・)から襲う。

 あり得ない現象に呪詛師は防ぐ事も、躱す事もできずに腹部に血漿の剣が完全に突き刺さる。

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 ()の口から「がっ! ……コフッ」と血と共に息が漏れ、腹部から血を流す。

 

「何が……何をした。私の前からきた術式が後ろから突き刺さるとは……何をしたか教えて欲しいな」

 

 口から血を垂らしながら動揺を隠すために、晴蓮に何をしたのかを世間話かの様に訪ねる、たとえ答えが返ってこない事を承知で。

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「初めから……アンタは僕の掌の上なんだよ、あの時から。

 アンタはもう僕から逃れられない、アンタは野放しにできない脅威だ、だからココで始末する、だから……死ね呪詛師」

 

 〔汗孔噴漿(かんこうふんしょう)〕〔散漿収斂(さんしょうしゅうれん)〕〔脂蛋燃焼(したんねんしょう)

 

「髄まで燃えろ」

剡漿:(えんしょう:)漿刀火惨葬(しょうとうかさんそう)

 

 体中の汗の孔から血漿を噴き出し、周囲の空間を埋めつくし、1点に集め血漿内の蛋白質を起爆剤にし脂質を爆発的に燃焼させる。

 瞬間、呪詛師を中心に莫大な熱量を伴う巨大な刀身状の火焔が発生し、沼の水を蒸発させ干上がらせ、草木は四方数1000mが焼き払われた。

 この惨状が術式の威力を如実に物語る。故に、この術式が直撃した呪詛師は全身隈無く黒く焼け焦げ、生きている事は絶望的なモノだった。

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 ブチギレ晴蓮くん、滅多に使わない術式を使ってまで変態を殺しにいく。
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