その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 消化不良でブチギレの晴蓮くん。






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 それとこのキャラ口調ちゃうぞゴラァって箇所があれば教えていただけると嬉しいです、めっちゃ助かります。



二十五話

 警戒は怠らない、残心は解かない。

 この()は危険だ。何をしてくるか予想もつかない、呪霊をアンナ事できるヤツがただの術師にワケが無い、それにアノ状態で生きている(・・・・・)のだから、念のために次の術式の準備をしておこう。

 

「起きろ、生きてる事は匂い(呪力)で分かる、僕相手に死んだフリは通用しない。それともそのまま死んだフリして本当に死ぬか?」

 とっさに呪力で防いだか? だとしたらとんだ食わせ者だな、化け物が。

 

「残念、でもないか……君の天与呪縛をある程度は知っているからね……やっぱり逃げさせてもらうよ、加茂晴蓮くん」

 

 呪詛師の()は反転術式を使い、焼け焦げた肉体を完全に治した。

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 反転術式か、コレ程の術師だ使えてもおかしくは無い。

 厄介だな匂い(呪力)からして呪力に余裕はあるだろうし、反転術式が使える術師とのヤりあいは千日手になりうる。

 それにさっきの燃やしたせいで俺の(潜血)も蒸発した、となると手は1つ……塵1つ残さず消し飛ばせばいいだけだ。

 

「呪詛師、どうせ呪霊に何かをして僕にけしかける気だろ? そしたら逃げられるからな。

 だからせめて……名前くらいは教えて欲しいかな」

 言う可能性はほぼゼロに等しい。だが、それだけで良い、考えている僅かな時間があれば充分だ。

 

「んー……どうしようかな、別に教えても良いんだけど、止めておこうかな? 私の対策をされたら困るからね」

 

 充分時間を稼いだ……もう、遅い

 

生転術式(せいてんじゅつしき)

壊元:多次元結壊(かいげん:たじげんけっかい)

 

 その時、不可思議な事がおきた。突如として空間が歪み孔が開いた。

 そして開いた孔は周囲と結合しながら物質を局所的に崩壊させつつ呪詛師に迫る……存在もろとも崩壊させるために。

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「はぁ!? そんなのアリかい君! 無茶苦茶にも程があるでしょ。

 見せる気はなかったのにさぁ特に君にはね! 『AIDA=Anna(アイダ=アナ)』アレを塞げ!」

 

 男が術式らしきモノを叫ぶと男の横にミジンコの様な姿をした半透明な呪霊の様で、呪霊に見えないナニ(・・)かが現れた。

 そしてソレは呪詛師の命を遂行するために孔へと触腕を伸ばし、孔に近づくにつれ少しずつ触腕は崩壊していくが孔に届かせ徐々に孔を塞ぎ始める。

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「(チッ! 彼には見せたく無かった。彼にコレを見せれば必ず対策法を作り出す、だが仕方ないココから逃げるにはコレしか無い)」

「何だ……今、ナニ(・・)をした……何だその匂い(呪力)は……僕は知らない、そんな匂い(呪力)は知らない!! 何をした! 呪詛師!!」

「言うと思うかい? 呪術師。

 悪いけど私はこれで逃げさせてもらうよ、じゃあね『最優』。またどこかで逢おうじゃないか」

「!? 逃がすかクズ野郎、金剛杵!」

 

 宣言通り呪詛師はかなりの速さで空に飛び上がるが、晴蓮も雷電を纏う金剛杵を投擲する、が。呪詛師は体を引き裂かれながらも逃げきった。

 そして晴蓮が開けた孔も正体不明の何かも消えていた。

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「ア"ア"ー……fuck!! ……ふぅー、あちらもおそらく虎の子を見せただろうしツラも拝めた。

 それだけでも収穫とするか、かなり不本意だけどね、あの呪詛師……次は必ず殺す」

 未来(世界線)が視えるアドバンテージがあるのに活かせない。

 想定外な……小さな可能性の未来がおきるとどうしても一拍遅れる。

 まだまだ精進が足りんな、それに式神眼鏡を使うと何やらおかしな事(バグ)が起こる要検証だな。

 

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「困ったな、本当に困った。まさかコレを使う事になるなんて、彼はどこまでデタラメなのかな全くさ……しかしどうする、この体は見られたし変えるしか無いね。ま、既に見繕ってあるしいいかな……ちょっと悔しいけど」

 

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 宮城県:仙台市の街中で悟への土産を物色しながら今回の依頼の事を考えていた。

 嗅いだ事も見た目事も無い呪霊たち、知っている呪力とは異なる呪力。晴蓮の中に沸き上がる1つの可能性……在り得ない現象だがそれが1番的確な答え、それは……『改造呪霊』在り得ないが実際に感じた。

 切り札の1つを切ってまで殺そうとしたのに防がれ逃げられた、脅威的な呪詛師に対して「これからどうするかを考えるしか無いな」と、溢す事しかできなかった。

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「はー、取り敢えず特産品でも買って帰るか、それだけで彼ら(悟と直哉)の機嫌が治まれば良いんだけどねぇ、後は気になる匂い(呪力)がした場所にも行かなきゃだ。全くやる事がいっぱいだ」

 

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 んー……この辺りのハズだけど、どこだ? もう少し探すしかないか。

 お? ココだな、ココからあの呪詛師の匂い(呪力)が僅かだが匂う。

 それも一般的な戸建てだねモグリの呪術師の家系か? それにしては匂い(呪力)が感じ取れない……フム。突然変異或いは隔世遺伝の可能性、どちらにせよ調べるか……どうやって調べよう。

