その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 晴蓮くんはのんびり暮らしたい、しかし世界は許してくれない。





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 それとこのキャラ口調ちゃうぞゴラァって箇所があれば教えていただけると嬉しいです、めっちゃ助かります。


四話

「はー、これが五条の屋敷。やっぱりデカイですね父様」

 天与の還り(恩恵)を使い五条の屋敷全体の空間把握をして分かった感想は『デカイ』だった。

 確かに我が家もデカイが、なンと言うか、うーん凄い? ってヤツ。

 

「我が家にはかなわんがな」

 フンっと鼻息荒くして自慢気に言いのけた。

 俺にはよくわからん、似たり寄ったりでしょうに、大きさでは。

 

 

 

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「やぁやぁ、お久しぶりですな五条殿」

「これはこれは、お久しぶりにございます。加茂殿」

 うっわ、どっちも顔が笑ってねぇじゃん、流石に青筋はたってないけどさ、ホントに何しに来たのここに。

 

「晴蓮、この方は現当主五条■■殿だ。ご挨拶なさい」

「お初お目にかかります、加茂晴蓮と申します。若輩者にございますが、日々精進しておりますので、ぜひご指導・ご鞭撻ほど宜しくお願いいたします」

 

 五条家現当主は目を見開き言葉を失うなか、父は良くやった、と言わんばかりに顔を綻ばせている。

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 よほど嬉しかったみたいだな今の返答……あー、なるほど五条の跡継ぎは『アレ』たがらな、そりゃ嬉しいだろうし自慢するだろうな。

 

 

「こ、これはこれは加茂殿。中々に善いご子息にございますな、あの子にも見習って欲しいですな。

 爪の垢を煎じて飲ませたい、と思うたのは初めてにございますぞ」

「ははは、この子は私の自慢の息子でして、日々成長著しくありましてな。

 ここ最近はなんでも新たな気付き得たようでして………一級……いえ、特級術師になるのもそう遠くは無いかと」

 父の言葉にピクリとこめかみを揺らしてるけど、それは果たしてどちらなのか……。ま、どうでも良いか。

 

「ほほぅ。それはそれは、何ともその様な事が――」

「えぇ、実は以前に――」

 年寄りは話が長いと言うが、いくらなんでも長すぎでしょ。

 しかも八割方が自慢話……飽きないねぇホント。

 

「あぁ、晴蓮。私は五条殿と大切な話がある。お前は外で待っていなさい」

「晴蓮君。案内はしてやれんが自由に屋敷を見て回るとよかろう。そう珍しいモノは無いとは思うがね」

「ご当主殿。ご配慮痛み入ります。それでは父様。お先、失礼いたします」

 とりあえず恭しく言い席を立ち外に向かう、女中の人が開けた襖を通り抜け、再度頭を下げ場を離れる。

 

 何やら、室内が騒がしい気もするが、無視無視。今はどうでもいい。

 例のアレに会うつもりは無いけど、せっかくご当主殿が仰有ってくださったのだ、是非とも屋敷探訪はしてみたい、特に中庭とか。

 

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『ソレ』を初めて見た時は『何だアレ』だった、気味が悪い。全部が全部、気味が悪い。

 それなりな和服を着てて、背丈程ある赤黒い棒で地面をカツカツ叩きながら歩いてた。

 そこまでは良い、気味が悪いのはそこじゃない。

 呪力だ、呪力が濃い気持ち悪いくらいに濃い、しかも視た事も無い異質な呪力が全身を廻ってる。

 オレがそんな事を考えていたら、ふいに目の前の『ソレ』が声をかけてきた。

 

 

「そこに居るのは誰?」

 

 透き通るような声、耳心地の良い声が脳にストンと入ってくる様な気さえする声。

 風貌に目をやれば和服を着た、白髪(・・)で長髪の優男がこちらを見ずに声をかけてきた。

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匂い(呪力)でそこに居るの分かってるよ。なのに返事もしないとか、礼儀がなってないんじゃないかな」

