その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 マジでどうしよう、何故こうなった。こうなる筈じゃなかったのに。


八十二話

「硝子、君はメディックだ。前に出る必要はない」

「そのメディックが前に出て戦えれば相手の裏かけんじゃん」

「あー……うんまぁ、そうだね。本音を言えばこれからの事を考えれば戦力は欲しい。

 僕が視た未来(世界)の中で一番最悪な結末は全滅。羂索とは相討ちでの宿儺の独り勝ちだ」

 その結果日本はトンでもない事に成ってたけど。ただ一つ、分からないのは何故その世界に俺が居るのかだけど……恐らく空白の期間で何も出来なかった結果の未来(世界)だろうね。

 

「は? 全滅? あり得ないでしょ」

「だよねぇ、そうだよね。あり得ない、現にこの結末はこの世界から一番遠い未来(世界)だ。

 しかし、万が一を考えて動く方が回避出来る可能性が高くなる」

「じゃあ尚更してよ」

「…………ちょっと考えさせて、数日間は考えさせて欲しい」

「分かった。でも、しなかったら二人に言うからね」

「それはマジで困る。絶対に悟君に殴られるし、傑君は泣く」

「じゃあ答えはもう出てんじゃん」

 そうなんだよねぇ、二人に言われるとマジで困る。絶対ブチギレてブン殴られるか、『茈』撃ってくる。傑君は泣いた上で大量の特級呪霊をけしかけてくる。

 傑君の呪霊を不用意に祓えないし……二者択一ですらないんだよね。

 ……するしかないか、確かに硝子が戦えるようになれば色んな場面で有利に働く。つまりは、だ。やらない理由はない。

 手札は多ければ多い程いい、とれる戦略の幅が増える。しかも今まで治療要員だった硝子が『実は術式持ってます。前で戦えます』は魅力的だ、それもかなり魅力的すぎる。

 困った、本当に困った。俺としては近しい人達には使いたくない、使いたくないけど…………。マジでどうしよう。

 

 何度も考えた、何度も思案した、何度もシミュレーションした、幾つもの未来(世界)を視た。

 数千数億と視た未来(世界)の中には確かに術式を持つ家入硝子が三人居た。しかも、驚いた事に全員が違う術式だった。

 他世界と言えど術式は一人に一つで、どの世界線でも術式は変わらない。晴蓮はどの世界線でも血漿操術、だからこそ『蔵識(くらしき)』が成立する。

 同じ術式だからこそ隣接する世界線からこちらに呼び寄せられる。同じ術式だから隣に行ける。

 故に別の世界線だろうが違う術式を持つ家入硝子と言う人物は、晴蓮にとって好奇心を掻き立てられる人物へと成った。成ってしまった。

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 家入と話し合いから数日が経った。晴蓮答えを出した、その答えを伝えに医務室へと入ったと同時に、携帯が鳴り、表示されている名前は七海建人だった。

 部屋に入り「やっと来たの(セイ)」と家入が声をかけるが手で制し、スピーカーにして携帯に出る。

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「建人、何か有った」

「先輩が言っていた例の人間………呪体でしたか、ソレと戦いました」

 

 今、七海は虎杖と共に変死体事件の調査をしており、どうやらその時に改造人間……晴蓮命名『呪体』と鉢合わせ、戦闘に入っていた。

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「どうだった」

「僅かですが、意識がある個体もいました」

「意識が、あった?」

「家入先輩もいらしたんですね。

 意識があった呪体は本当です、虎杖君も同時に目撃しましたので。

 私達が見た喋る者達ですが、医務室で見たモノと同様に呪霊の姿に近かったと思います」

 意識がある、か………俺が見た死体にも歪みはあれど脳はあった。それに硝子も脳幹を弄られた形跡が有ると言っていたからあの時の死体がもし、生きていれば喋れたのか? 

