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当然ではありますが、この時のシン・陰流の使い手は日下部さんではありません。
私が調べたところ、原作時で日下部さんは35歳、五条は28歳となると歳の差は7歳しかありません、この時点だと18歳辺りで高専に通っていれば3年生となります、なので呼ばないかなって。
では呼ばれてるのは誰なのか? 誰でしょうね、多分師範代とかその辺りの実力者。
「うッ! うっぷ、……ぺっ!! 口ん中がベトベトする」
……と腹部から液体がせり上がり口中に鈍いながらも分かる。僅かにだが鉄に似た味がする液体が塊が大量に吐き出される。
なんだ……何がおきた? 内臓が千切れた? それとも内臓が溶けた? 痛みは無い当然だ、俺は痛みを感じない。
それでも気持ち悪い、筆舌にし難い程に気持ち悪いし不快感がえげつない。
それにしても何故こうなった? 体調は良い、よく食べよく寝た。どこも悪くない……なら考えられる理由は1つ。
体だ……体が成ってないんだ、今の俺はあまりにも幼すぎる。当然と言えば当然だ何せまだ五歳だし、もうじき六歳になるとは言え幼い。
ん? アレ? 内蔵に
……となると、俺の生得術式には反転術式が最初から備わっている? ………反則じゃんソレ。
でも嬉しい誤算だ、これで色々と無茶ができる、が。痛みが分からないから加減が難しそうだな、気を付けよう。
「まさか年齢がここで足を引っ張るとは、早く強くなるには時間は……まぁそれなりに有るな。とすると、だ。
そこまで焦る必要は無いか、ゆっくり時間をかけて成長して、強くなれば良い」
最短でも八歳以降で
「ふぅ……よし、後回しだ。今は止めておこう死にたくないし。
痛みが分からないから気が付いたら死に際でした。とかイヤだしもう少し体が成長してからやろう、そうしよう。未来の俺が何とかしてくれるでしょう、きっと……イヤ必ず。
こういう時は深呼吸、深呼吸っと……ふぅー。
よっし、そうと決めたらっと。次は最後の
そして最後の
いやー三つ目に加えてコレもブッとんでんなーホントに。
臭いで個人ごとの体調の変化と識別、これはまぁわかる。たまにそういう人いるって聞くし、ん? だからか? 一般人でも匂いで体調の変化が分かるとしたら………呪術師なら?
匂いで個人の呪力を知覚できてもおかしくはない? 呪術師すげぇ。
しかも三つ目と四つ目が合わさる事で、誰が、どこで、どの様な状態で、どんな行動をとるのかが手に取るように分かる、と。
おぉ、三つ目と四つ目が合わさる事で最強に見える、つかヤバくね。
なんだこれは、
どこぞの最強の目とそう大差? ないだろこれは。『目で見え無いのに物も人も視えて、臭いで個人を把握し尚且つ状態・状況、そして呪力も判別がつくと』
今現在分かってる天与呪縛と釣り合って無い気がするからまだ、絶対に何かしらの天与呪縛が有ってもおかしくないだろうなこれは、注意しておこう。
それにしても、俺の天与呪縛とその
そもそもがあっやふやでうろ覚えなのよなー前世の記憶って。
なにせ何も……性別も、名前も、死因も、なーにも覚えちゃいないだよね俺……ん? んー……んー??
