その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 強くなった倭助さんとヤり合いたくて仕方ない晴蓮くん。





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 それとこのキャラ口調ちゃうぞゴラァって箇所があれば教えていただけると嬉しいです、めっちゃ助かります。


二十七話

 悪びれる事も無く「だって気になるじゃないですか」と軽く体を動かしながら倭助に「強く、なったんですよね? なので手合わせしましょう」と、まるで遠足を待ちきれない子供の様に楽しそうにしながら言う。

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「おい、姉ちゃ「諦めなさいな、彼は本気だからね」……はぁクソ、分かった分かった、やりゃいいんだろ」

 

 冥冥が「してる間あの子の相手をしておくから存分に楽しみなさい」と足早に離れた。

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「では、いきますね?」

 

 倭助に合掌した手を向け「穿漿(せんしょう)」そう静かに言うと両手の中で圧縮された血漿が車並みの速さ倭助を襲う、すると倭助の体が僅かに光り穿血は四散する。

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「ッ! 術式順転『魂装(こんそう)還魂鎧(かんごんがい)! (ッ! 何とか間に合ったか、なんだ今のは、車並みの速さで飛んできた黄色いヤツは、アレが晴蓮の術式か? 訳がわからん……だが厄介なのは分かる。

 喰らえば最悪抉れるな、良くても貫通する鎧を解くな維持し続けろ、そしてそのままぶん殴れ!)」

 ははっ、凄いな、いくら弱くした穿漿とはいえ体に触れずに散るとか面白い術式だね、何をしたんだ? 僅かに(呪力)ったから関係しているのは明白……でも全っ前分からないね! 

 ナニコレめっちゃ楽しい、冥冥さんが羨ましいよホント。

 

 倭助は穿漿(せんしょう)を防いですぐに駆け出し晴蓮の右側を術式を使いながら殴ると、晴蓮は左腕と左足を器用に使い鋭いパンチを防ぎ、流れる様に左腕を掴み右足で蹴りを繰り出すが、見えない壁に阻まれる。

 しかしソレを想定していたのか見えない壁を逆に利用し壁を踏みつけ距離をとり、左手で血漿を圧縮し指の隙間から穿漿を撃つと同時に、駆け出し右手で圧縮していた血漿を鉤爪の様にして振り抜く。

 3本同時に飛来する穿漿を還魂鎧(かんごんがい)で散らし防いだが、そちらに気を取られていたのか倭助は血漿の鉤爪に気付けず、゛ギャリギャリギャリ〟と不快な音を立てながら後ろに足を滑らす。

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「(コレが呪術師の戦い……こんな風に命を賭け化け物(呪霊)と戦っているのか、しかもコイツは目が見えてねぇときた。

 呪術師ってのは何でもありってか、しかもあの姉ちゃんが言うには自分と比べるな……だったか、自分とは比べる事さえ烏滸がましい程の呪術師(怪物)だと言っていたが。俺からすればどっちも化け物だな。

 ふぅ………今は別の事は考えるな、今はヤツ(晴蓮)の事だけ考えろ。戦う事だけ考えろ、だがどう戦う……相手の方が当然格上、戦いの経験値が違いすぎる。

 だとすれば……俺にできるのは息も吐かせぬ程に攻め続けるしかねぇな、肉弾戦だけじゃ勝てねぇかもしれねぇが何でもやれ、何でも起こせ!)拡張術式『魂操』魂海嘯(こんかいしょう)!」

 

 術式を叫ぶと倭助にしか見えない無機物から溢れる小さな魂たちが大波と成り晴蓮を襲う。

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 !? うっおぉぉ、なんじゃこりゃあぁ! いきなり何かに押し流された!? すげぇコレが倭助さんの術式! 

 うっわ、おもしれぇナニ(・・)この感覚、流された? 押し出された? すげぇなコレが『還魂装術(かんごんそうじゅつ)』! 匂い(呪力)の薄いナニ(・・)かに攻撃されるってこんな感じなのか、へぇ……これは怖いね。

 俺は呪力を匂いで術式を感知する。その匂い(呪力)が薄くなるだけでこんなにも怖いんだね。

 しかも匂い(呪力)が薄いって事は呪力の起こりが小さいって事でもある、これは術師相手にはかなりのアドバンテージだ。

 俺たち術師は術式で現象を発生させる時点で視認できる。しかし、魂というあやふやな存在を見る事は事実上不可能!  おそろしい、見えない相手(匂いの薄い術式)との戦闘は何とも怖い事か。

 しかし、流される前に僅かにだが地面付近に匂い(呪力)がした気がするけど……アレが発動の前兆か? だとしたらソレに気を付けて……うん、難しい! 