 ……アレを生きていると言っていいのか分からないが、もう少し呪体に会ってみたい。調査を続ければ会えるか? 続けるか、後は……未来(世界)を視るか。誰の未来(世界)を視るかだが、建人の未来(世界)でも視るか? 建人達にも調査をさせている。視れるのは建人だけ、後で視ておくか。

 

「建人、引き続き調べて欲しい」

「分かりました」

 

 短いやり取りで報告と指示を終わらせる。

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「との事だ」

「喋る呪体か……となると変えられて暫くの間は生きている事になるね」

「微妙なところだよね、どう考えてもあんな事をされれば死ぬのが道理だ。生きているなんて事はあり得ない」

「変えられてからの時間とか?」

「それしかないかな」

「確かめる方法は?」

「会ってみるしかないね。その時に色々と調べよう」

「その辺りはよろしく。で、(セイ)

「………大丈夫、答えは出した」

「その答えはどっち?」

「『どっちでもない』。だ」

「? どう言う意味、『変えない』って訳じゃないんだよね」

「うん、以前も言った通り硝子にはアレを使いたくない。

 でも、硝子の提案はとても魅力的だ。『治療要員が体術だけじゃなく、術式も使えて前でバリバリ戦えます』はいい提案だった。

 僕には断れない程に魅力的だったよ、だから硝子の提案に乗る」

「でも弄る訳じゃない。なら、何するつもり」

 

 立てた指を振り「僕がやっているもう一つの方法……術式の外付けだ」と答える。

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(セイ)がやってんの?」

「うん、呪物を呑み込む事で一つ術式を増やした。だからと言ってもう一回同じやり方で増やすのはリスクが高すぎる、だから術式が呪具化した呪具による外付けでの術式取得だ」

「あれ? 外付けって確かそんな事してる生徒いなかった?」

「うん、憂太君だね。

 でも……まあ今の彼が付けてる外付け術式はなんと言うか……僕のとは別物な気がするけど、少なくとも自分の術式とは別で術式を持ってる」

「で、その外付け術式の呪具っていつくれんの」

「もう出来てる、と言うか呪具自体は昔から持ってるからね」

「は? 持ってるの?」

「うん。呪具化したのは随分前だからね」

 

 晴蓮を見つめ「コイツいつの間にそんな事してんだよ」と呆れる。

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「私にどんな術式をくれんの。ソコが一番気になるんだけど」

「昔、僕の協力者として働いてもらってた子の術式だ」

(セイ)の協力者? ……その人も(セイ)が覚醒さた人?」

「うん。名前は香住翠楽(かすみあきのり)。頼んだ仕事で死んだ術師だ」

 

 何を言うか迷った末、口から出てきたのは名前を呼ぶ事しか出来なかった。

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「今はもう大丈夫だよ、何年も前の事だからね。

 ……彼は最期まで呪術師として戦った」

「遺体はどうしたの?」

「防腐処理を……とも思ったけど、ソレは彼の生き様に対する侮辱であり、冒涜だ」

「ちゃんと、埋葬したんだ」

「僕だってそこまで下道じゃないさ。

 ……仲間には、友人には最大の敬意を、敬愛を。

 彼は、最期の最期まで呪術師として、僕のために戦った。だから彼には出来得る限りの事をしたよ」

「私に、その人の術式をくれる……の?」

「うん、硝子にドンピシャでね。コレ以外思い付かなかった」

「……どんな術式?」

増殖(メイガス)

 能力は『自らの身体を無限に『増殖』させて分離、攻撃する』術式。

 解釈、拡げ方によってはもっと色んな事が出来るんじゃないかな」 

増殖(メイガス)…………それで、ソレが外付け術式の…………腕、輪?」

「そう、外付け術式のための呪具。

 コレそのものが翠楽(あきのり)の術式が呪具化した呪具」

 

静カナル翠ノ楽園(シズカナルミドリノラクエン)

 