 ノックしてモシモシでもするか? 14~5の子供がいきなり? ンな事しても警戒されて終わりだ、最悪お巡りさんご登場だろこんなん。

 どーすっかなー面倒くさいなー帰ろっかなー、でも気になるしなー……はぁ、ホント面倒くさい、忘れて帰るか、うん、そうしよう。サラバダーってね。

 

「俺の家に何のようだ小僧」

 あ、遅かった。

 

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「ありがとうございます。お茶、いただきます」

「つまりお前さんは迷子でしかも目が見えねぇときた、良くそんなんで1人で彷徨いて(うろついて)やがったのか親はなにしてんだよ」

「ええまぁ、はい。何してるんでしょうかね」

 流石に無理があるのは俺も分かってます。

 

「……フン、まぁいい。菓子でも食ってけ食ったら帰れ、警察は呼ばんぞ俺も暇じゃねぇんからな」

「……はい。そうします、ところでその子はお孫さんですか?」

 だいたい1歳くらいかな? 可愛い」

「声に出てんぞ小僧。てかホントは見えてんじゃねぇだろうな……ああ声が聞こえたか?」

「あ、あはは、はしゃぐ声が聞こえまして。 歳の近い妹たちがいまして、子供って可愛いですよね、ぷにぷにしてて」

「ああそうだな、可愛い孫だ……本当にな」

 孫はいるのにお子さんが見当たらない、今日は休日……出かけてるのか? 

 

「……バカ息子はこの子を放ってどっかに消えたよ、死んだかどうかも分かりゃしねぇ。

 気になってたんだろお前さん、その顔を見れば分かる」

「すみません、言いにくいことを話させてしまって」

 消えた、か。匂い(呪力)からしてあの呪詛師に殺された? だが理由は何だ? この家に何かがあるのか? 

 

「アレは……息子さんの写真ですか?」

 有って便利、使って便利式神眼鏡。モノが見えるって素晴らしい。

 

「そうだ、気になるのか? 人様のプライベートに土足で入るとはいい趣味じゃねぇか、てかお前見えてんだろ」

 嫌みの1つや2つは言いたいよね、そりゃ。

 

「気になら無い……とは言えませんね。それと僕は本当に生来盲(全盲)です。ですがその……モノを見るのにも色々とやり方がありまして、それでですね。

 もしかしたらどこかで息子さんを見たかもしれないと思い、もしかしたらお力になれるのではと考えていました。

 申し訳ありません、虎杖(・・)さん」

「フン。好きに見ればいい、まぁ目の見えねぇお前さんがどう見るのかはさっぱりわからねぇがな」

 今視線が……やっぱりこの人は……

 

「では、失礼ながら見させていただきます」

 !? ……そんな、何故だ! どうしてこの()が写ってる! 

 どういう事だ、やはり呪術師の家系だったのか? だがこの人から感じられる呪力は一般人にしては少し多い程度、となると隔世遺伝? この家系の……調べる必要がありそうだな。

 

「どうだ、見た事あるか? ンなワケ無いだろうがな」

「はい、すみません。見覚えはありません」

 虎杖家、か。少なくとも僕は聞いた事は無い。浅い家系なのか? それともモグリなのか、どちらにせよ聞くことがある。

 

「虎杖さん、お聞きしたい事があるのですが、よろしいですか?」

「今さら良いも悪いねぇだろ小僧、何が聞きたい」

「虎杖さんは……見た事も無い、化物を見た事はありますか?」

 

 晴蓮の言葉を聞き一瞬だが虎杖倭助の顔が強張る、そして晴蓮に向き直り何も無い場所を目を向けて「ソイツのことか」と聞き返してきた。

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「……やっぱり見えていたんですね、コレが」

「ああ、気味の悪い化物が2体もお前さんの周りに浮いてんだ、ンなもん気になるに決まってるだろ」

 ま、ですよねー、見えてたら気になるよねそりゃ、でもそのおかげで1歩進んだ。

 

「コレらは呪霊と呼ばれる存在です」

「化物の幽霊じゃねぇのか?」

 あーうん、言わんとしてる事は分かる。

 

「その辺りを話すにはまず呪術師と呪力の事を説明する必要がありますので、ご説明します」

「呪術師に呪力だぁ、ファンタジーじゃねぇんだぞ」

 それが当然の反応ですよね、俺もそう思います。

 

「まぁ、お気持ちは分かりますが、僕たち呪術師が使う呪力と言うのは人間が持つ『負の感情』から生じます。

 ですので極論を言えばコレを感じ取れてしまえば誰にでも呪力を扱えます。

 それに加え虎杖さんは既に呪霊が見えています、ですのできっかけさえあればコレら(呪霊)を祓えるようになれるかと思います」

 

「(!? 俺にも、俺にも使える……のか、そうすれば、俺が……)」

「………では次に、幽霊の事を説明します。幽霊と呼ばれる存在は人が死んだ後、その人が持っていた呪力が死後に形を成したモノです。

 ですので基本的には害はありません」

「基本的には……か、例外もあるって事でいいんだな?」

「はい、死の間際に強い負の感情……妬みや嫉み、個人対する恨み(怨み)つらみ、それらが一定値以上持ってしまうと幽霊は過呪怨霊と呼ばれる存在になります」

 この家、この人には何かある。じゃなきこんな荒唐無稽な話を聞きさえせず追い出すハズだ、なのにこの人は聞きたがっている。何か……切羽詰まる程の状態なのか? 

 

「小僧……俺にもその呪霊てのを倒せるのか?」




 切羽詰まってる虎杖おじいちゃん、果たして何があったのか……。

 生転術式(せいてんじゅつしき)。生が転び術式と成る。生まれた時に架せられた天与呪縛を術式にするという暴挙、この男何でもアリである。(キートン山田)
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