その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 晴蓮くんと宿儺の戦闘開始。


七十九話

 何も無かった、誰も居なかった隣からいきなり足が現れ、その勢いのまま宿儺へと蹴りかかる。

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生転術式(せいてんじゅつしき)

界移廊(かいろう)

 

 蹴り飛ばされた宿儺が「貴、様ぁ! あの時の呪術師か!!」と叫び、「やあ宿儺、久しぶりだね。元気にしてたかい?」と話しながらチラリと宿儺の傍に落ちている心臓を見て、眉根を寄せる。

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「(なんで、どうやって、いったいどこから兄さんが!?)」

「恵」

「は、はい」

ソレ(・・)が調伏出来たのは儀式の穴を突いた裏技での調伏、それも殆どが甚爾さんのお陰だ。

 だからソレは君にはまだ早い、と言ったんだ」

「それ、は……」

「でも、戦い方は間違っていない。格上を相手に出し惜しみするのは馬鹿がする事だ。

 でもソレを使うのはもう少し強くなってからだ」

「………はい」

 

 恵からスゥっと視線を動かし腕を組んで黙っていた宿儺を見る。

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「こちらの話を黙って聞いてるなんて、随分と殊勝だね。てっきり殴り向かってくると思ってたよ」

「ハッ! よくもぬけぬけと。俺が殴りかかれば貴様は躊躇わず腕を撥ね飛ばすだろう?」

「へぇ、よく分かっているじゃないか。悟君とのお遊び(・・・)で警戒を覚えたのかな?」

 

 晴蓮の言葉にピクッと眼光を鋭くし、腹立たしそうに睨む。

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「まあいい、俺はわざわざ貴様と戦らずとも良い。このまま代われば虎杖(小僧)は死ぬ。

 貴様は忘れ形見とやらが死にゆく様をそこで見ておけ、裡から貴様の顔を見るのも乙なものだ」

「成る程確かに。このまま代われば悠仁君は死ぬ……僕としては嫌だし困る。

 けど、君は二つ、思い違いをしている」

「ほぅ、言ってみろ。思い違いかどうか俺が見極めてやる」

「それは何より。

 先ず一つ、君は心臓を引き抜いた。それは横にある心臓を見れば一目瞭然だ、だから君は悠仁君と代われば良い、と言ったんだろう? 

 はは、舐められたものだね。僕にその程度のモノを治せない。と、考えている事がだ。それが一つ目の勘違いだ」

「(この男、反転アウトプットが出来るのか? それも四肢欠損レベルのモノを治せるとでも? ハッタリか?)」

「では二つ目、君、悠仁君に代わると言ったね」

「………それがなんだ」

「そして悠仁君に代われば悠仁君は死ぬ。ああ治さない事が前提だけどね」

「そうだ、このまま代われば虎杖(小僧)は死ぬ。貴様は何も出来ずにな」

「うんうんそうだね代われば悠仁君は死ぬ。

 それはつまり、君……僕と戦いたくないだろう? 君は僕と戦えば負ける………そう、思っているから代わりたいんだろう? 呪いの王が聞いて呆れるね。

 君、その看板降ろしたらどうだい? 代わりに僕が君に見合う看板を付けてあげるよ。

 そうだね、小物の王(・・・・)……なんてどうだい?」

「余程死にたいらしいな!!」

「僕が? 死ぬ? ()の君に? ははは、面白い冗談を言うね」

「死ね」

 

 ピッと指を二本立て晴蓮に向ける。すると、突然晴蓮の周りに赤黒い壁が現れ、甲高い金属音が鳴り響く。

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「今、何かしたのかい?」

 指を向けただけで三重の血霞の盾(ちがすみのたて)が二枚割れたか……四本(・・)でコレか、当然だが侮れんか。

 