「術式が呪具に成った? そんな事あり得るの?」

「ほら、僕の肉雫唼(みなづき)は術式が式神になってるし、風来坊の人も術式によって呪具化した式神持ってるし、何かしらの条件が揃えば成り得るんじゃないかな。

 まあでも、気になったから前回以上に蔵を漁った時にとある呪具の文献を見つけた」

「過去にも似たような呪具があんの?」

「そっくり同じとは言えないけど獄門疆(ごくもんきょう)と呼ばれる呪具の記録が有った」

獄門疆(ごくもんきょう)? 何それ」

「術式効果が記録されていなかったから、どんな呪具なのかは分からない。だけど、興味深い記録は載っていた。

 獄門疆(ごくもんきょう)は、『生きた結界と呼ばれた源信なる人物の成れの果てである』とね。この記録から察するに結界術系統の呪具だろうとは思うけど、所詮憶測の域だけどね」

「人間の………成れの果て…………。じゃあその呪具も………納得は……出来る……。

 イヤでも……実際に成ってるし否定しても意味ないか」

 

 家入から当然の疑問をぶつけられ「あっはっは、そうだねぇ。起きてるもんね。

 ……当たり前の事だけど、呪術とは呪いだ。そして呪術師は呪いを扱う者だ。

 呪術師が仲間を、友を残して征く死への後悔……『()生きてくれ(死なないでくれ)』と願う思いを友愛と呼ぶ。

 僕はね、愛ほど歪んだ呪いはないと思ってる。だとしたらその感情はとても強力な呪いだ、ソレ程強力な呪いであれば死後、術式が呪具化して残っても可笑しくない」と、自分なりの考えを言ったがどうやらまだ、納得出来ていないのか難しい表情をしていた。

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「…………僕はね、呪いは水のような、それか雲のような流れモノだと思ってる。

 それに獄門疆(ごくもんきょう)みたいに人の成れの果てが呪具に成るなら、呪術師の生得術式が術師の死後に呪具化して残り続ける事もあり得るのではないか……とは思ってるよ。

 僕の場合は式神化だっただけでね」

「マジで、意味分かんない」

「僕だってどうやったら、どうなったら式神化したり呪具化したるするのか分かんないし。

 なのでこの話はおしまい。外付け術式の話に戻ろうか」

 実際なんであんな風に成ったのか俺にも分からんし、肉雫唼(みなづき)もなんか変わったぽいし……あり得るのか? 訳が分からん。流石呪術、なんでもアリだな。

 

「あ、うん」

「で、これがその呪具」

「あれ? コレ、(セイ)も似たような呪具嵌めてんじゃん」

「………こっちはさっき言った二度目のモノだよ」

「じゃあ……もう一人、誰かが死んだ?」

「うん。名前は犬童生刻(いんどううぶとき)

 彼も僕が頼んだ仕事で死んだ。彼の術式なら本来なら問題はない筈だった。現に何回か問題無かった。

 でも、彼は違う方を選んだ。彼は『真なる死』を選び『真の再誕』を起こし………そして死んでしまった」

「どう言う意味?」

「彼の術式は再誕(コルベニク)。この術式の根っこは再び(・・)誕生(・・)する術式なんだよ」

「再び……誕生する?」

「……詳しい事はまた今度ね、今は硝子の呪具だ」

「そうだけど……めっちゃ気になるんだけど」

「あっはっは。まあまあ今コレは関係ないし、今度ね」

「ふーん。ま、いっか。じゃあ本題に戻ろうか」

 