 

 ソイツは頭にクル嫌みな言葉を発しながらこちらに振り向いた、やっぱり白い。

 たがこちらは『透き通る様な』ではなく……病的な程に白い顔(・・・・・・・・)で、しかも目を閉じているためか余計に気味が悪い。

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「……おまえ誰?」

 

 (五条悟)は臆したわけではない……ただ、言葉にできない気味悪さがイヤだった、それにワケの分からない事も言うものだから。

 だから彼は、ぶっきらぼうに言葉を投げつけた。

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「名前を聞くときは自分からって教わらなかった? ああイヤ。先に聞いたのは僕の方だったね。

 じゃあ先に僕から。僕は晴蓮、加茂晴蓮(かもせいれん)。宜しくね」

 

 加茂? 御三家の加茂か。あー、そう言えば今日加茂の当主が来るとか何とか言ってたけか、加茂とはまぁ、加茂とはそこまで仲悪くないし来てもおかしく無いか。となると……ここに居るこいつは、まさか。

 

「お前、もしかして次の当主?」

 

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 あ"あ"あ"、そりゃ会いますよねぇ! 五条家だものねぇ、居ないわけ無いよねそりゃ。

 クソッタレが。後ろに人の気配感じた時に嫌な感じがしたんだよ、そうであるな! 違う人であれ! って。

 でもさ、すぐに返事しないじゃんもうその時点でビンゴだよね、未来を視る必要すらねぇよ。大外れだよ、大外れ。

 

チクショウめぇ! 

 

 それにしても、振り向いて見て思ったけどさ、マジですげぇな六眼。

 

 何つうか匂いで確認したけど、呪力に無駄がない。マジで無駄がない。

 頭のてっぺんから爪先・指先まで無駄無く行き渡って廻ってる、イヤさ俺も頑張ってるよ、頑張ってるけどさ。

 ここまでじゃないよ、つか無理だよこんなの……なるほどこれが『最強』の所以なのかね。

 ん? 待て、それより今コイツなンつった、次の当主とかなンとか言わんかったか。

 

 

「悟、五条悟」

「ん?」

「だから、俺の名前」

 あぁ、なるほど、んー何かイヤな予感がビシバシする。

 

「お前さ、加茂の跡取りだろ、ここに居るってことはそう言うこったろ?」

 は? 何言ってだごいつ、ああいかん何故か濁ってしまった。

 ……ん? イヤ待て……待て待て待て。

 

「今さ、君。僕が跡取り、つまり父様が次の当主になる事を言いに来たって言ったよね?」

「うん」

「僕が? 次の当主?」

「そうなんじゃねぇの、ここに来てるって事は」

「え、イヤなんだけど。今日だって父様が五条家に行くぞって言われたから来ただけだし」

「は? 何言ってんの、お前バカだろ? それがそう言う事じゃん、何のために御三家に挨拶回りしてると思ってるわけ? まさか世間話しに来たとでも思ってたの? バカなの? お前バカだろ」

 あ"あ"このガキ何つった今、てか何回言いやがったこのクソガキ、イヤ冷静になれ俺……びーくーる、びーくーるだ俺。

 

 俺は一息ついて、しかしはっきりと。

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「良いかい? 五条悟君。僕はね、ゆっくり暮らしたいんだ。のんびりと平穏に安寧に長閑に南の島で、ゆっくり暮らしたいんだよ」

 

 ゆっくりとしかしはっきりと、口に出して、まるで自分に言い聞かせる様に。

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「はぁ? マジ何言ってんのお前? 御三家の呪術師がそんな事できるわけないじゃん」

 

 しかし『最強』はバッサリと切り捨てる。

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「ぐぅ。そ、それにね僕は天与呪縛だ、それも複数もある。その一つに全盲がある! そんなヤツを当主に据えないんじゃないかな?」

