その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

41 / 84
 五条となんとか張り合える謎の襲撃者。






━━━━━━━━━━━━
 それとこのキャラ口調ちゃうぞゴラァって箇所があれば教えていただけると嬉しいです、めっちゃ助かります。



四十一話

「はぁはぁ、はぁ……これが『最強』! 化け物が!」

 

 心の底からの叫びが木霊し五条悟の耳に届く。

 ━

「化け物とかヒデー事言うじゃん、オレは人間だっての、ただ『最強』なだけで。(は? 『赫』を防がれた? マジかよハル以外に防げるヤツいんのかよ。

 確かに、出力は抑えめにしたとはいえ並みの術師なら何もできずに吹き飛んでもおかしかねぇ威力にした、何者だコイツは。

 しかもヤツの呪力がおかしい、アレだけの術式(呪術)を使った後なのに減るどころか増えてやがる……どう言う事だ)それにしても……やるじゃんお前。

 まさかハル以外に『赫』を防がれるとか思もわねぇわ……でもおかげで、てめぇの術式解ったぜ」

「(聞いてはいましたが術式解析が早すぎる! 『拾』からは気付かれたとしてもそれなりの時間は掛かると言っていましたが、となるとカマをかけてきている? 分からないどっちだ……)それはそれは……是非ともご高説していただきたいですね、本当に分かったのかを」

「あ、そう。いいんだ。じゃあ言ってやるよ。

 お前の術式は『増やす(増殖)』だ。増やすのは何でもアリ……自身に起因する現象を何でも『増や(増殖さ)せる』それこそ呪力であっても……それがお前の術式だ」

「(これが六眼の能力……『拾』が言っていたのはこの事ですか……『六眼』には気を付けろ。

 もし五条悟と出くわしたのであれば術式が知られる前提で行動せよ。『拾』あなたが言った意味が痛いほど分かりました。

 コレは脅威だ、呪術師の天敵だ)成る程……『拾』が貴方には気を付けろ、と言っていた意味が良く分かる。

 ですが今の説明では50点……と、言ったところですね。(助かりましたね、全て解った……と言う訳では無さそうだ、活路はソコに在る)」

「ハッ負け惜しみデスカー、てめぇの術式はもう分かった。

 つ、ま、り……オレが負ける事は100%ねぇんだよバカが、脳ミソどっかに落としてきたのか? (50点……か、その通りだよクソッタレが。見た事も聞いた事もねぇ術式だぞ、大まかにでも理解できて御の字……それに今はコレで充分だメンドクセーのは殺さねぇ様にする方だな、聞きたい事山程あるしな。

 問題は傑の事だこれ以上時間は掛けられねぇ、何かする前に吹っ飛ばす)でもな、ここまでヤり合えた呪術師はハル以外でお前が初めてだ……だからお前に新技、魅せてやるよ。

 安心しろ死なねぇ様に手加減してやる、だから……死ぬんじゃねぇぞ」

拡張術式『(みどり)

 

 手の甲を上にし2本の指をジークーンに向け、次に手の甲を下に向け………握る。

 するとジークーンの横腹が突如として消える、否、空間に吸い込まれたのだ、そしてソレは止まる事無く吸い込み続けている。

 今、五条悟がした事は術式対象に中心核を仮想的に創り限定し、その仮想中心核を基点に急激にそして過剰に仮想中心核(・・・・・)に向かって無限に吸い込み続け(収束)させる……即ちこの術式は擬似的な『爆縮』を発生させた。

 ━

「は、え?」

 

 バツン。という音と共に腹部は抉れ口から空気と共に血が吐き出されるが地面に落ちる事無く、抉れ削れた箇所に血液もろとも吸い込み続けられ、更に身動きが制限され逃げ出す事が許されずにいる。

 ━

「グッ、ぁ……グゥ………ガ、グ…ゥ……」

 

「ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

 肉が「ブチブチブチ」と、音を立てながらも全力を振り絞って疑似爆縮から何とか脱出する。

 結果として今まで吸い込まれていた大量の血液が溢れ出て地面を染める、これ程の致命傷を負えば死のぬは必至、無論……何もしなければの話だが。

 ━

「カ……ハァ、ハァ。ッ! ……増殖(メイガス)!!

 

 術式の発動と同時に抉り取られた部位が再生をし始め、ものの数10秒で完全に元に戻った。

 ━

「恐ろしいモノを使いますね……危うく死ぬところでした」

「お前、反転術式使えんのかよ。(今のは何だ? 反転術式に似てはいたが違うな別物だ、となると……)

 成る程、細胞ごと肉体を増やし(増殖させ)たか。(メンドクセぇ、反転術式と違って負の呪力で再生とか反則だろ。どこまで再生できる? 自分だけか? 他人にもできるのか? クソっタレが厄介だな)」

「ふぅふぅ……ふぅー、私とて死にたくありませんからね。それに、目的は達成しました」

「!? 傑!! てめぇ! 傑に何しやがった!」

「さぁ? なんでしょうね。そもそも言うとお思いで? それでは私達はこれで失礼させていただきます」

「誰が逃がすか! 術式順転!」

「よろしいのですか? 私に気を向けて、お友達が何やら大変そうですが」

 

 術師が「ほら」と夏油傑に手を向ける、ソコには頭を抱え呻き声を出す夏油傑がいた。

 ━

「傑! ッ、クソ!!」

 