「(なんだ今のアレは? どこの呪術師だ)」

「盾一枚(・・)壊せないとは……呪い王も所詮この程度か。

 君、弱いね。これなら逃げたくなる気持ちも分かると言うモノだ」

「逃げる……だと」

「おや? 違うのかい? 僕を前にしてすぐに悠仁君と代わろうとしたんだ、怖いんだろう? この僕が、違うかい? 宿儺」

「いいだろう、貴様はここで殺す。微塵になりそのまま死ね。

 領域ーー」

 

 掌印を結ぼうと両手を合わせた瞬間、肘を基点に腕が千切れ飛ぶ。

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「!?」

「恵、今から課外授業だ。ちゃんと見ていなさい」

「えっ……」

「(今、何をした。何故俺の腕が千切れ(・・・)ている)」

「一つ目。自身より格上だと判断した時は、相手に何もさせないように初手最大火力(フルスロットル)の一撃を叩き込む」

 

 そう言うと、恵の真横に居た晴蓮がいつの間にか宿儺の懐に入っており、腕を引き絞り黒い火花が伴った拳を腹部に打ち込む。

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「グッ……貴、様………」

「黒……閃………」

 

 左手で腹部に突き刺さる腕を掴み取り、右手で晴蓮に術式を使うため治した腕で顔を掴もうとするが、既にそこには居らず見失ってしまい、探すと右側に居る晴蓮を見つける。すると、また黒い火花と共に鋭い衝撃が宿儺を襲う。

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「二つ目。重い初撃を受けた相手は反撃のため必ず術式が当たる行動を取る、それは相手の一部を掴む事だ。だがその結果、注意散漫になり左右の警戒を怠る。

 だから二撃目は左右どちらかへと動き、真横から攻撃を撃ち込む」

「連続で黒閃を!?」

 

 二回連続で殴られた宿儺は晴蓮から距離を取るように離れる。

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「三つ目。意図せぬ攻撃を連続で受けた相手は必ず距離を取る。この時、遠距離からの攻撃手段があるならソレで攻撃するのも一つの手だ」

 

 血の球を人差し指の上で回転させながら話し、「しかし、余裕があるのなら……ここで詰め寄るのもいい」と言うと共にすぐさま宿儺へと駆け寄る。

 宿儺は晴蓮から離れ体勢を立て直し、先程のように指を二本立て晴蓮に向ける。それは宿儺の呪術で、見えない斬撃を放つ術式。

 ただの呪術師(・・・・・・)であれば当たるのは確実。そう、ただの呪術師であれば、の、話だが。

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 さっきと同じように指を向けてきたな、その後に血霞の盾(ちがすみのたて)が破られた……どんな術式かは分からんが、少なくとも見えないというのは分かっている。

 面倒だな。だが、面倒なだけだ。

 

「(この距離なら当たる、致命傷なり得ずとも隙が出来ればそれで構わん。次は確実に仕留める)」

 

宿儺が放った見えない斬撃

(カイ)

 

 その一撃は並みの呪術師であれば為す術がなく斬り刻まれるだろう。

 だからこそ『当たる』と、宿儺は確信した。そして、何もせず自分に向かってくる晴蓮に向け薄ら笑いを浮かべた。

 しかし、今目の前にいるのは『最優』の呪術師。彼にすれば『見えない』と言うのはさして問題がない。

 何故なら彼は、目が見えていないからだ。そのため物理的に見えていようがいまいが関係なかった。

 では躱す事が出来るのか? 答えはーー

 

構わずそのまま突き進む事を選び、そして見えない斬撃は体を………すり抜けた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ━

「何!?」

「(宿儺は何を驚いているんだ? 何かしたのか? したのに何も起きなかった……。

 兄さんは術式を使った……のか?)」

 

 そして驚きで動きを止めた宿儺の懐に入り、黒い火花を散らしながら三度目の攻撃を脇腹に叩き込む。

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「グッ……かぁ……ぎぃ、貴……様ぁ」

「三………回目の……黒閃」

「四つ目。『当たった』と、確信した攻撃(術式)を避けられた相手は混乱し、隙が生まれる。

 だからソコに打ち込む」

 

