その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 この時の日下部さんは多分高専を卒業したてくらい。熱血師範代? から変わった、熱血師範代がどうなったかは知らない。
 それと日下部さんの今の等級は多分準一級辺り。



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 それとこのキャラ口調ちゃうぞゴラァって箇所があれば教えていただけると嬉しいです、めっちゃ助かります。


八話

「今日も稽古ありがとうございます、日下部さん」

「アーん"ん"気にすんな晴蓮、こっちは仕事でやってからなぁ。それに……だ。こっちはこっちで……なぁ。んふふ(コイツが特級になれば俺は楽をできるし、特級の師匠って事でよぉ、色んな事に便宜を図って貰えるかもしんねぇし………んふふ待ってろよぉ、俺の薔薇色の悠々自適生活ちゃん、だがその前に……)」

 

「えーとぉ、なぁ晴蓮」

「はい、どうしました?」

 

 日下部は戦々恐々と、とあるコトを聞いてきた。

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「因みにさ、あそこに居るヤツって……その、さぁ」

「あぁ、悟君ですか。それがどうかしましたか」

「(さ、悟君んん、悟つったらまさか……)あー、御三家で五条家の坊っちゃん?」

「あっはは、坊っちゃんですか。成る程確かに坊っちゃんですね。

 はい、彼は五条悟ですよ。正真正銘」

「(うおぉぉ、マジかぁ。五条の坊っちゃんと言やぁ傍若無人で噂の……)」

「ンだよ、アンタ。オレに文句でもあんの? あるんだったら喜んで買うよ、オレ。

 それとアンタさぁ、ハルに馴れ馴れしくない? ハルはオレが認めた術師なンだぜ、アンタみたいなヤツがーー」

「悟君。日下部さんに失礼だよ。それに僕はね、日下部さんにはとてもお世話になっているんだから。特に……アレの、ね」

「(なンの話ししてんだあの二人。それにアレってなんだ? き、聞きたくねぇぇ。ぜってぇにろくでもねえシロモンだろ、それ)」

「アレつーと、あの時使ったえげつねぇ技のコト? 何あれシン・陰流と関係あんの?」

「うん、まぁそれなりに……ね。あ、でも多分アレは僕くらいにしかできないから使い手が増えるとかは気にしなくていいと思うよ」

「ゾッとしねぇな増えたら」

「(何か、何か話題を変えなければ、俺に飛び火がくる前に!)」

「そ、それにしてもあれだよなぁ晴蓮。お前さん目が見えてないだろ? なのに俺の攻撃が当たりゃしねぇし、当たる気さえしないんだけど、何で?」

 露骨に話題変えたね、日下部さん。

 

「(ヘタ過ぎンだろ、コイツ)」

「な、何だよ。その顔は」

「いえ、お気になさらず。それと僕の眼でしたね。

 確かに僕は目が見えていません、これは知っておられると思いますが、天与呪縛の『一つ』。先天性全盲です。なので何一つ見えていません、光の一筋さえも」

「それなのに何であんな事が?」

「簡単な話ですよ、天与呪縛にはそれに相応する還り(恩恵)が必ずあります、当然。目が見えない代わりになるモノがあります。

 ですので今のところは目の事で不便はありませんね。まぁ、それだけで『視て』いるワケではありませんが」

 天与呪縛が多すぎて色んな意味で面倒くさいけど、ホントに色々と。

 

「あー、それでさ。あの五条と何があったらこうなんのか是非とも教えて欲しいね。逃げ回る時に参考になるかも知れんし

「いや~、思い出しても……もンのすンごく濃い一日でしたよ。いきなりどっかの誰かさんに喧嘩売られましたから」

「はぁ? 何言っちゃってんのハル。先に煽ってきたのはハルのほうじゃん、まさかアレ無意識でやってんの?」

「アッハッハ、それこそまさかだね。わざとに決まってるでしょう? あんなの」

「性格ワッル、オレよりカスじゃんそれ」

「あ、自分の性格がカスの自覚あったんだね悟君って、意外だよ」

「(あ"あ"あ"何だよこの空間、スッゲェ胃がキリキリする、とっとと逃げよう)」

「ア、アー、晴蓮。これで俺はお暇するわ」

「すみません日下部さん身内話に巻き込んでしまって、今日の稽古もありがとうございました。おかげで、新たな気付きを得られました。もう一つ上の段階(ステージ)に立てそうです」

「(まだ強くなんのかよ、コイツ。これだから才能ある天才ってヤツは……)イヤになってくンぜ、クソ

「じゃ、今日これで……終わりって事で、次は来月の十五日だったか? 次もヨロシクな晴蓮」

「はい、次も宜しくお願いします。日下部さん、今日は本当に有り難うございました」

「おう、じゃーな」

 本当にあなたのおかげで段階(ステージ)が上がった、格段に……

 

「(ふーん、一つ上……ねぇ、そんなんさぁ聞いたら、ヤって(呪い合って)みたくなるじゃんよ!!)」

「……悟君? ヤんないよ?」

 