 悪態を吐きながらジークーンの前から夏油の元へと駆け出し、夏油傑の肩を掴み名前を呼び続ける。

 ━

「無事か? ジークーン」

「死にかけました、2度と相手したく無いですね」

「生きてんならソレでヨシって事で、とっとと逃げようぜ、じゃねぇとマジで殺されんぞ」

「そうしましょう、ああ恐ろしい」

「逃がすと思ってんのかよゴミカス野郎どもが!! ブッ殺す!」

「ああ、逃げられると思ってるぜ?」

「我々が逃走経路に逃走方法を用意せずにあなた方とカチ合う訳無いでしょう? 常識的に考えて」

「じゃあな『最強』次はーー」

 

 そう言うと2人の輪郭が次第にぼやけていき遂には空間へと溶け込み、完全に姿を消した。

 ━

「クソ!! 傑! おい! 傑、傑!! しっかりしろ! 傑!」

「ぁ……ぁ……あ、あ、う。さと、る? ここは? 私は……確か、グゥぅ……はぁはぁはぁ」

「おい、大丈夫か? 傑、何された?」

「分からない」

「分から……ない? どう言うこったソレ」

「最初は普通に戦っていた、相手が持っていた十字架が大きな鎌に変わった。だから私も鬼灯を使い応戦していたんだ。

 そして彼が……彼は恐らく術式を使ったんだろうね、そうしたら彼の呪具が鬼灯をすり抜け私を斬った。ソコまでは覚えている、けどソコから先は何も………

 ああ……イヤ違う。昔を……昔の出来事を追体験させられていた、思い出したくない出来事の記憶を。

 ただ1つだけ違うところがある、記憶の中で私は死にかけていた、あの時はギリギリではあったけどそうはならなかった。

 なのに私は死にかけていて……それで私は……何をした? 何かを、何かを掴んだ気がするんだ。

 アレは光? 違う渦だ、渦巻くナニ(・・)かを握ったら、ソコにいた私は自分で怪我を、治していた。

 その時の感覚は今でもはっきりと覚えている、アレはいったい……」

「(昔の記憶? ソレが呪具使いの術式なのか? だとしたら何の為にそんな記憶を視せた? しかも本来の記憶とは異なる記憶を視せる意味は何だ。

 ソレに傑が言う渦巻くナニか……それに本来なら負わなかった怪我をし、その怪我を治(・・・・・・)した(・・)。状況的に考えればそれは反転術式だ、だが何の為にそんな事をした? 

 これじゃあ、まるで………何者ナンだよアイツ等は、分からねぇ。ヤツらの意図が全く分からねぇ、ハルに聞いた方が良さそうだな)傑。(過去で起きたが異なる記憶、見に覚えの無い致命傷、掴んだ何か)」

「何だい悟」

「(もし……もし掴んだのがソレ(・・)だとしたら傑は……)怪我を治した感覚を覚えてんだよな? (致命傷を治した感覚の残留、おそらくそれは……)

 今から傑に軽く傷をつける、だから記憶の中でした事を感覚のままにやって欲しい、できるか?」

「どうだろうね……確かにあの時の感覚は今でもうっすらと残っている、できるかどうかは五分五分と言ったところかな」

「ならその感覚が無くなる前にやらねぇとな。(頼む……成功してくれ)」

 

 五条は胸元から小さなナイフを取り出し夏油の腕を切った。僅かな痛みに顔を顰めるがすぐに平静を取り戻しうっすらと残る感覚に身を委ね、意識を研ぎ澄ます。

 すると付けられた切り傷は瞬く間に治った、これが意味するは反転術式の習得である。

 ━

「やった……できたぞ傑! 傑は今、反転術式を使ったんだ! 反転術式を習得したんだよ!」

「反転……術式、硝子や君達が使うアレを? 私が使える様に……私も、私も君達の様に戦えるのかい悟!」

「ああそうだ! 呪術師の壁を1つ越えたんだよ傑は!」

「ああ……私も、私も君達の様に……これでようやく君達の隣に立てる……君達と一緒に戦えるんだね悟。

 良かった、本当に嬉しいよ。

 ああ……ああ、今程気分が良いのは初めてだ! 今なら何でもできそうな気がするよ悟! サイッコーにいい気分だ!!」

 

 夏油は涙ぐみ、嬉しそうに微笑んだ。親友達の隣に立てる事が、共に戦える事が嬉しくて堪らないからだ。

 だが、擬似的とはいえ死に際からの復活をはたした今の夏油傑はハイになっていた、呪力の核心を手に(理解)した者達特有のテンションの昂り、そして万能感、ある種の通過儀礼とも言える。

 ━

「あー……やっぱこうなるんか、気持ちは分かる。

 オレもあん時何でもできそうな気がしたし、ナンつーか……天上天下唯我独尊ってヤツ? ……オレが止めるしかないか」

 

 彼らは、今だけは大きな疑問を忘れて喜びを分かち合い、万能感に浸る親友を止める為に行動する。

 ━

 

 

 ━━

 

 ━━━━

 

 ━━━━━━

 

 五条達に気付かれない距離から2人を見ていた彼らは目標達成の確認をしていた。

 ━

「これでオーダーは完遂、で良いんだよな?」

「はい。我々の目標は達成しました、帰還し『拾』に報告しましょう」

「……ジークーン『最強』の相手、お疲れさん」

「全くですよ、2度と相手したくありませんね、命が幾つ在っても足らない」

 

 セラは「だろーな、俺なら死んでた」と言いジークーンの肩を叩き2人してどこかへと消えた。

 ━




 ジークーンにとって五条はそれなりに相性が良かった相手。それにしても負の呪力で怪我直すとか、かなりの反則だよね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。