「えっ、もしかしてこれも天与呪縛の1つに数えられてる? イヤでも縛りですらなくね? 本来なら持ちえない筈の代物な訳で………となるとこの記憶は天与呪縛では無く、天与呪縛による
これが天与呪縛……なのか? 転生者にとって記憶はかなりのアドバンテージ……でも俺にはそれが無い。
あーでも全く無いと言うわけじゃないし。それに多分だけど、視ようと思えば視れそうだし……んー、んんー、分からん」
今は分からないのだ。分からないなら考えない事にしよう、そうしよう。ぐたぐだ考えてても意味ないし、それなら別の事を考えよう。
例えばこれからおきそうな出来事とか、一番ありそうなの、は。
……他の御三家達との出会い……出会いと言うより対峙? ヤダナー会いたくないなーどっちとも会いたくないなー。
あーでも禪院には行かなきゃなのか、禪院甚爾に会いたいし、その前に噂の『最強』に会うんだろうね、きっと。
なら、それまでにある程度モノにしないとね天の縛りの
はぁぁ、どうせなら一般家庭に生まれて呪術界とは関係ない場所で生きていたかった、まぁこんな世界で一般人やってたらどっかで死んでるだろうけど。
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「晴蓮様、晴蓮様どちらにいらっしゃられるのですか? 晴蓮様」
家の奥から僕を呼ぶ女中の声。専属と言うわけでは無いがそれなりの頻度で僕の世話をしている人。
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「浅井さん、こちらです中庭の縁側にいますよ」
軽い鍛練と術式の研鑽・拡張をした後の休息がてら中庭が見える縁側に座っていた。
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「あぁ、晴蓮様こちらにいらっしゃったのですね。御当主様がお呼びでいらっしゃいます」
俺を見つけて安堵し一息ついた後「ささ、こちらに」と手で示しながら浅井さんがそんな事を言ってきた。
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「父様が? 分かりました。父様はどちらに?」
「御当主様は書斎にいらっしゃいます。明日の事でお話があると仰られておりました」
「明日? 明日に何かあったかな?」
何があるのか考えながら父のいる書斎へとむかう
「父様、晴蓮です」
父の書斎は我が家には珍しい洋室のために襖では無く一般的な扉を3回ノックして声をかける。
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「あぁ、入りなさい」
短く父が言い扉を開け中へ入る。父の書斎は沢山の本がある、その6割程が何故か呪術とは関係の無い本なのが謎ではあるが。
「晴蓮、最近はどうだ? それとお前は今年で幾つになった?」
「最近は父様が寄越してくださった、シン・陰流の方に鍛えてもらっています。おかげでナニか新しいモノを見つけられる気がします。
それと父様、僕は今年で十歳になりました。それがどうかなさいましたか?」
知っているだろうに、わざわざ歳を聞いてきて……イヤな予感がする。
「うむ、そうかそうか。あ奴はなぁ暑苦しいが腕は確かだ。何せ……まぁそれはいい。で、だ。
お前も今年で十歳をむかえた。そして私は明日、五条家と談話が合る。そこにお前も同席してもらうつもりだ」
「あぁやっぱりか」と内心思いながら父に返答をする
「『つもり』……と言う事は断っても宜しいので?」
父は悪どい顔で「ククッ」と笑いこちらに顔を向け様に二の句をつげる。
「まさか、拒否権は無い。それと晴蓮、行きたくないと顔に出ていたぞ、少しは隠す努力をしなさい」
顔をニヤつかせながら俺に向かって笑いながら頭を撫でてきた、イヤなモノはイヤなのですパパン。
「それに、だ。お前も一度はあの『最強』に会っておけ、損はせんだろう」
『最強』の顔が思い浮かんだのだろう、忌々しそうに顔を歪める。
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「あぁ、あの噂の。……確か無下限と六眼の抱き合わせだとか。
なんでも世界の
「そうだ、あれが生まれた事で呪術界は変わった。良くも悪くもな」
父は苦虫を噛み潰したような顔で吐き捨てた。まぁでしょうね、としか言えない。
あれはきっと、そう……化け物なのだから。
「確かに、僕も例の『最強』さんには興味はありますね。どんな人なのか」
「ふん、ただのクソガキだ。あれは」
やはり吐き捨てるように言った、そんなに嫌いなのか、なら行かなきゃ良いのに。
まぁ、そう言うわけにはいかないのかもしれないけど。俺事情知らないし。何となく自慢しに行く気がするけど。
ふと、思った疑問が脳裏をよぎる。
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「父様。その『最強』と僕どちらが優れていると思いますか?」
強いのは当然『最強』の五条悟だろう。
だが、俺が聞いたのはどちらが『優れているか』だ。
「……そうだな……術式の『強さ』で言えば間違いなく五条だろう。だが『優秀さ』であれば晴蓮、お前に軍配が上がるやも知れんな」
父は少し嬉しそうに、しかし確信しているかの様にそう言った。
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「なら、ご期待に答えられるよう頑張ります。父様」
俺の返答に気分を良くしたのか、父はとても嬉しそうに笑っていた。
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「今に見ておけ、
父親はほくそ笑みながら肩を揺らしている。
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「楽しそうですね、父様」
ハッと我に返りバツが悪そうに咳払いをする。
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「ん"ん"。兎に角だ、いいな晴蓮。
明日の昼前に五条家には着く予定だ、準備をしておきなさい」
「分かりました、万全の準備をいたします」
えぇえぇ、何が起きても
確かに『彼』に興味はありはするけど、目を付けられたく無いし、何かこう……対処が面倒くさそう。
よし、頑張って逃げよう。何卒……何卒何もおきませんように……無理だろうなぁ、イヤだなぁ。
晴蓮くんはまだ幼いので