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「晴蓮様、流石に根を詰めすぎにございます。どうかご自愛くださいませ」

 この人は……ああ、女中の相馬さんか、稽古中に声をかけてきたのね、気づかんかった。

 ……確かに始めて三時間ほど経つのか……ふぅ、休憩するか。

 

「そう……ですね、確かに長時間やりすぎましたね。相馬さんの言う通り、少し休みます。

 相馬さん、何か飲み物を持ってきてくださいますか? 少し喉が渇きました」

「畏まりました、直ちにお持ちいたします。それと晴蓮様。

 先ほど五条様がいらっしゃいましたので客間にお通ししております」

 悟君………また来たのかい? 暇なのかね彼……まぁ、彼を止められる人も居なさそうだしなぁ、自由人め。少しは自己鍛練に勤しむとかは……考えないよね。

 

「分かりました、僕は客間に行きますので飲み物は客間に持ってきてくれますか? ……あとは茶菓子も一緒に」

「畏まりました、晴蓮様」

 全く、今日は何しに来たのかね。

 

「やぁいらっしゃい、悟君。今日も来たんだね、そんなに暇なのかい? 君は」

 

 加茂晴蓮は指を鳴らしながら客間に入ると同時に嫌味を言う。

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「オレにだってやることくらいあるつーの。一昨日も依頼こなしてきたし、ま、クソ雑魚だったからすぐ終わったけどな。そう言うハルは依頼こないの?」

 依頼ねー何でか知らないけど、あんまりこないンだよねー、ナンデカナー。

 

「僕の所にはあまりこないね、依頼。きたとしても、大抵が準二級程度だし、たまーに二級がくるくらいかな。ホントにナンデダロウネー」

「あぁ、なるほど。上の連中か……ハッ、大事な大事な加茂の跡取りだからな。ヤツら……絞ってんだろーな、ゼッテーによ」

 でしょうね、上層部に加茂の人間がいるからね、俺に死なれたら困るンだろうね、胸クソ悪い……反吐がでる。

 

 ふいに木張り廊下の床面を叩く音が3回響く。

 ━

「晴蓮様。お飲み物と茶菓子をお持ち致しました」

 

 晴蓮が「どうぞ」と短く返答すると襖を開け、室内に入る。

 ━

「相馬さん、今日の茶菓子は?」

「本日はカド・カレ・ルーネの生八つ橋と堂福道のきんつばにございます」

「流石ハル、オレの食いたいもん良く分かってンじゃん」

「それはどうも、相馬さんありがとう。手間をかけたね。下がって良いよ」

「畏まりました、失礼いたします」

 

 女中の相馬はそう言い部屋を出る、彼女が出たのを確認して机を一定の感覚で叩く、それを悟は何も言わずに見ている。

 ━

「……なぁ、ハル」

「うん? 何だい?」

「明日さ、依頼……きてんだけどさ。一緒に行く?」

「別にいいけど、等級は? 流石の僕も雑魚はイヤだよ」

 

 悟は口角を上げニヤリ意地の悪い笑みを浮かべる。

 ━

「特・級・案・件」

「!? へぇ……それは是非ともご一緒したいね、でもどうするの? お歴々(腐ったミカンども)への言い訳」

「ンなもんどーとでもなるっしょ」

 ホント楽観的だよね、君って。

 

「でも、楽しみだね。特級案件……どんなのが出るンのかな、ホントに楽しみだ」

「ハルもイイ顔で嗤うじゃん、けっこー意外」

「なんたって僕は『呪術師』だからね。それに……今のお歴々(腐ったミカンども)に知って貰わなくちゃいけないしね」

「『最優』の呪術師だってコト?」

 

 加茂晴蓮はニコリと笑いながら首肯で答える、可能な限り早く認めさせればこの先の対処が少しは楽になるからだ。

 ━

「それしても困ったものだよね、ホントにさ……僕として色んなタイプの呪霊を祓って色々と確認したいのにさぁ全く……ブチコロがしたいよね」

 

 語尾にハートや星マークでも付きそうな声のトーンで事も無げに爆弾発言を言ってのける。

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「んー……それはそれでオモシロそーだけどさ、それこそバレたら呪詛師コースまっしぐらじゃん。

 つか術式使ったら残穢残るし誰がヤったかなんて、一発っしょ、メリットに対してのデメリットデカすぎじゃん」

「あっはは、流石の僕も呪詛師はイヤかなー。呪術師として生きていく事は覚悟決めたけど、呪詛師は論外だよねー。でも……うん。まぁ、過保護加減に少し腹が立ってるって事で」

 

 おもむろに晴蓮は柏手(かしわで)を打ち部屋に流れていた妙な空気感を払った。

 これに対し五条は「やっぱりか」と呟いていた。

 ━

「ハルってさ、ソッチもできんの?」

「それなりにはね」

 

 五条の「ズッル」の呟きが部屋にとけて消える。

 ━




 晴蓮くんにできない事ってあるんですかね?

━━
 因みに茶菓子で出てきたお店の名前は実際にあるお店をもじっております。
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