 今はそれよりも、だ。匂い(呪力)だ、匂いが薄い(呪力が感じにくい)相手とどう戦うかだが……分からん、皆目見当もつかん。

 しっかし匂い(呪力)の薄い事がこれ程まで厄介とはね、だけど今のヤツで匂いは(呪力の起こり)覚えた、が。

 防げるかはどうかは別だがな! 良いね良いね、面白い初体験の事ばかりだ、それじゃ次はこっちの番だ。

 

「凄いですね、倭助さん、短期間でこんなに強くなるなんて……なので、もっと見せてください」

「いきますよ、鉄血:(てっけつ:)裂鉄球繰弾(れってつきゅうそうだん)、防いでください」

「ッ『魂壁(こんへき)』」

 

 握っていた右手から5つの鉄分を多く含んだ血液が飛び散り5つの球体へと形を変え襲いかかる。が、倭助が張った不可視の壁に遮られた。しかし不完全だったのか2つは壁を貫通し倭助に手傷を追わせる。

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「く……つぅ。まだアレだけじゃ防ぎきれんか。(あの姉ちゃんが言っていたのは呪術師はいかに行程を減らしていく……行程が少ない程強い術師だったか。

 つまりアイツはとんでもなく強いっつー事か、クソッタレめ)」

 おお! また匂い(呪力)の薄いナニ(・・)かに防がれた、でも、やっぱり術式を使うとき地面付近に匂い(呪力)が起こるね、となるとアレが倭助さんの術式による呪力の起こり? でいいのかな? なら、それに気を付けて立ち回ればいいだけ、この手合わせは俺にとっても良い経験だ。

 

「(クソ! 1つ1つの技が速い……防ぐだけで手一杯だ、ならやられる前にヤる、攻め続けるまでだ!)

 拡張術式『魂操』多魂矢(たこんし)、まだだ! 拡張術式『魂操』渦魂矢(かこんし)!」

 

 晴蓮がいる周囲の地面が僅かに光ると地面から倭助にしか見ることの出来ない、数10個におよぶ青い矢と、1つの渦巻く青い矢が一斉に飛んでいく。

 見えぬ攻撃を防ぐのは並みの術師であれば不可能に近い……だが、この男は呪術界における現状3人しかいない最大戦力である『特級呪術師』の1人。

 全てが規格外が故に与えられる等級の呪術師、たかだか見えない(匂いが薄い)攻撃程度……対処できて当然の事。

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「驚きました倭助さん、まさかコレを使う事になるとは思いませんでした」

 

 そこにあったのは晴蓮の周囲を薄い黄色の壁が覆い不可視の攻撃は全て防がれていた。

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「何が、おきた……」

 なんだアレは、盾? だがアイツは何もやってないハズだ、どうやって術式? を使った。

 

 晴蓮が静かに話す。

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「昔、僕の友人が常に術式の膜を展開する方法を編み出しましてね、そこでふと思ったんです。

 コレ……僕にもできるのでは? と、その友人にやり方を聞きましてアレコレして、僕なりの解釈をしたらできる様になったんです。

 防御術式の自動展開(フルオート)。これが中々便利でして、何せそちらに気をさく必要が無くなりますからね。

 とは言えこの手合わせでコレを使うつもりはありませんでした、こんなんですが僕は特級呪術師です。

 それにひきかえ倭助さんはここ数ヶ月で術師に成ったばかり………いくらなんでもそれはダメかな……と、思い使わない様にしていたんですけど……どうやら今のは危険だと判断したんでしょうね。

 イヤーまさかまさかですよ倭助さん、コレを使わさせられるなんて驚きました。

 なので倭助さん。今からは少しギアを上げます。 ですので気を付けてください。

 あ、それとコレは僕が無意識下で(どこかの世界の自分が)感知した攻撃術式をこの盾が防ぎます。

 なので、この盾を貫通できる術式か僕の無意識より早い術式じゃない限り僕には届きません、頑張ってくださいね」

「(へぇ、話には聞いてたけど本当に晴蓮くんも使えるんだね、いい事を知った。

 ……私の神風(バードストライク)は通るのか、気になるね是非とも試してみたいものだね)」

 

 晴蓮は呪力出力を1つ上げた、今までの出力はおよそ準二級術師程度。

 しかし今は二級術師並みにまで上げた、それを意味するのは虎杖倭助が二級術師相当の強さがあると認めたからだ、ここからの手合わせで晴蓮は彼を侮る事は無い。

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「(何が自動で防ぐだ、ありゃ反則だろクソッタレ、考えろ、何が通用する! どの技なら届く……遠距離は無しだ今の俺じゃ届かせねぇ、なら……直接ぶん殴る! 殴ってあの盾をぶち破るまで)拡張術式『魂操』魂鎖縛(こんさばく)! 術式順転『魂装』還魂鎧・爆手装甲(ばくしゅそうこう)爆脚装甲(ばくきゃくそうこう)、フッ、シィ!」