 三回連続で攻撃を、尚且つ黒閃を極めている晴蓮のボルテージは跳ね上がる。

 ━

「ガッ……アァア!!」

 

 その攻撃は大振りな攻撃だった。今の晴蓮にとってその程度の攻撃を躱す事など容易く、その時に生まれた大きな隙に四度目の黒閃を極める。

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「グッ、ゥゥ………なんなんだ!! 貴様は!!」

「現代の呪術師だよ、呪いの王。

 五つ目。大振りな攻撃の後は遍く(あまねく)全ての場所に隙が生まれる。

 無防備な体勢では避ける事も、防ぐ事も出来ない。故に攻撃は確実に当たる」

 

 四度の黒閃。今の宿儺は指四本(・・)程度の強さ、出力は全盛期に程遠い。

 体がよろめくのは当然の現象、隙が生まれるのもまた、当然の反応。

 そこに間髪入れず駄目押しの五度目の黒い火花の花が咲く。

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「ガ………ぁあ…………」

「(……五回目の、黒閃。

 黒閃を狙って出せる術師はいない、これは常識だ。確か……七海さんが言っていた。二回以上の黒閃を繰り出すとしたら、連続で発動させるか、その日のうちに発生させなければ難しい。

 一回目はまぐれでも実力でもどちらでもいい、でも、でも兄さんは……一回目の黒閃を狙って出した!! あり得るのか!? そんな事が………)」

 

 晴蓮が極めた五回の黒閃が恵に衝撃を与えたのは当然の反応だ。確かに加茂晴蓮と言う術師は特別だ、呪術界で『最優』の呪術師と呼ばれている。

 だとしても、黒閃は狙って出せる芸当では無い。しかし、晴蓮はソレを成して見せた……何も知らない者達が見たのであれば、だが。

 ━

「二分だ」

「な……何、がだ」

「お前に代わって二分経った」

「!!」

「限界だろ、表に出ていられるのが」

「ケ……ケヒ、カカカ。そうだ、限界だ。

 その意味が貴様にも分かるだろう? 虎杖(小僧)の死だ、貴様が虎杖(小僧)を殺す」

「そうだね、治さなければ悠仁君はここで死ぬ治さなければ(・・・・・・)、の話だがね。

 言ったろう? その程度のモノ、僕に治せないと思っているのか?」

「貴、様……まさか、本当に……」

「宿儺、今は眠りにつくといい」

「喜べ呪術師。貴様だ、あの虫が好かん目隠しの呪術師より先に、貴様を殺してやろう」

「それは嬉しいね、楽しみにしているよ」

 

 体に浮かび上がっていた刻印がスゥっと消えていき、虎杖の意識が戻る。そして「師、匠……俺」虎杖が掠れた声で晴蓮を呼ぶ。

 ━

「今は何も言わなくていい。大丈夫。君は死なない、死なせない」

「は、い……分か……りました」

肉雫唼(みなづき)、呑め」

 

