その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 真希真依コンビと恵くんは晴蓮くんから術式(呪術)に関する『いろは』を教わり、フィジカル(体術)面は手加減に手加減を重ねた甚爾さん監修基礎トレーニング中。
 更に恵くんはたまに夏油くんから式神使いとしての戦闘方法を教わってます。英才教育ですね。


五十二話

「はぁ!? 総監部(腐ったミカン)どもが秘匿死刑を取り下げた!?」

「うん。さっき総監部に呼ばれた時にね。そこで『小鳥遊憲紀(たかなしのりとし)及びその家族への秘匿死刑を完全取り下げ、彼ら一家の裁量権を加茂家現当主・加茂晴蓮に一任とする』だってさ。

 だから言ったでしょ? 問題ないって」

 

 部屋に僅かな間沈黙が支配していたが、五条悟がソレを破った。

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「何やったんだよ、ハル」

「うっわー、何したらそうなるの」

「そうたいした事はしてないよ、でも……そうだね、ここは企業秘密って事で」

「ンだよそれ」

「あはは、いずれ話すよ」

 ちゃんと言うよ、全てが終わったら。

 

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「皆さん。お話があるそうですが………答えは決まりましたか?」

「その前に1つお聞きしたいことがあります」

「ええ、どうぞ」

 聞きたい事……この言い方なら彼は呪術師に成ると決めてそうだけど、他に何かあるのか? 

 

「私達家族はどうなりますか」

 これは予想外な質問が飛んできたな。イヤそうでもないか? 息子の安全は確保された、しかし自分達もそうである保障はない。この質問は当然か。

 

「ご安心ください、あなた方一家の裁量権は僕に一任されています。ですので、僕が当主で有る限り皆様の安全を約束しましょう。

 そうですね………どうせならココに離れを造りましょう、後は母屋と離れを繋ぐ廊下も造って、ああイヤ、それはしないほうが良いのか?」

 

 腕を組みぶつぶつと呟き始めた晴蓮に小鳥遊弓子は驚きながら「わ、私達を追い出さないのですか!?」と本心を吐露した。

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「? 追い出す? あなた方を? 何故?」

 

 晴蓮は心底不思議そうに聞き返した。

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「何故って……私達は部外者ですよ!」

 部外者? 部外者……まあ確かに部外者では……あるのか、な? 

 

「……あーまぁはい、一応はそうなるんですかね」

「確かにあの子は呪術師に成れる素質はあるかもしれません。

 ですが私達夫婦は呪術師と何一つ関係ありません、なのに何故……」

「何故も何も………僕達は親戚でしょう? イヤでも確かに、いくら親戚でも同じ敷地内に住むのはおかしいか?」

 

 そう言うや否や、また1人でぶつぶつと呟き始めた晴蓮に呆気をとられ言葉が出なかった。

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「(親……戚? たったそれだけの理由で離れまで造って私達を住まわせる? 呪術師やソレを管理する組織が有る事は先祖代々伝えられてきたから知っている。

 同時に、その組織がどれ程恐ろしく悍ましいものか、呪術師がどんな人種(・・)なのかも知っている。

 だから私達一族は男児が産まれたら必ず、あの名前(・・・・)を付けてきた。

 何があっても伝えられてきた者達(呪術師)と関われないようにする為に……なのにこの子は聞いていた呪術師とは違う。

 私達(一般人)見下(みくだ)していない。私達を同列に……同じ人間(・・)だと見ている。

 ご先祖様、この人は信じても良いのですか……)」

「ああでも、それだと問題がありますね」

「(ッ! やっぱり私達(一般人)と関わるのは禁止されてーー)」

「今僕は東京に住んでいるんです。ですのでココに離れを造ったとしても彼は東京に来なければいけません、そうじゃないと彼に術式(呪術)を教えられませんから。

 となると、結果的に彼はあなた方と離れることになってしまいます。

 んー……ではこうしましょう。東京に皆さんの家を造りましょう、そうすれば家族一緒に住めますね」

「(今この子はなんて言ったの、家を作る? そんな事が出来るの? )い、家を造る? 本気で言っているのですか」

「ええ勿論。じゃないと彼……憲紀くんがご両親と住めないじゃないですか」

 まぁ理由はそれだけじゃないけど。

 問題は造る場所……甚爾さんの家に近いほうが良いのかな、呪術界……総監部は何もしない。だけど、呪詛師そうもいかない。

 ヤツらが何をしてくるのか分からない以上、手飼達に護衛させるのは当然として、護衛は多いに越したことはないし……甚爾さん頼まれてくれるかな。

 んー、あー。とりあえず……土地を探すか。甚爾さん家の近くで。それから悩もうかな。

 