「うっわ、ぐぅとか言うヤツ初めて見た。それより……何お前、天与呪縛なの? それで? 今、指立ててんだけど何本か分かんねぇの?」

「分かるか! 見えて無いんだよ僕は」

 うっせぇ、マジで抉られたンだよこっちは!! いやまぁ何本かは分かるんだけど、別に言う必要無いでしょ。

 

「(何言ってンのコイツ。その状態で天与呪縛って何があったらそうなんだよ、キッショ。

 でも、目が見えねぇ以上天与呪縛なのはマジなんだろうが、にしても……呪力がマジでキメェ、オレの目が回りそうだ)」

「ねぇ、五条君どうにかなる方法無いかな?」

「ンなもんねぇ……アーいや、一つだけ有る」

 

 五条悟は含みをもたせ、焦らすように言う。

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 なんだ……待て、イヤ言うなイヤな予感がッ! でも……もしかしたら、そう……もしかしたら妙案が――

 

「五条君、それはなんだい? 是非とも教えて欲しい」

「お前さ……俺と()り合えよ」

 

 瞬間、空気が氷った様な錯覚がした、何を言っているンだこのバカは。

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「……は? 何を言ってるんだい君は? 君は気でも触れたのかい? 僕が聞いてるのは当主にならないですむ方法を聞いてるンだよ? 脳みそ入ってる?」

「あ"あ"! てめぇブッ殺されてぇの」

 

 呪力を滾らせ、今にも術式を使いそうになっている五条悟。

 ━

「良いかい? 五条君、僕は何かおかしい事を言ったかい? 当主にならずにすむ方法を聞いたんだよ? なのに何故君は憤っているんだ? 

 僕には皆目見当もつかないよ、それで、僕が当主ならずにすむ方法を教えてくれるかな?」

「てめぇ……ア"ー……いや、ここはオレがオトナななってやんよ」

 何を言っているんだこのバカは。

 

「つーまーりー……オレと()りあう。んでお前は弱いからトーゼンお前が負ける。これで当主にならなくなるんじゃない?」

「えっ、何で僕が弱い前提なの? やっぱり君ってバカでしょ」

「あ"ぁ"ンなもんたりめーだろぉが。オレ『最強』だから。お前みたいになよっちぃヤツに負けるワケないじゃん」

 このバラガキが、しかし『最強』なのは事実でもね『最強』……一つだけ……君は勘違いしている事がある。

 

「確かに、君は『最強』だよ、でもね『最強』君。知ってるかい? 『最強』と言うのはね『無敵』じゃないんだ、だから君が必ず勝つ。

 と言うワケではないんだよ? 分かったかい?」

「はっ。何言ってんのお前、オレが負けるワケないじゃん。決まってんだよ、んなこと」

 この男は、さも当然のように言ってのける、言えるだけの証拠は確かにある、でもね『最強』君。

 やっぱり君は勘違いをしているよ。

 

「ハッハッハ……君は何も分かっちゃいないよ。君みたいなヤツをなんて言うか知ってる? 

『井の中の蛙大海を知らず』
って言うんだよ? 『最強』(物知らず)君」

 ……まぁこの諺、日本人の誰かが付け足した文言が有るみたいだけど、ソレをいれるとそこまで悪い意味じゃないし……おや? ある意味では彼に当てはまっているのでは? コレ

 

「……てめぇ、喧嘩売ってんの? 買うよ? てか……ブッ殺す」

 

 

言うが早いか術式が炸裂する。

 

「術式順転『蒼』」

 

 




 五条が言う通り晴蓮くんの呪力はとても異質です、呼んで字の如く異なる質の呪力を持ってます、どれだけ異質なんですかね。


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 故事成語或いは(ことわざ)の「井の中の蛙大海を知らず」
 これが日本に入ってきて誰かが「されど空の深さ(青さ)を知る」を付け足したそうですね。
 なので日本の諺としては意外とネガティブなだけじゃないみたいです、もっとも諸説ありらしいですが。
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