 晴蓮の体からエイに似た式神がズルリと出てくると、虎杖を丸呑みにする。

 ━

「兄さん!! 虎杖は、大丈夫……なんですか」

「今のところはね」

「それは、どう言う……」

肉雫唼(みなづき)の体内は反転術式が常時発動している。延命処置ではあるけど、時間は稼げる」

「出した後は、どうするんですか」

「僕の領域に入れる」

「兄さんの領域に? でもそれだと」

「問題ないよ。僕の領域に必殺は無い、だから入った瞬間死ぬ、なんて事は起きないよ」

「じゃあ入れる理由は」

「僕の領域は少々特殊でね。ま、それは後で話そうか。今は釘崎君を…………あぁ、もう外に居るんだね。

 じゃあ早く高専に帰ろうか」

「釘崎は外に出しましたけど……中西はまだ見つけてないんです」

「ああ暦かい、あの子も外で待ってるよ。あの子、そういうの得意だから」

「俺、あまり中西の事知らないんですけど。

 どんな事が出来るんですか? 勿論、最低限のモノでお願いします。おいそれと他人の術式を話す事じゃありませんから」

「んー、そうだね。端的に言うと隠匿、錯乱・認識阻害。そういった事も出来てね、結構万能な術式なんだ。まぁ、使い手を選ぶけどね、器用貧乏になるかは術師次第の術式だよ。じゃあ、帰ろうか」

 

 少年院の祓除任務の途中に宿儺の覚醒。晴蓮が来なければ凄惨な結果になったいたのは想像に難くないだろう。

 少なくとも恵は助かった、命を拾えたのは『運が良かった』だけだった。

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 場所は結界を張った体育館内中央。そこに晴蓮、五条、夏油、家入が集まり生徒達には聞こえないように話し合う。

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「ハル」

「大丈夫、死なせない」

「蓮、間に合うのか?」

「間に合わせるさ、僕は『最優』だ。

 誰もが出来ないと思ってしまう事を成し遂げる。それが僕だ」

「セイの領域なら心臓も治せるだろうから正解ではある。でもさ、問題点もあるんでしょ?」

「僕の領域を知られる程度だ。それに、領域に入れるのは数秒。一瞬であれば何が起きたのか分からないよ、分かるのは『心臓が治った』と言う事だけ、その後に発生するであろう影響は少ない」

 

 全員がフッと笑い「確かにその通りだ」と同じ事を言い、その三人を手で離れるように動かす。

 そしてーー晴蓮が領域展開をしようとした時、晴蓮が何かに気がつく。

 そして領域展開するための智拳印(ちけんいん)ではなく、虚心合掌(こしんがっしょう)と呼ばれる両手の指先を揃え、掌中に空間(ふくらみ)をもたせて合わせる違う掌印をしたのを見た同期三人の眉がピクリと動く。

 ━

「………結界術:拡張術式領域

 

 唱えた瞬間、晴蓮を中心点に黒い外殻が虎杖を取り込むように円心円状に広がる。

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 違和感に気がついた同期組が領域であろうモノを解いた晴蓮に駆け寄る。

 ━

「ハル。今の、領域……じゃねぇよな」

「うん。やられたよ」

「何か、あったのか?」

「僕は心臓を治してない。僕は領域を使っていない。何故なら僕が治すより前に治ってたからね」

「!? 宿儺の仕業か」

「恐らくね。心臓を治す代わりに何か……何かしらの縛りでもしたんだろう。困ったもんだよ」

「生得領域内でか」

「ソコなら邪魔が入らない。小賢しい事をする」

「んじゃあ、宿儺を出させてさ、もっかい殺すとか?」

「流石にソレはリスクが高過ぎるし、そんな事をすれ(殺せ)ば僕達が何か有った事に気づいた事を宿儺に知られらる。監視の目を緩めない事しか僕達には出来ない。

 今以上に多く式神を付ける。それが今出来る最善策かな」

「それで? 彼の事どうするつもり?」

「報告?」

「そう、彼は生き返った。ならその事を報告する必要がある」

「ハルがなんのために体育館選んで、結界張ってると思ってんの硝子」

「は? 何それどう言う……」

「悟君」

「だな」

「え、何そのやりとり」

「虎杖悠仁は少年院任務にて『意識不明の重体』。

 ハルが居んのに死んだとか無傷とかあり得ないからね」

「その辺りは僕が言いくるめるよ。それに、上としてもこの報告の方が嬉しいだろうしね」

 