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「お前さんよ、何か言い残す事はねぇか」

「ははは、甚爾さん。その拳、下ろしてもらえませんか? 言いたい事も言えませんよ」

 

 胸ぐらを掴み拳を振り上げた義兄、加茂甚爾におどけたように諭す。

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「………よし、言え。俺に殴られねぇ様に納得させてみせろ」

「あー……なんと言いますか………その、要約するとですね、僕が面倒を見る人達が増えました」

「犬猫みてぇに増やすんじゃねぇよタコ」

「これには深いワケがありまして、最終的な結果として僕が……その、ね?」

 

 おどけながら場を濁そうとする晴蓮の顔に目にもとまらぬ速さで拳が通りすぎた。

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「うおぉ! ブッない! いきなり過ぎません!?」

「てめぇなら避けられるだろ、ひとまず中入れ。んで何があったか一から十まで全部話せ」

「それは勿論、正直甚爾さんには関係ありませんけど、手伝って欲しいので」

「(このクソガキ、もう一発かましてやろうか)」

 

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「マジで俺に関係ねぇじゃねぇか、てめぇの問題に巻き込むなよ晴」

 

 京都で起きた出来事を事細かく説明された甚爾は頭を抱え、本音をぶつけた。

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「ぶっちゃけ、頼れる人少ないですし甚爾さんなら何が来ても大丈夫かなって」

「あの爺さんはどうした、護衛ならあの爺さんの方が適任だろ」

「ええまあそうなんですけど、あの人今は半引退状態でして、頼むのもアレかなぁとそれにあの人は本当に関係無いですしおすし」

 確かに倭助さんは適任だ。最近は術式に磨かれ無機物の魂、一般人の魂、呪術師の魂を見分けられるまでに至っている。

 呪詛師が来れば先んじて動けるだろう。しかし、孫である悠仁くんには呪術師云々は知られたく無いらしい。今更過ぎるとは思うけど。

 

「俺は巻き込んでも気を咎められ無い、と言いてぇんだな」

「あー……いよ! 大黒柱! 沢山稼ぎましょう」

「マジで殴るぞてめぇ」

「そんな事されたら頭が消し飛ぶのでやめてください死んでしまいます」

「それに今言った通り報酬を支払います。毎月2本、彼が一人前になったら毎月1本でどうでしょう。

 不定期にお金が入るより定期的に入ったほうが安心感は違うと思いますが」

 

 甚爾は顎に手をやり少し考え晴蓮言う。

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「毎月3本、その次が2本」

「いくらなんでも吹っ掛け過ぎでは?」

「じゃあやらねぇ、俺は断っても困らねぇがお前は違う。この依頼に関しては俺が上だ」

銭ゲバめ

 

「なんか言ったかぁ、あ"あ"ん。こちとら子供3人育ててんだ、金がいるんだよ」

「いえ何も」

 聞こえてるくせに。

 

「はぁ……そうですね。確かに僕は困りますからね、良いでしょう。その金額でいきましょうか。

 では、これからお願いしますね」

「おう、おかげで子育てに余裕が出来そうだ」

「ところで甚爾さん、子供増えましたね。ハッスルし過ぎでは?」

「してねぇよ、養子をとってな」

「甚爾さんが……養子を?」

 あの甚爾さんが他人の子供を迎えるとは、なんか意外。

 

「んだよその顔。妻の友人の子供でな、旦那の方は蒸発、母親はネグレクトのあげく事故でおっちん()だそうだ。

 縁はショックを受けてたな、その友人はそんな事(ネグレクト)をするようなヤツじゃねぇとよ。

 実際に近所のヤツらも『ある時を境に人が変わった』ってな」

「…………呪霊が関わっていると?」

 呪霊……或いは、イヤ考えすぎか? 

 

「さあな、だが少なくとも性格が変わったのは事実だろうよ」

「僕のほうでも調べてみます。呪霊が関わっていようがいまいが気になりますから」

「ま、そこんとこは頼むは。俺にゃ出来ねぇからな」

「ああ、出来れば顔が分かる写真とか貰えると助かるのですが有りますか」

「少し待ってろ見た覚えがある、それと縁にも聞こう、すぐ出てくる筈だ」

「助かります」

 人が変わった……杞憂だと良いんだけどな。




 憲紀くん一家の苗字は小鳥遊(たかなし)(仮)になりました。
 小鳥遊した理由としては、鷹=猛禽類=危険=呪術師。と言った言葉遊び? 的な感じです。
 憲紀ママの名前って原作で出てましたっけ?

 それにしても運命って残酷ですね。
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