 嬉しそうに、されど悲しそうに両腕(・・)に嵌まる腕輪を見ている。

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「彼も……彼が死ぬとは思わなかった。

 硝子、僕はね多くの術師を生んだ。学生時代に最低でも八人(・・)以上の人達を術師にして、その内何人かが死んだ。硝子に渡すのはその内の一人の術式だ」

「それが……この腕輪……。

 えっと、静カナル翠ノ楽園(シズカナルミドリノラクエン)? だっけ」

「うん。ソレもだけど僕が嵌めてるこの呪具も術師の術式が呪具化した呪具、基本的な形態は腕輪型。

 でもこの呪具は普通の呪具とは違ってね、呪力を流す事で形が変わるんだ。よっと……ほら、これこの通り銃剣に成る。

 中々カッコいいでしょ? まあ銃剣以外にもそれなりには変えられるんけどね、ライフルとかハンドガンとか」

「カッコ良さは今は置いといて、この腕輪を付ければ使えるんだね」

「うん、呪力を流さなくても腕輪を嵌めてれば問題なく術式も使える」

「形が変わる呪具とか初めて見るんだけど」

「まぁ、呪術はなんでもアリなんだから、あり得るんじゃないかな」

「なんでもアリ……か、まあ目の前に変な事してる筆頭が居るし、確かにそう思えてくる。

 多分納得しちゃ駄目なんだろうけど、まあ今はソレで納得しておこうか」

「ああそうだこの生得術式には付随効果があるんだよね」

「付随効果? 何それ」

増殖(メイガス)の場合は『視覚を高次の感覚』で認識。これだけじゃ良く分かんないよね」

「マジで意味分かんないんだけど」

「『高次の感覚』。

 この呪具の場合は五感のひとつで『基礎感(単一要)()』と言われている『視覚』から入力される情報を高度に処理・解釈し、対象の理解、空間の把握。これらを過去の記憶と結びつけ、その場の状況に応じた行動の切り替えを行う心理・脳機能を認識する高度な知覚機能にを得る。と、翠楽(あきのり)から聞いた」

「は? 余計訳分かんないんだけどソレ」

「だよねー、分かんないよねー。正直僕も良く分かってないんだよね。

 前任者……翠楽(あきのり)が言うには『今までの世界とは別の世界が視える』らしいよ」

 

 晴蓮が言った呪具の術式の性能が、到底理解出来なくて「……あり得ないでしょ……そんなの」と、口をついて出る。

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「んー、まあそんな感じの呪具。

 腕輪状態でこの『視覚を高次の感覚』を自動的に得る、まあ呪具だから当たり前だよね。慣れれば腕輪状態でも生得術式も使える様になるよ、僕がそうだからね。

 でも、僕はその腕輪を嵌めてないからどんな感じなのかは分からない。なので硝子、嵌めてみて。んで、どんな感じなのか教えて」

「つまり人体実験させる訳か」

「もう別のを嵌めてるし、今嵌めてる腕輪も術式は違えど同じ呪具だから当然術式効果が有る訳で……ごっちゃになったら、ねぇ」

(セイ)のはどんな術式があんの」

「僕のヤツは幾万もの人々の業を通じて、輪廻を貫いて存続する心とされるている『阿頼耶識』を『高次の感覚』で認識、蓄積する記憶領域の取得だね」

「は? 何言ってんの」

「良く分からないよねぇ、マジで。

 僕も全ッ然分かんなかったけど嵌めたら分かった。マジでやべぇ」

「良く分かんないけどヤバいのは分かった。だから今から嵌めるのが怖いんだけど」

「でも術式は欲しいんでしょ?」

「それは……そうだけどさ、怖いもん怖いって」

「大丈夫、死にゃしないって。僕も嵌めてるんだか、ちょっと感覚や感じ方が変わるだけで」

「……まぁ、やるか。(じゃないと追い付けないから)」

「その意気で頑張ろう…………ああそれと、この術師を二人共知ってるよ」

「五条と夏油が? なんで」

「僕達が学生時代に二人にかち合わせた」

「なんでそんな馬鹿な事してんだよ」

「二人の領域(ステージ)を上げるだめだね。

 お陰で悟君は攻撃全振りから搦め手を使うようになったし、傑君は反転術式を習得した」

「ソレって(セイ)の仕業!?」

「うん。僕が(けしか)けた」

 