 一つ息を吐き頭を掻き、虎杖を除く者達の幾千幾億もの未来(世界)を見て、何かが起こり得る可能性が有る世界にピンを付けた。

 ━

「虎杖!!」

「ん……ぅん? ……あれ、俺……生き……てる?」

「しぶとさは随一ね」

「た、助かったんだし、良いんじゃないかな」

「(どもるのウッザ。………でも晴蓮さんの関係者だし、よりお近づきになるためにはコイツと仲良くした方が良いし……どうしようかしら、面倒ね)」

 

 反応は三者三様だった。虎杖が生き返って喜ぶ恵、取り敢えずは助かったし良いんじゃない? と思う暦。生き返った虎杖を無視して私情だらけの邪な? 事を考えながら暦を見る釘崎。

 ━

「虎杖」

「ぅ……ん?」

「よく帰ってきた、おかえり」

 

 数秒ポカンとした表情をして、すぐ向日葵のような笑顔で「おう! ただいま!」と返し、恵とハイタッチした。

 ━

「…………まぁ……でも。取り敢えず僕は上のクズどもを〆てくるよ」

「ま、だよな。こんな事すんのハルが入れ替えられてない上の連中(総監部)がわざと一年ズをこの任務に行かせた」

「それでも少しは抵抗があった筈だよ、僕側の者達も居る。だから傑君が駆け付けられるように近くで任務をさせていた、それが僕側の人間の抵抗の結果だね」

「それでも私は間に合わなかった。ハルが行かなければ今頃……」

「悠仁君が死ぬギリギリで到着ってところかな」

「じゃあやっぱ上の連中(クソ)共の仕業?」

「しかねぇだろ。でも、ハル側の連中を押し退けて強行手段に出たってのは気になるな。奴らにそんな度胸あるか?」

「何か、誰かが関わっているかもしれないね」

「あの飛頭蛮(ひとうばん)か?」

「ソイツしぶとすぎじゃね」

「でも硝子。蓮の誘導があるとは言えあんな(テロ)事をするくらいの呪詛師だ、まだ何か考えてても可笑しくない」

「…………僕はアイツの事を視れない。今、どこで、何をしているのか分からない。

 日本中を警戒・監視(・・)しているんだけど……これが、うんともすんともでね、嫌になっちゃうよね」

 

 教師組が色々と話し合っている中、一年ズは盛り上がりを見せていた。

 ━

 

 

 ━━

 

 ━━━━

 

 

「にしても………スゲぇ、俺生きてる」

「兄……ん"ん"

 加茂先生にお礼を言っとけよ、お前がこうして生きていたのも加茂先生のお陰だ」

「師匠の? ………あー、そう言えば気を失う時に、師匠が大丈夫って言ってたよう、な?」

「せ、晴蓮先生は『最優』の呪術師だから、反転術式も高性能なんだ」

「ああ!! やっぱり晴蓮さんは凄い人なのね! アンタ後でちゃんと晴蓮さんにお礼言いなさいよ。言わなかったらブン殴るから」

「お、おう」

 

 一人だけ、他三人とは温度差が違う反応をして、他三人を唖然とさせているが、知らぬは本人ばかりなりと言わん状況だった。

 ━

「あー……まぁ、その……。

 そうだ!! アイツ、えっと……そう、岡崎、岡崎正。アイツは……」

「……遺体は持って出れなかった。その代わり、名札だけ、母親に渡した」

「そっか……でも、恵。ありがとう、俺の代わりに渡してくれて」

 

 そっぽを向きながら頬をポリポリと掻き「気にするな、俺がしたかったからしただけだ」と少し、恥ずかしげに答えた。

 ━

「なんの話し?」

「少年院に入る前に収容者の母親が来たろ」

「あー、あったわね確か。え、何、ソイツの名札を渡したのアンタ。………なんか以外なんだけど」

「父さんに言われてんだよ」

「なんて?」

「………『憧れるなら、俺じゃなく(ハル)にしろ。アイツは誇れる奴だ』。口を酸っぱくして言ってんだよ。『(ハル)が居たお陰で俺は人間(術師)で居られた』ってな」

「うんうん。やっぱり晴蓮さんは凄いって事よね!」

 