 

 不可視の鎖が晴蓮に巻き付き行動を封じると同時に駆け出し地面や建造物から魂を拳と脚に集め晴蓮を殴り蹴ると爆発するが、血漿の壁に遮られ届かなかった。

 しかし、どうやら鎖は攻撃術式に該当しないためか血漿の壁に遮られてはいなかった。

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「(殴りと蹴りは攻撃判定、だが鎖は判定外かそれならやり様はある!)拡張術式『魂操』魂鎖縛(こんさばく)……」

 

 既に晴蓮に巻き付いていた不可視の鎖に加えさらに鎖が巻き付いく……

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 また鎖? 確かに鎖は攻撃術式じゃないから通ったけど、何を考えてる、何をする気? 

 

「捕らえたぞ、晴蓮。拡張術式『魂操』魂鎖縛(こんさばく)・炎爆」

 

 そして、晴蓮に巻き付いていた鎖が突如として燃え爆散した。

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「(どうだ、コレなら……)」

「おお~凄い。考えましたね倭助さん。

 確かにそのやり方なら僕の自動防御を騙せるかもしれませんね、でも残念ですが通りません。

 僕の防御術式は1つでは無いんです」

「(……こんなの、ありかよ……どうヤれっつーんだよ)」

 んー、潮時かな? やり過ぎて折れても困るし……

 

「倭助さん、これから連続でいきます。それで最後にしましょう。

 防ぎきってください、いきますよ? 凝血棍〈血太刀〉血餅:剃刀紅血姫(けっぺい:かみそりべにちひめ)

 

 振るわれる血色の太刀から弾力の有る血の斬撃が倭助めがけ飛来する。

 だが倭助は躱す素振りをみせずまるで腰から刀を抜き放つ仕草をすると、血の斬撃と不可視の一撃が衝突し不可視の塊に巻き付くが、不可視の刀に切り裂かれ、血の斬撃が血飛沫となりお互いの姿を隠す。

 先の攻撃を気にする事無く晴蓮は既に駆け抜けており血飛沫の中から現れ倭助へと斬りかかる、この行動に驚きながらも不可視の刀で応戦する。

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「(くっ……つぅ、そのまま突っ込んで来やがった! 戦闘慣れが尋常じゃねぇコレが15、6の子供のする事か……)」

「シン・巌流〈流影颪三連(りゅうえいおろしさんれん)〉」

 

 鋭い突きを下段・上段・中段の3連突きを繰りだし、倭助の不可視の鎧を貫き中段の突きが横腹を裂き、鮮血が舞う 。

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「(うっ、ぐぅ……鎧が抜かれた!? 距離を、離せ!)」

「逃がしませんよ? シン・巌流〈無影閃雀刺シ(むえいせんすずめざし)〉」

 

 距離を取ろうと後ろに飛んだ倭助を追うように突進し連続で斬り最後に真一文字に振り抜く。

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「ッ! 還魂鎧『爆発装甲』!」

 

 斬撃が当たると同時に当たった箇所が晴蓮めがけ爆発し斬撃の威力を殺す共に倭助が後方に吹き飛ぶ。

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「ガッ……ぐっ、ッ、アア! かっ……はぁはぁ。(これが、特級呪術師の強さ……なのか……強ぇなマジで、だがよ晴蓮、防ぎ……きったぞ)」

 これはしてやられたね、まさか爆発反応装甲をしてくるとは、亀の甲より年の功ってヤツかな? 

 さて、と。この辺りで終わりにしますか。

 

「倭助さん、お疲れ様です。今回の手合わせはこれで終いにしましょうか。いやはや中々に楽しめました。

 使う気のなかった自動防御も使わさせられましたし、呪力のギアも1つ上げましたし想像以上です」

 

 地面に座り「終わりか? これで」横腹から血を流し肩で息をしながら絞り出した声に「はい、終わりです」と倭助に近寄りなが答える。

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 聞いた事も見た事も無い術式にワクワクが止まらない晴蓮くん、少しやり過ぎたので反省はしてる。
 晴蓮くんが使うもう1つの防御術式、いったいどんな術式なんですかね。鎖に巻き付かれてるのにダメージ無いとかすり抜けでもしたんですかね。

 申し訳程度のフロム要素。
 多魂矢(たこんし)=追尾するソウルの塊
 渦魂矢(かこんし)=渦巻くソウルの塊
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