 衝撃な事実に「なんでそんな危ない事してんだよ!」と、無意識に大声が出た。

 ━

「強くするためさ。皆が次の領域(ステージ)にいけるのなら、なんでもする。なんでもやる。

 たとえ非難されようが、謗りを受けようが、蔑まされようとも僕は構わずにやる。

 呪術師ってのはね、一人だけが強くては意味がない。誰もが成長しなければ意味がない」

「……それは……そうかもしれないけどさぁ、限度ってのがあるでしょ。

 あの時夏油ヤバかったんでしょ?」

「そうだね、下手したら悪夢からのトラウマになって廃人になったかもしれないね。

 てな訳なのでその術式がバレるまでは二人に言わないでね」

「アンタ、マジで…………ふぅぅ……莫迦だよ(セイ)

 

 色々と罵倒したかったが、なんとか呑み込み今まで何度も言ってきた言葉を出した。

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「そう言われても否定出来ないんだよね、僕自身そう思っちゃうし、何かやるたびに莫迦な事してるなーってさ。

 それでも……僕はやるんだこればかりは変えようが無いかな、変わりようが無い」

「そういう性格だもんね(セイ)は」

「あっはっは。困った事に言い返せないや」

 

 硝子は頭に手を置きタメ息を吐き、晴蓮は否定出来ない事実に大声で笑っていた。

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 ━━━━

 

「んじゃあ、あげる」

「フー……よし!」

 

 掛け声と共に腕輪を嵌めた途端に瞳孔が開き、眼球が目まぐるしく動き始めているが体は微動だにせずに数分間立っていたら、唐突に「ヴッ……オエ」っと口を押さえる。

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「あ"ー……マジで気持ち悪い。頭クラクラするし、目が回る」

「今どんな風に視えてる」

「なんて言えばいいのか分かんない。言語化が難しいとかのレベルじゃない。

 あえて言うなら…………世界が、光って視える」

「光って、視える?」

「目でさ、何て言うか、奥行き? ソコに有るモノが何であるかが分かると言うか………なんだコレ? ゾウリムシ(・・・・・)? キッモ、多すぎでしょ。

 ………空間が三次元的に視える。視た空間が頭ん中で立体化して視える。

 あー、アレだ、三人称視点のゲーム。あんな感じ」

「ああだから翠楽(あきのり)は『今までの世界とは別の世界が視える』と言ったのか。

 中々どうして、面白い術式効果だ」

 ゾウリムシ(・・・・・)、か。となると硝子もアレらを見えるのかな。今度見せてみるか。

 

「こっちは超気持ち悪いんだけど何面白がってんの。てかさ、この効果ったオフに出来んの?」

「さぁ、知らない。彼に聞いた事ないし、彼も言わなかったし。でもまあ他の呪具も常に術式効果が発揮されてるし、出来ないんじゃない?」

「マジで? ……オフにするなら外すしかないか」

「まぁ、そうだね。でも外付け術式の呪具だから嵌めてない場合は術式も使えないよ」

「あー、そうか。外付けの術式だからこの腕輪外したら使えないのか…………どうしよう」

「んーまあその辺りは硝子に任せるよ」

「…………嵌めとく。常に嵌めてればその内慣れるでしょ、多分。

 暫くは無理そうだけど……追い付きたいから嵌めとく」

 追い付く……か。硝子も硝子なりに何か焦りがあるのか……ま、そりゃそうか。俺はただ見守るしか、出来ない。硝子を信じよう、待ってるよ硝子。

 

 腕輪を見ながら「あのさ、(セイ)。確かに呪具の術式効果は反映されてる、だから呪具はちゃんと機能してるのは分かるんだよ。でもさ、どうやれば術式が使えんのか分かんないんだけど」と呟き、

「あー。そりゃそうか、今まで術式無かったし使えるようにするのも特殊だもんね」と答えた。

 ━




 当作品において憂太君は原作のような純愛イベントは発生していません。ですので里香ちゃんは里香ちゃんとして特殊な式神として居ます。
 ですが、原作におけるリカちゃん的なのも居る?のかもしれません。
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