 先程と同じ反応をし冷ややかな視線を釘崎に送る。

 ━

「ま、まあ釘崎の事は置いといて、無事に? 終わって良かったな」

「お前は死にかけるどころか、死んだけどな」

「はははは、でもこうして生きてるし、うん。良かった。

 贅沢を言えば岡崎の遺体を持ち帰られれば良かったけど………贅沢過ぎるもんな」

「あぁ、それは贅沢だ。………でも、次からは出来るように強くなればいい」

「そうだな。ウッシ!! 師匠に言ってもっと鍛えてもらう。シン・巌流も呪術もだ」

「加茂先生は任務とは違う仕事で忙しいんだ、あまり迷惑を掛けるなよ」

「…………どうしよう……」

「それはグッドルッキングガイの五条先生が教えてあげるよ」

「五条先生が?」

「そ、先ず悠仁にしてもらうのは呪力操作の習得。そんで汎用呪術の習得だ。これから忙しくなるよ」

「ウス! お願いします!」

「そんな時間あるんですか?」

「大丈夫、今作った」

「それはどう言う……」

「後で教えるから取り敢えず、恵と釘崎は二人での呪霊祓除任務だね。(こよみ)は一人でも大丈夫だから、単独での祓除任務だ。よろしくね」

「ちょっと待って。なんでこんなナヨナヨした奴が単独任務なの」

「釘崎より強いから」

「はぁ? コイツが!?」

「うん」

 

 五条が言った『中西暦(なかにしこよみ)は強い』との言葉に反論し、それを聞いて五条の発案で釘崎と暦の格付け? 勝負をする事が決まった。

 しかし、暦は晴蓮から呪霊・呪詛師以外に術式使用を許可していなかった、理由は単純に危険だからだ。

 ━

「じゃあ戦ってみる? 条件は『なんでもアリ』で」

「なんでも?」

「なんでもアリ。呪力強化していいし、術式バンバン使ってもいい。なんでも使って戦い合う」

「いいじゃんソレ、ブッ倒す」

「え、えっと、その術式を人に使うなって晴蓮先生に言われてて、そ、その」

「いいよ、使って。

 暦がどこまで強くなったのか見てなかったから丁度いい機会だ。暦、全力でやりなさい」

「は、はい。分かりました」

 

 五条が言った『中西暦(なかにしこよみ)は強い』との言葉に反論し、それを聞いて五条の発案で釘崎と暦の格付け? 勝負をする事が決まった。

 しかし、暦は晴蓮から呪霊・呪詛師以外に術式使用を許可していなかった、理由は単純に危険だからだ。

 ━

「大丈夫なん?」

「まあ新月の日じゃないし、殺傷性は少ないかな。それでも今日は新月の日の前日。月隠(つきごもり)だから何も知らない釘崎君はすぐ負けると思うよ」

月隠(つきごもり)?」

 

 現代では月の満ち欠けに各々名前が有ることはあまり知られておらず、それは現代の呪術師でも例外……五条が詳しく無いだけなのか分からないが丁寧に「月齢二十九日の月の呼び方だよ。面倒だよね、月の形に各々名前が有るのって」と教えた。

 ━ 




 晴蓮くんからすれば黒閃は狙って出せる中パンチ感覚、それでも黒閃なのでボルテージは上がる。

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 当作品の釘崎は晴蓮くんのミーハーです。憧れは美化されるから仕方ないね。

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 肉雫唼(みなづき)の体内で反転術式が常時発動してるのは多分反転術式は技術だけど、『術式』って名前に付いてんだからコレも術式!なら切り離して弄くれるんじゃね?の結果でこうなりました。
なんでもアリな晴蓮くん。存在が反則。
 まあ後は生得術式の影響ですかね。なのでやっぱり存在が反則。
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